カンパニョーロのゾンダといえば、カンパニョーロホイールの中では、ミドルグレードに当たるホイールです。
完成車についているホイールからアップグレードしたい時には、皆さんの第一候補に挙がるホイールの一つだと思います。
見た目・値段・性能、いずれも優れたホイールで、皆さんの心をつかみます。
今年は、さらにアップグレードがあり、更に魅力を増しました。
今回は、カンパニョーロのゾンダの魅力について、たっぷり語ることにしましょう。
カンパ・ゾンダでヒルクライム:ホイールの概要
カンパのゾンダは、カンパニョーロのアルミクリンチャーホイールの中では、シャマルミレ・シャマル・ユーラスに続くサードグレードです。
スポークは、シャマル・ユーラスとは違い、細いステンレス製です。
シャマルやユーラスは、アルミ製の太い、きし麺のようなスポークです。
シャマルやユーラスと比べると、スポークの材質や太さの違いがあるため、横剛性や重量の面では上のグレードに劣ります。
また、リム重量もシャマル・ユーラスよりも少し重いようです。
しかし、メーカー公称値で1,550gの重量、そして海外通販だと4万円を切る価格は魅力的で、ヒルクライムするときにもおすすめです。
台湾での生産になってから、重量と価格に磨きがかかり、一気に人気ホイールに上り詰めました。
以前、ピナレロのParisに乗っていましたが、ホイールはゾンダを取り付けていました。
個人的な感覚に過ぎませんが、やっぱりイタリアンなフレームには、カンパホイールを付けると、何となく満足感が得られました。
コンポは、105でしたけどね。
カンパ・ゾンダでヒルクライムしてみました
先ほどのピナレロ・Parisに105コンポ、カンパ・ゾンダにミシュランのLithion2を取り付けて、近くの山をよく登っていました。
空気圧は、いつも前後輪とも8barに設定していました。
当時所有していたRacing Zeroにミシュラン Pro4という組み合わせと比較してみましょう。
まずは、峠に向かうまでの平坦です。
平坦といっても、交通量も多く、信号によく引っかかる道です。
路側帯は、とても荒れています。
このような状態の道だと、ゾンダのステンレススポークがよく働いてくれるようで、お尻や手が楽ちんです。
Racing Zeroで走ると、跳ねてしまうので、空気圧を下げ目でいきたいところです。
しかし、実際空気圧下げ目(6.5bar)で行くと、ヒルクライムでの反応は、ちゃんと8bar入れたゾンダに劣ってしまいました。
しかも、空気圧低めだったせいかはわからないのですが、帰りにパンクしてしまいました。
荒れた路側帯で、空気圧を高めで乗り切れるゾンダの方が、普段使いではRacing Zeroよりも優れています。
また、2つのホイールの間には、空気圧という条件が変わってしまうと、逆転してしまうほどの差しかないということです。
しかし、ヒルクライムの反応性というのは、あくまでもシッティングでの話です。
思い切りバイクを振ってダンシングすると、スポークの剛性の差がもろにでるようで、ゾンダだとRacing Zeroに比べて、のっそりしてしまいます。
カンパ・ゾンダと同価格帯ホイールとの比較
ヒルクライム性能などで、Racing Zeroと比べるのは流石に酷なので、同価格帯のキシリウム、Racing 3、アルテグラと比べてみましょう。
いずれも実売価格で、3万円~4万円となる完組ホイールです。
このうちアルテグラ 6800のホイールには乗ったことがありますから、このホイールとの比較を中心に話していきます。
カンパのゾンダには、2way-fitというチューブレスレディのモデルがあります。
このモデルは重量がかさんでしまい、チューブレスにどうしてもしたい人にしか、おすすめできません。
アルテグラ 6800のホイールもチューブレスレディというところは同じで、2way-fitのゾンダと比較すると、重量面の差は、ほとんどないと言ってもよいでしょう。
アルテグラとの違いはリムだけではなく、スポークとスポークパターンにあります。
アルテグラの後輪は2クロスの20本、ゾンダはG3と呼ばれる、特殊なスポークパターンです。
ゾンダとアルテグラを比べると、ゾンダの方がかかりが良く、俗にいう剛性があるというホイールです。
一方でアルテグラは、チューブレスタイヤをはかせて、乗り心地に大きくポイントを振ったホイールに仕上げることができます。
ゾンダとアルテグラは、似たような価格帯ですが、使えるシーンが全く異なるでしょう。
カンパ・ゾンダのヒルクライム絶対性能
カンパ・ゾンダの性能は、同価格帯の中では優れていると思うのですが、ホイール全体では、どのように位置づけることができるでしょうか。
カンパニョーロのホイールの特徴としては、ハブの回転が良く、G3スポークパターンで見た目をかっこよく、というところでしょう。
ヒルクライム性能自体は、Racing zeroやRacing one、そしてマヴィック・キシリウム・エリートなどには負けてしまいます。
スポークパターンが特殊で、ほぼ均等にスポークを配しているミドルグレード以上のホイールに対しては、横剛性の面で不利です。
また、シマノを使っている人は、カンパフリーのゾンダに比べて、ハブの重量が増えます。
この理由は、シマノのスプロケットは溝が浅く作られていて、その分フリーを丈夫に作らないといけないとカンパは考えているからです。
ジャイアントやボントレガーの完組ホイールなどで、よく使われているDT SWISSのフリーハブは、シマノの場合、長く使っていると噛んできます。
そのうち変速不良を起こしてしまうでしょう。
そういう意味では、カンパにシマノスプロケットを搭載しても心配はありませんが、重量が少しかさむことだけは覚えておいてください。
2017年モデルのカンパ・ゾンダはヒルクライムに使えるか
2016年の年末に、ゾンダの新しいモデルが発売されました。
C17という名前がついていますが、これはリムの内径が15㎜から17㎜に拡大されたことに由来するものです。
カンパは、このリム幅拡大で25㎜タイヤに最適化されたと発表しています。
しかし、その分、重量はかさんでしまい、1,600g台になってしまいます。
シマノフリーは改良され、カンパフリーのハブと、ほとんど同じ重量になったのは救いです。
リムやタイヤの重量というのは、ヒルクライム性能に直結します。
なぜなら、リムとタイヤの重量は、加速に関係するからです。
ヒルクライムというのは加速の連続ですから、リムとタイヤの重量、そしてリムが歪まないことがヒルクライム性能を左右します。
しかし、新型ゾンダは旧型に比べ、リム重量が増加し、そして25㎜タイヤをはかなければならないということはタイヤ重量も増えます。
プロが25㎜を使っているとか、23㎜と25㎜のどちらが路面抵抗が少ないかといった議論は省きます。
純粋にヒルクライムだけに焦点をあてると、重量が重くなったのは残念です。
しかし、物事はすべて裏表があります。
新型ゾンダは、かなり乗り心地や安定性に重点を置いたホイールになったともいえるでしょう。
まとめ:カンパのゾンダはヒルクライムに向いているか
普段、ゾンダよりも上のホイールに乗っているせいで、相対的な評価では、どうしても不利なことしか言えません。
ですが、20万円でロードを組みたいなどと、予算が決まっている時には、ゾンダはとても良いです。
もしお金があり、ヒルクライムを頑張りたいなら、アルミクリンチャーならRacing ZeroやRacing1。
カーボンチューブラーでも良いなら、手組のカーボンなどを買った方が良いです。
同価格帯の6800やキシリウムよりも優れたホイールだと思います。