自転車は様々なパーツで構成されていますが、組み付けに六角穴ボルトが使われていることが多いです。
そのため、メンテナンスには六角レンチが必需品と言って良いでしょう。
この六角レンチには色々な種類もありますので、ご紹介していきます。
また、ハンドルの高さを調整するのも六角レンチ1本あれば可能です。
特にロードバイクは、このハンドルのポジションが非常に大切になってきますので、合わせて調整していきましょう。
自転車のハンドル調整に欠かせない六角レンチ
まずは、自転車のハンドル調整には欠かせない六角レンチですが、自転車業界ではアーレンキ―と呼ばれることも多く、日本工業規格の正式名称は六角棒レンチとなります。
この記事では、六角レンチに統一させていただきます。
自転車のフレームの素材にも使用されるクロモリなどの鋼材で作られており、錆びに強い特徴もあります。
その昔、主流だった四角ボルトが衣服などに引っ掛かりやすいために、外形を円状にした安全ボルトが開発され、その安全ボルトを回すために作られたのが六角レンチでした。
レンチとボルトの接地面が多い上に、ジャストサイズしか使用できないので、ドライバーで回すネジに比べると、ボルトが壊れにくいというメリットがあります。
また、底が丸型になっている「ボールポイント」がありますが、これはボルトに対してレンチを真っ直ぐに差し込めないときに、約30度までの角度なら斜めに差し込めるという優れものです。
通販などでは7~9本組の異なったサイズでのセット販売が多く、ボールポイント付きと通常タイプは半々といったところです。
自転車のハンドル調整におすすめの六角レンチ
さて、自転車のハンドル調整に使う六角レンチですが、6mmのサイズが最も多く使われていると思いますので、6mmがセットの中に入っていれば、ひと安心といったところです。
その他のパーツには4mmや5mmのレンチが使われていることが多いです。
斜め掛けに使う場所もあるので、ボールポイント付きがベストでしょう。
価格はピンきりですが、自転車を趣味としてこれからも様々なところをメンテナンスしていくという人には、ある程度のグレードの物をおすすめしたいですね。
【KTC ボールポイント L形ロング六角棒レンチセット[9本組] HL259SP】
参考価格:¥3,220
京都機械工具という、日本でも屈指の手動工具メーカーの六角レンチセットです。
サイズは1.5mm~10mmまでの9本セットで、もちろん6mmも含まれています。
ボールポイント付きですので、自転車整備にはもってこいです。
他社製に比べると少し高価ですが、コスパは高いのでおすすめです。
六角レンチでのハンドル調整方法①~ママチャリ編
では、自転車のハンドル調整の話をしたいと思いますが、サドルに対してハンドルの高さを高くすると、上体が起きた姿勢になり、低くすると前傾姿勢になります。
ママチャリなどのシティサイクルは、上体が起きた姿勢で乗るのが理想ですが、調整するときは無理のない姿勢にしてください。
調整方法は、まずハンドルの真ん中にハンドルを通している金具(ステム)があり、そこに六角レンチで回す用のボルトがあります。
キャップが付いているときは、外すと中にボルトが見えるはずです。
そのボルトを外さない程度に緩めると、高さを調整できるようになります。
これ以上伸ばしてはダメと言う限界点が示されているので、それ以上は伸ばさないように注意して位置を決め、レンチで締めれば終了です。
このとき、ハンドルがタイヤに対して直角になっているかどうかも気を付けてください。
六角レンチでのハンドル調整方法②~スポーツ自転車編
スポーツ自転車は、ママチャリと少し調整方法が違います。
まず、ステムのトップキャップに付いているボルトを六角レンチで外します。
その後、固定してある横のボルトをある程度緩めると、ステムがフロントフォークから抜けます。
そのフロントフォークにスペーサーという輪っかが何枚か被せてあるのですが、これが高さを調整するものになります。
スペーサーを抜けばハンドルは低くなりますし、逆に足せばハンドルは高くなります。
スペーサーを抜く場合は、外すと言う概念ではなく、場所を入れ替えると考えると良いと思います。
いわゆるステムの下にあったものを、トップキャップとステムの間に挟みこめば良いということです。
逆に、スペーサーを足す場合は購入することになりますが、価格はピンきりで、こだわってくればカーボン素材にするなどの選択肢はありますが、最初は安価な物で十分でしょう。
ステムを戻す際は、ボルトを締めこむ順序が大切です。
まず、トップキャップのボルトから締めこみ、ある程度がたつきがなくなってから、横の固定ボルトを締めこみます。
これはトップキャップのボルトはベアリングを調整する役目があり、先に横の固定ボルトを締めつけてしまうと、ベアリングの調整ができなくなるためです。
ハンドルを調整したら同時にサドルも調整しよう
先ほども触れましたが、自転車の乗車姿勢を決めるにはハンドルだけではなく、同時にサドルの位置も調整しなければなりません。
また、スポーツ自転車のサドルは上下だけではなく、前後の位置調整も六角レンチ1本で可能なので、合わせて行いましょう。
サドルは、サドル本体とフレームのシートチューブを繋ぐシートポストによって構成されます。
まず、高さを変えるにはシートポストを伸び縮みさせれば良いので、ポスト根元のボルトを緩めて、高さを調整します。
前傾姿勢が基本ポジションのスポーツ自転車はサドルを高く、ハンドルを低くが常識ですが、あまりにも高くすると危険なだけです。
目安としては、ペダルをシートチューブの延長線上に持ってきて、かかとで踏んだときに、膝の裏が突っ張らない程度に伸びた状態になる位置が良いと言われています。
ですので、最初はその位置で固定をしてみましょう。
続いてはサドルの前後の位置調整ですが、こちらはサドル本体とシートポストを固定しているボルトを緩めることで、調整が可能になります。
サドルのレールに沿って前後に動きますし、角度も調整できます。
角度は水平が基本、前後位置は実際に行ってみると分かりますが、後ろに引けばハンドルから遠くなるので、より前傾姿勢になり、前に持って来れば上体が起きます。
そのため、サドルは前傾姿勢を深めたい人はハンドルに対して「高く・遠く」、上体を起こしたい人は「低く・近く」すれば理想のポジションを見つけやすくなります。
六角レンチを見返す
最後に、もう一度自転車の調整に欠かせない、六角レンチについて、まとめておきたいと思います。
スポーツタイプの自転車には、今回説明したハンドルやサドルも含め、ほぼ全てが六角の安全ボルトです。
6mmを中心に4mmや5mmが中心になってきますが、クランクなどは太い10mmも必要になってきます。
より細かい調整になってくると、細い方の1.5mmや2mmも使うようになりますので、ある程度本数は持っておくに越したことはありません。
長さは、てこの原理でボルトを締めていくので、基本的には長い方が力が入りやすくなります。
あまりに長いと、携帯に不便かもしれませんが、自宅に常備するなら、ある程度長いタイプがおすすめです。
また、携帯するならば、レンチがひとつのユニットに何本も付いているタイプ、分かりやすく言うとジャックナイフのような形状のものが便利でしょう。
さらにボールポイントは、メーカーによって傾けられる角度が違います。
角度が付きすぎていると、ボルト穴をなめやすくなりますので、25~30度くらいのものが、ちょうど良いです。
自転車のメンテは六角レンチだけでもやれる
今回、ご紹介できなかったパーツでも、自転車のメンテナンスには、ほとんど六角レンチが使われます。
ですから、まず自転車を購入したら、六角レンチは必需品と思っておいてください。
また、ハンドルやサドルは簡単に調整できる上に需要な乗車姿勢を決めるものなので、ぜひ自分で行えるようにしましょう。