ロードバイクのタイヤは乗り心地や走行性能に大きく関わる部分であり、カスタム目的の交換では真っ先に推奨されるパーツです。
ロードバイクのタイヤには種類があり、それぞれにホイールとの互換性がありますのでその種類を把握しておく必要があります。
また、ロードバイク用タイヤは参入しているメーカーも多くラインナップも豊富なため、交換の際には迷われる方も多いかと思います。
そこで今回は、ロードバイクの用途や目的も踏まえながら、おすすめのタイヤをご紹介しますので、タイヤ選びの参考にしてみてください。
交換時に要注意!ロードバイクのタイヤの種類
それではまず、交換時に間違えてしまうとそこから先に進まなくなってしまいますので、ロードバイクに使用されるタイヤの種類からご説明します。
ロードバイクのタイヤは以下の3種類になります。
・クリンチャー
・チューブラー
・チューブレス
◆クリンチャータイヤ
タイヤの中に入っているチューブに空気を入れることでタイヤを膨らませて、ホイールに固定するタイプです。
ロードバイクのみならず、自転車のタイヤに最も多く使用されており、汎用性が高く種類も豊富なため、用途や乗り方に適したタイヤが見つけやすくおすすめです。
また、タイヤを完全に貫通するほどのひどいパンクでなければ、大抵の場合はチューブの修理か交換で機能を維持することができます。
ただ、ロードバイクのタイヤは細く高圧で空気を入れるため、本来から乗り心地はあまり期待できないところですが、タイヤとチューブの間に摩擦が起こるクリンチャータイヤは、ことさらその傾向が強くなります。
◆チューブラータイヤ
クリンチャーが全盛になる前のロードバイクの主流タイヤで、走行性能に優れていることからプロライダーが多く使用するタイプです。
チューブを「ケーシング(カーカス)」と呼ばれる繊維の層で包み込み、上からゴムを貼りつけたタイヤです。
ホイールには接着剤やテープで貼りつけて固定するため、タイヤが真円状態を保ちやすく、コーナリングなどでパワーロスがしにくく、レースに向くタイプです。
また、ある意味タイヤとチューブが一体化の構造のため摩擦が起こらず、乗り心地がよくなります。
ただし、パンクをしてしまうとチューブをタイヤから剥がさなければならず、一度剥がしてしまうと性能の維持が難しくなるので、基本は使い捨てになります。
◆チューブレスタイヤ
最も新しい世代のタイヤで、文字通りチューブを必要としないタイプです。
タイヤの中には空気を保持できる層があり、ホイールとの密着性を高めて空気が逃げないような構造になっています。
タイヤのパンクの多くはチューブに穴が開く「リム打ちパンク」のため、大幅にパンクのリスクが減りますし、貫通パンクが起こっても一気に空気が抜けてしまうことがないので、大きなトラブルになりにくいというメリットがあります。
また、タイヤ内部の摩擦が構造上低いのと、リム打ちパンクがない分低圧でも問題ないので乗り心地は良くなります。
専用のホイールが必要なので交換は一筋縄ではいきませんが、だいぶ種類も増えてきており、将来性を考えると一考しても良いタイヤです。
ロードバイクのタイヤは用途や目的に適した太さがある
ロードバイクのタイヤを交換する際には、タイヤの太さ(幅)に注意しなければなりません。
タイヤは地面に接していますので、中に入る空気の量や圧によって、転がる際に発生する抵抗や衝撃吸収の度合いが違ってくるため、タイヤの太さは非常に重要になってきます。
タイヤは太くなるほどに中に入る空気量が増え、その分で圧が低くなります。
そうしますと、クッション性が増して地面からの衝撃を吸収してくれますので、乗り心地が良くなります。
ただ、余り太くなりすぎると外周部分が重くなりますので、漕ぎ出しに重さを感じますし、加速力という点では少し物足りなさが残ります。
しかし、加速に時間が掛かるということは、減速もしにくいということなので、スピードの維持がしやすいというメリットはあります。
スピードの維持はロードバイクでよく使われる「巡航性」という性質であり、長い距離を一定のスピードを維持して走ることで脚に疲労を溜めないという走り方に繋がりますので、非常に重要なことです。
ロードバイクのタイヤの太さは23c(23mm)が主流でしたが、上記した転がり抵抗や巡航性の観点から現在は25c(25mm)が主流となっており、特に完成車付属は25cが多くなっています。
そして、もうワンサイズ上になる28c(28mm)も注目を集める存在になってきており、砂利道や山林などの悪路も積極的に走るような用途ですと、スピードを多少犠牲にしても衝撃吸収性や安定感を取りたいというライダーも増えつつあります。
