自転車って買い替えの時期があるの?

こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
どんなものでも使っているうちに消耗してきて買い替えが必要になる時期ってありますよね。自転車にもそういう時期があるんでしょうか。
それとも修理をすればずっと使い続けることもできるんでしょうか?
修理するのと買い替えだとどちらが安くつくんでしょうか。
今回はそんな自転車の買い替えについて考えてみたいと思います。

自転車は整備すれば買い替えなくても良い?

良いモノを買っておけば長く使えて、結果的にお得になるというのは買い物全般に言えることですが、自転車の場合はどうなんでしょうか。

自転車の場合、購入時の金額の問題よりも、どちらかというと買った後のメンテナンスの方が重要です。メンテナンスにはお金が掛かりますが、長持ちさせるにはメンテナンスは必須です。
ただ、あまりに安すぎるものを買うと、付いているパーツなども安く壊れやすいオモチャのようなものが付いていることもあります。値段の高いモノの方がしっかりしているという場合がほとんどです。
しかし、あまりに高額すぎるロードバイクなどでは、今度は耐久性よりも軽量性などを重視する部品もありますので、「高い=長持ちする」とはあっさりとは言い切れません。

値段が高くて長持ちしやすい部品でも、メンテナンスしなければ駄目になるというのは間違いありません。
駄目になってしまってから修理しようにも一度壊れると直せない場合もあります。壊れるより前にメンテナンスしてあげるのが重要です。

自転車の買い替え時期?

しかし、メンテナンスをしていても、いずれは駄目になってしまいます。形あるものはいずれは壊れてしまいます。
もちろん、メンテナンスをしているかしていないかで、壊れるまでの期間は倍以上に伸びます。

買い替えの時期の目安としては、修理費の見積もりが新車を買うよりも高くなってしまっている場合です。
これは五万円くらいのクロスバイクでよくある事例ですね。
前後のタイヤ、チューブとチェーン、ワイヤーを一通り交換して、ホイールのハブのグリスアップなどもしようと思うと、工賃を合わせると、もう少しで新車が買えてしまうという場合があります。そんな時には思い切って買い替えるのも良いかもしれません。

あるいは愛着があるのでまだまだ使いたいという場合は、せっかくなので少し金額が掛かってもちょっと良いグレードの部品に交換するというのも良いかもしれません。

ロードバイクなど十万円を超える金額の自転車については買い替えよりも修理の方が安く済む場合が多いですね。

どうしても買い替えが必要な時期もある

劣化しているのが部品だけなら、部品の交換、修理で何とかなりますが、フレームが劣化してしまっている場合には買い替えが必要になります。
フレームのみの買い替えは、部品の移し替えの工賃が掛かるので、それを計算しないといけません。
また、完成車、最初から部品などがすべて付いている車体に比べ、フレーム単体で買うのは割高になるということも考慮しなければいけません。

なので、クロスバイクの場合はほとんどの場合が車体ごと買い替えとなります。
ロードバイクについては少々難しいですが、目安としては使っているコンポーネントが105以上であればフレームだけ交換するのも選択肢に入るでしょう。
というのも、ティアグラ以下の場合、コンポーネントの金額は知れています。載せ替え工賃と、フレーム単品の割高とを合わせて考えると、明らかに損してしまいます。

これがロードバイクを買うときに、「105以上がオススメ」
と世間でよく言われる理由の一つでしょう。
性能的には昨今のティアグラ、ソラはかなり良くなっていますが、後の修理、メンテナンスの時に、いまいち使いづらい値段帯なんですね。

具体的にどのくらいの時期が買い替えの目安?

具体的に何年くらい使えますか?といった質問はよくあります。
これは、車種や使用頻度、メンテナンスの程度などでも変わりますが、一般的に自動車なんかだと十年も走ればよく走った方でしょう。自転車の場合でも、十年も使えばよく使っている方だと言えるでしょう。
使用頻度、メンテナンスでかなり変わりますが、十年乗れば大事にしたということで買い替えを検討しても良いかもしれません。
自動車の場合、二年に一回の車検をして十年です。自転車の場合、車検はありませんが、全ての部品を分解して洗浄、注油、組み付けをするオーバーホールというメンテナンスをすれば十年は問題ないという場合が多いと思います。
ただし、繰り返しますがフレームの材質や、走行距離などでも全く違います。
オーバーホールも何もしなければ五年で自転車はボロボロになります。

