こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
「クロスバイクってどのくらいの頻度でパンクしたりするものなの?」という質問を頂きました。
たまにですが、ものすごく頻繁にパンクするという人がいますよね。
何か原因があるのでしょうか?
今回はクロスバイクのパンクの頻度について考えてみたいと思います。
クロスバイクの正常なパンク頻度?①
「ここのところ、クロスバイクのパンク修理しても、少ししたら、すぐパンクしちゃうんですよね」
パンクする頻度が高い人が、たまにいます。
「タイヤは大丈夫?」
「特に何も刺さっていないんですけどね」
「へー、謎ですねー。でも、多分、タイヤかチューブに原因がありますよ、あるいはホイールの方か」
「こういうときって、どうすれば良いんですか?」
「タイヤとチューブを新品に変えるのがオススメです。あと、自分でやらずに自転車屋さんでしてもらうのも良いです。自転車屋さんで修理してもらった場合、半月以内のパンクだったら対応してくれる場合もありますよー」
よくある初心者との会話ですね。
基本的には自転車のトラブルは当然ですが、自転車屋さんに持っていくのが一番です。
自転車に詳しい知り合いに相談しても、基本的に解決しません。
というのも、外で何となく見てみても、細かいところまでは見えませんし、責任もありません。
ですから、僕はプライベートでそういう質問をされても、
「んー、どうだろうねー、自転車屋さんに持って行って細かく見てもらった方が間違いないよー」と答えます。
適当に見て適当なことを言って、またすぐパンクしたら申し訳ないですからね。
クロスバイクの正常なパンク頻度?②
基本的に正常なクロスバイクのタイヤというのは、そんなにしょっちゅうパンクはしません。
それなりに距離を乗る人でも、頻度としては年に5回すれば多い方でしょう。
もちろん、何かを踏めばパンクもします。
あるいは、空気圧が低いとリム打ちパンクします。
しかし、それ以外の原因がよく分かりにくいパンク、
「何も刺さってないのにパンクしていた」
というときこそ、実は怪しいんです。
タイヤの方が、ダメになっている可能性があります。
特に、そういうタイプのパンクが短い頻度で2回以上起きれば、これはきちんと疑ってみた方が良いです。
きちんと疑うとは、どういうことかと言えば、タイヤを交換してみるということです。
パンクが連続する人の特徴として、タイヤ代を渋って交換していないことが多いです。
クロスバイクの正常なパンク頻度?③
パッと見では判りにくくても、ダメになっているタイヤとは、例えばどういう場合でしょう。
まずは、ガラス片などが内側に埋まっているという場合ですね。
異物を踏んだ後、ペンチなどで除去したつもりだったのが、表面だけ取れて、奥の方にボスが残っているというパターンですね。
「奥にいるなら大丈夫じゃないの?」
空気を入れると、タイヤに対して結構な圧力がかかります。
その状態で走ると、さらに圧がかかります。
隠れたボスが頭を出します。
パンクする、というわけですね。
重々調べたつもりでも、そういう隠れボスがいるということはあります。
隠れボスの派生系で、タイヤ自身のケーシングの繊維が切れて、それが飛び出してくるという場合があります。
価格の低いタイヤに起こりやすいですね。
初期不良とまでは言えませんが、ハズレではありますね。
どうしても低い価格帯のものだと、品質のバラつきはある程度仕方ないです。
もちろん、クロスバイクの使用頻度や状況にもよるので、原因は何かと確定させることは難しいのですが。
高いタイヤはパンク頻度が低い?
