ホイール交換をしようとしたときに、ほぼ確実に候補に挙がってくるメーカーがマビックです。
ネットで調べると評判も良く、購買意欲が増してきます。
なぜ、マビックのホイールは評判なのでしょうか。
その理由を紐解いていきたいと思います。
気になる方は、ご覧ください。
マビックのホイールは評判が良い
ロードバイクのホイールを改造するなら、マビックの「キシリウム」シリーズを使うと良いという評判をよく聞きます。
どれほどかというと、レーシングゼロやゾンダと肩を並べるほどの知名度や、高い評価を得ていると言えば分かりやすいでしょうか。
マビックには「Rシス」「コズミックカーボン」「キシリウム」の3タイプがあります。
細かく分ければ、もっとありますが、大体はこの3つです。
今回は、キシリウムを見ていきたいと思います。
キシリウムは、グレードによって6~22万円と、だいぶ値段が違ってきます。
そして、必ずホイールの他にチューブとタイヤが付いてきます。
ホイール・チューブ・タイヤ、この3つでワンセットとして販売されています。
そして、グレードは全部で5つあります。
「キシリウムエキップS」が最も低いランクで、6万円ほどします。
1段階上がると、9万円の「キシリウムエリートS」となります。
その後は14万円の「キシリウムSLS」、16万円の「キシリウムSLE」となり、最高グレードの「キシリウムSLR」が22万円くらいとなっています。
各グレードの違いを判断する基準は「重量」「スポークの形」「リム」の3箇所とされています。
ランクが低く値段も一番安い「キシリウムエキップS」は、フルクラムで例えるなら、レーシング5と同じくらいであると考えれば良いでしょう。
決して悪い性能ではありませんが、どうせ改造するなら、エリート以上のものを使いたいと思う方が多いのかもしれません。
マビックのホイールのスペック
マビックのホイールは、おおむね評判が良いです。
それでは今回は、そんなマビックが、どれくらいのスペックを秘めているのかを見ていきたいと思います。
・キシリウムエキップS
値段は大体6万円くらいになります。
ランクは最も低く、重量も一番重いタイプです。
しかし、性能面が悪いとは言い切れません。
リムの表面にはアルミが使われ、形はISMが採用されています。
スポークの形は、フロントもリアもきしめんのような形をした、エアロタイプが使われています。
・キシリウムエリートS
値段は9万円程度と、ぎりぎり二桁には達しません。
それ以外は「キシリウムエキップS」と変わりませんが、2016年に開発されたモデルには、ISM4Dのスポークが使用されています。
・キシリウムSLS
値段は14万円くらいと、少々高くなってきました。
その他の性能に目立つ変化は見られませんが、重さに関しては1,395gと、だいぶ軽量化されました。
・キシリウムSLE
値段は16万円くらいです。
リムの表面に、エグザリット加工が施されていることが特徴です。
・キシリウムSLR
最高グレードのフレームです。
もちろん値段も一番高く、最低でも22万円は掛かります。
フロントのスポークは他のタイプと同じものが使われていますが、リアはカーボンで作られ、円柱のような形をしたトラコンプシステムが用いられています。
マビックのホイールが評判な理由
マビックのホイールが評判を呼んでいるのは、他社がやらないような方法を用いて、製品を売り込んでいることが大きいでしょう。
リムを黒色にするなど色合いを変えてみたり、あらゆるデザインのステッカーを開発してみたりと色々で、このやり方は通称「マビック商法」と呼ばれています。
やりたいことをやっているという、気概が伝わってきます。
マビックの特徴は、もうひとつあります。
それは、創業からずっとリムを作り続けていることです。
しかも、他の会社で作られたリムよりも軽いという、メリットも備わっています。
リムの重さは、ホイールの慣性モーメントと深く関わっており、これが小さいほど加速しやすくなり、回転に使うエネルギーも少なくて済みます。
フラフープを回すとしたら、軽い方と重い方のどちらが回しやすいのかと考えれば、理解しやすいかと思われます。
マビックのリムは「軽いフラフープ」になるため、脚力の弱い人でも使いやすいというのが嬉しいですね。
マビックのホイールはこういった評判も
