今この記事を読んでいる人のなかで、自転車が盗難された経験をお持ちの方もきっといると思います。
残念なことに、自転車の盗難被害はまだまだ減らず、今こうしている時にもどこかで盗難被害にあっている方もいるかもしれません。
盗難されたときに警察に被害届を出したら、自転車は戻ってくるのでしょうか。
自転車が盗難された場合の被害届の出し方
自転車が盗難にあった場合の被害届けの出し方をご紹介します。
自転車の盗難に遭ったら、最寄りの警察署か交番に被害届を出します。
その際には、
・印鑑
・防犯登録カード
・防犯登録の控え
を持っていきます。
防犯登録の控えを失くしても、購入した自転車屋さんで調べてもらうことが出来るそうです。
住所・氏名のほかに、自転車が盗まれた場所や時間なども聞かれますので覚えておくとよいでしょう。
そして、盗まれた自転車が見つかったら警察から知らせが来ます。
高価な自転車でなくても、被害届を出しておくべきです。
被害届を出しておくと、盗まれた自転車が放置され、行政に撤去された場合、撤去料を免除されるからです。
また、盗まれた自転車は放置される場合が多く、そのような自転車は撤去され、保管所で保管されます。
その後、保管所に自転車を取りに来るようにとの連絡があります。
被害届を出していない場合は、撤去料を支払わなければなりません。
ひどいときは県外で発見されることもあるそうなので、自転車の盗難に遭ったら被害届を出しておくべきです。
盗難された自転車は被害届を出すことで戻ってくる?
盗難に遭った自転車は被害届を出すことで戻ってくるのでしょうか。
残念ながら戻ってくることはほとんどないというのが現状のようです。
自転車の数があまりにも多いというのが、その理由です。
平成25年の総務省の調べでは、国内の自転車保有台数は7000万台を突破しています。
また、自転車は防犯登録が義務化されているので、データを照合すれば持ち主を特定することが可能ですが、普通に運転されている自転車の防犯登録データを照合することは、いかに技術の進歩した現在でも非現実的です。
従って、データを照合して盗まれた自転車であると特定できるのは、放置されている自転車に限られているのです。
つまり、盗まれた後、被害届を出してもその自転車が放置され、保管所に置かれてデータが照合されない限り、自転車が戻ってくる可能性はほとんどないと言っていいでしょう。
また、戻ってきても「新品の時に盗まれたのに帰ってきた時は錆びだらけだった」ということもよくあるようです。
しかし、そうやって戻ってくる自転車のほとんどがいわゆるママチャリで、スポーツバイクの窃盗では、大半が転売を目的としたプロの仕業なので、こういったケースはほとんど見られないようです。
自転車盗難の被害届は意味がないの?
自転車の盗難に関しては、警察が積極的に捜査することはないし、盗難に遭って自転車が放置され、防犯登録のデータが照合されたりしない限り、戻ってくることはほとんどありません。
それなので、自転車の盗難に遭ったら、ほとんどの場合、「戻ってくることはないのであれば防犯登録や被害届も意味がないのではないか」と考える人も多いでしょう。
しかし、それは大きな間違いであることを説明しましょう。
まず、なぜ防犯登録をするのか考えてみます。
それは盗難の抑止力の増強と盗難車の特定のためです。
例えば、防犯登録で他人のものと分かる自転車に乗っていて、警察官に見つかれば、窃盗で現行犯逮捕されます。
だから、ちょっと疲れたからという理由で、そんなリスクを冒してまで自転車を盗んでやろうと考える人はめったにいません。
つぎに被害届を出す理由を考えてみます。
被害届の出ている自転車に保有者でない人が乗っていれば、これもまた窃盗で逮捕されます。
また、警察は自転車の盗難が頻発する地区の巡回や不審者の取り締まりを強化します。
以上のような理由で防犯登録や被害届には意味があると言えます。
自転車の防犯登録にも期限がある?
