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カンチブレーキが最強ってホントなの?時代遅れじゃないの?

2017.7.4

皆さんは、カンチブレーキと聞いてピンときますか?

以前はマウンテンバイクの主流ブレーキとして君臨していましたが、Vブレーキが登場して以来、市販車ではほとんど見られなくなりました。

しかし近年、ある競技の現場でカンチブレーキが最強ではないかと見直されてきていると言うのです。

そこで今回は、そのカンチブレーキについてお話したいと思います。

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カンチブレーキで最強を目指す!①~自転車のブレーキの種類

カンチブレーキで最強を目指す話をしていく前に、自転車のブレーキの種類について説明しておきたいと思います。

自転車のブレーキには制動方式から大きく分けると「リムブレーキ」と「ディスクブレーキ」の2種類があります。

リムブレーキはホイールのタイヤがはまっている部分のリムを、ゴムや樹脂でできたパッド(シュー)で左右から挟み付けて回転を止める方式です。

一方、ディスクブレーキはホイールの内部に取り付けたディスクを、パッドで挟みこんで回転を止める方式です。

リムブレーキには、ロードバイクやママチャリの前輪に使用されるキャリパーブレーキ、クロスバイクに採用されるVブレーキがあり、ディスクブレーキは現在マウンテンバイク(以下MTBと記載)の主流になっています。

カンチブレーキはリムブレーキの一種で、開発時点では最も制動力が強く、タイヤクリアランスも広く取れていたため、太いタイヤで悪路を走るMTBには最適とされてきました。

ですが、次々と欠点が指摘され、シマノ社がVブレーキを開発したため、下火となりました。

今ではシクロクロスという競技の自転車に採用されてるくらいで、市販車に搭載されることは滅多にありません。

カンチブレーキで最強を目指す!②~シクロクロスって何?

さて、カンチブレーキですが、シクロクロスという競技では、今も根強く使用している選手も多いようです。

しかも優勝を争うような選手もいるので、カンチブレーキで最強レベルを目指せる証明にもなっています。

ところでシクロクロスという競技ですが、あまり耳なじみが無い方も多いと思いますので、説明しておきましょう。

オフロードで行われる自転車競技で、シクロクロスとはフランス語読みで、英語読みはサイクロクロスとなるので、「CX」と表記されます。

不整地の周回路に柵や階段などの障害物が置かれ、必ず自転車を下りて担いで走るセクションもあります。

1周3~4キロのコースで決められた周回数を、一番早く消化した選手の勝利となります。

また、シクロクロス特有のルールとして、自動車レースのように機材交換のためのピットがあり、専属のクルーが待機しています。

そこではパーツ交換と共に、自転車の乗り換えも可能です。

ロードレースの選手がシーズンオフに行っていたトレーニングに端を発しているため、今でも主要レースはロードのオフシーズンである冬場に行われ、多くの選手は他の競技と掛け持ちで参加しています。

今では、世界選手権やワールドカップなども行われるほどの人気競技となっています。

カンチブレーキで最強を目指す!③~シクロクロス車のスペック

シクロクロスに使われる自転車は、シクロクロス用と前書きが付きますが、要はロードバイクです。

上級クラスのレースになるとドロップハンドルが義務付けられているように、市販されているシクロクロス車も、ほとんどがドロップハンドルになります。

典型的なダイヤモンドフレームですが、ややアップライドな姿勢になるように設計されています。

オフロード走行中にハンドルから手を離すと危険なので、当初から手元変速が採用されており、今の主流はデュアルコントロールレバーです。

プロレベルになると、リム高があるディープリムホイールを使った選手も多くなりますが、市販車にはノーマルリムの物も多くあります。

タイヤは基本700Cですが、幅が太く、一般的なロードバイクにはあまり見られない30mm以上の専用タイヤを用います。

そして、一般的なロードバイクとの決定的な違いは、ブレーキです。

2010年に国際レースでのディスクブレーキの使用が認められましたが、それ以前はカンチブレーキが主に用いられていました。

市販車にはディスクブレーキモデルが圧倒的に多いですが、レースにおいては今でも最強クラスの中にカンチブレーキで戦っている選手もおり、その数は五分五分と言ったところです。