マビックのホイールは、他社と違うところが多いという評判をよく耳にします。
特に、ハブは空転させるとクランクも猛スピードで回転するという、ある意味では、とんでもない性能を秘めています。
しかし、マビックとしては「いくら回転が軽くても、空転している状態なら無意味である」という、もっともな主張をしています。
どんな状況でどれだけの応力が掛かるのかは、その時々によって異なります。
そのため、この主張の意味はよく分かります。
マビックのハブは、下手をすれば、ママチャリよりも使えないという意見も多いようです。
しかし、決してメリットがないわけではありません。
フリーの分解作業が、とても楽なのです。
昔のタイプは、アーレンキーがなければ、分解することはできませんでした。
ですが、現在は道具を使わなくても、バラバラにすることが可能となったのです。
つまり、メンテナンスがやりやすくなったと言えるでしょう。
とはいえ、これは「メンテナンスを頻繁に行う必要がある」という意味にも取れます。
実際にも2,000kmほど走ったら、グリスを塗り直した方が良いでしょう。
そのメンテナンスには、マビック専用のミネラルオイルを使わなければなりません。
これがまた厄介で、さらさらしているので、油断するとすぐ漏れ出すのです。
メンテナンスをこまめに行う理由のひとつは、恐らくこれかと思われます。
ここが違う!マビックのホイール
マビックのホイールの評判には、「全重量ではない」という意見が見られます。
リムは軽いのに、どうしてなのだろうかと疑問に思う人が、どうやら多いようです。
この答えとしては、マビックで作られているスポークとハブは、非常に重いということが挙げられます。
例えば、キシリウムエリートSは1,500g、デュラC24は1,380gとなっています。
しかし、リムの重量自体は大差がありません。
つまり、それだけハブとスポークが重いということです。
とはいえ、スポークはリムの重量と比較すれば、十分軽い部類に入ります。
また、ハブは慣性モーメントに関わらないので、慣性モーメントの小ささは、どちらも同じくらいと言えるでしょう。
マビック製品のひとつである「フィロソフィー」は、とても軽いリムと、重いけれど性能は抜群の剛性を備えたハブとスポークを使っています。
ハブの剛性は、全体的な回転数や剛性にも影響を及ぼし、スポークは重くて太いほど、剛性が上がる仕組みとなっています。
サイズが大きいと、耐久性もそれだけあるので、壊れにくくなります。
重いハブとスポークによって、軽いリムを回転させるフィロソフィーは、バランスが取れているとも言えます。
これとは真逆の造りをしている、カンパというものも存在します。
マビックのホイールの選び方
マビックは評判の良いホイールを多く取り扱っていますが、どれを買えば良いのか迷ってしまいます。
しかし、これに関しては、自分がどのようにバイクを乗っているのかによって変わってきますし、最終的には予算との相談となるでしょう。
購入費用のことは構わず、とにかく全ての性能が秀でているものを望むというなら、最高グレードの「キシリウムSLR」がおすすめです。
ヒルクライムやレースに出場したいと考えている場合も、これが良いでしょう。
レースなどに使えるものが欲しいけれど、予算は15万円以内が良いと言うなら「キシリウムSLS」か「キシリウムSLE」が適しています。
性能面に大差はなく、エグザリット加工が施されているかどうかの違いなので、そこは好みで選びましょう。
キシリウムを使いたいけれど、出せる金額は10万円程度しかない、あるいはレースにはそんなに出ることがない人は「キシリウムエリートS」を選びましょう。
このどれにも当てはまらないようなら、最低グレードの「キシリウムエキップ」になります。
ですが、コストパフォーマンスを考慮すれば、キシリウムエキップよりもカンパニョーロゾンダなどを選んだ方が良いかもしれません。
これらの意見は、あくまでも一例です。
参考資料のひとつとして、役立ててください。
個性的なメーカー・マビック
色を変えたりなど、とてもユニークな発想で、世の自転車乗りを楽しませてくれていますね。
初めてホイールの値段をみたときに、驚く方も多いのではないでしょうか。
普段使いならまだしも、レースに勝ちたいとなると、それなりの値段のものを揃えることになるので、パーツの選択は良く吟味してからにしましょう。