普段に自転車に乗っていても、レースに出るような人でなければ、自分が何キロの速度を出して走っているのか、わかりませんよね。
一番速度が出る自転車は、ロードバイクだろうと思うのは早とちりです。
さらに速いスピードが出る自転車があるんです!
自転車のギネス記録について調べてみました。
自転車の最高速度はどれくらい?
自転車のなかには、最高速度でギネスに載っているものなどがあります。
その自転車が気になるとは思いますが、まずは日常的に乗っている自転車の性能を確認しておきましょう。
まずママチャリですが、老若男女だれでも乗れる自転車ですので、その出せる速度も、ほぼ決まっています。
どのくらいの速度を出せるのかというと、最高速度としては時速30kmくらいです。
平均速度であれば、時速12km~時速19kmくらいでしょう。
瞬間的に時速30kmに到達したとしても、自転車の性能が伴わないので維持は難しく、長時間の巡航になると、時速20km以下になるでしょう。
次に、MTBです。
MTBは山道を安定して走行できるように設計されているため、速度を重視した設計ではありません。
ただし、下り坂では70km/hを出したという記録があります。
ですが、平均すると時速18km~時速25kmくらいになるので、ママチャリより速度が出ます。
ロードバイクの良いところも受け継いだクロスバイクなら、スピードが出せると思われますが、それでも平均速度はMTBと変わらず、時速18km~時速25kmです。
ただし、MTBよりも軽く、細いタイヤなので、体感スピードはMTBより速く感じます。
ギネスの最高速度記録を持つ自転車
自転車最速を考えるなら、ロードバイクだろうと思う人が多いでしょうが、平均速度は時速20km~時速30kmです。
一般の人が出せるのは、このくらいの速度です。
プロの世界では時速40kmを超えて巡航し、ゴール前のスプリントになると、時速70kmくらいまで加速するので、かなり速くなります。
競輪選手も同じで、ラスト1週は時速70kmくらいになります。
とても速度の出るロードバイクなのですが、最速というと別の自転車になります。
リカンベントという自転車をご存知でしょうか。
リカンベントは、見かける機会が少ない自転車です。
ロードバイク用の細いタイヤを装着して、空気抵抗を抑えるために寝そべった格好で乗り込む自転車です。
平均速度は時速30km~時速40kmで、ロードバイクより速く巡航できます。
それから、自転車最高速度のギネス記録を持っているのは、リカンベントの自転車です。
しかし、自転車にロケットエンジンを乗せて最高時速333kmを記録したというもので、その記録は参考にならないかもしれません。
自転車の人力走行での最高速度
ロケットエンジンを乗せた自転車での最高記録は、時速333kmでした。
人力で世界最速記録というと、時速144kmでした。
1人の人間の力だけで、車でもほとんど出すことのないスピードに到達したのです。
その記録をマークしたのはAerovelo社の「Aerovelo Eta」という自転車です。
前回の時速133kmというギネス記録を自ら超えて、人力による3桁の速度を更新したのです。
しかしながら、その自転車は自転車に見えません。
空気抵抗を削ることを考え、卵型のボディになっています。
その中に人が入り込んで、ペダルを回すのです。
そのため、ペダルを漕ぐ人の姿は外から見えません。
見た目は二の次ですし、走行中に風を感じることも考えず、最高速度を出すためにだけ作られた自転車だと言えるでしょう。
装備は簡単にいうと、極薄のタイヤ、軽量フレーム、車体を覆うシェルの3つです。
自転車に関するギネス記録
自転車のギネス記録としては、人力による最高速度、時速144kmというものがありますが、他の記録もあります。
オリンピックのロードレース最年長金メダリストが2012年に更新されました。
記録保持者はクリスティン・アームストロングです。
ロンドン・オリンピックの女子タイムトライアウトに出場して、優勝、金メダルが2012年8月1日に決まり、年齢は38歳356日でした。
ロードレース3冠という輝かしい記録を獲得したことも、ギネス記録になっています。
記録保持者はエディ・メルクスです。
1974年、ツール・ド・フランス、ジーロ・デ・イタリア、ロードレース世界選手権、それら3つの大会で初めて制した選手です。
また、メルクス以外で3冠を獲得したのは、1987年のスティーブン・ローチェただ1人です。
UCIワールドツアーの最年長優勝者は、2014年に更新されました。
記録保持者は、アレハンドロ・バルベルデです。
UCIワールドツアーというのは29のレースでポイントを獲得して、ポイントの高さを競うというものです。
そのため、安定した強さが必要になるわけですが、2014年の10月、バルベルデは総合優勝を果たし、34歳172日の最年長記録保持者になりました。
また、バルベルデのさらにすごいところは、2015年のUCIワールドツアーでも、総合優勝を果たしていることです。
ツール・ド・フランスはギネスの宝庫
ツール・ド・フランスといえば、ロードレースの有名な大会です。
優勝するために選手が速度などを計算しながら、相手と駆け引きしたりするのが魅力のひとつですが、ギネス記録を獲得したことで魅力を増しています。
2012年には、スポーツイベント最多観客数のギネス記録を獲得しています。
ツール・ド・フランスとしては99回目の開催でした。
ツール・ド・フランスに最多出場者した選手もギネス記録になっています。
記録保持者は、ジョージ・ヒンカピー、スチュアート・オグレディ、イェンス・フォイクトの3人です。
それぞれ出場した年代は違いますが、それぞれ17回も連続してツール・ド・フランスに出場しています。
また、ツール・ド・フランスは毎年行われているのですが、たまたまオリンピックと同時に開催される年があり、そのどちらも優勝した人物がギネス記録になっています。
その記録保持者は、2012年のブラッドリー・ウィギンスです。
ウィギンスはツール・ド・フランスで優勝した10日後にロンドンロリンピックの男子タイムトライアウトで優勝し、2017年現在でも活躍している選手です。
日本人も持っている自転車のギネス記録
自転車のギネス記録は、日本人も獲得しています。
世界選手権自転車競技大会で最多連覇記録を持っているのは、日本人の中野浩一氏です。
1977年から1986年の10連覇が認められて、ギネス記録になっています。
その記録は、30年以上たった今でも、破られていません。
また、中野浩一氏は世界的な活躍が認められて、2006年に紫綬褒章を受章しています。
ほかにも、BMXによる1分間の耐久タイムマシンスピン記録によって、2014年に池田貴広氏がギネス記録を獲得しています。
池田貴広氏はプロのBMXライダーで、タイムマシンスピン記録以外のギネス記録も保持しており、2017年の4月からはシルク・ドゥ・ソレイユで世界ツアーに参加することが決まっています。
ちなみに、速度以外の一風変わったギネス記録ということなら、2013年に記録された世界一背の高い自転車は6.15mであり、2015年に記録された世界一長い自転車は35.79mという記録があります。
そして、2016年に記録された世界一重い自転車は860kgとなっています。
それぞれ、とてつもない数値ですが、いずれも走行することが可能というので驚きです。
ギネス記録は常識を超えている
世界最高速度のギネス記録を持っている自転車は、外見だけ見るとすでに自転車の域を超えていますね。
近未来の自転車という感じです。
世界には、いろいろな挑戦でギネス記録を更新している人がいます。
次はだれがこのギネス記録を破るのか、そのような観点で自転車を見てみても面白いかも知れません。