ロードバイクにキャリアは取り付けられる?

こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
ロードバイクを乗っていると、ある日、ちょっと荷物でも積んで二泊三日くらいの旅行でも行ってみようかな、って考えたりすることってありますよね。そういう時にちょっと荷物を載せられるキャリア、荷台が取り付けられると嬉しいですよね。
そんなわけで今回はロードバイクとキャリアのおはなしです。

ロードバイクの種類とキャリアの種類①

ロードバイクにキャリアを取り付けると一口に言っても、ロードバイクにもいろいろな種類があります。取り付けられるキャリアもいろいろ。簡単に見ていきましょう。
取り付けられるキャリアが少ない車種から順に見ていきます。基本的には積載量の多い車体であれば、少ない車体に取り付け可能なキャリア類は取り付け可能です。
ただ、ロードバイクは荷物を積むというのがメインの目的ではないので、荷物を積むことでフレームなどにメーカーの想定外の負荷が掛かるということは覚えておいて下さい。

・30万円以上のレース向きの車種
一番、キャリアが取り付けにくい車種です。軽量なカーボンを使っているものが多く、荷物の積載はゼロに等しいとさえ言えます。
荷物を載せるとしたら、大型サドルバッグ、あるいはトライアスロンでよく使われるサドル後ろのボトルケージにツール缶二本差しなどが有力でしょう。
あとは、ハンドルの材質にもよりますがハンドルバーバッグも候補にあがります。カーボンハンドルの場合はやめときましょう。

・一部の20万円台のフルカーボンの車種
フルカーボンのロードバイクと一口に言うものの、20万円台のフルカーボンのモデルの場合、ある程度重量もあり、極限まで軽量化されているというわけではないものもいくらかあります。シートポストをアルミのものにして、そこにシートポストに取り付けるキャリアを使えばかなり積載量を作れます。ただ、あまり重いものについてはフレームへのダメージとなる可能性もあるので避けるべきでしょう。
キャリアの積載重量とフレームの積載重量は違いますので注意して下さい。

シートポストキャリアを使う時のコツは、軽くてかさばるものをシートポストキャリアに、小さいけど重量のあるものは自分でリュックなどで背負う、自分の身体をサスペンション代わりにすることで自転車への負担を減らすということです。

ロードバイクの種類とキャリアの種類②

・値段の高い超軽量アルミロードバイク
レースでもバリバリ使えると言われる超軽量アルミのモデル、具体的に言えばトレックEmonda ALR、キャノンデールCAAD12、ジャイアンのTCR SLRなどの車種は30万円以上のレース向きラインナップと同じ扱いをする方が良いです。シートポストをアルミに変えてもシートポストキャリアは使わない方が良いでしょう。
というのも、超軽量アルミ=超薄アルミです。もちろん通常走行については安全性は問題ないでしょうが、それ以上の荷重、特にキャリアから受ける荷重での安全性までは分かりません。
アルミと聞くと強いというイメージを持つ人もいるようですが、軽量モデルについては決して強いものではないので気を付けて下さい。

・一般的なエントリー向きのアルミやクロモリのロードバイク
もちろんロードバイクには違いないので、荷物を馬鹿みたいに積めるというわけではありません。しかし、ダボ穴のないフレームでもキャリアを取り付けるためのアダプタ類を使えば、ある程度までのキャリアは取付可能です。
アダプタとして分かりやすいのは、シートクランプ、シートポストの高さを調整するネジの付いている部分ですね、あれにダボ穴が付いているというタイプのものです。下側、ホイールのハブ近くに固定する方のダボ穴については、クイックと一緒にプレートを絞め込んで、そのプレートにキャリアのボルトを固定するという物が手軽で便利でしょう。Botragerからそういうキャリアが出ていますね。フレームに干渉しないようにできれば良いので、自作するという人も時々います。(もちろん、自己責任で)
また、樹脂でフレームと固定するというタイプもいくつかあります。ミノウラ、NITTOあたりがいくつか出していたと思います。あまりに重い荷物は難しいかもしれませんが、ある程度までは頑張ってくれるでしょう。
また、スチールのキャリアについては強度は強いですが、キャリア自体の重量がありフレームへの負荷が増えますので、ロードバイクの場合はアルミの中空パイプのような、積載量は落ちるけれど軽いタイプのものが適している場合が多いです。

