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自転車の交通違反による事故、ネット動画に見る危険な実態

2016.5.24

2015年6月、道路交通法の改正により強化された自転車の危険運転への取り締まり。
警察庁のまとめでは、施行から年末までの半年間で摘発された違反件数は全国で7924件と発表しています。
しかし、この数字はあくまでも悪質な危険運転行為として警察が摘発した件数であり、自転車の危険運転行為の実態とはほど遠いデータであるといわざるを得ません。
自転車が関わる交通事故の件数は減少傾向にあるといいますが、その一方で一向に減る気配のない自転車の危険運転。
インターネット上ではその危険運転が招く様々な事故の実態が生々し動画とともにあふれています。

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危険運転が招いた自転車の事故がネット動画に多数投稿

近年、ドライブレコーダーの普及に伴い事故の瞬間を捉えた映像がインターネット上に数多く投稿されるようになりました。それに伴い、これまではなかなか分からなかった自転車の危険運転による事故の詳細な実態が、これらの動画によって明らかになってきています。
自転車の事故はクルマ対自転車に限られたことではありませんが、多くの自転車が事故を起こす原因を究明する上で大きな手掛かりになることは間違いありません。
また、人命に関わるような大きなケガや損傷につながることの多いクルマとの接触事故を減らす上でも、普段からどんなところに注意をすれば良いのかといった対策を立てる上でも大きな助けになります。
プライバシーの問題やモラルの問題など、なにかと物議をかもすことが多いインターネットでの動画投稿。自転車事故の様々な動画の一部にも、そうしたものがないとはいえません。
しかし、自転車の危険運転が引き起こす悲惨な事故の実態を多くの人たちに伝えるという意味では明確な効果が期待できるといえるのではないでしょうか。

事故防止へ。自転車の危険運転14項目、覚えてますか?

ところで皆さん、昨年2015年の6月に施行された道路交通法改正の目玉となった〈自転車運転者講習の対象となる危険行為〉の14項目、ちゃんと覚えてますか?
施行当時、大きな話題となりテレビ各局のニュースやワイドショーで連日紹介されていましたね。
その14項目は、以下に挙げた通りです。

●信号無視 ●遮断踏切立入り ●指定場所一時不停止等 
●歩道通行時の通行方法違反 ●制動装置(ブレーキ)不良自転車運転  ●酒酔い運転 
●通行禁止違反 ●歩行者用道路における車両の義務違反 (徐行違反) ●通行区分違反 
●路側帯通行時の歩行者の通行妨害 ●交差点安全進行義務違反等 ●交差点優先車妨害等
●環状交差点安全進行義務違反等 ●安全運転義務違反
(警察庁・全国都道府県警察 配布リーフレットより引用)

かなり解りづらいものもあるのでいくつか補足します。
〈歩道通行時の通行方法違反〉 歩道を走る時に歩行者の進路を妨げる行為
〈通行禁止違反〉 歩行者天国やアーケード商店街などでの走行(自転車は降りて押さなければいけません)
〈交差点安全進行義務違反等〉 交差点での右折時に直進車の進行を妨げる行為
〈交差点優先車妨害等〉 信号のない交差点で優先車の進行を妨げる行為
〈環状交差点安全進行義務違反〉 環状交差点の逆走や優先車を無視して交差点に侵入するなどの行為
〈安全運転義務違反〉 主な対象となるのはスマホやケータイのながら運転、傘さし運転などの行為

これらの危険運転の中には分かっていても、ついこのくらいと思ってやってしまう違反もあります。さて、皆さんはどうでしょう。切符を切られたという人もいるのではないでしょうか。
これらの違反ですが、3年間で2回以上摘発され違反切符を切られると、命令により〈自転車運転者講習〉(約3時間/有料5700円)を受けなければなりません。命令を無視した場合は5万円以下の罰金となります。気を付けましょう。

