例えばツーリングで出かけた時、「今日はどれくらいの距離を走ったのか」気になりますよね。距離と時間がわかれば速度をはじき出せます。また、手っ取り早く速度計をつけていれば、レースに向けてのトレーニングにも役立ちます。あなたも走行距離メーターをつけてみませんか!
自転車に距離メーターをつけよう!〜価格の相場は?
スポーツバイクで距離や速度を計測するための機器をサイクルコンピューターと呼びます。サイクルコンピューターには非常に単純な計測機能しか持たないものから、極めて詳細なデータを記録できるものまで様々なものがあります。非常に高機能なものはプロサイクリングレースで使用されています。
メーカーとして、CATEYEが定番です。最も単純な機能なものであれば、2,000円程度から選ぶことが出来ます。単純な機能とは言え、走行中の速度、距離、走行時間や現在の時間、平均速度、最高速度などに加えて推定消費カロリーや積算距離までデータを取ることが出来ます。
安価なモデルの特徴のひとつとして、有線式であることが挙げられます。コンピュータとセンサー類が有線で繋がっているため、車体への取り付けが少々面倒であることがデメリットです。センサー類とコンピューター本体がワイヤレスで繋がっており、加えてケイデンスまで測定できるものとなると、10,000円を超えてきます。CATEYEはあくまでも一般ユーザー向けとなっていますが、他メーカーのプロ仕様製品となると、マップ表示やナビ、トレーニングプランまでサポートします。そのような製品となると、30,000円を超えてくるものが大半となってきます。
自転車に距離メーターをつけよう!〜取り付け場所は?
サイクルコンピューター本体の取り付け位置は主にハンドルバーの何処かになります。クロスバイクやマウンテンバイクでは、ハンドルバーの左右、ブレーキレバーの取り付け位置近くにマウントされる割合が多く見られます。ロードバイクのようなドロップハンドルを使用するものの場合、ハンドルバーの大半をバーテープで覆ってしまうため、ハンドルバーにマウントするのは少々窮屈です。そのため、大半のメーカーがサイクルコンピューターマウント用のアタッチメントを販売しています。ハンドルバーにサイクルコンピューターマウント用のアタッチメントを取り付けて拡張することになりますが、大抵はステムから前方へ少々突き出た形になります。
もちろんコンピューター本体を取り付けただけでは大したデータが計測できません。それ以外にホイールの回転を計測するセンサーと、クランクの回転を計測するセンサーがあります。ホイールの回転を計測するセンサーは、スポークにマグネットを取り付け、フロントフォークかチェーンステーにセンサーを取り付けます。大抵は結束バンドを使って縛り付けるような形になります。マグネットがセンサー前を通過することで速度を計測するわけですね。クランクの回転を計測するセンサーも同様で、クランク内側にマグネットを取り付け、それがチェーンステーに取り付けたセンサーを通過することで回転数が計測されることになります。
自転車に距離メーターをつけよう!〜おすすめは?
