クロスバイクなどのブレーキレバーに付いているダイヤルの役割を、皆様はご存知でしょうか。
確かに付いていることは知っていたけど、いじった事は無いという方もいるのではないでしょうか。
このダイヤルの正体は”変速機”といって、実はとても大切な役割を持っているのです!
変速機で漕ぎ心地が軽くなる仕組みは?
ロードバイクなど問わず、自転車の変速を操作するには、ハンドルについてるレバーやダイヤルなどいくつか種類がありますが、変速機にも種類があります。
外装変速機と内装変速機です。
外装変速機というのは、チェーンを掛け替えて変速するタイプで、おもに後輪の大小何段かあるギア(スプロケット)を使用して変速します。
ペダル1回転でのタイヤの回転数を変速比といい、スプロケットにギアが6枚あると6段変速と呼びます。
ペダルの付け根にある、チェーンリングのギアが2段だったら、2×6で12段変速となります。
チェーンを掛け替える仕組みのことをディレイラーと呼び、それは遅れるという意味のディレイ(delay)ではなくて、脱線させるという意味のディレイル(derail)です。
つまり、チェーンの掛け替えは脱線させることで行っています。
それから、後輪のディレイラーであるリアディレイラーには、小さなギアが2つ付いています。
それらのギアの位置が動くことでチェーンの長さを吸収して、チェーンの張りを調整しています。
内装変速機というのは、遊星歯車機構という仕組みが、後輪の車軸(ハブ)の中に仕込んであるタイプです。
内側の太陽歯車と、外側の内歯歯車を小さな遊星歯車でつなぐという構造で、そのいずれかの歯車を固定することで、変速比を変更できます。
つまり3段階で変速できます。
クロスバイクのブレーキレバーに付いているダイヤル式変速機
最近のクロスバイクは、フロント3段・リア8段で24段変速になったり、リアが9段になることで27段変速になったりと、変速段階が多いため、初めてクロスバイクを購入した方は、変速のギアの多さに驚くと思います。
そのため、どんなタイミングでギアを変更したらいいのかと、難しく感じる方も多いようです。
まず、正しいギアチェンジのタイミングですが、走行中に行うのが正しいです。
変速は、走行中に行うことを想定して設計されているので、止まっているときに変速レバー押したり、変速ダイヤルを回したりしても、上手く変速できません。
もっと正確にいうと、ペダルを漕いでいるときにギアチェンジしましょう。
ペダルを漕ぎつつ、軽く回すつもりで、ペダルに力を入れないで変速してください。
そして注意点としては、ペダルを逆方向に回しているときにギアチェンジは絶対にしないでください。
チェーンが外れて、走行できなくなります。
それから、ペダルを強く踏み込んでいると、ギアの歯とチェーンがこすれて削れて、ギアもチェーンも寿命が減ってしまいます。
また、フロントとリアの組み合わせにも注意しましょう。
フロントとリアが両方とも大きい、もしくは両方とも小さい組み合わせは、チェーンに負担がかかるので、控えましょう。
ロードバイクのブレーキレバーに付いているダイヤル式変速機
ロードバイクは、前後のギアを合わせると20速以上の段階で変速できるようになります。
20速以上の段階で変速できるので、坂道や加速で適切なギアにすることができ、スピードが出しやすくなっています。
高性能なギアなのですが、シフトチェンジが上手くできず、シフトのアップダウンが上手くできなくて、停止や発進で重すぎたり、軽すぎたりして大変な思いをしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ロードバイクのシフトチェンジは、メーカーによっても様々なのですが、基本的なものとしては、左手でフロントのギアを変更できて、右手でリアのギアを変更できます。
変速レバーや変速ダイヤルなど、どのようなシフターでも、右手がリアであることがほとんどです。
を知っているだけでも、前後のギア変速が上手にできるので、ロードバイクを、より乗りこなせると思います。
ロードバイクの醍醐味は、適切なギアで走行することで、はじめて発揮されるといって良いでしょう。
