アメリカの自転車メーカー・スペシャライズドのアルミロードバイク「アレー」が2018年モデルチェンジします。
スペシャライズドの多彩なラインナップの中でも、特に初心者向けのエントリーモデルとして人気の高いアレーは、どんなロードバイクなのか見ていきたいと思います。
また、リニューアルされる2018年モデルも確認してみましょう。
スペシャライズドはアレーと共に成長
まずは、アレーを発売しているスペシャライズドというメーカーを説明します。
1974年にアメリカのカリフォルニア州で創設されました。
その5年後に2018年モデルチェンジされるアレーを発売しているので、アレーは2017年現在、40年弱販売が続いているモデルになります。
また、当初のアレーには、日本製のフレームが使われていました。
1981年には、世界初となる量産型MTB・スタンプジャンパーを販売し、大成功を収めます。
スタンプジャンパーも現在まで販売が継続していますが、当初は日本の新家工業のOEM生産でした。
その後、廉価版ブランドなどを手掛けたことで混乱に陥り、倒産しかけますが、2001年に台湾大手のメリダに株式の49%を譲渡し、何とか危機は免れました。
今でも、メリダは多くのスペシャライズド製品を手掛けており、その関係は続いています。
品揃えに関してはロードバイク・MTBが中心ですが、ヘルメットやシューズなどにも力を入れています。
また、女性用の品揃えが多く、男性用のサイズダウンに留まらず、女性ユーザーからのフィードバックを元に開発・製造されています。
製品の評価が高く、一定の地位を築いているメーカーですが、商標や知的財産権を巡り数々の訴訟を起こしては、消費者から反感を買うようなところもあります。
「革新を、さもなくば死を」が社是のように、攻めの姿勢を崩さない社風が、こんなところにも垣間見えます。
スペシャライズドのアレーとは?
さて、2018年にリニューアルされるアレーですが、スペシャライズドのロードバイクで、最も歴史があるモデルです。
人気があるから、これだけ長期間販売が継続されてきたのです。
アルミフレームのメリットを最大限生かし、高剛性のレース仕様から、エントリーモデルにうってつけの万能型まで、幅広いラインナップがアレーの魅力です。
2016年モデルからは、上位カーボンロードの技術を踏襲したエアロフレームモデルの「Sprint」も導入されており、革新のスペシャライズドの名に恥じない開発がされています。
また、アレーの魅力はコスパの高さです。
エアロモデルのSprintは、2018年モデルにもラインナップされていますが、旧モデルからコンポにシマノ・105、フルカーボンフォークにシートポストは上位カーボンロードのものを、そのまま使用しています。
スペックとしては、エントリーモデルの域は超えていますが、それでいて20万円を切る価格は驚きです。
スペシャライズド・アレー2018モデルの特徴
スペシャライズド・アレーの2018年モデルの特徴をお話していきましょう。
2018年モデルの最大の特徴は、ジオメトリの変更にあります。
コンポーネントをグレードアップすれば、ホビーレースレベルで十分に戦えるほどにレース仕様だったものを、ヘッドチューブとホイールベースを長めに取り、リラックスして乗れるポジションとしました。
エンデュランス系の「ルーベ」に近付けただけではなく、安定した走行性能を実現して、より万能性を待たせる作りになっています。
また、タイヤサイズが標準で700×25Cであることは変わりませんが、クリアランスを取ってあるので、28Cも装着可能となっています。
さらには、フレームの各所に泥除けやキャリアが取り付け可能となるダボ穴が切られているので、ツーリングや街乗りも意識した設計になっています。
現在(2017年8月)までに発表されている2018年モデルは、「Allez DSW SL Sprint Comp」、「Allez Elite」、「Allez Sport」、「Allez Junior 650c」の4種類になります。
次項から詳しく見ていきたいと思います。
アレー2018モデルの詳細①
では、機種ごとにアレー2018年モデルを見ていきたいと思います。
【Allez DSW SL Sprint Comp】
参考価格:¥178,000
ハイエンドモデルとなるDSW SL Sprint Compは、前年までと同様にエアロフレームにカーボンフォークとシートポストを採用しています。
ホイールにDT Swiss、クランクに105を採用したのが前モデルからの変更点で、パーツのグレードアップが見られます。
そのぶん少し価格も上がりましたが、ホビーレースでも戦えるレベルなのは相変わらずで、コスパの高い1台であることに変わりはありません。
【Allez Elite】
参考価格:¥162,000
先ほども触れましたが、エンデュランス寄りのジオメトリに変更されたEliteは、コンポもリア10速のティアグラから、11速の105にグレードアップされました。
フレームの後ろ三角が細身のパイプになったことにより、しなやかで車輪が浮いたり、ばたついたりしない路面追従性がアップしているので、とても乗り心地が良くなっています。
また、フルカーボンのフロントフォークに変更になったので、ハンドルの振りが軽くなり、安定するようになっています。
さらにホイールが、スペシャライズドのロードセカンドグレードである「Tarmac」に装備されているDT Swissのホイールになったのも、走りの軽さに繋がっています。
アレー2018モデルの詳細②
【Allez Sport】
参考価格:¥108,000
スペックを見ると、これがエントリーモデルの中のエントリーモデルですね。
それでも、シマノ・ソラを採用していたり、フルカーボンフォークは信頼度が高いですね。
Eliteもそうですが前モデルに比べ、2018年は450gの軽量化を図っており、エントリーモデルとしては本当に革新的なリニューアルであることが分かります。
長いスパンで考えると、ブレーキやクランクはカスタマイズしたいところですが、スペシャライズドのアルミフレームの技術の高さは、このクラスでも十分に体感できます。
また、耐久性にも優れているので、長期間乗ることができる1台だと思います。
【Allez Junior 650c】
参考価格:¥97,000
こちらは名の通り、フレームサイズ44のジュニア向けアレーシリーズの1台です。
650Cに対応したフレーム設計になっており、フルセットではありませんがシマノ・クラリスを採用するなど、若い内からロードに親しむには十分なスペックと言えます。
アレーの2018モデルはエントリーグレードの域ではない
では最後に、スペシャライズド・アレーの2018年モデルを、もう一度まとめてみたいと思います。
2018年、大きなモデルチェンジとなるのはEliteとSportで、フレーム形状の変更とフルカーボンフォーク採用により、大幅に軽量化されました。
総重量は未発表ですが、450gの軽量化は驚きのレベルです。
また、ジオメトリが変更され、アップライドな姿勢で乗れるようになったのも、エントリーモデルとしては有り難いことだと思います。
泥除けやキャリアが装着しやすい仕様にもなりましたので、試乗した人から早くも「街乗りに最適」なんて声が挙がっているほどです。
個人的には105を搭載し、上位モデルと同じホイールを履いたEliteのスペックに、大いに興味があります。
ブレーキをもう少し信頼感の高いシマノなどの物に交換できれば、エントリーモデルの域は遥かに超えているので、最初の1台からかなり長期間乗れると思います。
アレーの進化はどこまで続く?
今回はスペシャライズドのアレーを見てきました。
アルミエントリーモデルとして確固たる地位を築いてきたアレーは、2018年革新的なリニューアルを果たすことになります。
特にスペックが大幅にグレードアップするEliteは、ロード初心者のみならず幅広いユーザーから支持を受けてもおかしくない1台です。
今後、新たな2018モデルのラインナップの発表があるかもしれませんので、楽しみに待ちたいと思います。