自転車に必要不可欠な部品と言えばペダルです。ペダルがなければ、自転車を漕ぐことができません。
そんなペダルですが、使い続けていると、付属しているベアリングが消耗しています。
ベアリングの消耗や故障するとどうなるのでしょう。異音の原因になるのでしょうか。
ここではベアリングと異音の関係や、ベアリングのケアについてご紹介します。
自転車のベアリングの故障は異音の原因に?
自転車のベアリングが壊れていると、何か不具合があるのでしょうか。もし異音が聞こえてこないようなら、クランク軸のベアリングがすり切れている可能性があります。あまり品質の良くない自転車は、ベアリングの材質がそこまで強度のあるものではなかったり、性能が劣化していることが多いので、そこまで使っていないにもかかわらず、調子が悪くなるのです。
念のために他のパーツも点検してみて何も異常が見られないようなら、後は問題のあるパーツを取り替えれば乗り続けることが出来ます。しかし修理費用には最低でも3,000円は掛かります。
普通に走ることは出来るので、直さないまま乗っている人も多いようですが、放っておくとだんだん重量が増してペダルが漕ぎにくくなりますし、破損具合は酷くなります。
新品のものでも、値段が安いものは買ったばかりでも重さを感じ、走っていたらすぐにベアリングが摩耗したり、スポークやフレームが折れてしまったという事例もあるようです。
重くなったペダルは自転車のベアリング消耗のサイン!?
自転車のベアリングがすり切れていると、ペダルが重くて漕ぎにくくなります。この2つには何らかの繋がりがあるのでしょうか。ベアリングは回転する部分を全て管理しているので、漕ぎにくいということは、ベアリングの調子が悪いということを意味しています。
まずは異音がするかどうかを確認してみましょう。何も聞こえないようなら、今度は自転車を持ち上げたまま車輪を回してみて下さい。もしも異常が見られなければ、一旦動きを止めてから、本来の向きに逆らおうとするような回転をします。そのように回らないなら、ペダルと直接繋がっているパーツのBBを調べます。
チェーンを外し、クランクだけを回した時、動きが滑らかなら大丈夫です。しかしゴリゴリという固いものが削れるような感覚が伝わってきたらBBが原因です。
これはグリスが足りていない場合が大半なので、塗り直しましょう。カップアンドコーン式であれば、玉が当たるところのメンテナンスが不十分ということも有り得ます。こちらは早めにベアリングを取り替えましょう。
自転車のペダルとベアリングのケア①
自転車には全部で5つ、回転するところがあります。そのどれにもベアリングが使用されていますが、こまめにグリスを塗る必要があります。
油が足りないとペダルが重くなってしまい、異音が聞こえてくることもあります。乗り心地は悪くなるのできちんと塗り直しはしてあげましょう。
グリスの塗り直しは、新しいグリスの他に、一部のパーツを取り外すためのレンチやマイナスドライバーも使います。
まずはペダルを外すことから始めます。ペダルレンチと、細い隙間にも入れられるラチェットレンチがあると便利です。今回は12mmと14mmのものを使い、それぞれのナットを取りました。ダストシールにはマイナスドライバーを使うと楽に外せますよ。
ペダルとクランクを取り外す時、ネジを緩める方向には気を付けて下さい。右側は普通のネジと同じように回せば良いのですが、左側は反対、つまり時計回りに動かすとネジが緩むのです。
ペダルを漕いだ際にネジが取れてしまうことを防ぐために、このような造りになっています。
ペダルを外すなら、ペダルレンチの出番です。普通のスパナを差し込めないスペースでも、余裕で差し込むことが出来ます。
自転車のペダルとベアリングのケア②
自転車から異音が聞こえるようなら、メンテナンスをしましょう。ペダルを分解することでベアリングも綺麗に掃除が出来ます。
ペダルスパナなどでペダルを外したら、埃避けに付いている樹脂製のキャップも取りましょう。先端が細いもので捏ねるように動かせば外れます。後はプラスチックのカバーをめくるとベアリングが出てきます。ベアリングはひとつにまとまっていないため、紛失しないように布などを敷いておくと良いですよ。
まずは脱脂剤などを使って古いグリスを落とし、新しく塗り直します。ベアリングが上手く分解出来なければスプレータイプのグリスを吹き付けてから、万能グリスを外側に詰め込み、ペダルエンドのキャップをはめ込みます。そしてクランクを取り付ければ出来上がりです。
ペダルシャフトのベアリングはパーツクリーナーで洗い流し、左右のカップにグリスを塗ります。後は2つのナットを留めれば良いのですが、1つ目のナットは緩めにしておくと、2つ目を締めやすくなりますよ。
作業が終わったら、ペダルがきちんと回るかどうかを確認して下さい。引っ掛かったらもう一度調整します。
原因いろいろ?ペダリング中の異音
自転車のペダルを漕いでいる最中、異音が聞こえるようならまず原因を探してみましょう。大体は靴がクランクに当たっているか、キーホルダーなどが揺れているかであることが多いようです。違う人に同じ自転車を乗ってもらった際に音が聞こえず、ベアリングなどにも異常が見当たらなければ上述した2つのうちのどちらかだと言って良いでしょう。
ペダルを踏んだ時にきしむようなら、原因は複数考えられます。「BB・ペダル・ヘッドパーツの破損」「ステムかハンドルの調子が悪い」「シートポストのグリスが切れている」のどれかを疑ってみましょう。立ち漕ぎした途端に音が聞こえなくなったら、シートポストかサドルの周辺が怪しいですね。
変速に時間が掛かるようなら、ワイヤーが伸びていたり、リアエンドの形が変わっていたり、チェーンやスプロケットが限界に達しているなどが原因でしょう。特にリアエンドは力を少し入れすぎると、あっさり形が変わります。チェーンが劣化すると、スプロケットもあっという間にすり切れてしまいます。
踏み込んだ時の感触が空回りに近いと感じたら、チェーン周辺のパーツが寿命を迎えていると見て良いでしょう。使えなくなったチェーンをそのままにしておくと、他のパーツも巻き込むため、早急に専門店へ持っていきましょう。
原因いろいろ?空走中の異音
自転車に乗っている時、ペダリングを止めながら走っている最中に擦れるような異音が聞こえる場合は「ホイールの変形」「タイヤにこぶのような膨らみがある」「ブレーキシューがリムに当たっている」のどれかが当てはまります。ディスクブレーキならローターが歪んでいる可能性もあるでしょう。
ブレーキを掛けた時に大きな音がするようなら、ブレーキシューとリムが上手く噛み合わないか、そもそもシューがなくなっているかもしれません。そうなるとコントロールが利かなくなるので非常に危険です。すぐに新調して下さい。
空走していてバキバキという何かがきしんで割れるような音が響いていると、ハブやフレームが傷付いていることが多いようです。これは事故へと繋がりやすいものなので、早めにメンテナンスをしましょう。
これらはあくまでも例題なので、上記以外の原因による異音も珍しくありません。フォークやベアリングなどが不調かもしれませんし、まったく関係のない理由や、予想外の事態が起きているかもしれません。
原因不明の問題が発生したら、専門家へ点検をお願いしましょう。
ペダルのメンテナンスでベアリング故障を防ごう
ベアリングのケアは、手間はかかるものの自分でできるようですね。
自転車に乗っていて異音がする原因は、ベアリングの故障だけではないようです。
日々のメンテナンスを怠らないことが快適な自転車走行に繋がります。不安な場合はすぐに自転車屋さんに相談することも大切ですね。