アメリカの自転車メーカー・キャノンデールは、世界で初めてMTBを販売したことでも有名ですが、現在はブランド名としては残っていますが、倒産により会社組織はありません。
ロードバイクにおいては「CAAD」という独自のアルミフレームで、カーボンに負けない軽量化を図っています。
サイズが豊富なのも特徴ですが、今回は人気のサイズ「52」を中心にキャノンデールのロードバイクを見ていきたいと思います。
キャノンデールのサイズ52とは?①~フレームサイズとは?
まず、キャノンデールの話に入る前に、ロードバイクのフレームサイズについて触れておきたいと思います。
各メーカーがジオメトリ表を自転車ごとに出していますが、フレームサイズというのはクランクを取り付けるBB(ボトムブラケット)の中心軸から、サドルとシートポストを取り付けるシートチューブの上端までの長さを表記しています。
簡単に言うと、フレームサイズというのは、サドルを除いた自転車の高さを表していることになります。
キャノンデールは少し曖昧なんですが、例えば、人気のアルミフレームモデル「CAAD12」のジオメトリ表によると、サイズ52のシートチューブ長は53.6(cm)になっています。
その辺りは大雑把なアメリカメーカーらしいということですが、多くのメーカーがシートチューブ長をフレームサイズとしています。
また、このサイズによって目安の適応身長を出しているメーカーもあります。
キャノンデールは出していませんが、世界一の自転車メーカーと言われている台湾のジャイアントによると、サイズ515(51.5)の適応身長が180~190cmになっています。
もし、これを参考にすると、キャノンデールには58(cm)までサイズがあるので、2m超えの人でも安心して選べますね。
キャノンデールのサイズ52とは?②~適応身長から選んで良い?
さて、適応身長からフレームサイズを選ぶ訳ですが、ロードバイクで重要な要素のひとつに乗車姿勢があります。
元々がドロップハンドルで前傾姿勢になるように作られていますが、ハンドルとサドル間の距離も乗車姿勢に大きな影響を与えます。
そのため、ジオメトリ表の一番上に(ほとんどのメーカーがそうです)記載されているトップチューブ長が、サイズを選ぶ大きなカギになります。
では、適応身長を出しているジャイアントのジオメトリ表から、身長170cmの人に適したトップチューブ長を調べてみます。
適応身長は165~175cmのゾーンになりますので、これによるとトップチューブ長は530mm(53cm)が適正ということになります。
それをキャノンデールの「CAAD12」に当てはめてみると、トップチューブ長に53.4cmという規格があり、そのフレームサイズが「52」になります。
メーカーによって『フレーム形状』『シートポストの取り付け角度』『ヘッドチューブからハンドルまでの距離』が微妙に違ったりはしますが、ジオメトリ表に記載されている寸法は、ほとんど同じ場所を測ったものですから参考にして大丈夫です。
キャノンデールのサイズ52とは?③~試乗してみましょう
さて、適性なトップチューブ長が分かったところで、いざサイズ選びとなるわけですが、やはり試乗はした方が良いでしょう。
今はネット通販全盛時代ですから、完成車が通販サイトでも販売されていますし、しかも定価よりも大幅に安いです。
しかし、仮に通販で買うとしても、試乗させてくれるショップを見つけて、乗ってみることが大切です。
ただ、そうは言っても、お目当てのロードバイクの試乗車が簡単に見つかるとは限りません。
しかし、適性のトップチューブ長さえ分かっていれば、そのサイズのロードバイクなら、何でも良いので試乗させてもらえばいいのです。
それで、おおよその乗車姿勢とサイズ感は把握できるはずですから。
特にキャノンデールの「CAAD12」などの人気機種になるとフレームサイズも豊富ですから、前項で例に挙げた身長170cmの人でサイズ「52」が合わなくても、まだ小さい方に3つ、大きい方に3つサイズが用意されているので、いくらでも合わせられると思います。
キャノンデールの歴史
では、ここからはキャノンデールについてお話したいと思います。
キャノンデールは1984年に、世界で初めてMTBを発売したメーカーとして有名になりました。