カンチブレーキで最強を目指す!④~CXにカンチブレーキが適している訳は

では、なぜ一般的には下火になったカンチブレーキを、シクロクロスでは使用し続けている選手がいるのかを考えてみましょう

シクロクロスは、上記で説明したようにオフロードを走る競技です。

そのため、基本的には太いタイヤを履きますので、タイヤクリアランスが広く取れるブレーキが必要になります。

ロードバイク用のキャリパーブレーキはタイヤクリアランスが取れないので使用できず、Vブレーキはブレーキシューとリムの間が狭く、泥詰まりを起こしやすいので、その両方を解消できるのがカンチブレーキということです。

また、MTBほどコースにアップダウンが無いので、Vブレーキよりも制動力が落ちるカンチブレーキでも問題が無いと言われています。

シクロクロスにおいては、ディスクブレーキの重要が高まっています。

タイヤと離れた位置にディスクとパッドが付いているので、リムブレーキに比べて悪路での制動力は落ちませんし、恐らくカンチブレーキよりも泥詰りの心配は低いでしょう。

しかし競技用としては歴史が浅く、色々な部分でまだ実験段階とも言えるので、様子を見る選手も多いのです。

そのため、昔からシクロクロス競技に参加している選手は、今でもカンチブレーキが最強と信じて使用し続けている訳です。

カンチブレーキで最強を目指す!⑤~CXにおけるブレーキ論争

2005年の4大大会を全て制し、グランドスラムに輝いたシクロクロス界の最強王者スヴェン・ネイスが、ディスクブレーキ導入当初に所属チームの要望もあり、1度は搭載車を試したそうですが、すぐにカンチブレーキに戻したというエピソードがあります。

その後も、ディスクブレーキ搭載車に乗る若手選手が勝利できなかったこともあり、低空飛行のまま淘汰される可能性もありました。

しかし、2014年ごろ20代前半の選手が一気に台頭し、レースでも上位を占めるようになっていきます。

しかもこの選手たちが、こぞってディスクブレーキを使用していたため、ブレーキ論争の流れが激変し、ベテラン選手までがディスクに流れ始めます。

ただ、これには裏話があり、若い世代の選手は競技を始めた当初からディスクブレーキ搭載車に乗っているため、それしか知らなかったのです。

カンチブレーキと比較して、ディスクが優れているからという理由では無かったのです。

そのため、未だにこのブレーキ論争は決着の付かぬまま、ほぼ五分五分の状態で進んでいるというのが現状のようです。

市販車におけるカンチブレーキ

シクロクロスの競技用としては、いまだ最強クラスの選手でも使用者の多いカンチブレーキですが、一般の市販車に目を向けてみると、どうでしょうか。

シクロクロス車は各自転車メーカー共に販売しているカテゴリーで、近年注目されているのが良く分かります。

レース仕様と同じく、リム高ホイールに太いタイヤを搭載しているものの、ドロップハンドルでロードバイク用のコンポを搭載しています。

しかし市販車は、ほとんどがディスクブレーキ仕様で、カンチブレーキ搭載車は探すのが、かなり困難な状況です。

ブリヂストンが手掛けるスポーツ自転車ブランド「ANCHOR(アンカー)」に1台、「パナソニック」に復刻モデルとして2台、ジオスブルーでお馴染みのイタリア「GIOS」に1台見付けるのがやっとでした。

市販レベルでは、すでにVブレーキという代替えがある上に、ロードバイクにもディスクブレーキ化の波が来ているので、このようにレースの世界とは全く違う様相になり、厳しい状況には間違いないようです。

カンチブレーキの今後

個人的にシクロクロスという競技の知識がほぼ無かったので、カンチブレーキの必要性もそれほど感じていませんでした。

色々な競技があり、一般的には廃れたと思っていても、専門的分野ではまだ活躍できる場所があるということですね。

市販に出回ることは今後も少ないと感じますが、シクロクロス競技が普及すれば、見直されていく可能性もあるかもしれません。

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