自転車での乗車ポジションとは、身体が自転車に接する部分、つまり、ペダル、サドル、ハンドルの位置で決まる自転車と身体各部の位置関係のことです。
これがなぜ重要なのかは車同様、安全性と快適性、加えて自転車では、もう一つ効率という問題があります。
車はアクセルを踏めば進みますが、自転車ではそうはいきません。
今回は、ハンドル調整(上下)の仕方と安全性などのご紹介をします。
自転車のハンドル調整(上下)の重要性
自転車のハンドル調整(上下)がなぜ重要なのかと言いますと、フロントサスペンションが走行中に突然抜けてしまい、首から下が麻痺してしまった。という痛ましい事故があったためです。
珍しい事故ではありますが、万が一があるので、確認しましょう。
特殊装備なので、フロントサスペンションの付いている自転車は、ハンドル調整が大変になります。
自転車のフロント周りにある大きな部品は、フロントサスペンション以外には、前輪とハンドルがあります。
前輪の不備は、見た目でも分かりやすいので、しっかりと見てみましょう。
もうひとつ話題に出たハンドルですが、こちらはまず確認すべきは「緩んでいないか」ということです。
がたつきがあったり、少し回るようなことがあれば、そのハンドルは、すでに抜ける状態になっています。
この状態で抜けないなら、サビなどでハンドルが固定されているためなので、この状態で走ると、何かの拍子にハンドルが抜けてしまいますので、とても危険です。
そのため、緩みのチェックはとても重要になります。
自転車のハンドル調整(上下)方法
自転車のハンドル調整(上下)方法をご紹介します。
スポーツバイクは、斜めウス式でハンドルを固定します。
コラム内を引き上げ棒によって引き上がったウスが、コラム内を押し付けて、ステムを固定しています。
緩めるときは、引き上げ棒を緩めてから、前輪を固定して、右へ左へとハンドルを動かすとステムが緩みます。
シティサイクルは、テーパーウス式と呼ばれる、円錐状のウスが使われています。
引き上げ棒で引き上がったウスが、コラム内で広がり、ステムを固定しています。
ステム緩めるときは、引き上げ棒を緩めて、出てきたボルトの頭を叩いてください。
6画穴テーパーウス式ステムの自転車は、6mmの6角レンチで引き上げ棒を緩めて、ボルトの頭が8mmくらい出るようにしましょう。
そして、そのボルトの頭を軽くハンマーで叩くと、ステムのウスが落ちるので、ステムが動きます。
緩めすぎるとウスが引き上げ棒から外れるため、あまり緩めないようにしましょう。
ハンドルの高さを調整したら、ステムは限界ラインを超えてないかチェックして、引き上げ棒を締めて、ステムを固定します。
限界ラインが、フロントフォークコラムから出ているのに固定してしまうと、ステムが緩んだりして折れるので、とても危ないです。
自転車の前から、フロントホイールを膝で挟んで動かない様にして、ステムが固定されているかチェックするために、ハンドルを上下・左右と動かすようにしましょう。
自転車のハンドル調整(上下)をして身体に合った自転車へ
自転車のハンドル調整は、体に合わせて調整してください。
ライダーの体型と自転車の形で、調整の仕方が変わります。
ライダーは、前腕の長さ・筋力・座高など、自転車は、フレーム・サドルのパイプの角度・ハンドル形状などです。
同じ自転車でも、ライダーの体型の違いで調整が変わるので、良い調整をするには、まずはプロに任せるといいでしょう。
一度、良いポジションを体で覚えれば、後で自分で自転車を調整するときに役立ちます。
本格的に乗る方なら、お金は掛かりますが、調整のプロに頼めば、最高の状態に仕上げてくれるはずです。
自分で行う場合は、自転車を買ったら、ハンドルとサドルを調整できる六角レンチ(=アーレンキー)を用意してください。
乗りながらでも、停車するごとに細かく調整してみてください。
数ミリで、乗り心地がかなり変わります。
・サドルの上下
・ハンドルの上下
・サドルの調整
が基本です。
サドルの上下調整が主になりますが、休憩するたびに、5mmずつ上げ下げして自分に合うように調整します。
自転車に乗って疲れてからのほうが、乗っていて楽になるのが良くわかります。
自転車を調整をして自分の身体に合わせよう!
