自転車を使って、通勤・通学したり、サイクリングするとき、未舗装路でも走りやすいものを選びたいですよね。
クロスバイクは、土手道や砂利道などの未舗装路を走るのに適している自転車です。
そんなクロスバイクにも様々なタイプがありますが、この記事では、長距離向きのクロスバイクと、短距離向きのクロスバイクに分けて説明していきます。
また、土手道を走る際に守らなければいけないマナーについても取り上げます。
土手のサイクリングコースをどこまでも・・長距離向き自転車
クロスバイクは、ロードバイクのスピードとマウンテンバイクの安定感を兼ね備えた、スポーツ自転車の入門機的な存在です。
様々なシーンに対応できるものが多く、用途によって、より細かく適正モデルを選ぶことができます。
まず、ツーリングや土手のサイクリングコースなどの長距離に適しているのはロードバイクに近いタイプです。
このタイプは、ロードバイクのように軽いフレームに、25~28Cほどの細めのタイヤを履いたクロスバイクになります。
例えば、1日30分~1時間程度しか乗らないという人なら、自転車の重さに神経質になることはありません。
しかし、長距離のツーリングとなれば1㎏でも軽い方が、漕ぐのが楽なので疲労感が違います。
実際にプロのロードレーサーなどは、何百g単位で軽量化を図るそうですから、軽さは大きな武器になります。
また、タイヤの細さはスピードが変わってきます。
タイヤが細くなれば路面抵抗が減るので、そのぶんスピードが出るようになります。
少し安定感を欠くのと、パンクしやすくなるデメリットはあるものの、スポーツ自転車の大きな醍醐味である「疾走感」を味わうには、細めのタイヤは必須とも言えるでしょう。
長距離向き自転車の乗車姿勢とクロスバイクの一例
ツーリングや土手のサイクリングコースを走る、長距離向けのクロスバイクは、ロードバイクに近いタイプがおすすめです。
その特徴として、乗車姿勢が前傾になることが挙げられます。
ロードバイクほど完全な前傾姿勢にはなりませんが、今までママチャリなどのシティ自転車に乗っていた人なら、その違いは歴然でしょう。
前傾姿勢になることのメリットのひとつは、スピードが出しやすくなることです。
向かい風の抵抗を受けにくくなるのは当然のこと、背筋やお尻の筋肉が使いやすくなるので、ペダルを漕ぐときに脚の力のみならず、背筋も使えるようになるのです。
そのため、ママチャリではできなかった体幹強化をすることができます。
上記のようなことを踏まえ、長距離向きのクロスバイクを軽くご紹介します。
【GIANT(ジャイアント):ESCAPE RX1】
参考価格:100,000円
総重量が9.9kgとロードバイク並みです。
タイヤは700×28Cで、長距離走行に最適なモデルです。
【TREK(トレック):FX S 4】
参考価格:115,000円
こちらも10.12kgと軽量クロスバイクです。
カーボンフォークが採用されているので、振動吸収に優れています。
土手道も安心!タイヤが太いクロスバイク
ロードバイクに近いクロスバイクをご紹介してきましたが、ここからはマウンテンバイクに近いクロスバイクをご紹介していきます。
クロスバイクに求められるニーズに、日常生活で気軽に使いたいという点があります。
通勤・通学・買い物など、いわゆる街乗り用です。
街乗りに適した自転車は、路面の多少の凸凹や段差はもろともしない安定感を持っています。
市街地を走ることがメインであるならば、舗装された道ばかりとは限りません。
工事中で未舗装路があったり、河川敷の土手道でも舗装が悪かったりします。
そういった道を走る場合はタイヤが太くて、衝撃を吸収してくれるフロントサスペンションが付いたタイプがおすすめです。
タイヤが太くなると、中に入る空気の体積が増えるので、衝撃に強くなります。
多少の段差ならば気にせず乗り上げられますし、細かな衝撃はタイヤが吸収してくれます。
これにフロントサスペンションが加わるので、未舗装のオフロードも構わず走っていけます。
