ロードバイクの走りを左右する最も重要なパーツは何かと聞かれれば、多くのロードバイク乗りがホイールと答えるでしょう。
実際にホイールは自転車を構成する部品の中で、フレームと合わせて、乗り手の全体重を支える非常に重要な部品です。
また、回転して地面に駆動力を伝えるので、回転性能の良し悪し、ペダルからチェーンを介して伝わってきたトルクを外周部分にロスなく伝えられるだけの剛性など、非常に様々な要素が合わさって良いホイールとなります。
でも、ロードバイク用のホイールって、いっぱいありすぎてよく分からないという人は多いと思います。
値段帯も5万円未満のものもあれば、50万円以上するものまでありますからね。
レース用のホイールはカーボンだったり、チューブラーだったりと、普段使うには不便など、非常に分かりにくい世界です。
今回は、そんなロードバイクのホイールのおすすめを、ランキング形式でご紹介していきます。
- 1 【第1位】初心者から上級者までおすすめのロードバイクホイール
- 2 【第2位】上級者におすすめ!マビック最強のホイール
- 3 【第3位】かっこいいホイール代表 カンパニョーロのZonda
- 4 【第4位】ロードバイク乗り憧れの最高級ホイール
- 5 【第5位】ロードバイクで定番のマビックのアルミホイール
- 6 【第6位】初めてのホイール交換におすすめなシマノのホイール
- 7 【第7位】ロングライドにおすすめのボントレガーのホイール
- 8 【第8位】カンパニョーロのレース向けホイール
- 9 【第9位】人気・実力は上位ランク!フルクラムのホイール
- 10 【第10位】登坂性能抜群!マビックのロードバイクホイール
- 11 ランキングはあくまで目安
【第1位】初心者から上級者までおすすめのロードバイクホイール
【Shimano:Dura-Ace(デュラエース)WH-R9100-C24-CL】
Shimano:Dura-Ace(デュラエース)WH-R9100-C24-CL
ランキング1位は、王道の中の王道シマノのデュラエースC24です。
今回選んだホイールは、どれも素晴らしいのですが、どこの自転車屋さんでも注文できて、メンテナンスの際のパーツも手に入りやすい。
そして、なおかつ値段も決して安くはないものの、何十万円もするような非現実的なプライスではありませんし、走りの性能も良いのでレースでも使えて、アルミリムなので普段使いもできる。
多くの人にとって、このホイールは良いホイールと言えるでしょう。
もちろん、人によってはもう少し安い価格帯がよい人もいれば、レース用のカーボンホイールがよいという人もいるかもしれませんが、一番バランス良く万人ウケする良いホイールだと私は思います。
デュラエースC24は、アルミの軽量ホイールのベンチマーク(基準)的存在ですね。
約1,390gと、アルミホイールとしては最軽量のクラスに入ります。
ホイールとは、ただ軽ければ良いわけではありません。
軽いだけのホイールは、剛性が低いものもあります。
強く踏み込んだときにもホイールがたわまずに、しっかりと力を伝達してくれるというのが、剛性のある良いホイールです。
デュラエースC24は軽量ホイールの代名詞と言われるだけあって、ただ軽いだけじゃなく、剛性感もしっかりしています。
最新の9100シリーズでは、前の9000シリーズより40gほど重量は増えてしまっていますが、あえて重くしてでも、剛性面など改良すべき点があったと考えて良いでしょう。
やはり、ただ軽いだけじゃなく、総合能力の高いホイールにしようというメーカーの意図が感じられます。
万能に使える良いホイールですね。
【第2位】上級者におすすめ!マビック最強のホイール
【Mavic:Cosmic Ultimate(コスミックアルチメイト)】
Mavic(マビック):コスミックアルチメイト チューブラーホイール フロント用
Mavic(マビック):コスミックアルチメイト チューブラーホイール リア用
第2位は、マビックのコスミックアルチメイトです。
マビックのコスミックアルチメイトと言えば、ツール・ド・フランスですね。
正確に言えば、ツール・ド・フランスと言えばマビックの黄色いサポートカー、そのマビックの最強のホイールがコスミックアルチメイトです。
値段は40万円を越えますが、やはり良いホイールです。
剛性・軽さ・空気抵抗・頑丈さ、どれをとっても素晴らしいです。
ツール・ド・フランスのようなステージレースはもちろん、軽いのでヒルクライムレースにも使え、ディープリムで高速巡航も得意ですからクリテリウムなどにも使え、全ての局面で速いホイールです。
今回のランキングでは、高価格帯のホイールとしてはライトウェイト、ボントレガーアイオロスも出ていますが、ライトウェイトは90kgというライダーの体重制限があるくらい繊細ですし、何より値段がぶっ飛び過ぎです。
