イタリアの老舗バイクブランド「ピナレロ」ですが、高額な機種が多く高級なイメージがあるかと思います。
しかし、以前からマグネシウム合金やアルミなど金属製のフレームへのこだわりもあり、初心者向きとされるエントリーモデルのロードバイクも製造しています。
そこで今回は、ピナレロのエントリーモデルについて詳しく見ていくことにします。
ピナレロにもエントリーモデルはある!
ピナレロはここ30年近くに渡り、世界のレースシーンで勝ちまくっています。
特に近年のツール・ド・フランスにおける強さは特筆もので、2018年までにピナレロがロードバイクを提供している「チーム・スカイ」所属の選手が4連覇を果たしています。
こういった輝かしい実績を残しているブランドですから、当然おすすめする声も多くなるので、これからロードバイクに乗り始めようとしている方も名前を聞いたことがあるかと思います。
ロードバイクは、レースに使用するものも市販しなくてはいけないというルールがあります。
F1カーが試乗に出回ることはあり得ませんから、これは自転車競技特有のことです。
しかし、レースモデルはトッププロ選手が使用するだけあって、最高の素材を最高の技術をもって生産していますので、高額になるのは必至です。
ピナレロのハイエンドモデルは「ドグマF10」ですが、その中でも最軽量の「Xlight」はフレームだけで約100万円の代物です。
これはさすがにキャリアに関係なく、誰でも簡単に手が出せる物ではありません。
しかし、ピナレロにも初心者向けに、扱いやすく乗りやすい仕様で、手ごろな価格の「エントリーモデル」が用意されています。
ロードバイクのエントリーモデルとは?
前項の最後にエントリーモデルについて触れました。
ピナレロに限りませんが、大抵のメーカーでは、10万円前後のものをエントリーと位置付けているようです。
また、一概に「安かろう=悪かろう」ではないですが、価格とグレードというのは正比例しますので、エントリーモデルはグレードは高くありません。
しかし、グレードが低いとは言え、ピナレロのような世界的に名の通ったブランドのものは質が良いですから、ロードバイクとしての走りに問題はないと言えます。
また、エントリーモデル=価格が安いということで、フレームの素材はアルミが多くなります。
後述しますが、ピナレロも10万円台のロードバイクは、アルミフレームのみになります。
20万円台になってくるとカーボンも視野に入ってくるので、ここは予算やロードバイクを何に使うか(用途、目的)によります。
ピナレロは20万円台の半ばにカーボンフレームの完成車がありますので、30万円くらいの予算を見込めば選択してもよいでしょう。
ピナレロのエントリーモデルの価格
ロードバイクを選ぶ際にまず考えるのは、予算かと思います。
漠然とした自分が出せる金額があって、それを基に色々と考えを巡らせていきますので、まずは大まかでもよいので予算を決めることです。
ピナレロでは、エントリーモデルとなっているアルミフレームの「PRIMA(プリマ)」が約14万円(税込)、これがピナレロのロードバイクの最低価格です。
これに最初から必要な、ペダル、ライト、ベル、ボトルケージなどの装備品や、ジャージやヘルメットなどのアパレル品を約2万円と見積もり、最低でも16万円用意して頂く必要があります。
また、将来的にレースに出たい、最初から100㎞、200㎞という長距離を走りたいという希望があるなら、カーボンフレームの方が向いています。
そうなると、ピナレロではレーシングモデルの「RAZHA(ラザ)」と、グランフォンド(長距離走行)の「ANGLIRU(アングリル)」が、カーボンではエントリーモデルになります。
価格は約26万円ですので、装備品、アパレル込みで28万円を用意していただくことになります。
ピナレロのエントリーモデル①アルミフレーム
それではここから、ここまで断片的にお伝えしてきました、ピナレロのロードバイクでエントリーモデルと位置付けられている機種について、詳しくご紹介します。
【PRIMA(プリマ)】
参考価格:¥138,240(税込)
先述通りアルミフレームで、ピナレロで最も安価な機種になります。
2019年モデルではアルミフレーム車がこのプリマのみになりそうなので、とても貴重な存在です。
ピナレロの象徴である波打つ形状の「ONDA(オンダ)フロントフォーク」はカーボン製が搭載されていますので、エントリーモデルとは言え、やはり質は高いです。
ロードバイクに慣れない内は倒してしまうことも多いですし、シューズと固定するタイプの「ビンディングペダル」などは、装着していることを忘れて自転車から降りようとして転んでしまう「立ちごけ」も考えられます。
その点でプリマのアルミは、強度と耐久性に優れた「6061」という素材ですので、衝撃に強く扱いに過剰に気を使わずに済みます。
コンポはリアの変速が9段の「シマノ・ソラ」で、初めてのロードバイクであれば必要十分な機能を持ったコンポです。
その他のパーツも当面の間は交換しなくても走りに問題があるものではないので、価格相応のものはあるかと思います。
ピナレロのエントリーモデル②カーボンフレームのレーシングモデル
前項に引き続き、ピナレロのロードバイクをご紹介します。
【RAZHA(ラザ)】
参考価格:¥262,440
エントリーモデルの位置付けではないかもしれませんが、カーボンフレームの最低価格モデルとしてご紹介します。
あの「ツール・ド・フランス」で、総合優勝した選手が乗っていた「DOGMA(ドグマ) 65.1」の直系とも言われているモデルです。
これもピナレロの開発した技術ですが、ラザは左右非対称のフレーム形状になっています。
力が大きく掛かるギア(ドライブ)側は剛性を高くして強度を高め、それほどの強度を必要としない反対側は、軽量化に重きを置くという手法です。
また、ONDAの技術をシートステイにも使用していますので、衝撃吸収性が高く、レーシングモデルですが乗り心地も期待できます。
コンポはリア11速の「シマノ・105」で、このままレースにも参戦できるレベルです。
なお、ラザには小柄な方向けに専用設計された、「イージーフィット」というサイズ設定もあります。
ピナレロのエントリーモデル②カーボンフレームのグランフォンドモデル
続いてはグランフォンドのエントリーモデルです。
【ANGLIRU(アングリル)】
参考価格:¥262,440
ラザと同じ価格で組み合わされているパーツも全く同じものなので、姉妹機と考えて良いでしょう。
ただし、こちらは長距離走行向けに設計されていますので、衝撃吸収性や直進安定性などが重視されています。
特にシートステイは、ONDAよりもさらに湾曲している弓なりの「センチュリーライド」を使用しており、絶妙なしなりが乗り心地を向上させています。
また、ロードバイク特有の前傾姿勢が浅く、上体を起こし気味にして乗車できる形状なので、初めてのロードバイクという方も、違和感なくスムーズに入っていけます。
そして、タイヤですが、ピナレロはなぜかタイヤのスペックだけ未公表なので詳しくは分かりませんが、太めの28c(28㎜)までは装着可能と聞いています。
ピナレロはブランド力が強い!
今回は、ピナレロのエントリーモデルをご紹介しました。
他メーカーと比べると少し値段が高いですが、ロードバイクに大切な「ブランド力」の高さは抜群ですので、その分として考えてください。
あとは、実物を見て、試乗もして納得した上で購入してください。