チネリのネオモルフェを取り付ける~シマノSTIに合うか?

イタリアのチネリという老舗自転車メーカーのカーボン製ハンドル「ネオモルフェ」ですが、独特の形状や、掌とのフィット感などが、非常に高い評価を受けているハンドルです。

しかし、シマノの「STI」を取り付ける位置に関して、ユーザーさんが悪戦苦闘しているというのですが…

一体どういうことなのか、検証していきたいと思います。

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チネリのネオモルフェ

チネリはイタリアの老舗自転車メーカーで、ロードバイクの完成車からハンドル、ハンドル周りのアクセサリーやウェアに至るまでを販売しています。

中でも、ロードバイク乗りなら誰でも1度は耳にしたことがあると思われる名車「スーパーコルサ」は、かつて自転車の教科書とまで評されたスチールフレームで、現在まで息長く販売が続いています。

今回のテーマである「ネオモルフェ」はカーボンハンドルの上級モデルで、以前は5万円ほどする時期もあったようですが、現在は2万5千円程度で購入できます。

カーボン素材の特徴を生かした、非常に有機的で複雑なデザインのハンドルです。

微妙に丸みを帯びて角を感じさせない上ハンドルに、くびれさせることで指が添えやすくなっているブラケット部も優しい設計です。

ここは本来ならば、シマノ・STIレバーの操作性を高めるものですが…後述しますね。

加えて、下ハンは先が少し持ち上がっているので、一般的な物と比べると、はるかに握りやすくなっています。

また、ケーブルが内蔵できるようになっているので、どこを握ってもワイヤーが手に触れることはありません。

チネリ・ネオモルフェはなぜシマノSTIだと位置決めが難しいのか?

上記のように、随所に企業努力が見られるネオモルフェなのですが、ただ1点だけユーザーさんからの指摘が目立つのは、シマノのデュアルコントロールレバー「STI」を取り付ける位置に関してのことです。

カーボンハンドルは、最初から「ここにレバーをクランプしてください」という位置がザラザラに加工してあるのですが、ネオモルフェの場合、ここにシマノのSTIレバーを付けてしまうと、ものすごく低い位置に付いてしまうらしいのです。

これは、どうやらチネリと同じイタリアのメーカーであるカンパニョーロのブラケットを想定して作られているため、シマノ製だと微妙な位置になるようですね。

ひと口にシマノ製STIと言っても、グレードによって性能も形状も違うので、全てが当てはまる話ではないのでしょうが、少なくとも105とデュラエースに関しては、位置決めの難しさが指摘されています。

もちろんチネリの推奨位置を守らなくても、いくらでもクランプできますし、走行に何ら支障はないようですが、最初は戸惑う方も多いのではないかと思います。

チネリ・ネオモルフェはなぜシマノSTIだと位置決めが難しいのか?②

話が逸れてしまいましたが、ドロップハンドルは持ち手の豊富さが売りですから、その点からしても、ネオモルフェの評価が高いのは頷けます。

どこを持っても掌にフィットするように作られており、特にブラケット部は付け根をくぼませ、指を3本掛けられるスペースを確保しています。

ところが、先ほどもお話したようにシマノのSTIだと、ブラケットを少し上にずらさないとベストポジションに持ってこれないので、このメリットがひとつ消えてしまいます。

あとは、余談のレベルかもしれませんが、形状が独特のため、バーテープが巻きにくいという話は良く聞きます。

ハンドルの至る所にくぼみがあるのはフィット感を出すためですから、当然のごとく大きなメリットではあるのですが、凸凹している所に隙間なくバーテープを巻いていくのは、想像以上に難しいようです。

これからチネリ・ネオモルフェの購入をお考えの方は、その辺も一応考慮に入れておいていただいて、どうしても見た目が気になるという方は、ショップにお願いするのも良いかもしれません。

シマノのデュアルコントロールレバー・STI

少し話が前後してしまうのですが、ここまでの話の中でも頻繁に登場している、シマノのデュアルコントロールレバー・STIって何?という疑問が少なからずあると思いますので、ここで説明させていただきます。

デュアルコントロールレバーとは、ブレーキと変速機のレバーが一体化されているもので、シマノが1991年に実用化しました。

チネリのネオモルフェのようなドロップハンドルのブラケット部に装着して、ブレーキングと変速を行います。

以前は、ハンドルから手を離さなければシフトチェンジができなかったのですが、このレバーのおかげでスムーズに、しかも安全に変速が行えるようになりました。

また、STIとはシマノ・トータル・インテグレーションの頭文字を取った略称で、シマノの登録商標です。

さらにSTIは機械式の変速ですが、シマノの上位グレードコンポであるデュラエースやアルテグラには、変速を電動で行うDi2が搭載されているモデルもあり、それに合わせ、あらかじめ電線が内臓されているタイプのフレームも販売されています。

チネリ・ネオモルフェとカンパニョーロ・エルゴパワー

ブレーキと変速機のシフターが一体化したレバーはシマノのSTIが世界的にも有名ですが、ロードバイクのコンポーネントの1パーツであることから、コンポーネントを扱っているイタリアのカンパニョーロやアメリカのSRAMも一体型レバーをリリースしています。

しかも、それぞれがこの一体型レバーについては構造の特許を取っているので、真似できませんし、当然仕様が違います。

こういったライバルメーカーの評価は、中々公平な判断が難しく鵜呑みにできないものですが、カンパニョーロのエルゴパワー(レバーの名前)は、コンパクトで握りやすいという評価が目立ちます。

しかし、変速性能については、シマノに軍配を上げる人の方が多いです。

日本人のインプレしか見ていないから、そうなのかもしれませんが、シマノは変速がカチッと決まる印象で、カンパニョーロはゆっくりと変速されていくような感覚らしいです。

また、チネリのネオモルフェとの相性についても、カンパニョーロを意識していると言われるだけあり、確かに取り付けに関してはエルゴパワーの方がしっくりいくようですが、シマノ・STIがネオモルフェの性能を阻害するようなことは無いので、何とも言い難いところです。

チネリとシマノ製コンポーネント

チネリのカーボンハンドル「ネオモルフェ」は取り付け位置という観点からすれば、カンパニョーロのエルゴパワーを意識したものだということは分かりました。

しかし面白いことに、チネリのロードバイクの完成車に搭載されているのは、ほとんどがシマノ製のコンポーネントです。

考えられることとすれば、コストの問題でしょう。

カンパニョーロのコンポはシマノ製の同グレードと比較しても、全体的に値段が高めなので、コンポ一式をカンパニョーロで組んでしまうと、完成車の値段が跳ね上がってしまうということです。

チネリは世界的名車と言われるスーパーコルサを中心に、フレームセットのみの販売が多く、完成車の販売は限られています。

特にスーパーコルサなどはフレームだけで30万円はする代物ですから、カンパニョーロの上位グレードのコンポや、セットで10万円前後はする高級ホイールの「シャマルミレ」や「シャマルウルトラ」なんかで組んだら、奥さんが実家に帰って二度と帰ってこなくなってしまうかもしれません…

イタリアと日本の融合

今回は、チネリのネオモルフェとシマノのSTIレバーについて考えてみました。

チネリの技術の高さが随所にうかがえるネオモルフェと、シマノの世界最高レベルの技術力の融合は本来、素晴らしい効果をもたらせてくれるはずです。

STIレバーの取り付け位置の問題は少し残念ですが、ぜひ色々と試し、自分なりのベストポジションを見つけていただきたいと思います。