サイクルトレーラーというリヤカーみたいなものを牽引するという方法もあります。
トピークのものが手に入りやすいと思います。

キャリアの取り付けもいいけど荷物を減らす①

ロードバイクの場合、キャリアの取り付け方法はだいたいそんなもんでしょう。
キャリアを取り付けてキャンプツーリングなんかがしたいという場合は、それ専用のツーリング車を購入するか、或いはリュックサックに荷物を入れて走るかという方法になります。
ソロのキャンプツーリング装備であれば、40リットルのザックでも何とかなるでしょう。登山用ザックの中には細くて縦長のものもありますが、自転車の場合、縦長だとヘルメットの後ろがザックと干渉するので、上に長くないものの方が使いやすいでしょう。
一泊二日程度であれば、テントと寝袋とフランスパンとサラミだけでも問題ありません。温かいものが食べたければバーナーとクッカー、米、水、レトルトカレーあたりを入れておいても良いですね。
自転車でのキャンプツーリングの場合、登山と違って市街地も走りますし、キャンプ場の近くには何かしら食料が買える場所というのも少なくありません。食料についてはキャンプ場についてから、近くに買い出しに出掛けるという方法でも問題ないということも。あるいは珈琲を沸かすセットだけ持って行って、あとは普通に外食と弁当。テント横では手軽に出来る珈琲だけ楽しむという方法もあります。トランギアのアルコールストーブなどが便利です。
ただ、基本的にクッカー類はあまり必要ないです。最近は山でも、水を入れるだけで化学反応で温かいご飯が出来るアルファ米なんかもありますし。クッカー類を減らすだけで荷物はかなり減ります。
でも、野外炊事は男の浪漫なので、僕はMSRのガソリンストーブで盛大にレトルトカレーを温めて、食後の珈琲、それからウイスキーのポケットボトルでテントで眠るなんていうのが好きではあります。あとはスーパーが近くにあれば、一人焼き肉をすることも。ソロツーリングの場合、野菜を切ったりの料理というのは食べきれないということも多いので現実的ではありません。
公園野宿や道の駅野宿の場合は火を使うのは遠慮しといた方が良いでしょう。

キャリアの取り付けもいいけど荷物を減らす②

キャンプツーリングではなく、ビジネスホテルでも良いという人の場合はさらに荷物が減らせます。テント、寝袋、食料が減るのはありがたいことです。
代わりにビジネスホテルツーリングをする場合には、増える荷物があります。着替えです。人によってはホテルの寝間着だけあれば良いという人もいますが、せっかく別の町まで行ったら、夜にちょっと一杯飲みに行きたいというのはありますよね。

僕が日本国内を走っていた時も、一応一着だけ襟のついたシャツを持っていました。適当な飲み屋にでも入って少し話なんかすると「へー、自転車ってそんなに遠くまで走れるもんなんだね」と当時は言ってもらえました。今はもう自転車も随分広まったので、少し反応は違うかもしれませんが。どちらにせよその近くの良い場所や、土地の人間のにおいみたいなものが感じられて楽しいものです。ファミレス、牛丼屋の方が楽に食べ物には辿り着けますが、財布の都合と勇気が出ればどこか小さな店に入るほうが楽しいです。
ですから、学生時代にそうして日本国内を走っていた頃はサイクルジャージ、レーパンという格好ではなかったです。普通の格好、Tシャツ、短パンなんかの方が気になったところがあればすぐに入れるので楽なんですね。ゴルフウェアなんかは速乾、消臭というスポーツウェアの機能を持ちあわせていながら、紳士のスポーツらしく襟もついていますし便利でした。

ロードバイクとクレジットカードだけでも

ただ、僕のツーリング技術というのは学生の貧乏旅行のテクニックが多いです。海外の場合はサバイバル技術とか、通じない言語でいかにコミュニケーションを取るかみたいな少し違う方向の能力ですので話が別ですし。
ちなみに、海外でも国内でも基本的にはさわやかに堂々と挨拶しとけばだいたいのことは何とかなります。
「こんちわー、よく分からなくて困ってるんですけど教えてくれませんかー?」
そんな感じで大丈夫です。あとはなるようになります。ならないこともあるかもしれませんが、死人に口なしなので深刻な失敗例というのはあまり世間には流れませんね。何とかなったので今もこうして生きているっていうことですからね。

ただ、大人の二泊三日自転車旅行と言えば、いくらか優雅にやりたいもんです。
あれこれ装備など持たずにいつものサイクリングと同じ格好で、自分の愛車、高級ロードバイクで風になりたいっていうのも良いものです。
そういう場合、必要なものは特にありません。
クレジットカード一枚持っていれば、宿には泊まれますし、町を散策する服が欲しければユニクロでも入れば5000円ほどでズボンもシャツも買えるでしょう。一日着て捨ててしまうという人もいますし、何だか環境に悪い気がするという人は宅配便で家に送っても良いわけです。
綺麗な海があって海に入りたければ海パンを買っても良いわけです。
極端な話、海外だって飛行機に乗って現地の自転車屋で自転車買って走ったって良いわけです。日本に持って帰るのが難しければ、現地で売って帰ったっていいわけですし、泊まった宿の少年にプレゼントしたって良いわけです。

まとめ「無理してキャリアを付けなくても」

ロードバイクに取り付けられるキャリアのお話のはずが、最終的にキャリアがなくても、荷物が積めなくてもという話になってしまいました。
でも、本当にそうなんです。自転車って線路がなくてもガソリンがなくても、道と自転車だけあればどこでも行けるんですから、あまり固く考えて、「何泊何日だから装備を揃えないといけない」とかまで考えなくても良いんです。困れば携帯電話でタクシーを呼んで町の自転車屋さんまで行ってもらえば良いわけです。
特にロードバイクは速さが気持ち良い、遠くまで行けることに快楽を感じられる乗り物ですから、無理に荷物を積まないというのも一つの選択肢です。
テントとレトルトカレーと珈琲が楽しみたいだけならロードにリュックサック、あるいはツーリング車を一台用意するというのも良いですね。