また、マウンテンバイクに近い仕様なので、フレームが太くて頑丈なのも特徴です。
道の荒れた土手道などの振動を吸収するサスペンション
上記でご紹介したフロントサスペンションについて、もう少し詳しくみていきましょう。
フロントサスペンションは、ほとんどのマウンテンバイクに装備されているものです。
山道や土手の荒れた道などは、当然ながら大きな衝撃が掛かります。
その衝撃を和らげてくれるのが、フロントサスペンションの役割です。
ただし、フロントサスペンションが付いていると、重量が増すのと、踏み込む力を逃がしてしまうというデメリットがあります。
そのため、長距離走行には不向きのタイプになります。
整備の行き届いた市街地を通勤・通学などで利用するなら、タイヤを太くするだけで段差などの障害物を安心して乗り越えられるでしょう。
ですが、荒れた道を通ることの多い人は、フロントサスペンション付きのクロスバイクのほうが走りやすいでしょう。
上記のようなクロスバイクを生産している自転車メーカーを、いくつかご紹介します。
【GIANT(ジャイアント):GRAVIER(グラビエ)】
参考価格:53,000円
フロントサスペンションは付いていませんが、荒れた土手道なども快適に走行できます。
【GT(ジーティー):TRANSEO 5.0(トランセオ)】
参考価格:54,800円
マウンテンバイクの名車を作り続けているGTのフロントサスペンション付きクロスバイクです。
土手道も安心なロードバイク!「グラベルロード」
クロスバイクは、ロードバイクとマウンテンバイクの特長を掛け合わせた自転車で、フラットバーハンドルを採用しています。
近年では、そのハンドルがロードバイクと同じドロップハンドルを採用している、グラベルロードという車種が注目を集めています。
「グラベル」を日本語に訳すと「砂利」になるので、砂利道も走れるロードバイクということです。
クロスバイクやロードバイクと区別が付きにくい感じがありますね。
グラベルロードは、悪路を走ることを前提にして制動性の高いディスクブレーキを装着し、タイヤも太いものを装着できるようになっています。
ロードバイクに乗って通勤・通学したいけど、荒れた土手道などを通るから、仕方なく他の自転車に乗っているという人には、最適な自転車です。
値段はピンキリですが、いくつかご紹介します。
【GIANT(ジャイアント):ANYROAD 3】
参考価格:95,000円
【GT:GRADEシリーズ】
参考価格:79,800~338,000円
自転車でサイクリングロードを走るときの注意点
クロスバイクやグラベルロードは色々な道を走れる万能自転車ですが、自転車に乗るときはマナーを守って走りましょう。
とくに注意したいのが、サイクリングロードを走るときです。
サイクリングロードは自転車だけのものと、勘違いしてしまっている人がいますが、ウォーキングやランニングに利用しても良い道です。
ですので、自転車以外の利用者がいても、無理やりどかすようなことは控えましょう。
自転車は、左側通行を基準とするので、サイクリングロードでも左側通行を心掛けましょう。
また、河川敷の土手の上にサイクリングロードがある場合は、土手下でスポーツをしていることがあります。
そういった場合は、ボールを追いかけてきた人が、サイクリングロードに出てきたりする可能性があるので、近くになったら減速しましょう。
サイクリングロードでは、自転車が交通強者になります。
事故に遭った場合は、自転車側の過失が大きくなることがほとんどなので、マナーを守って走るようにしましょう。
未舗装路を快適に走る自転車のご紹介と守るべきマナー
自転車の重さやタイヤの太さによって、同じクロスバイクでも、使用感が違ってきます。
土手道などの未舗装路をスイスイ走れる頼もしいロードバイクもあります。
それぞれの目的に合わせて選んでみてください。
サイクリングロードのような土手道を走る際は、マナーに気を配りましょう。
歩行者優先で徐行が基本ですね。