自転車に乗っていると、行き当たる上り坂。
いっそ自転車を降りて、歩いて上ってしまおうかとも思います。
しかし、そんなときに使いこなしたいのが自転車のギアです。
坂道でのギア変速は、重いほうがいいのか軽いほうがいいのか、坂道での自転車の漕ぎ方など調べてみました。
坂道を上るときはギアをこまめに変えると楽
自転車で坂道をスムーズに進むコツは、ギアをこまめに切り替えることです。
ママチャリはギアが1枚であることが多いですが、スポーツタイプの自転車には、上り坂や向かい風でも進みやすくするためのサポートとして、後輪に7~9枚のギアが付いています。
ギアは軽くすればするほど、スピードが出せなくなりますが、そのぶん楽に走ることができます。
逆に重くすると速くなるので、追い風が吹いていたり、下り坂を通るときは重いギアが良いでしょう。
ギアは、その日の天気や道路の様子、乗り手の身体能力に合わせて、走りやすさを変更するために取り付けられているものです。
ですので、状況に応じて、臨機応変にギアを切り替えるようにしましょう。
脚力に適している方が疲れにくく、乗り心地も良くなります。
ギアを切り替えるタイミングは、坂を上る直前か、傾斜がきつくなる頃合いがベストです。
また、止まるときにも、2つか3つほど軽くすることをおすすめします。
発進する際には強くペダルを踏み込む必要があるので、少しでも脚に掛かる負担を減らすためです。
自分の力量に合ったギアで漕ぐ
坂道を同じ速度で走った場合、ギアは基本的に軽くした方が走りやすくなります。
ギアが重いほど強い力でペダルを漕がなければならないため、脚に負担が掛かってしまい、無駄な体力を消耗してしまうので、疲れやすくなります。
特に初心者は、どれくらいのギアが良いのかという判断がまだできず、クランクも素早く回転させられないので、少しでもスピードを出そうと重いギアに設定してしまうことが多いのです。
乗り始めた頃は、自分に合っているギアから2枚ほど軽く設定したほうが良いでしょう。
慣れてくれば、それくらいのギアでもスピードを出せるようになります。
クランクの回転数(ケイデンス)は、ママチャリが40回転以下なのに対して、ロードバイクなどは90回転が標準値となっています。
目安としては、この2つの中間になる60回転が最適です。
練習を繰り返せば、到達できるレベルなので、初めての人は、まずこの回数を目指しましょう。
そして、楽に漕げるようになったら、80回転くらいを目標にしましょう。
坂道を上るときの走り方
自転車はとても便利な乗り物ですが、体力に自信のある人でも、上り坂は通りたくないと思うことでしょう。
自転車で坂道を上るときには、早めにギアを切り替えることがコツです。
平地から坂道に移るとペダルが重くなるので、漕ぎにくくなり、クランクがそれほど回らなくなってしまいます。
その際に変速しないと、脚に掛かる負担が増してしまいます。
ギアを切り替えれば、スピードが落ちることなく、平地と変わらない速度を維持したまま、坂道を走り続けることができます。
どのくらいのケイデンスが最適なのかは人それぞれですが、目安は平地の85%くらいが良いでしょう。
それを普段から意識するには、ペダルを力強く踏み込むのではなく、軽く踏んだだけで滑らかに回転させることができるくらいの感覚を身に付けることが重要です。
脚がスムーズに動いている感覚を保ちながら、坂道に差し掛かるタイミングでギアの切り替えを行うことで、上り坂でも、あまりきついと感じずに進むことができるでしょう。
ギアと体の使い方
自転車で坂道を走るときには、ギア比を最も小さくすることが多いようですが、脚が上手く回らないと感じる場合は、クランクを変えてみることも考えてください。
ギア比が低すぎると、徒歩とあまり差が付かないどころか、歩いた方が速いと感じてしまいます。
ですが、自転車を押して歩くのは平地でも大変ですし、それが坂道となると、自転車はただの荷物にしかなりません。
上り坂を上るときは猫背にならないように、上半身をピンと伸ばすことがポイントです。
ドロップハンドルを使っているなら、アップバーを手の平で押さえ、肘を軽く曲げてください。
そして上るときは、腕で上半身を固定するイメージで力を込めていきます。
重めのギアを使う場合は、ハンドルを前に押し出すようにすると良いでしょう。
ギア比を限界まで軽くしても、ペダルを強く踏み込まなければ進まないようになってきたら、ハンドルをおへその辺りに引き寄せるようにしてください。
手はハンドルに引っ掛けてやり、強く掴んではいけません。
坂道はギアをうまく使ってダンシング
坂道では脚の筋肉に掛かる負担が平地よりも大きくなるため、こまめにダンシング(立ち漕ぎ)を行って、筋肉をリフレッシュさせてやると良いでしょう。
コツは、ギア比を通常よりも1~2段階ほど上げて、ケイデンスを減らしてやることです。
ブレーキブラケットを強く握り、自転車そのものを軽く左右に振っていくのですが、身体はそのままの状態を維持してください。
身体が動くと真っ直ぐ進むことができず、ふらふらっと不安定な動きになってしまいます。
スタートから立ち漕ぎを行うには、停止する前にギアを軽いものに設定しておき、発進するタイミングで自転車を左右に振って、立ち漕ぎをしながらスピードを上げていきます。
これをスムーズに行えるように、何度も練習をしてください。
ダンシングは、決して効率の良い走り方ではありません。
筋肉や心臓があっという間に疲れてしまい、使いすぎると坂道の途中で力尽きてしまうこともあります。
筋肉をときどき休ませることと、頻繁に使用しないことを頭に入れておきましょう。
坂道で休みたいときは
自転車で坂道を上っていると、だんだん疲れが溜まってくるので、途中で休憩を入れたくなります。
ですが、傾斜のきつい坂では一旦止まると再発進しにくく、ギア比の低さもあって、勢いよく走り出すことができません。
そのため、ペダルを踏み込んだ瞬間に反対側のペダルも、思い切り踏む必要があります。
ただし、このタイミングの判断は難しいので、もし急傾斜の道をよく通るという人が同行しているのなら、進む瞬間に押し出してもらって、その間にシューズの位置を固定すると良いでしょう。
自分しかいない場合は、なるべく傾斜が緩くなっているところで休むようにしてください。
後は、早めに坂道をスムーズに上るコツを掴みましょう。
とはいえ、これはあくまでも基本的なことであり、実際は真っ直ぐなのか曲がりくねっているのか、風の強さや向きはどうなっているのか、傾斜はずっと同じくらいなのかなど、状況に応じて走り方は変わります。
いろんな坂道を走ってみて、自分に合った坂道の走り方を見つけてください。
ギア次第で坂道も楽々上れる?!
自分の体力に合ったギア変速をすれば、坂道は怖くありません。
自分のコンディションに合わせて、疲労しすぎないように調整しながら走りましょう。
乗り方次第で、坂道もすいすい上れるかもしれません。
練習しながら、ギアチェンジのコツを身に着けていってくださいね。