そのため、タイヤ交換の際に自分の用途や、「スピードを増す」、「乗り心地を良くする」などの目的を考えて太さを選択することをおすすめします。
ロードバイクでのロングライド用途に最適のおすすめタイヤ
それではここから、ロードバイクのタイヤ交換の際におすすめする、用途や目的に合わせたタイヤをご紹介していきます。
今回は主に以下の用途、目的について分類してみます。
・ツーリングなどの長距離走行(ロングライド)
・通勤などある程度長めの距離を走る普段使い
・登坂競技であるヒルクライムや、坂の多い地域にお住いの方向け
・山林や砂利道などのオフロード向け
それではまず、近年ロードバイクを趣味とする方の目的の中で最も多いと言える、ロングライド向きのタイヤからご紹介します。
【Continental(コンチネンタル):Grand-Prix(グランプリ)5000 700×25c クリンチャー】
Continental(コンチネンタル) グランプリ 5000 700×25C(622) クリンチャー フォルダブル
ロングライドに重要なのは疲労を溜めないことにありますので、衝撃吸収性が高く、乗り心地の良いタイヤを選びたいところです。
また、悪天候や足元の悪い場所でパンクしてしまいますと、チューブの交換や修理は想像以上に厳しいですから、リスク回避のためにも耐パンク性の高いタイヤが求められます。
上記の条件に正に合致するのがこのタイヤであり、グランプリ4000の登場から実に10年ぶりにモデルチェンジしたばかりの、コンチネンタル渾身の新タイヤです。
コンチネンタルは元々、耐久性に関しては右に出るものがないと言われるほどのメーカーであり、グランプリ5000はそこに耐パンク性と乗り心地をさらに強化させたタイヤになっています。
タイヤの中身であるケーシングの製法を見直し、高密度でしなやかな仕上がりになったことで衝撃吸収性が増し、さらに4000よりも広範囲を覆うことでパンクのリスクをより低くしています。
今回は衝撃吸収性と巡航性を兼ね備えたロングライド向きということで25cを推奨しますが、他に23c、28c、32cも用意されています。
また、旅行向け自転車である「ランドナー」や、一部女性モデルに見られる「650B」サイズもあります。
用途に沿ってタイプを選べるシリーズの中のおすすめロングライドモデル
前項に引き続き、この項でもロードバイクでのロングライド用途向きのタイヤをご紹介します。
【パナレーサー(Panaracer):レースD エボ3 クリンチャー 700×25c】
パナレーサー(Panaracer) クリンチャー タイヤ [700×25C] レース D エボ3 F725-RCD (ロードバイク クロスバイク/ロードレース ツーリング ロングライド用)
パナレーサー「レース」シリーズのクリンチャータイヤには、オールラウンドタイプの「A」、超軽量のレースモデル「L」、荒れた路面対応の「C」、そしてロングライド対応の「D」の4種類が用意されています。
正に今回の用途や目的に沿ったタイヤ交換におすすめのシリーズと言えます。
こちらのレースDはロングライドに必要な要素の中から、特に耐久性と耐パンク性に優れた特徴のタイヤになっています。
パナレーサーは「耐パンクベルト」という強化材をケーシングの上に配するのが大きな特徴であり、構造上貫通パンクに強いタイヤが多くなっています。
また、レースDはケーシングが強力に接着されており、剛性が高くパワーロスが少ないので、エネルギーを温存できる分ロングライドでも疲労が残らない仕様です。
【Michelin(ミシュラン):Power Endurance クリンチャー 700×25c】
Michelin – Power Endurance フォールディングロードタイヤ (700x25c)
ミシュランは車のタイヤや、世界中のレストランに星を付けて評価することで有名ですが、実は自転車のタイヤ製造から始まったメーカーであり、その名残りから現在も多くの自転車用タイヤを製造しています。
ミシュランのロードバイクタイヤは転がり抵抗が少なく、推進力の評価は以前からとても高く、ロングライド向きの性質はありました。
しかし、パンクしやすいという欠点があり、耐久性が疑問視されていた時期もありました。
その欠点を解消したのがこのPower Enduranceであり、表面のゴムとケーシングの間に、高弾性で熱にも強く、防弾チョッキなどにも使用されてる「アラミド繊維」のベルトを配することで、パンクのリスクが大幅に減っています。
また、タイヤサイドにブルーやレッドで差し色がされているモデルもありますので、バイクにアクセントを加えたいライダーにもおすすめです。
