ロードバイクを乗っていて、タイヤをバーストさせてしまったことがある人は、多いのではないかと思います。
現在の技術では、ノーパンクタイヤという夢のようなタイヤも開発されていますが、ロードバイクではあまり見かけることがありません。
夢のようなタイヤなのに、どうしてでしょうか。
調べてみました。
ロードバイクなどに使用する細いタイヤはパンクしやすい
スポーツ自転車のタイヤは細いものが多いため、バーストなどのパンクを引き起こしやすいと言われています。
クロスバイクなら28C、ロードバイクなら23Cのものが多く、この数値が小さくなるほど細くなっていきます。
タイヤは細いほど中の空気も少なくなるので、クッションとしての効果が薄くなります。
すると、少しの衝撃でも破損してしまうのです。
自転車なら、どんなタイプでもパンクが発生する可能性がありますが、その中でも細身のものは特に注意してください。
タイヤの種類のひとつに、ノーパンクタイヤと呼ばれるパンクが起こらないタイヤが存在します。
タイヤの中に空気ではなく、ウレタンなどが詰め込まれているため、物理的に潰れることがありません。
尖ったものが突き刺さっても、そのまま走っていくことができます。
しかし、ロードバイクでノーパンクタイヤを使用している人は、そこまで多くはないようです。
ノーパンクタイヤというものを知らない人もいるのかもしれませんが、ほとんどの場合は重さが増すという難点から、使わない選択肢を取ることがあるようです。
ノーパンクタイヤを使用しない理由
クロスバイクやロードバイクはバーストなどが発生しやすいため、ノーパンクタイヤを使った方が良いのではないかと、考える人もいることでしょう。
ですが、ノーパンクタイヤにはウレタンなどが入っているので、そのぶん重量が増すのです。
スポーツサイクルにとって、軽さというのは重要視するポイントであり、ホイールを選ぶ基準も重量を目安にすることが珍しくありません。
ホイールはフレームよりも、車体の重量に大きく影響を及ぼすため、なるべく軽くしたいところなのです。
しかし、ノーパンクタイヤはホイールにかなりの重さを加えてしまうため、乗り手のほとんどは使おうとはしません。
もうひとつの難点として、衝撃を抑え込みにくいというデメリットがあります。
抑えきれないぶんはそのままライダーに伝わるため、乗り心地が悪くなるだけではなく、パーツにも負荷が掛かるので、早めに寿命を迎えてしまう可能性があります。
実際にスポークが折れたり、リムが割れたという話もあるようです。
また、費用もそれなりに掛かりますし、ウレタンは隙間に水が入り込みやすいため、悪天候の日には不向きです。
最近は高分子ポリマーや、特殊加工を施したチューブなどを使い、軽くする工夫が凝らされているものの、それでも空気にはかなわないようです。
ロードバイクにノーパンクタイヤは必要ない
ノーパンクタイヤはバーストなどが起こらない、とても便利なものですが、パンクの修理はそこまで難しくありません。
なので、ロードバイクなどの細いタイヤを使っている自転車でも、ノーパンクタイヤを無理に使用する必要はありません。
修理に慣れないうちはミスが多発するかもしれませんが、何回か繰り返していけば、コツや力加減を把握することができるので、手間取ることもなくなるでしょう。
動画サイトやブログなどでも分かりやすく解説されていたりするので、それらを参考にしながら実際にやってみるのも悪くありません。
ですが、力加減が分からなかったりするので、自転車を購入した専門店で1度教わるほうがいいです。
1度でも経験すれば、いざという時に慌てなくて済みます。
スポーツ自転車がパンクを起こしやすいと言われているのは、通常の自転車よりも細身のタイヤを使っているからなのですが、注意すべきポイントを押さえておけば防ぐことができます。
あとは走行中に尖っているものなどを踏んでしまうなど、運の要素も絡んでくるので、それほどパンクのリスクが高いとは言い切れないかもしれません。
バーストしたときのタイヤの状態
ロードバイクなどのタイヤは、何かのきっかけが原因で裂けてしまうことがあります。
