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自転車には安い時期があるってホント?

2016.4.20

こんにちは、じてんしゃライターふくだです。

「自転車って、時期によって安いとかってあるんですか?」そんな質問を時々もらいます。

あまり裕福とは言い難い、自転車業界の事情を考えると、あまり答えたくない質問ですが、安い時期はあります。

今回は、自転車の安い時期とデメリットについてのおはなしです。

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出来れば自転車は定価で買って欲しいけれど

率直に申し上げますと、安い時期はあります

ただ、安いというメリットもありますが、デメリットもあります。

自転車業界に関わる人間としては、出来れば定価で買って欲しいです。

もちろん、みなさま財布の事情はありましょう。

しかし、それは自転車で生計を立てている人も同じです。

業界全体が苦しくなるほど良心的な面が減り、お金儲けを優先する面が増えてしまいます。

消費者がずる賢く安く買い叩こうと考えれば、流通側もずる賢く、高く売り付けねばならなくなります。

私の個人的なお願いとして、明るい自転車の未来のために出来ればあなたのお気に入りのショップで、お気に入りの自転車を定価で購入して頂けると嬉しく思います。

とは申しましても、やはり出来れば安く買いたいものです。
そればかりは仕方ないです。

公平な価格競争があってこそ、業界も成長するとも言えます。

なので、今回は安い時期とそのデメリットをお話しましょう。

自転車にとっての安い時期とは?

安く買うためには、簡単に言うとモデルチェンジの前後の時期を狙います。

モデルチェンジで型落ちとなれば、当然値段は下がります。

また、型落ちになって値段が大きく下がる前に、いくらか値下げして損失を小さくしようとします。

そして、なぜか自転車業界では、ほぼ全てのモデルが、毎年モデルチェンジという名のカラーチェンジをします。

日本の自動車産業は、TOYOTAを筆頭に世界でもトップクラスですが、それでも毎年モデルチェンジして、型落ちで何割も値段が下がるというのは聞いたことがありません。

毎年行う、全車種一斉モデルチェンジと言う名のカラーチェンジは、自転車業界七不思議とも言われます。

これはひとつに、メーカーが小売店に売ってしまいたいという背景があると言われます。

全車種モデルチェンジすれば、小売店は展示車を全部買い替えないといけません。

基本的にお店の自転車と言うのは、小売店が自腹を切って買います。

メーカーが貸してくれるというわけではありません。

メーカーとしては、結構な利益になります。

また、ヨーロッパ系の規模の小さいメーカーの場合、1年間の販売分を、モデルチェンジの時期に全て買わねばならないところもあります。

「今年のモデルはもう全部売り切れて、新モデルが入ってくるのは半年後です」

これは、かつての自転車屋さんでは普通でした。

今でも、一部のメーカーの車体では少なくありません。

かつてロードバイクは、注文してから半年くらいは待つのが普通だったんです。

今でも、注文してから1年以上待つというメーカーもあります。

1年分の販売を予想して買うというのは、非常に難しいです。
売り切れれば、売るものがない状態がしばらく続きます。

売れなければ、不良在庫を抱えることになります。
安売りだらけになるわけです。

しかし、それはメーカーも同じはずです。

そう考えると、モデルチェンジの周期をもう少し長くした方が、みんなの幸せのようにも思います。

だからこその自転車業界七不思議なんですね。

安い時期に自転車を買うデメリット①

安く買うためには、要は売れ残りを狙うということです。

人気があり、在庫調整も上手く行っている車種は、モデルチェンジまでに綺麗に売れます。

モデルチェンジの数か月前には売り切れになります。(これはこれで自転車屋さんには困ったことでしょうが)

