ロードバイクに乗り始めて、まずランクを上げたいパーツがホイールです。
ホイールをハイグレードにすると、確実に効果を実感できて、スピードアップにつながります。
自転車のホイールといったら、言わずと知れた、イタリアのカンパニョーロ(Campagnolo)ですよね。
ホイールの中でも人気が高い、カンパのホイールについてご紹介したいと思います。
ホイールの素材による違い
ホイールを生産しているメーカーで、有名どころに、カンパニョーロがあります。
多くのホイールをランク別に、性能や素材を変えて生産していますが、ロードバイクのホイールは大きく分けると、主にアルミ製とカーボン製の2種類になります。
一部を除けば、だいたいの完成車に付属しているのは、アルミ製のホイールです。
アルミ製のホイールとひと言でいっても、いろいろな性能を持ったホイールがあります。
鉄下駄と呼ばれるような重たいホイールから、レースにも使えるようなハイグレードモデルなものまで、幅広く種類がありますが、何といってもアルミ製のホイールのメリットは、頑丈で耐久性に優れていることです。
どんな場面でも使えますが、その反面で重くなりがちなのがデメリットです。
しかし、アルミ製でも上位グレードになれば、カーボン製には及ばないものの、レースでも十分活躍できるような軽いものもあります。
次にカーボン製のホイールですが、この素材が使われているのは、ほぼ上級者向けの高性能なハイエンドモデルです。
より快適に、速く走るためのものと考えていいでしょう。
メリットは軽さで、ペダリング時の軽さが断然違いますが、耐久性に欠けるのがデメリットとなります。
また、ブレーキシューをカーボン製に対応したものに変える必要があります。
カンパホイールのグレードランクと特徴
カンパの下位グレードと呼ばれるホイールには、カムシン・ヴェント・シロッコがありますが、この辺りでも性能が良いのがカンパの特長です。
グレードがワンランク上になると、ゾンダがあります。
コスパが良いので人気の高いホイールで、軽さも上位グレードと引けを取りません。
その上位グレードには、ユーラス・シャマル・シャマル ミレなどがあります。
さらにその上のになると、カーボン製のボーラ ワン・ボーラ ウルトラなどがあります。
これらのホイールは、リムの精度が良いです。
リムも軽いほうが速く走れるようになりますが、カンパは他メーカーに比べて、そこまで軽さはありません。
その代わり、リムの精度が良く、スポークのテンションバランスも均等にしやすいので、走行性が良くなります。
そして、耐久性もあります。
カーボン製リムは、ヒルクライムの大会で使用している人が多いですが、帰りのダウンヒルでブレーキのかけすぎで、リムが熱変形してしまった話を聞くことがあります。
カンパのホイールは、そういったトラブルも少ないです。
カンパホイールの名前がカッコいい!
カンパのホイール名は、世界各地に吹く風の名前に由来しています。
一部ですが、グレードのランク順にご紹介します。
カムシン(KHAMSIN)…エジプト、地中海あたりに吹く砂嵐
ヴェント(VENT)…イタリア語で風という意味
シロッコ(SCIROCCO)…サハラ砂漠から地中海へ吹く熱風
ユーラス(EURUS)…ギリシャ神話エロウス 東風の神
シャマル(SHAMAL)…イラク等アラブ地域に吹く風
ボーラ(BORA)…アドリア海沿岸に吹く風
いかにもイタリアのメーカーらしい、オシャレなネーミングの仕方ですよね。
こういったネーミングだけで、ホイールが欲しくなるという人もいると思います。
自転車というのは、パーツの性能も大切ですが、こういったフィーリングも大切です。
性能や値段にそこまで差がないホイール選びに迷ったときは、自分が気にいったものを選ぶのもひとつの手です。
カンパの下位ランク・シロッコ
カンパの下位グレードの中でも、上位のランクに位置するシロッコは、どういったホイールなのでしょうか。
完成車に付属してくるホイールは鉄下駄と呼ばれることが多いですが、その重量は前後で2kgを超えると呼ばれます。