自転車の危険運転、摘発件数で最も多い都道府県は

冒頭で道路交通法改正後の2015年6月から年末までの自転車の危険運転行為で摘発された件数は全国で7924件といいましたが、この内訳で最も多い都道府県はどこかご存知ですか?
知らなくても想像がつくという方、多いんじゃないでしょうか。
そう、大阪府です。なんと大阪府だけで全国の約3分の1、さらに兵庫県と京都府を加えると近畿3府県で全国の約半数となります。東京から転勤で大阪に行った人などから、大阪は怖くてクルマの運転はできないということをよく聞きます。クルマ同様、自転車もマナーを守らないことが多いようです。
しかし、東京都も摘発数の約4分の1を占め、人口比の割合に比べ高い数値を示しています。これは、文化や風土的な問題の他、都市部での交通環境が依然として混沌とした状態にあることを示したものです。
ワイドショーなどでは大阪ネタの軽妙なトークで語られる傾向にありますが、現実には道路行政においてルールの徹底もさることながら、道路整備が急務であることを示したデータといえます。

自転車の危険運転、摘発件数で最も多い違反行為は

では、これらの自転車の危険運転14項目のうちで最も多い違反行為は何でしょうか?
それは、信号無視で約4割を占めています。そして次に多いのが遮断機の降りた踏切への侵入。3番目がスマホやケータイのながら運転が大半を占める安全運転義務違反となっています。朝の通勤・通学時で急いでいる時など、クルマが来ていないと赤信号でもつい軽い気持ちで交差点を横断してしまうということが多いようです。
また、意外に多いと感じたのが踏切への侵入です。踏切での事故は幾度となくニュースでもその現場の光景が報道され、跡形もなく潰された自転車やクルマが事故の悲惨さを物語っています。にもかかわらず、多いというのはどういうことでしょうか。首都圏では渋滞緩和のための鉄道の地下化や高架が進んでいますが、まだまだ開かずの踏切の問題が依然として多いということかも知れません。
これに対して、3番目のながら運転による違反は完全に運転者の意識だけの問題です。交通環境などが要因となっているものではありません。モラルを徹底させれば解決できる問題です。通信会社やメーカーの責任が問われることではないのかも知れませんが、販売促進のためのコマーシャルばかりではなく、業界としてもっと使い方に対するモラルやマナーの啓蒙をすべきではないかと思います。

自転車事故の防止につながる動画の効果、もっと活用を

パソコンやスマホが社会に浸透し、誰もが画面を通じて様々なコミュニケーションをする時代になって情報のあり方が大きく変わってきています。マスメディアの発信力は低下し、その分パーソナルメディアの情報力が大きく伸びています。
こうした状況の中、公官庁の広報活動もこれまで通りのやり方ではなく、インターネットやSNSといった新たなメディアを使った様々な情報の展開をすべきなのではないでしょうか。単に1枚のポスターやリーフレットを配布するよりも、学校や職場での啓蒙活動に使える様々な動画を配信する方が経費やコストの問題も含めより効果的だと考えます。
例えば、わざわざ動画を作らなくても現状で様々な動画がネット上にはあふれています。そうした動画を投稿者の許可を得て編集し、オープンにして誰にでも活用できるようにすれば、どこに貼られるのか、誰が見るのかも分からないポスターなどを作るより確実に効果があるのではないかと思います。

まとめ、動画を見れば一目瞭然、事故から守るのは自分の命

ネット動画を見れば、自転車事故の悲惨な実態が一目でわかります。これはポスターやリーフレットなどでは、なかなか伝わるものではありません。
法令を遵守する。モラルやマナーを守る。そんなことを山ほど言われても実感として湧く人はいないでしょう。
しかし、動画ではそれが一目瞭然です。
自転車とクルマの事故の場合、何かあったら交通弱者として自転車は保護されるという意識が、自転車に乗る多くの人たちにはあるように思います。確かに法律的には守られるかもしれません。ですが、事故のダメージから守られることはないのです。さらに、現在はドライブレコーダーを搭載したクルマも多く、危険運転が証明されれば被害者として保護されることまでなくなることがあり得ます。
まさに、それは今の時代における自転車事故の悲惨な実態といえるでしょう。
交通安全の規則を守る。モラルやマナーを守る。それは自分の命を守ることだと多くの動画は伝えてくれます。

 - 自転車 交通ルール, 自転車全般