自転車で歩道を走るときは歩行者に気を付ける!

こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
自転車で歩道を走っても良いのか?そんな話題が近年増えました。自転車と歩行者の接触事故もあります。自動車との接触事故もあります。そんな中で「自転車は車道を」という流れがあります。しかし、車道は怖いというのも事実です。
今回はそんな自転車と歩道のおはなしです。

歩道は歩行者のもの?自転車は?

数年前、僕が自転車で日本をぶらぶらしていた頃、名古屋を走っていた時におまわりさんに叱られました。
「君、自転車はこっちを走りなさい」
僕は車道を走っていたのですが、おまわりさんが言うには歩道を走りなさいというわけです。
当時はよく分からないので言われるままに歩道を走っていたのですが、歩道はパンクのリスクも高く、速度も出しにくいので非常に難儀した思い出があります。

逆に今は叱られこそしないものの「自転車は車道を走りましょう」の時代ですね。
でも、正直、車道って怖いですよね。
また日本をぶらぶらしていた頃のことなんですが、その時は博多でした。鹿児島から北上して来て福岡に入って大宰府に寄って。どんどん市街地になるのですが、大都市では気付いたらバイパスということがあるんです。
当然ですが、バイパスは自転車は禁止です。しかし、気付かずに入ってしまうと逆戻りもできません。逆戻りは死ぬほど怖いですし、本当に死ぬこともあるでしょう。

正解は旧国道を探すというです。
これまた日本ぶらぶら時代ですが、静岡県の1号線でありました。突然、125cc以下乗り入れ禁止の看板が出るんですが、歩道もついていないので東に行くにはどうすれば良いのだろうと困ります。
交番で聞くと、県道を教えてもらえましたが、そんなの地元の人間じゃないと旧1号線なんてこと分かりません。

日本ぶらぶら時代が終わって、定住してきちんと働いて休日のサイクリングを楽しむ時代には、今度は「ここ本当に自転車で走っても良いのかな」なんて国道で思うわけです。東京近辺の国道は交通量も多く、自転車で走るのに適しているとは思えない道も多いです。

歩道も時には走らせてもらわないと、自転車は恐怖の日々です。

それでもやはり歩道は歩行者のためのもの

自転車で車道しか走れないのは怖いですので、時には歩道も走る必要があります。
しかし、やはり歩道は元々歩行者のためのものです。
新聞配達のおじさんが歩道を原付で走り続けていたら怖いですよね。ゆっくりでも怖いですよね。ぶつかったら痛いですもん。
それと同じで自転車もぶつかると歩行者は痛いです。

「おれは下手くそじゃないから、歩行者になんか当たらない!」
そういう人もいますが、それは間違いです。
歩行者は突然に妙な動きをすることがあります。
例えば、僕も突然に「あ、家の鍵締め忘れた」と思って急に振り返って走り出す時などもあります。その他、散歩の途中だと突然にふらふらし始めることもあります。当然ですが、歩道で僕がふらふらしても何ら法律違反ではありません。
世の中には予測不能な動きをする歩行者もいるということです。

歩行者は1秒で止まれます。
しかし、自転車は1秒で止まれないことも多いです。
特にビンディングペダルをはめたロードバイクでは急停止は難しいです。

しかし、車道も怖いですので、やむを得ず歩道を走ることもあるでしょう。
命には替えられません。
ですから、歩道を走るのもある程度は仕方ないのですが必ず速度を落としましょう。歩行者がいる時には、特に減速し、十分に間隔を持って追い抜きましょう。狭い場合は、いったん降りて押して歩いて追い抜くというのも良いでしょう。

歩道を使わなくても自転車で走りやすい道を探す

一番良いのは自転車でも走りやすい車道を探すということです。
一時期、初心者を集めて走行会をしていました。片道10km程度のパン屋さんまで走り、パンとコーヒーでヨーロッパ貴族気分の朝食をするというものでした。
この初心者の会では本当の初心者が参加してくれました。時速は20km以下、参加メンバーによっては15km以下のこともありました。ママチャリに追い抜かれることもあるような速度です。
会の目的は、車道デビューと複数人で走る時の手信号などのマナーの存在を知ることでした。実際に手信号を出すと片手運転になり怖いという人もいたので、僕の手信号を見て、手信号の意味と出し方を理解し、可能であれば慣れて来たら自分でも手信号を出してみて下さいというものでした。
そして、何よりサイクリングしてパンとコーヒーの朝食をたしなむ、ヨーロッパ貴族のような爽やかさをみんなで共有しよう、そんな会でした。

片道10kmとなると様々な道があります。
初心者の人に車道デビューしてもらうには道を選ぶ必要がありました。
いくつか道を探して開催しましたが「怖い」と感じる人もいました。その度に地図を見て道を探しに行くことを繰り返し、良い道を見付けることができました。

