こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
ロードバイクにおいて、ホイールってとても大事な部品ですよね。
ホイール2本で人間と自転車のフレーム、パーツ全ての体重を支えながら、同時に滑らかな回転によって、前につるつるっと進めるわけです。
レースはもちろん、ロングライドでもホイールは、ロードバイクにとって最も大事な部品です。
今回は、ロングライドに良いロードバイクのホイールというテーマです。
ロードバイクのホイールの見極めポイント①
ロードバイクのホイールを選ぶときのポイントを考えてみましょう。
『軽さ』は、みなさん大好きですね。
次にハブ(ホイールの中心の部品)の『回転性能』、これも割と気にする人が多いです。
それから硬い、柔らかいなどの『剛性』。
硬過ぎても疲れやすいですが、柔らかいホイールは、坂で全然進まないのでダメです。
ロングライドなどでは、ほど良い硬さが欲しいですね。
ザックリ言えば、性能面ではこの3つの要素が大事になります。
そして、『買うときの値段』『買ったあとに掛かる値段』『耐久性』『メーカーサポート』『補修部品の入手しやすさ』『メンテナンスのしやすさ』などの要素も、総合して考えなければいけません。
例えば、
「値段もお手頃だったし、凄く軽くて回転性能も良いけれど、ちょっと剛性が低くて、坂でダンシング(立ち漕ぎ)すると、踏み込むと力が逃げてしまう感じがする。1年ぐらい使っていたら、スポークが折れてしまって、お店に持って行ったけれど、補修用のスポークが特殊なので取り寄せに3ヶ月掛かった」という場合。
このホイールは、ちょっと微妙かもしれません。
でも、値段と合わせて考えればOKという人もいるでしょう。
「補修用のスポークは、日本では手に入りません」だと、これはさすがに困ります。
そういうところも含めて、いろいろなホイールを見ていきましょう。
ロードバイクのホイールの値段相場①
まずは、ロードバイクのホイールの現在(2016年前半)のだいたいの価格というところを考えてみましょう。
なお、価格は前後セットのおおよその定価です。
《とりあえずのエントリーグレード(4万円以下)》
まず、最初買ったままのロードバイクについていることが多いのは、シマノのR500かRS010というモデルです。
15,000円もしないくらいですね。
重いですが、きちんと走ります。
シマノ先生は本当に優秀です。
メーカーによっては、マビックのアクシウムやフルクラムのレーシング7が入っています。
アクシウムは、ちょっと高級で4万円ちょっとですね。
レーシング7は、3万円弱。
だいたい4万円以下という基準です。
この価格帯のホイールは、とりあえずのホイールです。
でも、上に挙げたメーカーのように大手のものであれば、きちんと安全に走ってくれますし、ロングライドでも特別に何か困るということはありません。
もちろん、重いですし、ベアリング性能もさほど良いものは使っていませんから、走りについては快適とは言い難いですが。
修理については、工賃や手間など含めて考えると下手に修理するより、ホイールごと新品に買い換えた方が良いという場合も少なからずあります。
ロードバイクのホイールの値段相場②
《エントリーグレードのちょっと上の世界(4~9万円程度)》
だいたいですが、値段が4~9万円くらいの世界でしょうか。
先ほど、エントリーのホイールに含めたマビックのアクシウムは、実際にはこちらに入ります。
他にマビックですと、2016年モデルでは、無印のキシリウムというラインナップが7万円程度ですね。
マビックは、値段や性能の割には、少し高めと感じる方も多いですが、剛性の高さ・補修パーツのストックの良さ・メーカー保証も比較的良いなど人気のあるメーカーです。
この値段帯で有名どころのものは、シマノならアルテグラ 6800が5万円ほど、RS81-C24が8~9万円。
値段と性能のバランス、メーカー保証など含めて考えると、シマノは本当に強いです。
見た目のかっこよさでロードバイク乗りから人気があるのは、カンパニョーロZonda(ゾンダ)が6万円中盤。
値段と性能のバランスも良い上に、見た目がカッコイイです。
ロングライドにもオススメです。
後輪のスポークがG3組(スポークの組み方)というカッコイイ感じになってます。
ただし、G3のホイールはフレ取りが大変というリスクはあります。
他の有名どころだと、フルクラム RACING QUATTRO(レーシング クアトロ)が5万円中盤ですね。
ロードバイクのホイールの値段相場③
《10万円以上のアルミリムクリンチャーのホイールたち》
・シマノのDura Ace(デュラエース)シリーズのクリンチャー
・カンパニョーロのシャマル