自転車の防犯登録や盗難に遭った際に被害届を出すことは非常に重要ですが、ここでは自転車の防犯登録の期限について述べたいと思います。
自転車を買う時500円ほどを払って防犯登録を行うことが、1994年6月20日に義務化されました。
この防犯登録ですが、有効期限があることが多いです。
有効期限は自治体によって違って5~10年ですが、最近は期限をなくしたり長くしたりする地域も多いです。
ここで気になるのが、期限を過ぎて、盗難に遭ったら被害届を出していても無効になってしまうのではないかということです。
自治体によって、データは自動的に抹消されたり、管轄する警察署署長が、12月末日に廃棄したりするなど様々ですが、最近では、ひったくりや犯罪に盗難自転車が使われる場合があることから、実際には有効期限を過ぎても、データを保管している場合もあると言います。
しかし、実際には有効期限を過ぎたら自転車は探せなくなると考えた方がよいらしいです。
そもそも何故有効期限があるのかというと、増え続けるデータに対応できなくなるということや、防犯登録されたまま自転車が廃棄されることがあることなどからです。
有効期限が切れたら再登録が可能ではありますが、また店へ行かなくてはならないし、登録料もかかるしなどの不便さがあることもあり、なかなか再登録は進まないようです。
自転車の譲渡の際に防犯登録の変更
自転車の防犯登録と盗難に遭った後の被害届の提出は重要なことです。
ここでは、自転車を売ったり譲ったりするときに防犯登録をどうすればよいかと、転居によって、登録内容に変更がある場合に、防犯登録をどうすればよいかを紹介します。
まず、自転車を手放すときに行う防犯登録を抹消する方法です。
抹消するときには、
・防犯登録の控え
・身分証明書
・自転車の保証書
・車体本体
・料金
が必要です。そして抹消を行います。
次に、自転車を譲ってもらう時に行なう手続きについて説明します。
元の持ち主から、防犯登録の控え、保証書などの書類をもらい、鋼板や警察署で登録の抹消手続きを行います。
防犯登録の控えなどの書類がない場合は、譲渡証明書を元の持ち主に書いてもらう必要があります。
さらに、転居などで住所が変わる際の変更方法について説明します。
転居先が元の住所と同じ都道府県の場合は、
防犯登録の控えと身分証明書を持参して、交番や警察署で変更を行います。
転居先が異なる都道府県の場合は、
防犯登録の控え、身分証明書、自転車本体を持参して、交番や警察署で一度登録の抹消をしてから再登録を行います。
自転車を盗難されないように自分で守ろう!
自転車の盗難に遭って被害届を出す前に防犯対策を行いましょう。
まず、自転車の盗難保険について紹介します。
自転車にも盗難保険があります。
自転車盗難保険「ちゃりぽ」公式サイトによると購入から1か月以内の加入が必要だったり、最大2年満期だったりと条件が厳しめです。
高額な自転車を購入する際は、保険の加入を検討してもよいと思います。
さらに、自転車のカギについて紹介します。
自転車の盗難対策にカギは基本です。
カギは2つ以上、できれば2種類違うタイプのものを使用しましょう。
自転車から長時間、目を離さないというのであれば、細いワイヤー錠でも大丈夫かもしれませんが、ワイヤー錠はニッパーで簡単に切られてしまいますので、カギは複数使用することをお勧めします。
ロードバイクのようにタイヤを簡単に外せるものは、タイヤとフレームをしっかりとつないでおきましょう。
地面に固定されているものに自転車をくくりつけてカギをかけることを、地球ロックと言います。
スポーツタイプの自転車は軽いので、カギをかけていても簡単に持ち運べてしまうので、地球ロックは必須です。
地球ロックは、壊しにくい短めのU字ロックや太めのチェーン錠を地面から離して施錠しましょう。
しかし、U字ロックでもボルトカッターや油圧式カッターで簡単に壊せてしまうので、駐輪する場所にも気を付けましょう。
自転車が盗難!警察に被害届を出したら自転車は戻ってくる? まとめ
自転車を盗もうとしている犯人はどの地域にもいると警戒しておいたほうが良いです。
そうすれば、明日は我が身という具合に自分が盗難被害に合うかもしれません。
周りを疑うのも嫌かもしれませんが、鍵を掛けずにちょっと自転車から離れただけでも、盗難にあうことだってあるんです。
被害届も出しても件数が多く対応しきれないと思います。
自分の身は出来る限り自分で守りましょう。