サドルの高さは、ペダルを足の前の方で下まで踏んだとき、膝が伸びきる手前ぐらいが良いです。
一番初めに調整して、ハンドルの高さを調節しましょう。
ただし、サドルの下のポールが短かいもので、限界付近まで高くして走っていると、ポールが折れることがあります。
サドル下のポールにMAXなどの表示があるので、それより高くするのは危ないので、調整するときは、必ず確認しましょう。
続いてハンドルですが、ハンドルは、サドルと同じ高さか少し低いぐらいがおすすめです。
六角ボルトを回すと、上下の調整が可能です。
上下の調整をしても、ハンドルが高すぎたら、ハンドルの交換をしましょう。
基本は、サドルと同じか少し低めに調整してください。
サドルの位置は、前後の位置と角度が大切です。
角度はサドルの前を少し下げると体の負担が楽になります。
ハンドルとサドルの位置バランスはとても大切で、ハンドルが高いと姿勢が高くなり、体に負担がかかります。
反対に、ハンドルが低すぎると、上半身が疲れやすく、ハンドル操作も難しくなります。
調整を習慣にすれば、お金の節約にもなります。
ハンドルの前後位置と高さの決め手
ハンドルは、安全で簡単にコントロールできることが大切です。
遠くて低いと、前傾になって、空気抵抗を受けにくいですが、お腹がきつく感じます。
また、体重が腕に掛かるので、手の負担が大きくなります。
前傾が深いと、首も痛くなりやすいうえに、疲れると頭が下がり、目線も下がるので前方が見にくくなります。
反対に、近くて高いと、ママチャリのようになり、空気抵抗を受けやすいですが、楽な姿勢で乗れます。
しかしこの姿勢は、体重がお尻にかかって、お尻が痛くなりがちです。
このように、ハンドルの位置は、空気抵抗・腕・首・お尻のバランスが大切になります。
スピードを出さない方は、前傾は、レーサーより緩くて大丈夫です。
ただし、ママチャリみたいに垂直になると、スピードを出すときの空気抵抗が大きく、お尻が痛くなるので、ママチャリよりは、前傾が良いでしょう。
まとめると、ハンドルは、サドルと同じか少し高めで、前後は、腕を前に伸ばし身体と90度、肘を少し曲げても届くくらいが程良いポジションになります。
高低調整は、ハンドルステムの上下で、遠い近いの調整は、ハンドルステムの交換でしてください。
調整ができない自転車も中にはありますので、ご注意ください。
ハンドルの幅はどうやって決める??
自転車のハンドルの幅は、楽なポジション・力の伝達の良さ・操作がしやすいというのが重要です。
まずは、楽なポジションです。
腕を前に伸ばしたとき、左右の手の幅が、肩幅か、それよりやや広いくらいになると思います。
ここが、一番楽なポジションになります。
続いて、力の伝達効率についてです。
上半身が前傾すると、体重は肩から手にいき、ハンドルを押す力として加わります。
この力は、肩幅と同じくらいが一番良く伝えられます。
カーブは上半身の体重を支える力が必要です。
手を広げる力なので、肩幅より広い幅が良いです。
3つめの、操作がしやすいについてです。
障害物をよけるときは、ハンドルを切ります。
このとき、ハンドルを回転させるのですが、回転は、ハンドルを狭く握るより、広く握るほうが、少ない力で簡単に回すことができます。
よって、ハンドル幅は肩幅より少し広めがおすすめです。
フラットバーハンドルは、グリップの真ん中を、肩幅と握りコブシ1つほどの位置にしましょう。
標準装備のハンドルバーは長めなことが多いため、グリップ位置を決めたら、いらない端はカットしましょう。
ハンドルは高さ、上下前後位置、幅を考慮して、ゆとりがあるようにすると良いでしょう。
良い位置が決まったら、リラックスして自転車を楽しめると思います。
自転車は正しいセッティングを
今回は、ハンドル調整のことを主にご紹介しましたが、自転車は三点調整といって、サドル、ペダル、ハンドルの3か所を調整して、正しい乗車姿勢を決める方法があります。
自分に合う自転車は、調整をしてこそ快適に走れるものです。
また、調整して自分に合うようになると、身体への負担も軽減してくれます。
必要な道具は六角レンチだけと、とても簡単なので、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。