自転車日本一周のコースについて考えてみる

こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
自転車で日本一周するときってどういうコースで行くものなんでしょう。かくいう私は、
「日本一周の期間と費用を用意するなら海外走りに行こう」
ということで海外に行ってしまったクチなので、実は日本一周はしていないのですが。
自転車日本一周のコースについて考えてみましょう。

自転車日本一周コースって?

そもそもに日本一周ってどこまで行けば日本一周なんでしょう?
四十七都道府県を全て回らないといけないのでしょうか。四十七都道府県を巡ると言っても、ほんの一瞬だけ入るっていうのもありなんでしょうか、県庁所在地に行かないといけないのでしょうか。或いは、海沿いに日本をぐるりと走れば良いんでしょうか。はたまた、有名な岬は全て行かないといけないのでしょうか。
人によって定義は様々です。
「こうしないと日本一周とは認められませんよ」
ということはありません。

日本一周のルートを決めるには、まずは日本一周にどういう意味を求めるかを考える必要があるでしょう。
こういう言い方をすると身も蓋もありませんが、お金と時間さえ用意できれば日本一周というのは実は簡単です。
ホテルに何泊でも出来て一年掛けて良いというのであれば、一日30kmほどのんびりサイクリングして隣の街まで行けば良いわけです。
日本の場合、どんなに田舎でもせいぜい50km程度走れば交番の一件くらいはあります。交番まで行かなくても携帯電話はほぼどこでもつながります。車にひかれる以外で日本国内で致命的に困ることはないんです。だいたいは何とかなります。

期間と費用で変わる日本一周のコース①

そんなわけで日本一周のコースを考える時に、期間と費用を考えることはとても大事です。
「そんなこと言われても、全然、想像すら付かないんだけど」
そうですね。
実際、期間と費用の計算はある程度の経験が必要です。
実際に、一日にどの程度の距離が走れるか、どの程度節約出来るか。

僕がアルゼンチンのパタゴニアを走った時には、距離は4000km弱でした。
3ヶ月の期間と飛行機代が約25万円、向こうでの生活費やら何やらに25万円を準備しました。南米は飛行機代が高いです。
本当はプラスで保険代などを考えた方が良いのですが、面倒くさがりですし、いつも行き当たりばったりな人間なので、何かあったら、その時考えよう、そんな気持ちで行きました。

この期間と費用はかなりゆとりを持った計画です。
というのも、ざっくりですが旅の自転車での走行距離は1日80kmくらいで計算するのが一般的です。脚力によっては1日100kmで計算しても良いですが、ぴったり100kmごとにちょうど良く休める町があるとも限りません。実際には慣れて来れば100kmくらいは問題なく走れる場合が多いでしょう。それでも、早く着けば、早く休んで散歩でもすれば良いだけですから、余裕を持って見積もっておくほうが何かと心が軽いです。
1日80kmしか走れないと見積もっても、4000kmなら50日あれば十分です。5日走って2日休むとしても、50日走れば20日休みで70日、3ヶ月は約90日ですから20日も余ります。
余った日は町をのんびり楽しめば良いのです。

実際、海外の場合、飛行機でのロストバゲージなどのトラブルの可能性などもありますから、予備日は多めに考えておいた方が間違いないですし、一つの町に2週間くらい滞在するのも楽しいですから、可能な限り余裕は持っておいて良いでしょう。

費用に関しては一ヶ月いくらという計算をします。
先進国でも月に10万円で足りさせるというのがバックパッカーの間での通説です。さらにテントがあれば安くなります。
さらに帰国後、無一文で帰って来てしまうと問題ですから、そのくらいの余裕は持っておきましょう。
3ヶ月で25万円あれば余裕とまでは言わないですが、とりあえずは問題ないと言ったところでしょう。

期間と費用で変わる日本一周のコース②

日本国内の場合は、そこまでゆとりを持って考えなくても良いでしょう。
距離は単純に1日80kmで計算しておけば良いです。週に1~2日ほど観光などで走らない日というのを考えておいても良いかもしれません。

日本一周の場合は1万キロ程度という場合が多いですので100日~半年程度で考える人が多いですね。
ただ、距離も期間も人によって変わります。
僕の知人に、予算も時間も潤沢にあり、気に入った町があればダラダラ半月くらいそこで過ごし、いろいろなところを寄り道して、2年近くかけて1周、いや、2周ちょっとしているという人もいました。
1日で東京から大阪までロードバイクで突っ走るという人もいます。ゴールデンウィークの10日間だけで3000km走破するという少しクレイジーな人もいます。
一周じゃなく、縦断にすれば半分程度の期間と予算でも可能でしょう。
或いは分割してやるのも良いと思います。

