引っ越し先に自転車を持っていきたい場合や、遠方のロードレースに参加する場合、自転車をどのように運びますか?
自転車が乗るサイズの車を持っていれば良いですが、そうでなければ自力で運ぶのは難しいですよね。
そういった場合に利用していただきたいのが、ヤマト運輸などの自転車の発送サービスです。
今回は、そんな自転車発送サービスについてご紹介します。
ヤマト運輸の自転車発送サービス
「サイクリングヤマト便」は、ヤマト運輸が提供している自転車の発送サービスです。
日本サイクリング協会(JCA)とクロネコヤマトが提携することで、実現しました。
利用するには、JCAの会員に入会後(2016年度は年会費4,000円)、サイクリングタッグを2,000円で購入します。
サイクリングタッグは一度購入すれば、以降何回でも利用可能です。
申し込みは、全国のヤマト運輸の営業所で受け付けています。
集荷依頼して回収してもらうか、直接営業所に持ち込んでください。
なお、コンビニなど取扱店では申し込めませんので、ご注意ください。
他社の自転車発送サービスと異なり、布製の輪行袋に入れて送ります。
ハードケースやダンボールに入れて発送することはできません。
料金は、ヤマト便の60kgサイズに準じます。
宅急便とは料金体系が異なりますので、注意しましょう。
<料金の例>
東京23区内~大阪市内→片道2,592円(税込)
東京23区内~沖縄→片道7,052円(税込)
※往復割引はありません。
この他の注意点は、以下の2点です。
1.カード払いは、担当ドライバーに使えるか確認する必要がある。
2.ドライバー及び営業所が、サイクリングヤマト便を知らないことがある。
2については、お客様サービスセンターに電話して確認をとってもらうと、話が早いです。
ヤマト運輸を使ってみた感想
ヤマト運輸のヤマト便で、自転車を送る際の注意点です。
電話で集荷依頼をする際に、対応が人によって異なり、サイクリングヤマト便でないと受け付けられないと言われることがあります。
そんな時は、もう一度電話して違う人に話をしてみましょう。
あっさりヤマト便で受け付けてくれます。
なお、こんな展開だと誤解されるかもしれませんが、対応は非常に良いので、安心してください。
一旦受け付けられれば、そこからはスムーズに処理されます。
自転車競技などで扱う機会が結構あるのか、手慣れている様子です。
伝票の控えは持っていた方が良いでしょう。
往復で送る場合、往路と復路で対応が異なるなどの事態に備えて持っていた方が安心です。
ヤマト便はそれ相応のコストがかかりますが、それを差し引いても便利なサービスだと思います。
輸送中に壊れる心配はあるものの、しっかり梱包すれば、その心配も軽減できます。
クロモリは多少適当でも平気ですが、カーボンの自転車は本当にしっかりと梱包しないと危険です。
最後に、天候にご注意ください。
以前送った荷物は、台風で足止めされて到着がかなり遅れました。
配達日時の指定はできませんし、早めに発送した方が安心です。
自転車の梱包について
飛行機輪行をするのに、梱包方法は色々あります。
最も安価なのは、ダンボールです。
無料で自転車屋さんからもらえます。
ただし、ヤマト運輸のサイクリングヤマト便で発送できません。
飛行機輪行用の輪行袋は、オーストリッチのトラベルバッグ”OS-500”や、ACORのバイクポーターなどがあります。
私が使っているのは、オーストリッチの”OS-500”です。
それなりに高価なので躊躇しますが、収納や移動の面で使いやすいバッグです。
なお、このトラベルバッグは、クッション材として厚いウレタンが入っており、かさばりがちです。
電車輪行には向いてません。
<トラベルバッグに自転車を収納する手順>
まず、前後の車輪を外し、エンド金具を付けます。
サドルを下げます。
リアディレイラーとチェーン周りを簡単にカバーします。
ペダルを外します。
クイックリリースを外した車輪を収納します。
ハンドルとスポークが互いにぶつからないように、注意しながらバッグに入れます。
今回は緩衝材として、ローラー台用のマットを外側に入れました。
でも、効果のほどは不明です。
この他、自転車に乗る時に使うものを、一緒に入れます。
私はヘルメット・シューズ・携帯型エアポンプ・サドルバッグなどを入れてます。
ヘルメットは、破損防止に衣類などで何重にも包みます。
傷がつかないように梱包するのが、ポイントです。