一人で走る時には、あまり使わない道でした。
一人で走るなら、もっと速度の出しやすい大きい道を選ぶことが多いです。
しかし、僕に走りやすい道でも、初心者の人には怖いという道も多いです。

細い道は速度を出すと危険ですが、ゆっくりと走る場合にはそういう道の方が良いということもあります。
地図を見て、様々な道を探すということは重要です。

自転車と歩行者が共存できる道というのはありえない

自転車と歩行者が共存できるようにしようと言う人もいますが、基本的に自転車と歩行者が同じレーンの中で共存することは不可能です。
動き方が根本的に違います。
ママチャリでも難しいでしょう。ママチャリもやはり車輪の付いた乗り物、動き方が違います。かつてママチャリが歩道を走っても良いとされていたのは、遅いのでぶつからないからではなく、遅いのでぶつかっても重大な事故になりにくいという理由でしょう。
ママチャリだって歩行者とぶつかることは珍しくありません。
ましてや明確に速度の違うロードバイクが歩道を走るのは無理があります。

一方、自動車と自転車の共存はあり得ます。おばちゃんのスクーターがのんびりと車道を走るのは普通のことです。
基本的には、おばちゃんスクーターを手本にして走るというのが一つの解決策でしょう。
ただし、右折に関しては現行の法律では自転車は信号での二段階右折以外は禁止です。原付は車線数によっては許可されています。この右折問題が自転車が歩道も使わざるを得ないということにつながっているとも言えます。左折専用レーンがある場合も自転車は歩道を走らざるを得ません。左折専用レーンを直進するわけにはいきません。

しかし、海外では都市部では自転車を含めた小型の二輪車の専用レーンがある国も少なくありません。
日本は国土が狭いという問題が宿命的にあります。列車が乗車率200%を超えて、もはや非人道的とさえ言えるような人員輸送状態になっても、並走する線路を増設するのは難しいという現状を考えても分かるでしょう。世界各国を見ても、日本の都心の通勤ラッシュは異常です。戦後のヤミ市への買い出しの列車状態です。アメリカだと訴訟問題になるかもしれません。
そんなわけですから、道路の拡張、二輪車専用レーンの増設は難しいのです。

自転車は人員輸送問題を解決する未来の乗り物?!

自転車は専用レーンを作ることも難しく、歩道を走るのもよろしくない。車道も怖い。
何だか暗い気持ちになってしまいます。

しかし、実は自転車には期待も込められています。
人口の過密化に伴う社会問題は日本に限ったことではありません。例えば広大な土地を持つ中国でも、上海などの大都市に人口が集中し、土地の価格が高いことで有名な日本以上に地価の高騰を見せている地域もあります。
そういった人口過密化に伴う問題の一つに人員輸送手段の問題があります。
自動車は大量の人員を運ぶ手段としてはあまり効率の良い物ではありません。特に通勤など一人での移動の場合、非常に効率が悪いです。
乗り合いの公共機関は大量の人員を効率よく運べますが、目的地の近くまで行くことは可能ですが最後は歩く必要があります。

自動車は高速道路のみを走り、街のいたるところで誰でも自由に乗れる自転車があり、道路は全て自転車専用となれば非常に便利だと思いませんか?もちろん、実現するには物資の輸送問題などもありますが、通勤時間帯だけでもそうなれば、多くの問題が解決するかもしれません。

自転車は乗り物の中でも最も力の伝達効率が高い乗り物と言われることもあります。
さらに駐輪時も自動車などに比べて遥かに省スペースです。車が一台置けるスペースがあれば10台近くの自転車を置くことも可能です。また、軽量ですので二段以上のラックに収納することも可能です。

決して夢物語ではなく、現に自動車はガソリン以外のクリーンエネルギー化、そして小型化という方向に向かっています。都市での移動手段解決の一つとして一人乗りの電動自動車も提案されています。
クリーンな乗り物として自転車も期待されているのです。

まとめ「良いマナーで自転車への理解を」

さて、話が未来にも飛躍しましたが。基本的に現在は自転車は少々肩身が狭いのが現実です。
しかし、年々自転車への理解は高まっています。僕が学生の頃は、ロードバイクを乗っているだけでバイト先のおじさんに「競輪選手目指してるんか?」と聞かれたりもしました。「ロードバイクが好きなんだ」と女の子に言えば、オートバイと勘違いされて「今度後ろに乗せてね」などと言われもしました。オートバイを買えば良かったと正直思ったりもしました(笑)
しかし、今ではロードバイクという単語を知らない人は少ないですよね。爽やかということで女の子からの人気も上がりつつあります。
どんどん自転車が広まれば、自転車の乗りやすい社会も来るはずです。みんなが良いマナーで乗って、自転車への良い理解を広められると素敵ですね。