シンプルなものではやはりCATEYEが最もおすすめです。なんと言っても価格が手頃であるため、積算距離や現在の速度がわかれば十分、という方にはぴったりでしょう。先に述べたとおり単純で有線式のものであれば2,000円程度ですが、ワイヤレスになると手軽さがぐっと増すため、オススメしたい入門モデルはワイヤレス式のベロワイヤレスプラスです。税別5,500円と、同型のベロワイヤレスに比べて500円高いだけですが、こちらにはナイトモードが搭載されており、夜間でもバックライトによってデータを確認することが容易です。通勤・通学、あるいは遠出のサイクリングの帰り道では日が暮れてしまっているでしょうから、バックライトがあると無いとではまったく違います。
ちょっと本気のコンピューターを試してみたい、とお考えならGarminEdgeシリーズの25も良いでしょう。税別16,800円と少々割高ですが、別売のオプション品を使うことで心拍数やケイデンスまで測定することが可能なうえ、GPSを搭載しているので足跡をMAPで確認することまで可能です。
距離メーターだけじゃない!その他便利グッズ①
先にもご紹介しましたが、サイクルコンピューター本体が対応していれば、ケイデンスセンサーと心拍センサーもあると尚便利です。ケイデンスは自動車で言うところのエンジン回転数です。速度とケイデンスの割合を見ることで、自身が重すぎるギアでペダルを踏んでいるのか、軽すぎるギアで適正な力が掛けられていないのかを判断出来るようになります。長い距離を走るとき、適正な負荷で走ることが出来なければ早々にバテてしまいます。ケイデンスを管理することで、体力の無駄遣いを防ぐことが出来るわけですね。心拍センサーも同様です。ケイデンスに比べて更に自身の体調まで把握出来ます。自覚していなくても非常に疲れている事もあれば、疲れたと思っても実はまだ頑張れる、という事が心拍データからわかることもあります。
自転車は慣れてくると長時間に渡って乗ることになりがちですから、ペース配分の管理を感覚に頼らず、体調の変化をいち早く掴むことが出来れば、より安全で楽しいライディングに出来る、と言えますよね。
距離メーターだけじゃない!その他便利グッズ②
最近ではアクションカメラと呼ばれるスポーツ動画撮影用の専用カメラも手頃な価格で購入できるようになってきました。少し前までは価格も高く、重量もかさみ、撮影可能時間もごく短時間に限られていましたが、最近のものは性能が上がってきています。このアクションカメラをハンドルバーに搭載することでどんな事が期待できるかといいますと、ドライブレコーダーとしての役目が挙げられます。最近ではタクシーやバスなどに搭載されているドライブレコーダーですが、自転車にも同じような事が可能になってきたんですね。ドライブレコーダーは主に事故が発生した場合、状況を確認するために使用されます。自転車で事故に遭遇した際に役立ったという事例も散見されます。また、トレーニングコースの確認にも有用です。一度録画したコースを確認しておけば、次に走るときに役立てることが出来ます。レースに出るならコースの試走にも使えますよね。シリアスなライディング以外でも、観光地や季節が感じられる景色を走った映像などは、あとから編集して楽しむ事も出来ます。
トレーニングへの活かし方
速度と距離、時間のデータだけでも十分にトレーニングに活かせます。常に繰り返し走ることになるコースは、概ねどの程度の時間が掛かる傾向にあるかがわかってくるでしょう。どれだけ頑張っても同じ距離を同じ時間でしか走れない、ということになればそれが自身の体力の限界ということになります。同じ距離とコースにおけるベストタイムを更新出来れば、それだけで自身の体力が向上したと言えるでしょう。
しかし、ケイデンスや心拍数などのデータを計測出来れば、トレーニングは劇的に効率が良くなるうえ、体調の管理も容易になるため、無理をする機会を減らすことが出来、怪我のリスクまで軽減出来ます。ルーチンで走るコースの平均心拍数を計測しておき、その心拍数から受ける印象で体調を管理しましょう。いつもの心拍数なのに普段より辛いぞ、ということであれば体調が良くないのでしょう。そういうときは無理をしないに限ります。逆に、まだいけるぞ、ということであれば体調が良いのでしょうから、少し負荷を上げてトレーニング効果の向上を望めます。
上り坂、平坦、下り坂やルートによってどのシチュエーションでもそのシチュエーションなりのケイデンスが一定になるように管理してみましょう。例えば上り坂では65rpm、平坦では85rpmになるように。それだけで、感覚だけで走っていたときに比べて多少はライディングフォームが安定してきます。
自転車は数字を追いかけるのも面白い!
意外かも知れませんが、自転車は数値での解析が最も一般ユーザー層まで浸透しているスポーツのひとつです。客観的な数値によるアプローチは、自分の何が課題かを明確にしてくれます。自分が目指すレベルが日常のフィットネスレベルだろうが本気のレース出場レベルだろうが、数値で管理することで目標達成の一助になることは疑いの余地がありません。自分のライディングを数値化する楽しみがわかってくると、より高機能なコンピューターが欲しくなってくるかもしれませんね!