自転車のブレーキ音が気になります。原因は?

自転車のブレーキ音「キーーーーーーーーー」っという音、気になりますよね。シティサイクル、いわゆる「ママチャリ」の方に多いような気がしますが、これは偏見でしょうか??「油が足りないんですよっ!」と思いつつも、果たして原因はそれだけなのでしょうか。一度じっくり考えてみましょう。

自転車のうるさいブレーキ音、原因を探る

自転車は消耗品の塊です。自転車に長い間乗っていると自転車の各パーツが経年劣化で消耗していきます。
ブレーキもまた、経年劣化で消耗していきます。
自転車に乗っていて、ブレーキ音がうるさく鳴ってきたら、何かしらの対策をする必要があります。

ブレーキ音がうるさくなった時は、まず前輪側のブレーキで鳴っているのか、後輪側のブレーキで鳴っているのか確認をしましょう。
その次に、ブレーキのどの箇所で音が鳴っているかを確認します。
音を鳴らしている箇所として考えられるのは、リムをブレーキシュー(ブレーキパッド)で挟んで制動力を発生させている場合、この部分が何かしら消耗(磨耗)して音を鳴らしていることになります。

ただし、シティサイクル(ママチャリ)の場合には、後輪がバンドブレーキ、サーボブレーキ、ローラーブレーキの三種類のうちのどれかとなります。
リムをブレーキシューで挟むタイプではないので、別の対応が必要となります。
このタイプについては、後ほど触れたいと思います。

先ずは、リムをブレーキシューで挟んで制動力を発生させているタイプに関して、対応方法を紹介していきたいと思います。

自転車のうるさいブレーキ音を直そう!①

リムはブレーキシューが接する部分です。
ブレーキシューがリムを挟んで磨耗することで、制動力を発揮します。

その為、ブレーキシューが削れて、そのカスがリムに付着します(特に雨天走行後は、汚れやすいです)。

この部分の掃除を怠ると、音鳴りがしたりブレーキシュー自体の寿命を縮める原因となります。
自転車のスピードをコントロールする部分になりますので、定期的にお掃除をしましょう。

お掃除の際に用意する道具は以下のものです。
・ラバー砥石
・ペーパー(または、ウエス)

自転車屋さんやホームセンターで販売していると思いますので、手軽に購入できると思います。

最初にラバー砥石でリムを砥ぎ、ブレーキシューの削りカスを出します。
この時、ラバー砥石を水に濡らしておくと、格段に削りカスが取れます。
その上でペーパーやウエスにパーツクリーナを染み込ませてリムに沿って拭き取ります。
その際、パーツクリーナーの成分が、タイヤ(ゴム)に付着するとタイヤを痛めてしまうので、注意して作業をしましょう。

自転車のうるさいブレーキ音を直そう!②

ホイールのリムのお掃除をしても音鳴りが止まない場合は、ブレーキシューのメンテナンスもしてみましょう。
この作業は、ホイールを外さないとできませんので、それなりの専門知識や技術がないと作業は難しいと思います。

お掃除の際に用意する道具は以下のものです。
・千枚通し
・ラバー砥石
・サンドペーパー(または、ヤスリ)

ブレーキシュー側も溝にブレーキシューのカスや小石、アルミの金属片が付着しています。
先ずは千枚通しなどを使って、溝から付着物を取り除いてみましょう。
その次にラバー砥石を使ってブレーキシューの表面を砥ぎます。

それでも音鳴りが止まない時は、ブレーキシュー自体を削ることによって、音鳴りが止むかどうかを試してみましょう。
ブレーキシューの表面をみて表面がツルツルの場合は、シュー焼け(ブレーキの時の摩擦熱によってブレーキシューの表面が炭化してしまうこと)を起こしています。

サンドペーパーやヤスリを使って、ブレーキシューの表面を削り、ザラザラした状態に戻してみます。

自転車のうるさいブレーキ音を直そう!③

これまでご紹介したいずれの方法でも音鳴りが止まない場合には、ブレーキシューの取り付け角度を変えてみてはいかがでしょうか。

取り付け角度を変える際に用意する道具は以下のものです。

・ペンチ(または、プライヤー)

