風が強くても自転車に乗りたい!横風のときはどうする?

晴れた日の自転車は、とても気持ちが良いものですよね。

しかし、毎日が晴れ、というわけにはいきません。
雨の日もあれば、横風の日もあるわけです。

そんな天候のときでも、できるだけ楽に走りたいですね。

強風や横風のときの自転車の乗り方について調べました。

強風で自転車に乗るとダメージが大きい

ロードバイクなど自転車走行するときは、真夏の猛暑や豪雨よりも強風が厄介です。
無風状態だとしても、ロードバイクでは空気抵抗がかなりかかるものです。

空気抵抗を減らすために乗車姿勢を変えたり、身体にフィットしたウェアを着たりするくらいです。
それほど空気抵抗は大きいので、強風が吹いていては、走行に支障が出てきます。

前から風が吹いていてはスピードが出せませんし、横風であれば、車体のコントロールが難しくなり、ふらつくこともあります。
特に前から来る風は、とても厄介です。

ロードバイクの動力は、自身の脚力しかありません。
スピードを出すには、普段よりも強くペダルを回さなければならず、すぐに脚が疲れてしまいます。

実際に、強風のあとに太ももの疲労は大きなものです。

そして、前に進みたいのに風によって戻されるような感覚は精神的にもつらく、折り返して帰ろうかと思うことあるくらいです。

このように、風は、肉体にもモチベーションにも大きな影響を与えます。

自転車走行は風速何メートルまでなら快適?

向かい風や横風が強くては、自転車の走行に支障が出ます。
そのため、風向や風の強さは、天気予報や天気予報アプリで事前にチェックするようにしましょう。

そして、自分なりの目安を作っておけば、天気予報を見ただけで走行できるかできないが、判断できるようになると思います。

これから一例ですが、風速の目安をご紹介したいと思います。

風速0m~1mは、ほとんど風を感じないでしょう。
ロードバイク以外の自転車も快適に走行でき、どこへでも行けるような、絶好のコンディションだと言えるでしょう。

風速2m~3mでは、風があるかなという程度なので、やはり快適に走行できるでしょう。
ビンディングペダルを使用しているのなら、ペダルを強く回せるので、無風状態と同じような走行も可能です。

風速が4m~6mとなると、風の影響が出てきます。
向かい風だと、ペダルが重たくなります。

前傾姿勢の効果を、よく実感できるでしょう。
それでも、通常時の走行よりも脚への負担が大きくなるので、注意してください。

風速が7m以上は、とても強い風になります。
ロードバイクの走行も難しくなり、前傾姿勢をしても風が強いので、効果を感じられないでしょう。

自転車は風の影響を強く受ける乗り物

自転車のパワーの数値を見たことがあるでしょうか。
プロでも、短時間では、出力は1000wが限界です。

峠越えでは、30分間の平均出力は340wくらいになります。

1馬力は735.5wなので、短期間であれば、馬以上の出力を出せることが分かります。

しかし50ccの原付で4.5馬力あり、オートバイなら100馬力以上出せるものがたくさんあるので、さすがにエンジンの付いているものには勝てません。

つまり、自転車の出力はエンジンの出力に比べて、とても小さいということです。
そのため、向かい風や横風の影響を無視できず、坂道の影響も同様に無視できません。

走行中に抵抗を受けたときに、エンジンをふかして出力を上げるというようなことが、人力で出力する自転車ではできないのです。

低出力マシンの基本としては、抵抗を少なくすることが重要になります。

例えば、グリスを足すことで潤滑するようにして、抵抗を減らします。
しかし、機材同士の抵抗は、風の抵抗に比べれば、わずかなものです。

自転車走行中の抵抗において、もっとも大きなものは空気抵抗なので、自転車は風の影響を強く受けてしまうのです。

ウェアで少しでも横風の抵抗を和らげよう

向かい風や横風を軽減させるために、ピッチリとしたサイクルウェアを着ている人がいますが、どの程度の効果があるのでしょうか。

サイクルウェアには、上下別のものと、上下一体になっているエアロワンピースがあります。
どちらも空気抵抗を減らすためのアイテムなので、普通のTシャツとズボンという恰好よりかは、空気抵抗を減らしてくれます。

普通の恰好ですと、服の余分な布が風を受け止めてしまい、空気抵抗をもろに受けてしまいます。
そのため、突発的な横風を受けたときに、転倒してしまう可能性があります。

真冬でも、半そで短パンという恰好で自転車を漕ぐわけにはいきませんので、自転車専用のウィンドブレーカーを着る人もいるかと思います。

ウィンドブレーカーの場合ですと、普通の恰好より空気抵抗を減らすことができますが、風を受け止めてしまうので、サイクルウェアより空気抵抗が大きくなります。

自転車に乗るときは、空気抵抗の少ない服装が良いでしょう。
また、普通の服装で乗るにしても、ワイドな服よりかはタイトな服のほうが、快適に走れるでしょう。

横風の影響を受けにくい姿勢で走る

向かい風や横風を軽減するためには、乗車姿勢が大切です。

基本は前傾姿勢です。
前から見たとき、体の面積を減らすことを意識しましょう。

より具体的にいえば、脇を締めて肘をきちんと曲げることで、前傾姿勢を取れるようになります。

疲れてくると、肘を伸ばして楽な姿勢を取ってしまうので、日頃から肘を曲げる練習をするようにしてください。

また、風の強い日は、走行中の突発的な風に耐えられるように、ハンドルはしっかりと握りましょう。
風速の弱い日のような軽い握り方をしていると、危険です。

それから横風などの風の影響を軽減するには、ギアチェンジをいつもより頻繁に行うことも大切です。

ヒルクライムでは、先読みして頻繁にシフト操作しますが、それと同様に次々にギアチェンジしていくのです。

そして瞬間的に無理をするのではなく、走行中に常に快適に走行できるように、ギアを選択しましょう。

風は見えないので、身体でできるだけ感じるようにして、風が強くなったら、すぐに適切なギアに変更できるように練習してください。

向かい風も横風もつらいけど楽しむ!

向かい風の中では、自転車の走行速度は落ちます。
それは当然のことです。

進行方向とは逆向きの力を受けているので、仕方がありません。
そのため、向かい風のときは無理にスピードを出すことはやめましょう。

向かい風や横風は走行するとき、邪魔でしかありませんが、トレーニングという視点を持てば、ありがたい存在になります。

向かい風の影響は大きく、平地だというのにヒルクライムをしているのと同じくらいのトレーニング効果があります。

ヒルクラムと向かい風の共通点は、慣性ではあまり進めないということです。
ペダルを回すのをやめた途端、自転車のスピードが落ちてしまいます。

そのような状況を平地で作るには、風しかないのです。

そして、ダンシングの練習にもなります。

平地でのダンシングは、慣性があるのであまり練習になりませんが、向かい風が吹いているなら、上りのダンシングと同様になります。

このような平地のトレーニングは、ヨーロッパのプロ選手を取り入れているくらいなので、効果は十分に期待できるでしょう。

自転車乗りには避けられない天候問題

自転車にとって、横風は本当に危ないものです。

風の強い日の走り方は、乗車体勢・シフト操作・ウェアなど色々と工夫しながら、考えながら走る必要があります。

自転車は屋外を走る乗り物ですので、天候と上手に付き合っていかなければなりません
天候が悪い日は、「乗らない」という判断も大切な選択肢のひとつですよ。