売れ残る理由は2つですね。

・人気がない
・人気はあるけれど作り過ぎた

人気はあるけれど作り過ぎた。という理由の方は、買う側としては問題はないです。

良い自転車だから人気があるのでしょう。

問題は人気がないという方ですね。
なぜ人気がないのか。

いまいちなんでしょう。
何かがいまいちなんです。

でも、人気がないというのは、裏を返せば独特とも言えます。
個性を表現しやすい。

たとえばドギツイ色。
乗る人によってはセンスが悪いですが、上手く乗りこなせる人にとっては、真似できないカッコイイ一台になります。

安い時期に自転車を買うデメリット②

もう1つは、展示車落ちということです。

モデルチェンジが迫って、自転車屋さんで売られるのは展示車です。

展示車はいろんな人がさわっています。
傷がある可能性もあります。
もちろん、そういうのも含みの安売りです。

傷が気になるという人は、やめておいた方が良いでしょう。

モデルチェンジが迫った時期、あるいはモデルチェンジ後に、SALEのために新規に多く仕入れて売るという自転車屋さんは少ないです。

スポーツ自転車にはサイズがあります。

特にロードバイクではサイズは重要です。

仕入れたけれど、特定のサイズだけなかなか売れないということもありえます。

それに、そんな無理をしては、新モデルの展示車を買い揃えるのがツラくなります。

ですから、安売り=展示品処分というのが大半です。

そうは言っても、展示車落ちというのは、気にしなければ気にならないものです。

1年間、店に飾られていたか、メーカーの倉庫にあったかというだけの違いです。

モデルチェンジの時期に在庫処分を手伝ってくれるお客さんというのは、お店としてもありがたいです。

もちろん、定価で買ってくれるお客さんが一番ありがたいでしょうが。
一番困るのは、SALEで買って、後から「傷がある、返品してくれ」という人でしょう。

自転車屋さんも人間ですので、苦手なお客さんには優しく出来ません。

修理も、あまり嬉しいとは思えないかもしれません。

良いお客さんには、サービスの一つでもしたくなるかもしれません。

傷などのリスクという、デメリットを理解して買うのが大事です。

極端に安い場合は大きいモデルチェンジがある前?

極端に安い時には、大きいモデルチェンジがあるという可能性があります。

大きいモデルチェンジの場合は、メーカーは出来るだけギリギリまで、秘密にする場合が多いです。

前のモデルの価値がガクンと下がってしまいますからね。

それに、突然にバーンと現れた方がインパクトが大きいです。

大きいモデルチェンジというのは、走行性能も大きく変わります。

10年前の40万円の車体の性能は、今の30万円弱の車体にも及ばないということはあります。

かつては新型になるにつれて、どんどん重量が落ちていきました。
かつての軽量車の重量も、今では全く軽くないというのも多いです。

現在も重量は軽くなっていってます。

しかし、軽さの進化はある程度落ち着きをみせています。

現在は、軽さの進化の代わりに快適性が劇的に上がっていっています。

分かりやすい例で言えば、2016モデルでは、キャノンデールのアルミレーサーCAAD10がCAAD12へと進化しました。

圧倒的に乗りやすくなっています。

CAAD10はじゃじゃ馬でしたが、CAAD12は初心者にも十分オススメ出来るほどの乗りやすさ、安定感が上がっています。

「1世代くらいなら古くても良いや」
そう思う人もいるでしょう。

でも、次の世代が出たら2世代前になってしまいます。
それに対して新しい方を買えば、次の世代になっても、やっと1世代古くなったというだけです。

当たり前のことですが。

2世代古くなると性能もそれなりに違います。

安いメリット、デメリットは消費者自身が決めること

デメリットをいくつか話して来ましたが、安さのメリットを取るか、デメリットを回避して定価で買うかは、消費者が自分で決めることです。

実際、大きな声では言えませんが、

・傷→乗ってれば、すぐに付きます。
・色→乗ってれば、それなりにどんな色でも愛着がわきます。
・性能→まあ、何とかなる範囲です。

そういう面もあります。

色、サイズ、モデルと好みのものがあればお得でしょう。

ただ、マクドナルドを考えてみると分かりやすいかもしれません。

消費者の声に応えて、どんどんハンバーガーは安くなっていき、最終的にニュースで安さの裏側が見えた瞬間に消費者が去っていきました。(今は企業努力で復活しつつありますが)

「ちょうど良いところで止めておけば良かったのに」

そう思うかもしれませんが、消費者が求めるものをメーカーは作ります。
安くするためには、カラクリが必要です。

自転車では、クロモリがどんどん姿を消していっているのも、そういう背景があります。

確かにクロモリは重いですし、剛性が低いので坂を登るのが苦手です。

しかし、非常に強い材質です。

錆びには弱いですが、基本的には強い材質、長い年月乗り続けるには最適な材質です。

しかし、メーカーとしてはカーボンを作る方が売れます。

クロモリを買う人は、買い替えが少なく利益にならないのです。

カーボンフレームを買う人は、流行りに敏感でよく買い替えてくれますし、レースで使えば落車もあるので、壊れて買い替えてくれます。

消費者がクロモリを強く望み、クロモリが一定の売り上げを作ってくれれば、クロモリフレームも増えるでしょう。

しかし実際には、消費者はあまりクロモリを望んではいません。

少なくとも、カーボンほどお金を使ってくれるほどには、クロモリを望んではいません。

「資本主義の中での淘汰」と言えばその通りですが。

良い物は、いつまでも残って欲しいと僕は思います。

これは自転車業界に限らず、資本主義の限界として様々な分野で言われていることですが、お金は回りますが、資源は使えば消える一方です。

物がどんどん安くなっていくというのは、危険なことです。

まとめ「安い理由を理解すれば」

安い時期についてのお話でした。

デメリットも多く語りましたが、安く買うことが絶対に悪いということではありません。

型落ちを安く買ってくれる人もいないとみんな困ります。
でも、みんな安いものが欲しいとなれば、やはりみんなが困ります。

世の中、バランスが大事です。

理由を理解して、安く買うのは何も問題ありません。

ただ、安く買うのが当たり前という風潮は非常に危険です。

すべてが安くなれば、巡り巡って自分に入ってくる収入も安くなります。

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