・フルクラムのレーシングゼロ
・マビックのキシリウムの上位グレード、Rシス
などが入ってきます。
ここのラインナップは、ある程度のロードバイクのレースからロングライドや普段履きまで、オールマイティに使いやすいと言われます。
もうひとつ上のフルカーボンの世界になってしまうと、慣れた人でないと普段使いで少し困るということも。
ここより低い価格帯のホイールだと、レースで使うには性能的に見劣りするので、気になります。
ロードバイクのホイールの値段相場④
《フルカーボンのホイールたち》
フルカーボンのホイールは圧倒的に軽く、ディープリム形状にできるため、高速域を安定して走れますし、剛性も高めることができます。
レース機材としては、圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
レース以外で普段使っても、圧倒的に楽です、速いです。
しかし、価格が20万円以上、高いものだと50万円を簡単に越えます。
また、チューブラータイヤのモデルも多く、パンク修理に困るという人もいます。
また、カーボンの技術というのは、メーカーによってかなり差があります。
あまり安過ぎるものだと、チューブラータイヤの張り替えの際に、カーボンが剥離してしまうなどのトラブルに遭うこともあり、注意が必要です。
また、アルミのホイールに比べると、ブレーキが効きにくい製品が多いです。
やはり、慣れが必要です。
特に、雨の日でのロードバイク走行は注意が必要です。
シマノ・マビック・カンパニョーロなどのアルミのホイールも、カーボンのホイールも強いメーカーです。
ZIPP・LIGHT WEIGHT・Bontragerなど、カーボンのホイールで有名なメーカーがあります。
どちらでも、好みで選んで問題ないでしょう。
メーカーによって、完全に一発勝負のレース専用機材のような製品もあれば、ロングライドや普段使いから、ガシガシ使っても壊れないというタイプの製品もあります。
ロングライドに適したホイールとは①
ロングライドに適したホイールと、ひと口に言ってしまうのも難しいものです。
ただ、値段相場から大きく外れた安すぎるホイールや、あまり名前を聞いたことのないメーカーのホイールなどは、トラブルの可能性を考えると避けた方が無難でしょう。
昔ながらの人は、「遠出しているときに壊れたら困るでしょ」ということで、性能は少々悪くとも、頑丈なホイールを勧めます。
これは一理あります。
ロングライドの山の中で、ホイールが壊れると本当に困ります。
ロングライドには頑丈なホイールというのは、ひとつの選択肢です。
しかし、せっかくお気に入りのロードバイクで楽しくロングライドするのに、重たいホイールで走るのは、もったいない気がします。
軽やかに走りたいから良いロードバイクを買うわけですから、やはりホイールもいくらか良いものを使って、快適に楽しみたいですよね。
何より、楽をしたいですから。
そういう人には、先ほどご紹介した10万円以上のアルミリムのホイールがオススメです。
アルミリムの場合、耐久性も問題ないですし、軽さなどの性能も優秀です。
軽量化しているぶん、重いホイールよりは、耐久性などが落ちているという考えもありますが、趣味で週末のロングライドで使う程度で問題が起きるようなことは少ないです。
もちろん、経年劣化などの問題もありますので、定期的にショップでの点検を受けるという前提ありきです。
そういった理由から、ロングライドでは、アルミリムの中~上くらいのホイールを使うという方が多いように思います。
ロングライドに適したホイールとは②
ロングライドでも、フルカーボンのホイールをロードバイクに使うという方もいます。
やはり楽をしたいということと、せっかくの趣味の道具だから良いものを使いたいということでしょう。
以前、知人で普段使いから、フルカーボンチューブラーのホイールを使っている人がいたのですが、その人は予備タイヤを持って行かないんです。
「パンクしたときの予備タイヤはどうしてるんですか?」と質問してみたら、
「今どき、日本中どこでも携帯が繋がるんだから、妻に車で迎えに来てもらうか、タクシーで帰りますよ」と言っていました。
「なるほど、休日の趣味だから、そういう考え方もアリだなぁ。何だかリッチだなぁ、良いなぁ。迎えに来てくれる優しい奥さん良いなぁ」などと思ったものです。
チューブラーは、いざパンクすると修理に慣れが必要ですが、練習さえすれば決して難しいものではないです。
クリンチャーと違って、薄いインナーチューブのリム打ちなどは存在しないので、基本的にパンクに対しては強いです。
思い切って「パンクやトラブルがあればタクシーで帰ろう」と割り切って、使ってしまうのもアリなのかもしれません。
究極のロングライド、ブルベには?