一周の場合は、平均的には3ヶ月から、のんびり走っても半年程度というところでしょう。
単純に食費の計算は500円×3食=1500円で考えても良いですし、僕が学生時代にぶらぶら走っていた時は1日1000円以内に収められるよう努力しました。ジュースなどを買うことは滅多にありません。水道水をごくごく飲みます。どうしても寒い時に贅沢して缶コーヒーを買います。
水道水が飲めないという人は予算を少し増やして下さい。でも、日本の水道水は安全ですし美味しいので、トイレの水道水をごくごく飲むのがオススメです。

宿代はテントがあればゼロ円にもできます。
ただし、テントを張るのに良い場所が見付からなければ宿にも泊まります。
あとは洗濯とお風呂をしたい日にはビジネスホテルに泊まるのがおすすめです。ビジネスホテルは朝食付きで5000円程度です。
外で銭湯に入れば500円くらい、コインランドリーも何だかんで500円くらい掛かります。あとは携帯電話の充電などもしたいでしょうから、やっぱり時々はビジネスホテルです。

あとは、携帯代などの固定費用もかかりますね。

自転車乗りにも嬉しい海沿いの安い宿

ビジネスホテルに泊まるという話もしましたが、ビジネスホテルだと少々風情にかけます。

地方の海沿いにはサーファーや釣り人向けの安い民宿があります。
海沿いは魚が美味しいというチャンスがありますので、出来れば一泊二食付きなどで泊まれると嬉しいです。走っていて昼過ぎにでも美味しそうな晩ごはんが出そうな雰囲気の民宿の看板が見付かれば、ぜひとも電話してみるべきです。5000円程度で一泊二食付き、美味しい魚も期待できます。

一口に民宿と言っても、いろいろなバリエーションがあります。
例えば、僕の経験では、しまなみ海道のとある民宿では、やさしいおばちゃんがやっていて、ご飯も美味しく、お風呂には柑橘系の実がいっぱいに浮かんでいたり。宮崎のサーファー向けの民宿は、昔のカラオケボックスに使われるような貨物コンテナのような部屋があって、部屋の外に自由に使える洗濯機があり、風呂は入っている時には使用中の札をひっくり返します。食事は表の大衆食堂で食べられ、これまた魚が美味しかったです。

ただ、海沿いはナイス野宿スポットがいっぱいですから、ついつい民宿などをスルーしてしまうことが多いです。コインシャワーチャンスも多いです。
鹿児島の西の小さな海の近い町では温泉が安く、そこに浸かりながらおじいさんに安くて美味しい店を聞いたら集落の人はみんなそこで飲むという居酒屋。カレーを食べていると、自転車でどこから来たのという話になり、近くの蔵元の焼酎とをお湯割りで頂き、あそこならテント張るのに良いよ、という場所を教えてもらったり。鹿児島、熊本とあの辺りはお酒が飲めると楽しいことが多いかもしれません。
紀伊半島の小さな漁村では、公園で野宿しようとしていたところ、親切なおばちゃんが、「今日は寒いから、うちに泊まりなさい」と突然言ってくれたり。そういえば、この時もビールをたくさん頂きました。

地方の海沿いは非常に素晴らしいところが多いです。

自転車乗りにはツライ山岳

山岳については避けて通ることも可能です。
ある程度のちょっとした峠はいくらかはありますが、国道を使っていれば、基本的に箱根が一番大変思っていても良いでしょう。他にも標高1000mになる地点はいくつかありますが、箱根ほどガッチリした峠というのは、国道にはないと思っていても良いと思います。

山岳は厄介です。坂がやっかいということもありますが、宿泊出来る場所が少ないんですね。
コンビニなども少ないですし道が曲がりくねっていて、自動車との距離も近く、大きいトラックが走ることも多いです。
ですから、岐阜、長野はルートから外すという人も少なからずいます。
ただ、主要国道を使っていれば、さほど坂がキツくてどうにもならないということは無いと思います。たまにキツくてどうにもならない事もありますが、そういう時は一休みして、またのんびり進むと良いでしょう。

ただ、山岳では道の駅も時々あります。隅でテントを張らせてもらえると助かります。野宿でトイレと水が確保出来るというのは楽です。山岳のルートはテントがある方が楽でしょう。

まとめ「日本一周は楽しいことがいっぱい」

日本一周のコースについてあれこれ考えてみました。
日本一周は大変なこともありますが、基本的には生きるか死ぬかという事件は滅多にありません。携帯電話があれば、誰かしら連絡も取れます。110番押したら警察も来てくれます。
興味がある人は恐れずに是非挑戦してみて下さい。
日本一周となると大変かもしれないので、四国一周などの500kmくらいのルートを一週間くらい掛けて走るというのもおすすめです。