ヤマト運輸以外の自転車発送サービス①
自転車を発送できるサービスは、ヤマト運輸のサイクリングヤマト便だけではありません。
シクロエクスプレスという、自転車を梱包できるダンボールを製造・販売している「コーワ株式会社」と「佐川急便」が提携して始まった自転車発送サービスがあります。
申し込みは、インターネット上から行います。
受け付けられると、自転車梱包用のダンボールが送られてきます。
このダンボールに自転車を入れて、後は集荷をすれば、送り先に届きます。
<料金の例>
関東~関西 片道3,900円(税抜)
関東~沖縄 片道9,000円(税抜)
※往復の場合は、上記の倍額。
カード払いが可能です。
自転車梱包用のダンボールは、3,400円(税抜)です。
このダンボールは折り畳みが可能で、1~2往復程度使えます。
専用ダンボールでなくても、自前で用意したダンボールやハードケースも使えます。
ただし、幅・高さ・奥行きの合計が240cm以内であることが条件です。
ソフトタイプの輪行袋では送れません。
この発送サービスには保険も含まれており、5万円まで補償されます。
有償ですが、1口100円で10万円まで補償される保険にも入れます。
<申し込み手順>
1.インターネットから申し込む
2.送られてきた専用ダンボールに梱包
3.集荷依頼
4.届け先で受け取る
ヤマト運輸以外の自転車発送サービス②
次に紹介する自転車発送サービスは、カンガルー自転車イベント便です。
これは西濃運輸が提供しています。
名前にもあるように、提携しているイベントの会場で利用することも可能です。
申し込みはネット上から行います。
すると、専用のハードケースが送られてきます。
そのケースに自転車を梱包して、集荷してもらうと、宛先に届きます。
専用のハードケースは、買取またはレンタルから選べます。
買取は7,200円と9,500円の2種類。
レンタルは1週間2,100円(税込)。
配送料金の例は以下の通りです。
関東~関西 片道4,530円(税込)
関東~沖縄 片道11,900円(税込)
※往復の場合は、上記の倍額から1,000円引いた金額になります。
支払いにカードが使えます。
自転車のイベントで利用する時は、会場で受け取りと集荷が可能です。
自転車を入れるケースは、自前で用意したダンボールやハードケースも使えます。
ただし、幅・高さ・奥行きの合計が280cm以内で、重量30㎏以内であることが条件です。
ヤマト運輸のサイクリングヤマト便と異なり、ソフトタイプの輪行袋は使えません。
<申し込み手順>
1.ネット上から申し込む
2.箱に梱包する
3.集荷依頼
4.届け先で受け取る
まだまだある!自転車発送サービス
ヤマト運輸のサイクリングヤマト便以外の自転車発送サービスには、この他以下のものがあります。
・飛脚ラージサイズ宅配便佐川急便の大型荷物向けのサービスですが、自転車も配送可能なようです。
ただし、幅・高さ・奥行きの合計が260cm以内で、重量50㎏以内であることが条件です。
<料金例>
3辺合計260cm、重量20kg以下の場合
東京都~大阪府 5,994円早く届けたい場合は、速達バージョンの「飛脚ラージサイズ航空便」もあります。
日本国内なら、翌日までに届きます。
・BTBコーワ株式会社のBTB輪行箱(Bicycle Transportation Box)という専用ケースで発送するサービス。
基本的にこのケースを持っている人向けです。
ケースだけ買うことも可能です。
標準のBTB輪行箱は4,800円から。
樹脂製でさらに丈夫なBTB輪行箱PROは34,800円。
<料金例>
東京~大阪 3,900円
自転車発送サービス利用上の注意
どのサービスも、届け先に荷受人が常にいることが前提です。
そのため、駅や公園などは配送不可となっています。
トラブル防止のため、これは致し方がないでしょう。
しかし、事前に宿泊しているホテルには届けられますし、営業所に止め置きすることも可能です。
買うより高くつく可能性も
ロードレースなどで自転車を利用する際に、車が無ければこのような発送サービスを利用すべきでしょう。
しかし、発送料に加えて配送キットなどのサービスの利用料がかかると、ママチャリを買うよりも高くつく可能性があります。
引っ越し予定で、近い将来自転車の買い替えを検討していた場合などは、古い自転車の発送はせずに、引っ越し後に新しい自転車を買うのも有りではないでしょうか。