自転車に乗っていて、「ハンドルの高さがいまいち合ってない・・・」と感じたことのある方も多いかと思います。
「でも、サドルと違ってハンドルの高さ調整は簡単じゃなさそう・・・」と思うかもしれません。
そこで今回は、自転車のハンドルの高さ調整の仕方をご紹介します。
自分でしてみたいと思う方や、興味のある方はご覧ください。
自転車のハンドルを固定してる仕組み
自転車のハンドルステムは、ハンドルと前輪フォークの操縦管をつなぐパーツです。
ステムあるいはハンドルコラムと言われます。
ステムは、ハンドルをフォークの操縦管とつなぎ、ステム長あるいは上がりで乗車姿勢を決める機能を持ちます。
ねじ付きヘッドセット用とねじ無しヘッドセット用があります。
ねじ無しヘッドセット用は最近のものです。
ねじ付きヘッドセット用ステムの下端に、ウスという操縦管内壁で固定するための金具が付いています。
ウスの中心に切られたM8の雌ねじは、ステムの上から差し込んだ長い丈の引上げボルトがねじ込まれています。
六角レンチで引上げボルトを締めると、操縦管内壁に固定されます。
これでハンドルの高さ調整が可能になります。
ウスには、くさび形とコーン形があります。
マウンテンバイクやスポーツバイクは、斜めウスタイプでハンドルを固定します。
引き上げ棒で引き上げられたウスが、フロントフォークコラム内を押し付けて、ステムを固定します。
斜めウス式ステムを緩める方法は、引き上げ棒を緩め、前輪を固定して、ハンドルを左右に動かせばステムが緩みます。
シティーサイクルは、円錐状のウスを使っています。
引き上げ棒で引き上げられたウスが、フロントフォークコラム内で広がって、ステムを固定します。
テーパーウス式ステムの緩め方は、引き上げ棒を緩め出てきたボルトを叩いてください。
自転車のハンドルの適正ポジション
自転車のハンドルは、安全かつ簡単に操作できる前後位置と高さ調整することが重要です。
遠く低くなれば、前傾がきつくなって、空気抵抗を受けにくくなるのですが、腹部が圧迫されて窮屈を感じるでしょう。
さらに、体重が腕に掛かるので、手が痛くなりがちです。
前傾がきつければ、首も痛くなりやすいので、疲れて頭が下がってしまい、前方への視線を保つのが困難になります。
反対に、近く高くなれば、ママチャリのようになるので、空気抵抗を受けやすいのですが、楽な姿勢で乗ることができます。
しかし、体重がお尻にかかるので、お尻が痛くなりがちです。
ハンドルの前後位置と高さは、空気抵抗・腕・首・お尻のバランスで決まると言えます。
私たちはレーサーみたいにハイスピードで走らないので、上体の前傾は、レーサーより緩くても大丈夫だし、そのほうが体が楽になります。
ただ、ママチャリのように垂直だと、スピードを出すときに空気抵抗が大きく、お尻が痛くなりがちなので、ママチャリよりは前傾のほうが楽になります。
自転車のハンドルの高さ調整~mtb~
マウンテンバイクの自転車のハンドルの高さ調整についてご紹介していきます。
1990年代中頃まで、マウンテンバイクに使われてたスレッドステムを外します。
ステムは、フロントフォーク中央にあるコラムとハンドルバーを繋ぐパーツです。
ハンドル根元にある引き上げボルトを緩めましょう。
2面幅6mmの六角レンチを使ってください。反時計回りに回します。
六角ねじを回すときは、レンチがボルト穴の奥まで入っているかチェックしてください。
しっかりと入っていなければ、六角穴を変形させることがあるので、注意が必要です。
引き上げボルトを緩めても動かないことはよくあります。
この場合、引き上げボルトを緩めて、ボルトの頭を10mmくらい出し、そこに衝撃を与えて、ウスの噛み合いを外してください。
六角ボルトが奥まっていて叩きにくければ、六角レンチを当てて叩くのもOKです。
叩いた勢いで六角レンチが飛ぶことがあるので、ゴーグルをかけてください。
風雨にさらされる場所に止めている自転車は、ステムが強力に固着していることがあるので、抜けないときはCRC556などの浸透性潤滑剤をパイプ内に吹いて、それからプラスチックハンマーなどで衝撃を与えて、ハンドルを左右に動かす。という方法があります。
ただ、プラハンで叩く時の力加減を間違えたら、壊してしまうことがあります。
