ロ—ドバイクにおいて革サドルと言えば、「ブルックス」の名前が真っ先に上がるほど、その存在は広く定着しています。
有名メーカーだけに評価・評判は様々ありますし、革サドルだからこその扱いの難しさなどもクローズアップされています。
そこで今回は、ブログなどのインプレも参考に、ブルックスのサドルについて検証してみましょう。
ブルックスとは
「ブルックス」は、1866年にイギリスのバーミンガムで創立された革サドルメーカーです。
最初は馬の鞍などを扱っていましたが、創始者の愛馬の死をきっかけに自転車のサドル開発に取り組み、1882年にパッド入りのサドルを発表します。
これは当時としては大変に革新的な開発であり、多くのユーザーに支持されることになります。
今では確実にひとつの地位を築いているコンフォートサドルは、ブルックスが走りと言っても過言ではありません。
この成功をきっかけに、1900年代にはモーターサイクルのサドルも手掛けるようになり、大企業へと成長を遂げます。
2000年に親会社の倒産により一度営業停止に陥るも、2002年に今のグループの傘下に入り、今日まで根強くブランドを継続しています。
革サドルは一度身体の馴染むと手放せなくなる特徴があり、製品の回転率が悪く営業面では厳しい局面を迎えることもあります。
しかし、日本でも多くのサイクリストが愛用しているのがブログなどから見てとれますし、固有のファンが付いていることは事実です。
ブログから伝わるブルックスの革サドルの特徴
これからブルックスの革サドルを購入する方への参考になればと思いますので、ここでは革サドルの特徴をお話します。
「革サドルは育てるもの」という言葉がありますが、手入れや身体へのフィット感の変化を伝えるブログの多さから見てもうなずけます。
ブルックスの革サドルは、購入当初は硬くてお尻が痛くなるはずです。
硬い牛革がピンと張りつめたテンションで貼られているのですから、当然と言えば当然です。
その上に革ですから、表面はツルツルしていて滑りやすく、乗り心地の良さを感じる前に不具合ばかり目立ってきてしまいます。
しかし、革サドルはときと共に凹んだり、カーブが付いたりして、自分のお尻の形にフィットしていくものです。
それは、1年2年と掛かるものなので、硬いからといって早い段階で諦めてしまうと後悔するでしょう。
また、革は適度にたわみますので、時間の経過と共にテンションが落ちて座面が垂れ下がってきます。
その際、ブルックスのサドルにはテンションを調整するアジャスターが付いていますので、修正が可能です。
ブルックスの革サドルの手入れ方法のブログが多い
引き続きブルックスの革サドルの特徴についてお話します。
革サドルは重量がかなりありますので、レースに参戦している人には不向きです。
ブルックスには素材が革ではない軽量のレーシングサドルもありますが、レザーサドルに分類されるものは、500gを超えるヘビー級ばかりです。
また、どんな革製品にも共通して言えることですが、濡らしてしまうと型崩れする危険がありますし、カビが生えやすくなります。
ブルックスのサドルに関しては、この濡れ対策や濡れてしまった場合の対処法について、ブログなどで様々な意見が散見されます。
販売代理店のホームページの「サドルケア方法」によりますと、水分を拭き取ったのちに自然乾燥させるとだけ記載されています。
自然乾燥というのは、革は濡れてしまうと熱に弱くなる性質があるので、ドライヤーなどで乾かすのはNGいうことです。
また、濡れてしまったからといってオイルを頻繁に塗ると、かえって型崩れの原因になるので避けた方が良いとも記載されています。
せっかく長い時間かけてお尻に馴染ませたサドルが型崩れしたら元も子もないので、どうしても雨の日に走るような場合は、サドルカバーを用意しておきましょう。
ブルックスの革サドルの手入れにはオイルが必要
ブルックスに限らず、革サドルは手入れが重要になります。
革がお尻に馴染むまでの間は、頻繁にオイルを塗って革全体に染み込ませる必要があります。
そのオイルも、ブログなどを見ると独自に色々と使用している人もいますが、最初はブルックスの革製品用に調合された純正品が良いでしょう。
少し割高に映りますが、サドルと一緒に購入することをおすすめします。
ただし、多くのユーザーさんが指摘していますが、サドル裏面にオイルを塗り過ぎると革のテンションが落ちて垂れてしまうのでほどほどにということです。
当たり前の話ですが、ロードバイクはママチャリのように雨風にさらしても大丈夫というわけにはいきません。
その中でも、特に革サドルは大切に扱ってあげる必要があるということですね。
ブルックスの革サドルを購入する際の着目ポイント
ブルックスの革サドルはとても種類が多いので、いざ購入しようというときにかなり迷われることになると思います。
その際ですが、まずはレールの部分に着目してください。
レザーサドルの半分近くは、レールの部分にスプリングが装着されています。
MTBなどのサスペンションと同じ役目があり、地面からの突き上げなどの衝撃を逃がしてくれる効果があります。
ユーザーさんのブログを見ると、一度スプリング付きにすると元に戻れないという意見もあるくらいで、快適さが伺えます。
また、次にサドルの形状ですが、これは座面が幅広いモデルか、サイドが大きくカットされた細身のレーシングモデルがあります。
先述しましたが、レースモデルでも軽量というわけではないので、幅広のタイプが選ばれることが多いようです。
また、見た目の問題ですが、革を固定するために打ってある「鋲(びょう)」が、グレードが高くなると「銅」製になります。
これがクラシカルで良いと言う意見も多いので、考慮すべきポイントかもしれません。
ブルックスの革サドルでブログ掲載率NO1はこちら!
それでは最後にブルックスの革サドルを紹介しておきましょう。
【B17 STANDARD】 参考価格:¥14,600
最廉価のエントリーグレードですが、ブログ掲載率から見ても圧倒的な1番人気サドルでしょう。
もう100年以上も生産が続けられている定番中の定番ですから、最初のサドルにはこれを選んでおけば、まず後悔は少ないでしょう。
色は8種類あり、無難な選択なら黒か茶色ですが、あえて外しを狙って青や緑を選択するのもありかと思います。
このB17が基本となり、女性専用モデルや、レールの素材がチタンになって軽量化が図られたモデルもあります。
またスプリング付き、銅製の鋲が使用されたものなどにも派生しています。
中でも面白いのは、最初から表面の革をオイルで馴染ませてある【B17 AGED】です。
革サドルには、革が硬く馴染むまでに時間が掛かるのをデメリットと捉える向きもありますので、アンチ派を取り込むための鋭い視点だなと思います。
表面に使い込んだ感を出しているので、独特の光沢はありませんが、機能性重視なら悪くない選択です。
革サドルは時間を掛けて育てるもの
今回はブルックスのサドルについてお話しました。
ロードバイク=レースという志向の方には無縁のサドルですが、嗜好品として捉えている人には最適と思われます。
身体に馴染むまでに時間が掛かりますし、メンテナンスも不可欠ですが、馴染んでくれば最高のパートナーになります。
革サドルは長い期間を掛けて仕上げていくものなので、1台のバイクに長く乗り続るという人は考えてみてください。