シロッコの場合は、前後合わせて1.8kg以下の重量なので、鉄下駄と比較した場合は断然こちらが軽いです。
そして、シロッコの最大の特徴は、リムが35mmあるディープリムであることです。
リムが高いと前方からの空気抵抗が抑えられるので、高速巡行に向いたホイールとなります。
シロッコはリムが高いぶん重量が増しますが、鉄下駄ホイールよりは軽くなります。
漕ぎ出しは軽くありませんが、平地で高速巡航していると、減速しにくくなるという利点があります。
シロッコは、安価なディープリムを試したい人や高速巡航を楽にしたい人、頑丈なホイールが欲しいという人におすすめです。
また、シロッコに限らずカンパのホイールは、G3組と呼ばれる3本のスポークをセットにする独特な組み方があります。
この見た目は、かっこいいと評判ですので、かっこいいホイールが欲しい人にもおすすめです。
中間ランクのホイールはコスパ最高
カンパホイールでコスパ最強なのは、間違いなくゾンダ(Zonda)です。
このホイールのランクは中間に位置しますが、上位モデル並みのスペックを誇ります。
では、ゾンダと他のホイールとの違いを説明していきましょう。
まず、アルミリムホイール(クリンチャー)の重量を見ていきます。
・ゾンダ:前670g 後ろ880g 合計1,550g
・ユーラス:前640g 後ろ825g 合計1,465g
・シャマルウルトラ:前605g 後ろ820g 合計1,425g
1,500g台になるとアルミ製ホイールでは、かなり軽い部類になりますが、上位2つとの重さの差はスポークの違いです。
シャマルとユーラスはアルミ製で、ゾンダはステンレス製です。
この素材で差が出ます。
アルミ製の2つは剛性が高く硬い感じの乗り心地で、ステンレス製のゾンダは少しマイルドな感じになりますが、リムがしっかりしているので走行性能はいいです。
重量は100gほどの違いですが、価格の違いにより、ゾンダがコスパ最強といわれる理由が分かります。
シャマルウルトラは約15万円、ユーラスは約12万円しますが、ゾンダは約7万円です。
シャマルウルトラに比べたら、ゾンダの価格は約半分です。
ゾンダは、なかなか自転車にお金がかけられないけれど、性能は上げたいという人におすすめです。
カンパホイールの最上ランク
最終的にカンパホイールで間違いないのは、シャマルウルトラ(shamal ultra)でしょう。
アルミ製では最高峰のホイールです。
カンパの良いところはリムの精度で、スポークのテンションのばらつきも少なく頑丈なところです。
G3という特殊なスポークの張り方は、カンパならではのもので、風の抵抗を減らせる効果もあります。
前述しましたが、シャマルウルトラはスポークの素材もアルミなので、軽くて剛性のあるホイールになります。
そして、良いところはハブにもあります。
シャマルはUSB(ウルトラ・スムーズ・ベアリング)というハブを採用していますが、これはセラミックのベアリングを使用しています。
これで、回転の滑らかさに違いが出ます。
全ての面で完成されたホイールといえるでしょう。
エントリーモデルに比べると、剛性があり硬く感じそうですが、そこまで硬くなく、アルミリムでも軽い分類に入るので、ヒルクライムでも使えます。
平地においては、30~35km/hくらいのスピードを気持ち良く維持することができます。
反応良く楽に進んでくれるので、レースで活躍することも可能です。
ランクが高いぶん値段も張りますが、余裕があるなら一度試す価値はあるでしょう。
今の走りに満足できない方は
カンパのホイールは下位ランクのものでも、それぞれメリットがあります。
上位ランクは高価ですが、値段に応じた効果が実感できます。
ホイールを良いものに変えると、漕ぎ出しが軽くなったり、上り坂がグンと楽になったりして、明らかに違いを感じることが出来ます。
脚力に自信がなくて長距離に挑戦できないという方や、スピードをなかなか維持できないといった方は、ホイールを上位ランクに交換してみてはいかがでしょう。
走りの変化が体感できますよ!