通勤を考えてのタイヤ交換におすすめのタイヤ
近年ロードバイクの用途として増えているのは通勤であり、筆者の周りにも自宅から片道20km以上の距離を毎日通ってきている猛者もいます。
そんな通勤に適したタイヤですが、朝の忙しい時間帯ということを考えますと、ロングライド以上にパンクは回避したいので、耐パンク性を重視したいところです。
また、忙しい時間帯に道を選ばずに走れるのが自転車の特権とも言えるので、オフロードも走れるタイヤがおすすめです。
それでは上記の条件を踏まえまして、通勤向きのタイヤをご紹介します。
【パナレーサー(Panaracer):ツーキニスト クリンチャー 700×25C】
ケーシングは肉厚で、表面のゴムも非常に頑丈な作りで、スポーツ自転車用としては最強クラスの頑丈さを誇ると言われており、通勤にはもってこいのおすすめタイヤです。
また、タイヤ内部でチューブとの摩擦が起きにくいように、内面をフラットにする加工がされていますので、オフロードでもしっかり走れますし、リム打ちパンクのリスクも低減しています。
そして、ケーシングが肉厚で衝撃吸収性に優れていますので乗り心地も良く、ロードバイクをまったり流したい方にもおすすめです。
通勤にはこの25cか28cが適していると思いますが、35cまで用意されていますので、グラベルロードやシクロクロスにも対応しています。
【パナレーサー(Panaracer) :パセラ ブラックス クリンチャー 700×25C】
上記のツーキニストに似た性質を持つ、耐久性と耐パンク性に優れたタイヤです。
こちらの方が少し走りに軽さがありますので、週末にはサイクリングも楽しみたいという方にもおすすめです。
また、耐久性が高くガンガン乗り込んでも頻繁に交換の必要がなく、ツーキニストに比べれば走りも軽いので、レースの練習用に使用する方も多いと聞いています。
ウエットなコンディションを想定して交換するならこのタイヤ
前項ではロードバイクの用途の中でも多くなってきている通勤に適したタイヤをご紹介しましたが、毎日の通勤だからこそ欠かせない要素として、雨の日や濡れた路面への対応も考えなくてはなりません。
雨の日や路面が濡れていますとタイヤのグリップ力が落ちますので、表面のゴムである「コンパウンド」がグリップに優れるものがおすすめになります。
タイヤ交換にはこういった特別な目的もありますので、改めてタイヤの性質を知ることが重要なのが分かります。
【PIRELLI(ピレリ):P ZERO VELO 4S クリンチャー 700×25C】
PIRELLI(ピレリ) P ZERO VELO 4S ロードクリンチャータイヤ 700x25C
ピレリは自動車用タイヤとしてF1レースなどで有名ですが、1960年代までは自転車のタイヤも製造していました。
そんなピレリが50年振りに発表したのが「P ZERO VELO」で、この4Sは濡れた路面状況でのグリップ力と耐パンク性に優れた、正に通勤にもってこいのタイヤです。
タイヤの表面に刻まれている独創的な形の溝が、路面の水を上手く受け流してくれますので、ウエットなコンディションでも強いグリップ力があります。
また、クリンチャーですがチューブラーさながらの真円度があり、推進力が高く巡航性に優れていますので、ロングライド向きでもあります。
【Vittoria(ビットリア):ルビノプロ エンデュランス クリンチャー】
Vittoria(ビットリア) タイヤ ルビノプロ エンデュランス [rubino pro endurance] フルブラック クリンチャー ロード用
イタリアのビットリアは、プロライダーがレースで使用するタイヤから、初心者向けの完成車に付属するものまで、ロードバイク用タイヤを幅広く扱っています。
中でもこのタイヤは、氷点下でも使用できるほどの強力なグリップ力が売りであり、もちろんウエットなコンディションにも強さを発揮します。
また、センターに加えサイドウォールにも耐パンクベルトを使用していますので、耐パンク性と耐久性も抜群です。
ロードバイクでオフロードを走る際におすすめのタイヤ
ロードバイクでツーリングなどに行きますと、思った以上に荒れた道(オフロード)に遭遇することもあり、レーシングタイヤなどですと、その道を避けざる得ない状況もあります。
仲間と一緒であればやむを得ず一人だけ遠回りということもありますし、無理して通ればパンクや落車の危険性もありますので、荒れた道も積極的に走るのであれば、タイヤ交換で対応したいところです。
そこでこの項では、オフロードに強みがありながら、もちろん舗装路でもロードバイクらしさを失わないタイヤをご紹介します。
【パナレーサー(Panaracer):グラベルキング クリンチャー 700×26C】