ペンチ(または、プライヤー)を使ってブレーキ取り付け部分のステーを捩って角度を変えます。
進行方向に対して、前側を広く、後ろ側は狭くします。
上からみた時、タイヤを挟む形が「ハ」になるように調節します。

作業は慎重に行いましょう。やり過ぎてしまうとブレーキの効き具合が悪くなったり、ブレーキシューが偏磨耗を起こします。
そうなると、事故を起こす原因にもなりますので、注意が必要です。

それほど難しい作業ではないかもしれませんが、あまり作業に慣れていない方にとっては、力加減が分からず失敗しまって、状態を余計に悪くするリスクがあると思います。
もしそうなれば、事故を起こす原因にもなりかねません。
できれば、専門知識と技術力を持った自転車屋さんにお願いした方がいいかもしれません。

自転車のうるさいブレーキ音を直そう!④

ラバー砥石やペーパー(またはウエス)を使ってリムを磨いたり、千枚通しを使ってブレーキシューのカス取りや削り出したり、或いはブレーキシューの角度を変えてみたりして、問題の切り分けを行っても音鳴りが止まない時は、ブレーキユニット(ブレーキシュー)を新品に交換する必要があります。

ブレーキシューは自転車屋さんで販売していますし、ホームセンターでも自転車を取り扱っている店舗であれば置いてあると思います。

工賃をうかす為に、ご自身で交換にチャレンジされるのもいいかもしれませんが、先にも触れたように、作業に失敗するリスクがあります。
作業に失敗して状態を余計に悪くする可能性もあります。
そのような可能性を避ける為にも、可能であれば、専門知識と技術を持った自転車屋さんにお願いした方がいいと思います。
調べた限りでは工賃は1,000円程度なので、ご自身に自転車の知識と技術がなければ、お願いした方が得策だと思います。

自転車のうるさいブレーキ音を直そう!⑤

今までは、リムとブレーキシューで、ブレーキをかけるタイプの音鳴り防止について、ご紹介してきました。
冒頭でも触れたように、シティサイクルの場合、後輪のブレーキ方式がリムとブレーキシューでブレーキをかけるタイプと異なります。

シティサイクルの後輪のブレーキは以下の3種類です。
・バンドブレーキ
・サーボブレーキ
・ローラーブレーキ

いずれもホイールのハブ(車軸)に取り付けられるものです。
上記のうち、ローラーブレーキの場合は、グリスの劣化による音鳴りが発生することがあります。
その際は新しいグリスを充填しましょう。

お持ちの自転車の後輪がローラーブレーキで、グリスの劣化により音鳴りが発生しているなら、新しいグリスを充填することで問題は解決するかもしれません。
それ以外(ローラーブレーキ以外、或いはローラーブレーキでも新しいグリスを充填しても音鳴りが解決しない場合)で音鳴りが発生する場合は、ご自身で対応しないで、自転車屋さんに相談された方が賢明だと思います。

上記の3種類とも構造が複雑で、専門知識と技術力がないと対応ができないと思います。
そもそも、専門知識と技術力がない素人では、後輪のブレーキが、バンドブレーキなのか、サーボブレーキなのか、ローラーブレーキなのか、の判別がつかないと思います。

たまにはしよう!自転車のメンテナンス

シティサイクルの場合、あまりメンテナンスをする人は少ないと思います。
先にも触れたように自転車は消耗品の塊です。自転車を長持ちさせる為にも定期的なメンテナンスが必要になります。特にブレーキはスピードをコントロールする大切な箇所です。自転車に乗っている時にブレーキが破損してしまったら、取り返しのつかない事故を起こしかねません。ブレーキ音がうるさくなったらメンテナンスが必要だというサインだということを認識しましょう。

また、ご自身でメンテナンスをするよりも専門知識や技術を持った自転車屋さんにメンテナンスをしてもらうことをおすすめします。繰り返しになりますが、ブレーキはスピードをコントロールする大切な箇所です。なのでメンテナンスも慎重に行う必要があります。単なる音なりかと思ったら意外なところが破損していたなんてことも考えられるのですから。