自転車屋さんに頼むもの良いかもしれませんね。
自転車のハンドルの高さ調整~ママチャリ~
ママチャリの自転車のハンドルの高さ調整についてご紹介します。
ママチャリもノーマルステムなので、分解手順は上記のマウンテンバイクと同じになります。
引き上げボルトを反時計回りに回して緩めましょう。ボルトの頭が10mmくらい出る位置まで緩めてください。ボルトを抜かないでOKです。
プラスチックハンマを準備しましょう。銅ハンマーでも良いです。
鉄だと、ボルトや六角レンチを変形させるのでNGです。
緩めたボルトに衝撃を与えましょう。
直接叩いても良いのですが、奥まっているなら六角レンチを介して叩いてください。
ボルトに衝撃を与え、噛み込んでいるウスを落とすのがポイントになります。
ステム自体を叩くとウスが食い込みます。六角レンチで叩きにくければ、6mm六角ソケットを介して叩いてください。
六角レンチで適正トルクで締め付け、作業後には十分な確認作業をしましょう。
内部がひどく錆び付いていたら、自転車屋さんにお願いすると良いでしょう。
新車時に組み立ててある自転車は、ステム内部やウス、引き上げボルトにグリスが塗られているので、錆を予防する処置がされています。
これが修理をするとき、スムーズに外せるか、固着して苦労をするかの分かれ目になるでしょう。
雨ざらしで保管された自転車も、大変になることが想像できます。
アヘッドステムの高さ調整①
自転車のハンドルの高さ調整の続きです。
アヘッドステムタイプは、コラム部分にコラムスペーサーとステムが取り付けてあります。
コラム内部には雌ネジがあり、ステムの上からステムキャップと雄ネジで締め付ければ、フロントフォークの上下方向の締め付けを正確に調節できます。
トップキャップボルトが緩ければフォークにガタが生じ、締め付けすぎだとハンドルを切るときに抵抗が増えます。
ステムを取り外し、ひっくり返したり、スペーサーの位置を替えることで高さの調整が可能です。
ハンドルクランプボルトを緩め、クランプキャップを外しましょう。
ハンドルクランプ側のボルトを緩めてください。
取り外したら、ハンドルはワイヤーで宙吊りになります。
戻すときにワイヤーの通りを間違えがちなので、外す前の様子を撮影しておいてください。
トップキャップのボルトを緩めて、トップキャップを外したら雌ネジが見えます。
コラムクランプのボルトを緩め、ステムを抜きましょう。
ステムの横のボルトを緩めてください。
ある程度緩めて、上方向に力を入れて引っ張れば抜けます。
コラムスペーサーとステムの位置を入れ替えたり、ステムをひっくり返して角度を変えるのもOKです。
アヘッドステムの高さ調整②
自転車のハンドルの高さ調整の続きを書いていきます。
ステムを戻すときは、仮止めのようにします。
トップキャップを仮止めし、ハンドルを取り付け、角度を調整して固定してください。
トップキャップのボルトの締め付け調整で、ハンドルのガタを取り除けます。
ハンドルのセンターを調整し、コラムクランプ部のネジを締め付けて固定してください。
ハンドルの位置が変われば、ワイヤーの取り回しに無理が出ることもあります。
位置が決まれば、もう一度ワイヤーの長さも調整してください。
ステムのコラム側とトップキャップを仮止めしましょう。
コラム部ネジを仮止めし、トップキャップはネジが緩い状態で取付しておいてください。
ハンドルを取り付け、角度を調整したら固定しましょう。
仮止めのまま、ハンドルの角度を決めて組みます。
ワイヤーの取り回しとハンドルの角度を元と同じにします。
ハンドルクランプのネジは、少しずつ締めていってください。
上下左右の隙間が同じになるように回してください。
少しずつ締めていき、それ以上締めるとネジが変形しそうな手前で止めてください。
トルクレンチで規定トルクに達しているかチェックしてくださいね。
自転車のハンドルの高さ調整はどうやってするの? まとめ
いかがだったでしょうか?ハンドルの高さ調整は自分で出来そうでしたか?
自分で出来そうな方は、一度チャレンジしてみてください。
大変そうと思った方は、自転車屋さんに持ち込むのが安心できますので、持ち込みましょう。
ハンドルは、生命線ともいえるところですので、中途半端にいじらないようにしましょう。