パナレーサー(Panaracer) クリンチャー タイヤ [700×26C] グラベルキング F726-GK (ロードバイク クロスバイク/グラベル ツーリング ロングライド用)
製品のキャッチフレーズが「砂利道(グラベル)も突き進め」というように、ロードバイクでもオフロードを走るような用途におすすめのタイヤです。
サイズによって特徴があり、この26cや28cなどは舗装路の走行も考え、従来のロードバイクのスリックタイヤに、耐久性と耐摩耗性を強化した、ミックスコンパウンドになっています。
また、太めの32c、40cなどはMTBのタイヤに近いブロックが配されていますので、山林の奥などにも入っていけるタイヤです。
【SCHWALBE(シュワルベ):プロワン ブラック 700×25C】
SCHWALBE(シュワルベ) シュワルベ プロワン ブラック 700x25C ETRTO:25-622 11600809
こちらのタイヤは「チューブレスイージー」という種類で、従来のチューブレスタイヤにシーラント剤というパンク防止の液体をタイヤの中に注入して使用します。
チューブレスはタイヤの種類を説明した項でもお話ししたように、チューブのパンクがありませんので、荒れた道でも心配が少ないです。
また、万が一タイヤに穴が開いてしまっても、このタイヤはシーラント剤が穴を塞いでくれますので、減圧も少なく大きなトラブルになりにくいです。
それに加えてシュワルベのタイヤは耐久性に長けていますので、荒れた道を走っても摩耗が少なくタイヤが長持ちしてくれます。
なお、このモデルは中にチューブを入れてクリンチャータイヤとしても使用できますので、用途によって使い分けることも可能です。
ロードバイクでのヒルクライムならこのタイヤ!
ロードバイクはロードレースの機材として開発され、用途が多様化して市民権を得てきた経緯がありますが、今でもレースモデルが基本であることに変わりはありません。
そのため、タイヤも他の自転車の機種に比べ細く、軽量かつしなやかなもので、そこに様々な用途に対応すべく味付けをされたのが、ここまでご紹介してきたタイヤになります。
そこで、この項では原点に立ち返り、レースモデルのタイヤをいくつかご紹介します。
まずはレースの入門編と言われる登坂競技、「ヒルクライム」に適したタイヤになります。
【パナレーサー(Panaracer):ジラー クリンチャー 700×23C】
パナレーサー(Panaracer) クリンチャー タイヤ [700×23C] ジラー F723-GL-B ブラック ( ロードバイク / ロードレース ヒルクライム用 )
ここまでも数多くのタイヤをご紹介してきたパナレーサーにおいて、最も軽量でレース向きのタイヤです。
なお、このタイヤに関しては23cをおすすめしますが、何よりも軽さが優先されるヒルクライムでは今でも23cが主流です。
レビューを見ていますと、交換前に比べ坂の上りでタイムを詰められたという意見が多く、目的通りの活躍をしているのが分かります。
また、グリップの強さも評価されているので、コーナリングや下り坂もスムーズに走れそうです。
ただし、軽量タイヤの宿命でもありますが、全体的に薄く強度が少し落ちますので、耐久性はあまり期待しない方がよいかと思いますし、普段使いに向くというタイプではありません。
【BRIDGESTONE ANCHOR(ブリヂストンアンカー):EXTENZA 700×23C】
BRIDGESTONE ANCHOR (ブリヂストンアンカー) EXTENZA R1S ロードタイヤ 700x23C F301132BL(R1S-7023)
ブリヂストンの自転車用タイヤは自動車用ほど多く製造されているわけではありませんが、自転車競技部がロードレースでオリンピックに出場しているほどで、ロードバイクに掛ける情熱は自動車にも全く引けを取りません。
このタイヤは145gというシリーズ最軽量モデルで、正にヒルクライムの本番用という位置付けになります。
特徴としては上記しましたパナレーサーのジラーによく似ており、こちらもグリップ力の評価が高いです。
レースでの決戦用におすすめのタイヤ
前項ではロードバイクのレースの中でもヒルクライム向きのタイヤをご紹介しましたが、ここでは用途がロードレース全般というタイヤをご紹介します。
【VELOFLEX(ベロフレックス):コルサ クリンチャータイヤ 700×25】
(ベロフレックス/VELOFLEX)(自転車用クリンチャータイヤ)コルサ25(WO) (カラー) 黒
イタリアの高級タイヤメーカーのベロフレックスは、高性能かつ軽量なタイヤが多く、多くのプロライダーが愛用しています。