ブルベという、制限時間内に長距離を走る競技があります。
200・300・400・600・1,200kmと、一般常識では考えられない距離を走ります。
しかも、ルート内には山岳も含みます。
究極のロングライドと言っても、問題ないでしょう。
究極のロングライド、ブルベに適したロードバイクホイールとはどんなものでしょう?
実際、ブルベに参加する人の間でも、様々な意見があります。
ブルベは、少々の雨であれば開催します。
ただでさえ、非常に長い距離を走る上に、雨の中で走ると物凄く部品などの消耗が激しいです。
ですから、安くて頑丈なものを使うという考えの人もいます。
かと思えば、とんでもない長距離を少しでも速く楽に完走しきるために、非常に高価なフルカーボンホイールを使うという人もいます。
安くて頑丈なもので人気があるものは、シマノR500でしょう。
壊れても、前後で1万円ちょっとで新品が買えますから。
あとは、リムとハブを別々に買って、手組みで仕上げるというのもあります。
ただ、あまりに重いので、アルテグラ辺りを使う人も。
値段の高いものを使う人から人気があるのは、デュラエース C35や、マビックのキシリウムシリーズのカーボンスポークモデル。
同じくマビックのコスミックカーボンアルティメイト(略してCCU)のように耐久性もある程度あって、山も平地もこなせるタイプのものでしょう。
シマノのデュラエースシリーズは、クリンチャーモデルであれば、アルミとカーボンラミネートですので、耐久性も期待できます。
マビックだと、キシリウムのカーボンスポークモデルが、アルミリムなのに20万円以上しますが、圧倒的に良い走りをします。
CCUについては、50万円を越す超高級ホイールですが、圧倒的な走りの良さはもちろん、耐久性の高さにも定評があります。
プロの選手が、春先のパリ~ルーベなどのクラシックレースで使用しているモデルというのが、ひとつの目安になるかもしれません。
クラシックレースは石畳を含み、なおかつ距離も長いレースです。
しかし、注意したいのはプロのレースの場合、サポートカーが付いていて、万が一の場合には、新品のホイールに交換してくれるという前提ありきなのです。
必ずしも、『プロが使っている=我々アマチュアにも使い勝手が良い』というわけではないです。
ロングライドのホイールのまとめ
ロングライドに適したホイールということで考えてきましたが、最終的には「絶対これ!」というものはないですね。
最終的には、ロングライドのホイールは、その人の予算次第じゃないでしょうか。
別にレースじゃないので、速く走り切る必要はないですから、安いホイールでもロングライドはできないことはありません。
ただ、やはり良いホイールで走る方が、快適で楽というのは間違いありません。
ちなみに僕は、個人的にはマビックのキシリウムエリートをロングライドで使います。
結構古いやつで、当時は定価でも10万円しませんでしたが、現行モデルだと10万円ちょっとくらいですね。
そのくらいの金額が『じてんしゃライター』という仕事の懐事情ですね(笑)
そろそろ壊れるかなと思いつつ、意外と壊れず長く使えて、愛着のある良いホイールです。