ボントレガーアイオロスはトレック傘下のメーカーということで、トレック以外のメーカーの車体、特にヨーロッパメーカーの車体を乗っている人は、少し思うところもあるかもしれません。
その点、マビックならヨーロッパ車も問題ないです。
マビックのコスミックアルチメイトは、高価な軽量カーボンホイールにも関わらず、頑丈というのもおすすめポイントです。
【第3位】かっこいいホイール代表 カンパニョーロのZonda
【Campagnolo(カンパニョーロ):Zonda(ゾンダ)C17】
Campagnolo(カンパニョーロ):Zonda(ゾンダ)C17
第3位はカンパニョーロのゾンダです。
ひと昔前は「最低限ゾンダ」などという格言さえあったほど、ロードバイク乗りから愛されているホイールがカンパニョーロのゾンダです。
「最低限ゾンダって何?」という人もいるでしょう。
ホイールは自転車で一番重要なパーツですから、最初に買ったものからアップグレード、カスタムしたい部品ですよね。
そんなときに、最低限ゾンダくらいは欲しいと、ひと昔前のロードバイク好きたちは言っていたんですね。
現在は、全体的にホイールは値上がりしてしまいましたが、昔のゾンダは6万円前後くらいで手に入りました。
やはり10万円くらい出したいという人もいますが、10万円という金額はツライという人も多いです。
そんなとき、安過ぎず高過ぎない、なおかつよく走るということで、ゾンダの名前はよく上がっていたんですね。
1,540gという重量も悪くないですね。
10万円前後のホイールとも、張り合えるくらいでしょう。
また、見た目も抜群に良い。
カンパニョーロのホイール特有のG3という組み方で、横から見た姿が何とも言えずかっこいい。
そのほかにも、カンパニョーロホイールの最上位技術CULTベアリングに後からできるというところも、好感が持てるポイントです。
CULTはベアリングとその受け側の両方に、セラミックを使うことで、摩擦抵抗を極限まで抑える技術です。
実際には、ゾンダをCULT化するのはコストパフォーマンス的に全く美味しくないですが、最上位技術と互換があるということは、メーカー側の本気度が伺えます。
価格・性能的にはミドルグレードかもしれませんが、上位グレードとの互換のある、限りなく上位グレードに近いミドルグレード、あるいはミドルグレードに近い上位グレードと言ってもよいホイールでしょう。
【第4位】ロードバイク乗り憧れの最高級ホイール
【Lightweight(ライトウェイト):MEILENSTEIN OVERMAYER(マイレンシュタイン・オーバーマイヤー)】
第4位は真の最高ホイールと呼び声高い、ライトウェイトのマイレンシュタイン・オーバーマイヤーです。
真の高級ホイールとは何ぞや?
その質問に、多くの自転車乗りたちが、ライトウェイトのホイールを挙げるでしょう。
自転車乗りなら誰もが憧れる、超高級ホイールがライトウェイトです。
気になるお値段は、マイレンシュタイン・オーバーマイヤーで何と約70万円。
ちょっとした中古車が買えてしまうお値段です。
それでも、多くの自転車乗りが憧れ、そして中には実際に買う人もいます。
値段が値段なので、たくさんの人が使っているわけではないにせよ。
決して一部のお金持ちだけが道楽で買うアイテムではなく、本当に速いから、レースで勝ちたい人が無理してでも所有するという、まさに飛び道具ですね。
プロの選手も自腹で買って、スポンサーの関係でロゴを隠してまで使うこともあります。
重量はフロント395g、リア540gと合計で935g。
驚異的な軽さです。
500mlのペットボトル2本より軽いわけです。
軽いホイールにありがちな、ペラペラした感じなどなく、走りもしっかりしています。
驚異的な値段ですが、走りも驚異的、まさに最高級ホイールです。
【第5位】ロードバイクで定番のマビックのアルミホイール
【Mavic:KSYRIUM PRO SL(キシリウム プロ)】
走るアルミホイールの代表格と言えば、やはり、昔から定番のマビックキシリウムシリーズじゃないでしょうか。
その中でも、キシリウムの正統進化系が、このホイールでしょう。
元祖・完組ホイールと言えば、フランスの老舗ホイールメーカー・マビックです。
現在でこそ完組ホイールが普通ですが、昔は手組みで、ホイール・ハブ・リム・スポークを自転車店などのメカニックが組むものでした。
完組ホイールは、メーカーで最適なリム・ハブ・スポークを研究開発することで、手組では不可能な高性能を実現しました。
ツール・ド・フランスで本格的に使われるようになった、最初の完組ホイールがマビックですね。
昔からの自転車ファンにもマビック好きが多いのは、そういう歴史があるというのも、ひとつの理由でしょう。
アルミのジクラルスポーク、平べったい通称キシメンスポークにより、軽さ・剛性・エアロ効果を実現しています。
マビックと言えば、軽くて強いリムも特徴です。
現行のモデルでは、とことんまで不要な部分を削り込み軽量化する、ISM4Dという技術も使われています。