クロモリのフレームで大事にしていれば十年よりもっと長く使うことも出来ます。
アルミの場合はハードに使っていると疲労が蓄積して折れてしまうので、十年もすれば買い替えの目安だと言えるでしょう。
カーボンフレームはまだ歴史が浅いので断言することが難しいですが、表面の塗装の寿命がフレームの限界と考えても良いかもしれません。
塗装だけし直すというのはカーボンの場合、少し難しいかもしれません。
自転車のカーボンは非常に繊細ですし、独特の技術で作られています。メーカーはカーボンを保護するための塗装まで含めて考えて作っていますので、適当な塗料を塗ってもカーボンの保護としては不安が残ります。

クロモリの自転車も

そう考えていくと、クロモリの自転車が一番長く使えそうに思えます。
確かに、メンテナンスをまめにしてやればクロモリは長持ちします。
ただ、クロモリには錆びるという致命的な弱点があるんですね。それなりに大事にしているつもりでも、中を開けると錆びているというのはよくあります。
かと言って、全く錆びさせないように神経質になりすぎると、ほとんど乗らなくなってしまいます。
たしかに、乗らなければ長持ちしやすいです。
ただ、乗らないのは一番もったいないです。

クロモリの中がある程度錆びてしまうのは仕方ないにしても、やはり小まめなメンテナンスはしたいところです。
オーバーホールを毎年するというのが理想的でしょう。
また、雨の中乗った後にはシートポストを抜いて逆さにして水を出してやるというのも昔からよく言われるやり方です。

カーボンはサビには無縁です。また、ダメージの蓄積という点についても強いです。
ただ、カーボンを固めるための樹脂、強化プラスチックのようなものが紫外線で劣化していくため、やはりクロモリの方が強く長持ちしやすいと言えるでしょう。

そうは言っても、カーボンの軽さ、速さはやはり魅力的ですし、そこまですぐに経年劣化するわけではありません。
転倒などでの破損がなければカーボンも十分に長く使えます。

アルミもサビに強く、比較的価格も安く、クロモリに比べると軽いです。疲労の蓄積でいずれ割れてしまうとは言えど、そんなにすぐに割れるものではありません。

死ぬまでずっと大事に乗りたいという人にはクロモリが良いですが、死ぬまで乗れるようにするにはそれなりに小まめなメンテナンスが必要ですし、お金もそれなりに掛かります。

どの自転車もいずれは買い替えなくてはいけない

当然と言えば当然なのですが、どんな自転車もいずれは買い替えが必要になります。
昔はクロモリは溶接が出来るからずっと使えるとも言われましたが、今ではそういう溶接を受けてくれる自転車屋さんは少ないでしょう。一台の自転車を長く大事に使ってくれるのは自転車屋さんとしてもとても嬉しいことですが、やはり商売としては新車も買ってもらわないと食べていけないというのも事実です。

自転車が好きな人の中には、性能よりも昔ながらのルックス、長く愛用できるという理由でクロモリが好きな人も少なからずいます。
私もクロモリがとても好きです。クロモリは坂は登れませんが、やはり雰囲気が素晴らしく良いですよね。

少し愚痴になってしまいますが、お金にやかましい時代になっているのかな、と思うこともあります。
昔は、自転車人口が少なかったこともありますが、自転車屋さんには自転車が好きな人が集まり、店主も客も持ちつ持たれつといった関係で、さほどお金にシビアなこともなかったのでしょう。無理に初心者に新車を売らなくても昔からの馴染みのお客さんの修理と注文で何とかやっていける。
そういう時代なら、長く乗れるクロモリの自転車を売って、修理してといった具合でもやっていけたんでしょう。
しかし、インターネットもあり海外通販などもある今の時代でそんなことをしていては食っていけません。部品は安い海外通販で買って、困った時だけ修理してもらってでは自転車屋さんはやっていけません。
自転車屋さんもボランティアじゃないので、食う方法を考えないといけません。
新車を買い替えてもらうよう努力しないとやっていけなくなります。

買い替えが少なくても済むクロモリの自転車が減っていったのは、もちろん性能的な優秀さもありますが、そういう時代背景なんかもあるのかもしれません。

まとめ「買い替えを減らすためにメンテナンスを」

自転車の買い替えの話などをしてきました。
自転車も乗り物ですから、どうしてもいずれは買い替えが必要になります。
具体的な期間、時期というのははっきり何年とは決まっていないものの、自動車の買い替えと同じくらいの周期でするというイメージで良いかもしれません。
自動車も三年ごとに買い替える人もいれば、十年以上乗り続ける人もいますよね。
自転車も同じで、壊れるまで乗り続ける人もいれば、気になるモデルなんかが新しく出たりすると欲しくなって買い替える人もいます。
駄目になってしまう前に中古で売却して買い替えるというのもありです。
なので、一概にどの程度の期間乗ったら買い替えましょうというのはないですね。