自転車には必ずついているスプロケットですが、このスプロケットの役割とはいったいなんなのでしょう。
また、スプロケットは定期的に交換が必要なのでしょうか。交換すべき場合の目安などはあるのでしょうか。
ここでは自転車のスプロケットを交換する目安や、自分でできる交換方法をご紹介します。
スプロケットっていったい何?
自転車やオートバイにはスプロケット(sprocket)という部品があります。
スプロケットとは、歯車のことです。
オートバイには前輪にもついていますが、自転車には前輪についていないです。
自転車についているスプロケットは、クランク側と後輪です。
また、クランク側のスプロケットは、【チェーンリング】と呼ばれています。
このチェーンリングがローラーチェーンの回転をさせて、後輪のスプロケットに回転を伝えていきます。
大きさは、後輪側よりも大きいことが多いです。
このチェーンリングの大きさによっても、ギアの軽さを変えることができます。
また、変速機を付けるのは後輪側のみです。
クランク側と後輪にサイズが違うスプロケットを複数枚、横に並べることで変速できる構造になっています。
変速する後輪のスプロケットは、5枚以上の枚数になることもあります。
枚数が多いため、組み合わせた状態でハブから着脱することができるようになっていて、それを【カセットスプロケット】と呼ばれています。
カセットスプロケットとは、後輪のスプロケットのことを表しています。
また、後輪のスプロケットの交換をすることができますが、ご自分で行うと力加減を間違えて壊してしまうこともあるので、自転車屋さんに修理、交換をしてもらうことをおすすめします。
スプロケット交換の目安とは
スプロケットは金属で作られていて丈夫なのですが、金属で作られているフレームが劣化するようにスプロケットも劣化や消耗していきます。
消耗の目安はリアブレーキをかけながらクランク(ペダル)に力をかけたときに、チェーンが、グググと持ち上がるようになることです。
そのようにしてチェーンが持ち上がるということはスプロケットの歯が消耗して深さか足りなくなっている証拠なので、スプロケットを交換したほうが良いでしょう。
また他にも新品のチェーンと交換してから変速を行ったときに、チェーンがピョンピョン浮いてしまうこともスプロケットの消耗の目安になります。
スプロケットによっては交換時期を示す印がついているものもありますが、それはあまり期待できません。
市場にはたくさんのメーカー品があり、それらすべてに対応しているわけではないので上記のような目安を参考にするとよいでしょう。
それからスプロケットの寿命を伸ばしたいのであればチェーンにも気をつけましょう。
チェーンが伸びきってしまうとスプロケットの歯を削り取ってしまい、そのためスプロケットの寿命を削ることになるのです。
変速時の衝動も交換の目安になる
街中の走行で出くわす少々の坂道であれば25Tもあれば十分に登れるはずです。
それでもきついならフロントギアをインナーに落とせば困ることはないでしょう。
32Tのような歯数はマウンテンバイクでダウンヒルでもしない限り必要ないと思います。
それなのにフロント3段で歯数の少ないギアだったりすると街中の走行ではすごく無駄なギアだと思います。
そして変速時の段飛びで衝撃が気になるならワイドレシオのものよりクロスレシオのものが良いでしょう。
クロスレシオのものは主にロードバイクにつけられているもので、1段変えても歯数が2Tくらいしか変わらず細やかな変速が可能で、細やかであるため段飛びの影響が少ないです。
そのように、無駄なギアが多いものや、クロスレシオを試してみたいなどを目安にしてカセットスプロケットを交換することを考えてみてはいかがでしょうか。
カセットスプロケットを交換にはフリーホイールリムーバーなどの専用工具が必要になるのですが、その工具にしてもカセットスプロケットの掃除などでも使うので購入しても損のない工具だと思います。
こまめなメンテナンスが、交換目安を見極める
スプロケットは大切に扱っていれば寿命を伸ばすことができます。
それではどのように大切にすればよいのかというと、チェーンのメンテナンスから行います。
チェーンは使用中に引っ張られるため徐々に伸びていきます。
伸びきってしまったチェーンを使っているとスプロケットの歯とこすれて、歯を削り取ってしまうのです。
そのためチェーンをメンテナンスすることでスプロケットの長く使えるようになるというわけです。
それでもスプロケットは寿命が尽きてしまうことがあります。
その目安となるのが新品のチェーンを使ったときです。
新品のチェーンに交換してから変速時にチェーンがピョンピョン浮いてしまいスムーズな変速ができなくなったらスプロケットの歯が削れてしまっている証拠です。
そのように新品のチェーンに交換して変速がスムーズに行かなくなることから、「イベントやロングライドレースに参加する直前にチェーンの交換するのは良くない」と言われることがあります。
走行中にチャリチャリ音がしたり変速がスムーズでなかったりしたという経験則なのですが、それはスプロケットの歯が削れていたことが原因だったのです。
そして同じことはペダル側、つまりチェーンリングにも当てはまります。
チェーンのメンテナンスを疎かにすることでスプロケットだけでなくチェーンリングの寿命を短くしてしまうことを覚えておきましょう。
知っておきたい、スプロケットの交換手順
チェーンが浮くようになったことなどが目安になってスプロケットの歯が削れてきたことが発覚して、その問題に対応するならスプロケットを交換するしかありません。
ネットで調べればたくさん情報が出てくるので、ここでは簡単に交換手順を追っていきたいと思います。
まずは後輪を外します。
ロックリング回しをセットして、フリーホイールリムーバーでギアを固定、そしてスバナで回します。
そうしているうちに古いスプロケットが外れるので逆の手順で新しいスプロケットを取り付けます。
初めての作業でしれば力加減など分からず、慎重に力を入れることでなかなか作業が進まないこともあるのですが、ホイールはそうそう壊れることはないので、エイっと力を込めてしまってかまいません。
日頃の走行で体重を支えているホイールですし、ネジが回るように作られているのでホイールが壊れることはあまり考えられません。
しかも体重をかけて回さないとスプロケットは外れないと思います。
スプロケットに注油は必要なのか
自転車のスプロケットの交換やメンテナンスについては、人によって目安からやり方までかなり異なるようで厳密な正解というのが見つけられずにいます。
そのため見解の一つということで書いていきたいと思います。
まず、カセットスプロケット(リアの歯車)への注油は不要です。
チェーンのような稼動部が存在しないので注油する必要を感じません。
実際にはチェーンの油がスプロケットにつくのでまったく油がないというわけではないのですが、それでもチェーンから付着した油で十分でしょう。
クロスバイクやマウンテンバイクなどでは雨によってスプロケットが錆びることがあるのでスプロケットに油を塗ってコーティングしておくことで錆び防止になるとは思います。
短距離のトラック競技をしている人たちからはスプロケットにも注油やコーティングする必要があるという声が聞いたことがあります。
それは本当に0.1秒でもタイムを縮めたいという気持ちから少しでも駆動系の動きをスムーズにしたいのだと思います。
ロードバイクではロングライドするため機材トラブルを少しでも減らすことに重点をおいたりそもそも恩恵を感じることがなかったりすることからスプロケットの注油をしている人は少ないです。
自転車に乗る限りメンテナンスは必要
スプロケットの交換目安や交換方法についてご紹介しました。
スプロケットに限らず、自転車を長く乗っていると故障や修理が必要な物がでてきます。
愛用の自転車をいつまでも使うためにはこまめなメンテナンスを心がけましょう。
自分で行うメンテナンスが不十分だと感じたら、自転車屋さんに相談することをオススメします。