このタイヤはクリンチャーですが、サイドにチューブラー並みの高密度なケーシングを使用しているので、限界性能が高くコーナリングが実にスムーズです。
また、カーボンの数倍の衝撃吸収性を誇るケブラー繊維を耐パンクベルトに使用していますので、レビューでは交換前に比べしなやかで滑らかな乗り心地になったという報告があります。
カタログ値で205gという軽量なので十分に実戦向きですが、ヒルクライムであれば23cをおすすめします。
【Vittoria(ビットリア): コルサ チューブラー 700×25c】
Vittoria(ビットリア) タイヤ コルサ [corsa] チューブラー ロード用
チューブラータイヤと言えば「ビットリアコルサ」と言っても過言ではない、プロ、アマを問わずにユーザーの多い大人気チューブラーです。
ケーシングにコットンが使用されていることで、素晴らしい乗り心地の良さが売りですが、新しくコンパウンドにピュアカーボンの「グラフェン」が採用されたことにより、さらに転がり抵抗が低減し、速さが増したと聞いています。
また、レースタイヤではありがちなサイド部分のカット対策として、サイドウォールのプロテクションが強化されていますので、限界まで性能を発揮させることができます。
ロードバイク用タイヤの交換目安と緊急対策
ロードバイク用の多くのタイヤには、水はけやホコリよけとして砂利や小石をはじき飛ばすための溝が表面に彫られていますが、この模様がなくなってきたら交換時が近いと言われます。
中には、すり減りを知らせるためにトレッドパターン(溝の形状)の他に、数ミリ程度の小さな穴を開け、その穴が摩耗しなくなったら交換のサインとしているメーカ―もあります。
タイヤは表面のゴムが剥げ、中のケーシングの繊維が1本でも外に出れば赤信号で、一気にバーストする可能性もありますので、早めの交換が推奨されます。
一般的には3000~5000Kmなどと言われていますが、ここまでお伝えしてきたように、タイヤの耐久性や耐パンク性はそれぞれ違います。
そのため、「ブレーキの制動距離が伸びた」「コーナーでタイヤが流れ滑りやすくなった」などの感覚も頼りに、交換時期を考えるのがおすすめです。
また、クリンチャータイヤ限定ですが、リム打ちパンクの修理対策はしておきたいところです。
クリンチャータイヤは予備のチューブと修理キッドがあれば、アマチュアでも修理が可能ですし、予備のチューブさえ持っていれば自分で修理ができなくても、通りすがりの親切なライダーが修理してくれる可能性もあります。
そこで最後になりましたが、この項で筆者がおすすめするチューブと修理キッドをご紹介します。
【コンチネンタル(Continental):チューブ Race28 700×20-25C(仏式42mm)】
2本セット コンチネンタル(Continental) チューブ Race28 700×20-25C(仏式42mm) 【並行輸入品】
自転車のチューブに最も多い「ブチルゴム」を使用しており、コンチネンタルらしく耐久性に優れたチューブです。
仏式42mmというのはバルブ口のことで、仏式の長さ42mmのバルブという意味です。
一般的なリムの高さのホイールであれば42mmで事足りますが、ディープリムホイールであれば60mmが良いでしょう。
【パナレーサー:チューブ R’AIR W/O 700×23~28c 仏式バルブ】
パナレーサー チューブ R’AIR [W/O 700×23~28C] 仏式バルブ
パナレーサーが開発した素材「Air Flex Lite Butyl」を採用した、軽量で伸縮性のあるチューブです。
レース用チューブとしても使用できますので、少し高額になりますがおすすめです。
【enkeeo:パンク修理キット】
クリンチャータイヤのパンク修理に必要な、多用途携帯工具、チューブの穴を塞ぐパッチ、タイヤを外す際に使うタイヤレバー、そして空気圧を測れるゲージ付きの空気入れがセットになっています。
そして、これらを収納してロードバイクに取りつけることができるサドルバッグも付属しているお買い得品です。
タイヤはロードバイクのレベルを上げるカギを握っている
ロードバイクは走りそのものを楽しむものですから、地面と唯一接しているタイヤが、走行性能や乗り心地について重要なカギを握っています。
そのため、自分の用途や目的によって最適なタイヤを交換することで、ロードバイクライフのレベルを向上させることができます。
また、一般的なクリンチャータイヤが多い中で、レースであればチューブラー、オフロードであればチューブレスという選択もありますので、交換を機に新しい種類に目を向けるのもありかと思います。