タイヤのパンク頻度は、大きな異物を踏む確率も重要ですが、異物を踏んでもガードできるかどうかというのが、非常に重要なファクターとなります。
踏む確率については運次第なので、どうしようもないですが、ガードについてはタイヤ側で対策できます。
クロスバイクのタイヤの耐パンク性を高める方法は2通りあります。
1つめが、外側のゴム(トレッド)を分厚くするという方法です。
トレッドを分厚くすれば、異物が刺さってもチューブまでたどり着きにくいですからね。
ただ、この方法だとタイヤが重たくなってしまいます。
2つめの方法が、耐パンクベルトを使うことです。
異物が貫通しにくいベルトを内側に仕込むのです。
トレッドを分厚くするのに比べ、重量の増加は少なくて済みますし、効果もより期待できます。
欠点は、耐パンクベルトの分のコストが掛かってしまうという点です。
メーカーによって違いますが、基本的には価格の高いモデルには、高級な耐パンクベルトを仕込んでいる場合が多いです。
さらにレースラインナップの場合は、耐パンク性の違う3種類程度のモデルをラインナップするメーカーもあります。
耐パンク性が強いモデル。
耐パンク性は低いものの、そのぶん飛び抜けて軽量なモデル。
その中間のオールラウンドモデル。
この違いは、耐パンクベルトを入れる量が違うという場合が多いですね。
ヒルクライムレースなどでタイムを狙いたい場合は、軽量モデルを使うと楽できます。
例えば日本のパナレーサーの場合、レースラインナップではパンクに強いDシリーズと、軽量なLシリーズを用意しています。
Dシリーズが260g、Lシリーズが185gと片側で75gの差、前後にすると実に150gの差があります。
ホイールの外周で150gの差というのは、ヒルクライムではかなり大きい数字です。
軽量チューブと合わせて使えば、合計で200g以上の軽量化となります。
用途に合わせて使い分けるのが大事ですね。
パンク頻度と耐久性は別の話
「強いタイヤはパンクしないんですね」
「そうですよー。パンク耐性を高める工夫をすれば、タイヤはパンクに強くなりますよー」
「強いタイヤは耐久性、長持ちっていう意味でも良いんですか?」
「耐久性の強さとパンク耐性の強さは、また別の話なんですー」
そう、ここが分かりにくいポイントなんですよね。
強い=長持ちするって思いますものね。
耐パンク性を上げるためには、中に入れる耐パンクベルトを良くすれば、軽くて強いタイヤを造れましたね。
しかし、タイヤの耐久性、長寿命性という場合、大事なのは中のベルトじゃなくて外のゴム(トレッド)です。外のゴムの材質で、クロスバイクの走りはかなり変わります。
価格の低いものは、カチカチで地面を掴んでくれません。
雨などでは滑りやすいです。
あまり走り心地が良いとは言えません。
一方、高いものは適度な柔らかさのバランスを持っています。
走り心地が良いです。
しかし、柔らかいということは、削れやすいという意味でもあります。
長寿命性という意味では不利です。
そう、タイヤが削れにくくて長寿命という意味では、実は安いタイヤの方が強いんです。
ただし、先ほどお伝えした通り、安いタイヤにはあまり良い耐パンクベルトは入っていません。
パンクのリスク・頻度という点では弱いです。
そういう意味では、結局、安いタイヤ寿命もさほど長いとはいえません。
耐パンク最強タイヤ
しかし、中には耐パンク性・長寿命性を両立させているタイヤもあります。
最強タイヤとして世界でも高く支持されているのが、ドイツのタイヤメーカー・シュワルベのマラソンシリーズです。
とにかく強い・パンクしない・すり減らない・長持ちするというタイヤです。
世界一周などの長距離自転車旅行をする人のほとんどが、シュワルベマラソンを使います。
本当に圧倒的に強いです。
1万キロ走れるとも言われます。
価格も決して低くはないですが、凄く高いというわけでもないです。
重量は重いです。
走り心地は大して良くないです。
それでも、最強です。
マラソンシリーズはシュワルベで一番のロングセラー商品ですので、サイズ展開も非常に豊富です。
クロスバイク向きのものもありますし、ママチャリと同じサイズのものもあります。
ママチャリでもシュワルベマラソンを使えば、パンクの頻度はかなり低くなるでしょう。
ただ、走りは良いとは言えないので、週末の趣味として軽やかに走りたいという人は、もう少し走行性能に振っているタイヤを使う方が良いかもしれません。
まとめ「パンクの時は原因を」
あまりに高い頻度でパンクする場合は、何か原因があります。
原因が分からないときは、少し勿体無いかもしれませんが、タイヤとチューブを交換するのが、一番間違いないですね。
何よりも、まずは自転車屋さんに相談してみるのが一番でしょう。