その後も、フロントフォークを左側だけに付ける「LEFTY」や、BBのクランクシャフトの幅を広げた「BB30」の開発など、とにかく独自の目線で革新的な開発を続けているメーカーです。
中でもアルミフレーム「CAAD」は、カーボンフレームに引けを取らない超軽量で、通称「カーボンキラー」とも呼ばれています。
「CAAD12」のアルテグラモデルの完成車がサイズ52で7.4kg前後ですから、下手なカーボン車は太刀打ちできないほどの軽さです。
そんな独創的な進化を続けてきたキャノンデールですが、隆盛は長く続かず、2003年モーターサイクルに乗り出したことも仇となり、この年事実上の倒産となりました。
その後は、これまで頑なに守ってきた「アメリカ国内生産」「アルミのキャノンデール」のイメージを一新し、アジアへの製造拠点の移転やカーボンフレームの取り扱いなどにより、再建を果たしました。
現在はアメリカのドレル傘下、サイクリングスポーツグループ社(CSG)のブランドのひとつとして残っています。
CSGブランドには、MTBで世界的な評価を得ている「GT」もあります。
「カーボンキラー」CAADの存在感
会社組織を失い、ブランドのひとつとなった今でも「アルミのキャノンデール」の看板に偽りはありません。
また独創性も捨てておらず、ロードバイクは全車シマノのコンポで組んであるのですが、クランクとBBだけはシマノ製を搭載している機種はありません。
BB30への飽くなきこだわりが見えますが、それでもシマノのフロントディレイラーとの相性は良いらしいので、心配する材料ではありません。
さて、人気アルミフレーム車【CAAD12】ですが、アルテグラ搭載モデルで参考価格26万円となっています。
スペックはカーボンフォークにマビックのホイール、フィジークのサドル、ドライブトレインがアルテグラですから、有名メーカーの良いとこ取りという感じのロードです。
ホイールは、マビックではエントリーモデルですが、他社の中位モデルに引けは取りません。
サイズは44・48・50・52・54・56・58と揃っており、小柄な方や女性にも嬉しいサイズ展開となっています。
スペックを考えると、カーボンフレーム車なら50万円はする装備なので、コスパも良いと思います。
30万円前後のロードを探している人には、選択肢にぜひ入れたい1台ですね。
キャノンデール【CAAD12】とジャイアント【TCR ADVANCED 1 KOM】を比較
ロードに詳しい方は、すぐにお気付きになると思いますが、この2機種が比較されるということは、ほとんど無いと思います。
なぜかと言うとフレームの素材が違うからで、【CAAD12】はアルミ、【TCR ADVANCED 1 KOM】はカーボンフレームです。
では、なぜこの2つを比較するのかというと、重量が同じくらい、メインコンポがアルテグラ、そして価格が近いからです。
【TCR ADVANCED 1 KOM】は470mmサイズで7.7㎏と公表されていますので、先ほどご紹介したキャノンデールのサイズ52の重量と、ほぼ変わらないと思ってもらって良いです。
【TCR ADVANCED 1 KOM】は11-32Tというワイドレシオなギア構成なので、ヒルクライム寄りの適性があるロードです。
そういった意味では、やはりヒルクライム向きと評される【CAAD12】との比較は、あながち間違っていないと思います。
フレーム自体の価格はさすがにカーボンの方が高いので、それでトータルの価格があまり変わらないということは、その他の装備品のグレードが圧倒的に【CAAD12】の方が上ということになります。
ですからカーボンフレームを体感してみたいなら【TCR ADVANCED 1 KOM】、走行性能追求なら【CAAD12】という考えで良いと思います。
キャノンデールは面白い!
今回はキャノンデールにスポットを当ててみたのですが、独創性やこだわりを今も持ち続けていて、楽しいブランドだなと思いました。
特にアルミフレームのCAADは、今でこそ匹敵するような軽量アルミが他メーカーにも見られますが、先駆者としての意地を失わず、今でも革新を続けていることが良く分かりました。
何かとお騒がせなブランドではありますが、これからも楽しませてくれそうですね。