適切なギアで足の負担を軽減しつつ、速度を出していく楽しいギアチェンジは、経験を積むことでも上達するので、たくさん乗ることが、ロードバイク上達の近道なると思います。
シティバイクのブレーキレバーに付いているダイヤル式変速機
シティバイクには、ロードバイクほどの変速はありません。
内装3段変速や外装6段変速というように、段数が2桁になることはまずありません。
それでも外装変速機は、近年では安価なシティバイクにも多く採用されるようになりました。
有名ブランドでも、外装変速機がついたシティバイクを販売していますし、手軽に変速を楽しめるようになりました。
特に高価なモデルとなると、たとえシティバイクであっても、外装変速機が付くことは少なくなり、内装変速機がつくようになります。
シティバイクの購入を考えているなら、修理業務も行っている自転車屋さんで購入することをおすすめします。
手ごろな価格で、外装6段変速のシティバイクを購入できるようになったのですが、外装変速機は、メンテナンスが意外と面倒でもあります。
変速機は外についているため、汚れやすく、変速レバーや変速ダイヤルから伸びるワイヤーも細かく調整しなければなりません。
購入店であれば、自転車の型番や仕様を知っているので、スムーズに修理してくれるので便利です。
変速機が壊れてしまったら、修理は可能なの?
最近の自転車は、変速がついているものが多くなりました。
ロードバイクやクロスバイクではなく、ママチャリと同じような形のシティバイクにも、ちゃんと変速がついています。
変速機付きの自転車が増えたことと比例して、乗り続けているとギアチェンジがスムーズにいかなくなって、故障したのかと思う方が増えました。
ギアチェンジが、上手くいかなくなってしまった理由は、だいたい2つです。
1つ目は、変速機の調整が狂ってきた。
2つ目は、ワイヤーが錆びてきた。
どちらにしても、修理の費用はそれほどかかりません。
お店によっては、高くつくこともありますが、ワイヤー交換することになっても、1,000円前後で修理できるはずです。
変速機の調整の狂いというのは、変速レバーや変速ダイヤルから、リアディレイラーにつながるワイヤーが伸びてしまったことが原因となります。
ワイヤーの調整なら、工具も必要ないので、自分で調整にチャレンジして良いと思います。
他の理由としては、チェーンが錆びてても、スムーズにギアチェンジできないこともあります。
その場合は、チェーンに油を塗ることで改善することがあります。
変速機の後付けは可能なの?
変速機でよく見る形は、フレームの外側に変速機を取り付ける外装式です。
他には、タイヤの車軸に変速機を取り付ける内装式があります。
ロードバイクでは、両方のタイプの変速機を見ることができますが、シティバイクでは変速機が見られません
。
シティバイクには、そもそも変速機がなく、変速機がつけられるように作られたフレームではなく、変速機のことを考えて作られてはいません。
それでも変速機をつけられるのか考察してみましょう。
シティバイクのリムには、スプロケット(数段のギア)をつけられる構造ではないので、リムはまるっきり交換します。
そうすると、スプロケットがついたことで、リムの軸周りが太くなり、その太くなったリムをフレームに装着できるかは、そもそものフレームの幅にかかってきます。
ハンドルにしても、変速レバーや変速ダイヤルをつける幅が、十分に取れないということもあります。
そういった諸問題を解決して、変速機が付けられることは稀で、変速機の後付けは、かなり難しく、事実上不可能だと言って良いと思います。
自転車の変速機の重要性
自転車には、変速機が付いていない種類の自転車もあり、脚力を鍛える為には変速機無しでの走行がオススメです。
しかし、向かい風の強い場所や、上り坂などでは、足に掛かる負担がかなり大きくなってしまいます。
長距離の走行をする際には、様々な種類の道を走行する可能性があります。
道によって、変速機の切り替えをすることにより、もっと快適な自転車生活を過ごすことが出来るでしょう。