これを「バースト」と言い、パンクの一種として見なされます。
例えば、タイヤの幅と同じくらいの側溝にはまり込んで傷が付き、そこから穴が空いたことでバーストが発生します。
タイヤの側面は薄く作られているので、少しの傷でも破れてしまうくらい脆いのです。
特に側溝は厄介で、耐久性に優れているタイヤでも、側溝によって削られると、あっさり破損してしまいます。
タイヤはチューブに穴が空くと、あっという間に空気が抜けてしまいます。
この状態では、穴が空いている部分だけチューブを押し返す力が弱まっているため、均等に掛かっていたはずの力はバランスを崩し、穴の近くの圧力は外に逃げていきます。
すると、穴の空いていないところのチューブもタイヤからはみ出していき、風船のように膨れ上がります。
その結果、ブレーキシューと擦れることでチューブは削れていき、一気に空気が出て行って、パンクを引き起こすのです。
バーストしたときの応急処置
ロードバイクの空気圧は高いため、タイヤに目立った穴が空いていなくても、薄くなっていればバーストする危険性があるので、何かを当てておくことをおすすめします。
当てるものは何でも構いませんが、「薄い」「伸びない」「身近なもの」の3つ意識していると良いでしょう。
例えば、古いタイヤが残っているなら、その切れ端を使ってみましょう。
ツールボックスに入れておけば、いざという時に役立ちます。
サプリメントを包んでいるビニール袋も便利です。
2つか3つに折り畳んだら、そのまま穴に当ててください。
実はお札も適していますが、タイヤに当てるとそのお札はもう使い物にならないので、あくまでも手元に何もなかったときの、最終手段にしておきましょう。
具体的なやり方としては、一旦タイヤの空気を抜いて、チューブが破れそうなところを全て見つけてください。
その部分に適当なものを当てて、位置がずれていないかを確認したら、空気を再び入れます。
そして、穴からチューブが見えないかを確かめて、ホイールのハブを回して、タイヤが膨らんでいないかどうかをチェックしてください。
バーストしにくいロードバイクの乗り方
ロードバイクのタイヤのパンクには、いくつか種類があります。
そのなかでも、チューブに穴が空くものや、側溝などに引っ掛けたことで、タイヤが破裂するバーストなどの発生率が高いようです。
経年劣化による空気の消耗はどうしようもありませんが、穴は乗り方を変えれば防げるかもしれません。
穴の空く原因は「尖ったものを踏む」か「段差などに乗り上げた際、チューブを勢いよくぶつける」のどちらかになります。
道路には金属やガラスの欠片・砂利・小枝など、あらゆるものが落ちているので、全てを避けることは、ほぼ無理と言えるでしょう。
ですが、注意して路面を見れば多少は被害を減らせますし、帰宅してタイヤを点検すれば、刺さっているものを発見できます。
タイヤは使っていると徐々にすり減ってくるため、異物が刺さりやすく、パンクを引き起こしやすくなります。
長距離走行では、新しいタイヤにするのも良いでしょう。
また、段差などに乗り上げると、その衝撃でチューブがリムと段差に挟まれることもあります。
そんなときは、乗り上げる瞬間、スピードを落としたり、ハンドルを手前に引いたり、腰を少し浮かせるようにしましょう。
最も有効なのは、正しい空気圧を維持することです。
これなら転がり抵抗も減らせるので、乗り心地が軽くなります。
こまめにチェックして、常に適正値を保ちましょう。
パンクの応急処置をできるようにしよう
ロードバイクに乗っていて、バーストしてしまっても、知識があれば何とか対処できます。
事前に、一人でタイヤのパンク修理に挑戦してみたり、タイヤの空気圧に気を使ったりしていれば、もしもの時にも慌てることはないはずです。
ノーパンクタイヤはロードバイクには向いていませんが、ママチャリなど、街乗りしかしないという人には、やはり夢のタイヤであると思います。
十分に導入する価値があると思います。
新技術が出てきて、従来の欠点を補うような新しいノーパンクタイヤが開発されることを期待したいですね。