以前のISM3Dでも、かなり削り込まれ、軽量でしたが、それ以上になっています。
重量は1,395gと、アルミホイールとしては非常に軽量で剛性感もしっかりしていて、アルミホイールの完成形と言ってしまっても良いほどの、素晴らしいホイールですね。
カーボンホイールのように扱いも繊細ではなく、また、軽さも走りも十分過ぎるほどに良いので、ロングライドからレースまで使用できます。
そのため、初心者から上級者まで、幅広くおすすめしやすいホイールです。
【第6位】初めてのホイール交換におすすめなシマノのホイール
【Shimano:WH-RS21】
「ロードバイクの走りにとって、ホイールはとても重要な部品」ということは、多くの人は知っているでしょう。
また、最初に買ったホイールから、アップグレードしてみたいと感じている人も少なくないでしょう。
そして同時に、ホイールだけで5万円以上出すのは、少し躊躇するという現実的な問題を抱えるユーザーも、やはり少なくないでしょう。
シマノのWH-RS21はその点、定価でも2万円台という手の届きやすい価格です。
もちろん、約1,850gという重量は高価なホイールのように軽くはないものの、全体的に走りのバランスが良く、この価格帯としては、有り得ないほどしっかりしたホイールです。
レースなどを考えると1,850gは重いですが、レースじゃなければ気にせず使えるでしょう。
アルミリムホイールの場合、10万円程度のものでも重量だけで言えば1,500g程度、かなり軽い部類のものでも1,400g前後。
10万円以上するカーボンホイールでも1,300gを切れば、相当軽いホイールと言えます。
相当軽いホイールと比較しても500g差、ペットボトル1本余計に付けている程度です。
もちろん、ホイールにとっての100gはそれなりの重さではあるものの、レースで使わない2万円台ということを考えれば、1,850gという重量はさほど気にしなくても良いと思います。
シマノの良いところは、ハブですね。
カップアンドコーンですから、メンテナンスさえ、きちんとしていれば、安い値段帯のものでもしっかり回ります。
スポークもフロント16本、リア20本と、高級ホイールなんかでも定番の本数です。
スポークは少ない方が軽く、空気抵抗も少なくなり、走りの良さに直結します。
これだけの作りで2万円台という価格は、非常に良心的だと言えるでしょう。
初心者に限らず、上級者の人にもトレーニング・普段使い・通勤などの用途で、おすすめできるだけの走りをしてくれる良いホイールです。
【第7位】ロングライドにおすすめのボントレガーのホイール
【Bontrager(ボントレガー):Aeolus(アイオロス) 3 TLR D3 Clincher Road Wheel】
bontragerのアイオロスも、高級フルカーボンホイールの定番のひとつになりつつありますね。
走りの良さには定評があります。
フルカーボンホイールと言えばチューブラータイヤというのが、ひと昔前の常識でしたが、チューブラーはタイヤ交換などが少々厄介です。
普段使いにはクリンチャーが楽ですし、レース用でも昨今は良いクリンチャータイヤも増えていますので、メンテナンスの楽さなどを考えると、やはりクリンチャーが便利です。
ただ、カーボンクリンチャーはチューブラーよりも構造が複雑ですので、作るのが少々厄介です。
ボントレガーのアイオロスは、かなり早い時期からカーボンクリンチャーを導入していました。
ボントレガーはロードバイクメーカー・TREKの傘下のメーカーですので、カーボンの技術は得意なんですね。
そして、aeolus(アイオロス)というのは、ギリシャ神話に出てくるアイオリア島に住んでいる風の神様の名前なんです。
名前の通り、風洞実験を繰り返し、様々な方向からの風に対して最適化されています。
リムハイトは、50ミリよりは35ミリの方が使い勝手は楽でしょう。
やはり50ミリだと、風の強い日には、あおられて大変です。
もちろん、人によってはレースの決戦用だから50ミリのチューブラーが良いという人もいるでしょうが、幅広いシチュエーションで使い勝手が良いという意味では、35ミリハイトのクリンチャーモデルがおすすめです。
【第8位】カンパニョーロのレース向けホイール
【Campagnolo(カンパニョーロ):Bora One(ボーラワン)50 チューブラー】
Campagnolo(カンパニョーロ):Bora One(ボーラワン)50 チューブラー
ボーラワンさえ履いていれば、もうレースでも言い訳はできませんね。
文句無しの良く走るフルカーボンホイールです。
ボーラワンの良いところはフルカーボンホイールで、なおかつカンパニョーロという信頼度の高いメーカーでありながら、値段がそこまで高くないというところです。
もうひとつ上のBORA ULTRA(ボーラウルトラ)になると、値段がもう一段階グッと高くなり、ベアリングがCULTというカンパニョーロの最高クラスのベアリングシステムになったり、ハブもカーボンになったりします。
