発売以来、40年以上変わらないフォルムで販売を継続してきたのが、チネリのスチールフレーム「スーパーコルサ」です。
各メーカーが上級モデルにカーボンフレームを採用する中、チネリの意地と誇りが感じられるのがスーパーコルサです。
またフレームサイズが17種類と豊富で、どんな身長の方にも合わせやすいのも大きな魅力です。
今回は、そんなスーパーコルサを見ていきたいと思います。
チネリスーパーコルサとは
イタリアの老舗自転車メーカー「チネリ」の象徴とも言え、かつては自転車の教科書とまで言われたのが「スーパーコルサ」です。
イタリアのロードバイクの礎を築いたと言っても過言ではないほど、イタリアロード界に強い影響を残しています。
クロモリ特有の細身でスタイリッシュなフォルムに、スチールならではのバネの効いた走りと粘り強さが特徴的です。
現在は480㎜~640㎜まで、10㎜刻みで17ものサイズが用意され、身長に合わせやすくなっています。
また、ボディカラーは全8色に加え、スーパーコルサ限定の桜ピンク「ローザ」があり、再塗装も可能です。
40年の歴史は良くも悪くも長いので、今でもファンが多い一方で、時代遅れと揶揄する声があるのも事実です。
しかし、それは個人の価値観の違いであり、耐久性が売りのクロモリ素材であるがゆえに再塗装なども手掛け、1台に長く乗ってもらいたいという、チネリの真摯な姿勢が垣間見えます。
チネリスーパーコルサのサイズ選び~身長にどう合わせる?①
チネリのスーパーコルサのフレームサイズは1cm刻みで全17サイズにものぼるため、決めるのには迷いそうですね。
一応の身長の目安を示せば150cm~200cm(平均)までとなりますが、これでは中学生からバスケットボールの選手までと言っているのと同じなので、やはり実際に乗ってみないことには何とも言えないところです。
また、ロードバイクはフレームサイズよりもトップチューブ長が重要という意見もあります。
トップチューブはフレーム上辺にあり、ヘッドチューブからシートチューブまで伸びています。
このトップチューブが地面に対して、およそ平行に伸びているフレームを「ホリゾンタル」と言い、シートに近づくにつれ、少し下がっていくのを「スローピング」と呼んでいます。
スーパーコルサは完全なホリゾンタルフレームですが、今の主流はスローピングです。
自転車のサイズはジオメトリー表に記載されていますが、そこにはスローピングフレームであろうと、地面に対して水平に伸びていたと仮定する「ホリゾンタル換算」をしたトップチューブ長が記載されています。
このトップチューブ長こそが、ロードバイクを選ぶカギになるということなんですが…
次項で詳しく説明します。
チネリスーパーコルサのサイズ選び~身長にどう合わせる②
トップチューブ長は、乗車姿勢に大きく関わってきます。
というのも、トップチューブの長さが長いほどシートポジションが後ろに下がり、ハンドルとの距離が遠くなります。
そのため、特に乗車姿勢が重要なロードバイクの場合、このホリゾンタル換算・トップチューブ長が大切という訳です。
では、どのように選べばいいのか、手順を説明しましょう。
まずはジオメトリー表ですが、チネリは適応身長が記載されていないので、別メーカーのものをおおよその目安にします。
今回は世界一の自転車メーカーと評されている「ジャイアント」のジオメトリー表を参考にして、身長170cmの方と仮定してサイズを選んでみます。
ジャイアントによると、身長170cmの人に適したホリゾンタル換算・トップチューブ長は535㎜ということです。
これをスーパーコルサのフレームサイズに合わせてみると、535mmの「52cm」が適応サイズということになります。(チネリはフレームサイズがcmで記載されています)
各メーカーのジオメトリ―表に記載されている適応身長には微妙な違いはありますが、このようにして身長から自分に適したトップチューブ長を知っていれば、サイズ選びに大いに役立つことは間違いありません。
チネリスーパーコルサのサイズ選び~身長にどう合わせる③
上記では、ジオメトリー表からフレームサイズを選ぶ方法をご紹介しましたが、やはり実際に試乗してみることに勝るものは無いでしょう。
しかし、チネリスーパーコルサはフレームセットのみの販売なので、完成車が組んであり、なおかつ試乗までさせてくれるショップが簡単に見つかるとは思えません。
そこで提案したいのは、自分の身長に合うであろうサイズのロードバイクに、何でも良いから乗せてもらうことです。
とりあえず何台か乗ってみて、一番しっくりくる自転車のトップチューブ長を測らせてもらえば良いのです。
もちろん測った長さは万国共通ですから、スーパーコルサであろうと適応できますし、何より実際に試乗してフィットした上での数値なので、かなり精度は高いです。
特にスーパーコルサはトップチューブ長が510mm~595mmまであるので、適応身長じゃなくても試乗してみてフィットすれば、それを参考に選ぶのもアリだと思います。
スーパーコルサの性能はどうか?
さて、チネリスーパーコルサの適応身長からのサイズ選びをご紹介してきましたが、性能面はどうなのかをまとめてみたいと思います。
冒頭でも少し触れましたが、アルミでもなくカーボンでもない、昔ながらのクロモリというところに集約されていると思います。
ですから、多少車重が重くなるのは否めませんし、細かい振動は抑えてくれているような感じがしますが、路面からの衝撃は、少なからず伝わってきます。
ただ剛性は意外と高く、強いトルクを掛けてもゆがんだりしないので気持ちよく加速できますし、弱点と言われがちの高速巡航も不利と断言できるようなレベルでは無く、十分満足いくと思います。
さすがに40年以上ほぼ同じ仕様で作られているので、本格的なレース向きのロードとまでは言えませんが、合わせるパーツによっては、同価格帯のカーボンフレームを凌ぐマシンになるはずです。
長期間乗れるクロモリフレームということを考えれば、長い目で見てコスパも優秀ですからね。
スーパーコルサに合わせたいパーツ
スーパーコルサはフレームのみの販売なので、その他は自分でパーツを選び組み上げていくことになります。
もちろん、人それぞれの趣味・趣向や、身長・サイズも関係してくるので、一概に言えないのですが、こんな組み合わせも良いかもしれないという、おすすめをいくつかご紹介しましょう。
まず、コンポですが、理想はチネリと同じイタリアのカンパニョーロではないでしょうか。
価格や性能、入手のしやすさからすれば、断然シマノということになるでしょうが、クラシカルなクロモリフレームには、どことなくデザインが近代的過ぎる気がします。
価格はちょっと張りますが、耐久性を考えると「コーラス」辺りがおすすめになります。
また、ホイールですが、少しでも軽量化を図るならカーボンリムということになりますが、見た目の統一感を出したいので、リム高が低いものを合わせたいですね。
個人的には、カンパの「ニュートロンウルトラ」が良いかなと思います。
シャマルウルトラだと、少しレーサーよりな感じがしますので、ニュートロンが良いと思います。
スーパーコルサは一生もの!
今回はチネリ・スーパーコルサの魅力についてお話してきました。
価格は約30万円とカーボンフレーム並みではありますが、10年、20年と乗れると思いますし、自分好みのパーツをカスタマイズしていける楽しみもあります。
一生ものの1台と考えれば、決して高いものでは無いかもしれませんね。