ですが、値段と性能のバランスを考えると、ボーラワンの方がおすすめしやすいですね。
カンパニョーロ特有のG3組とフルカーボンのディープリムという組み合わせは、見た目がかっこいいホイールという意味では、最上位クラスになるでしょう。
当然、走りの方もカンパニョーロですから信頼できます。
ディープリムですが、決して重くないですから、ヒルクライムレースなんかでも見掛けることの多いホイールですね。
ある程度の価格で決戦ホイールを1本欲しいという人や、手頃な値段でかっこいいフルカーボンホイールが欲しいという人に、おすすめのホイールです。
【第9位】人気・実力は上位ランク!フルクラムのホイール
【Fulcrum(フルクラム):Racing Zero(レーシングゼロ)Competizione(コンペティツィオーネ)】
Fulcrum(フルクラム):Racing Zero(レーシングゼロ)Competizione(コンペティツィオーネ)
値段や走行性能などでバランス良く順位を付けていくと、9位という順位になってしまいましたが、実際には第1位のデュラエースC24と人気・実力ともに対抗できる良いホイールがフルクラムのレーシングゼロですね。
アルミホイールで、人気の高いメーカーのひとつにフルクラムがあります。
レーシングゼロは、フルクラムのアルミホイールの最上位モデルと言われるモデルだけあって、高いレベルでバランスの良い走りをしてくれます。
そんなフルクラムは、カンパニョーロの系列会社です。
基本的な性能などはカンパニョーロの同価格帯のものと、ほとんど同じになりますので、レーシングゼロの場合は、シャマルウルトラと同等になります。
どちらも、よく走る定番のホイールですね。
フルクラムとカンパニョーロのホイールの大きな違いとしては、スポークの組み方です。
カンパニョーロはG3組、フルクラムは普通の組み方になっています。
一概にどちらが良いかとは言えませんし、人によって考え方の違いはありますが、トータルバランスではフルクラムの方でしょう。
ホイールメーカーも様々ありますが、G3組をしているのはカンパニョーロだけで、他のメーカーが似たようなスポーク組をしないのは、メリットが少ないからだと考えられます。
理論上、普通の組み方のほうがバランス良く力は伝達されますし、フレが出たときの調整も楽です。
しかし、G3は見た目も良いですし、空気抵抗の面ではメリットがありますし、カンパニョーロのG3のホイールを悪いと言う人が少ないのも事実です。
最終的には好みになりますが、どちらも良いホイールです。
【第10位】登坂性能抜群!マビックのロードバイクホイール
【Mavic(マビック):R-SYS SLR クリンチャー】
(画像引用元:Mavic公式サイト)
アルミリムのホイールで一番、坂を登れるホイールがマビックのR-SYSじゃないでしょうか。
フルカーボンホイールでも登坂能力に限定して言えば、R-SYSに勝てるホイールも多くないでしょう。
そのくらい登れるホイールです。
R-SYSがそこまで坂を登れるのは、トラコンプというマビック独自のカーボンスポークの力が大きいでしょう。
普通のスポークは引っ張る力だけですが、トラコンプスポークはトラクション・コンプレッション、つまり引っ張る力と押す力の両方が発揮されるスポークです。
このトラコンプスポークが、特に登坂や加速時など、ペダルにトルクを掛けるとホイールへと、一気に前に進む力に変えてくれるんですね。
本当にアルミリムかと、驚くほどの反応性です。
また、フルカーボンホイールと違ってアルミですので、ブレーキの心配もありません。
アルミというだけでもブレーキが安心な上に、エグザリットというブレーキ面に加工をしているので、雨の日などでも抜群のブレーキ力を発揮してくれます。
アルミリムのホイールとしては非常に高価ですし、トラコンプはスポークが太いぶん、高速巡航時に空気抵抗が大きいというデメリットはありますが、登りに関しては最高クラスの走りをしてくれます。
ランキングはあくまで目安
ロードバイクのおすすめホイールを10本選んで、ご紹介してみました。
実際にはレースで使うか通勤で使うかで、どのホイールが良いかというのは全く違いますので、順位に関しては、あくまで目安程度だと思ってもらえればと思います。
基本的には、自分がどういう使い方をしたいかというのが、まず第一です。
高ければ良いかというと、フルカーボンのチューブラーのディープリムホイールは、初心者の人にはタイヤ交換ひとつとっても面倒なので、おすすめしにくいです。
逆に、フルカーボンクリンチャーはレース志向の人の場合、チューブラの方が良いと感じる人も多いでしょう。
一概にどのホイールが良いかというのは非常に難しい問題ですが、自分の好みに合うものを、きちんとメンテナンスをしてくれるお店で買うということが重要だと思います。