様々な部品から成り立って出来ている自転車ですが、中でも走るときに重要になってくる部品がスポークです。
このスポークには種類があり、長さも違うのがあることをご存知でしょうか。
今回は、その自転車スポークの長さの重要性や長さの測り方などについてご紹介します。
自転車スポークの長さの重要性
手組みホイールの組み立ては、とても奥が深いです。
リム、ハブ、スポークの組み立ては、わりと簡単にでき、自転車技士や自転車安全整備士は、ホイールの組み立てが合格の最低条件になってます。
しかし、資格を持っていても、その資格を取った後に、ホイールの組み立てをどのくらいしたかが重要になります。
ホイールの組み立てを経験することによって、同じ資格を持っていても、スキルは大きく変わってきます。
そんなホイール組み立ての経験を積んだベテランの自転車技士や、自転車安全整備士の頭を抱えさせてしまうことがあります。
それは、スポークの長さを決めることです。
自転車のスポークの長さは、とても重要なのです。
経験を積んでいるベテランの自転車技士や自転車安全整備士であれば、定番の組み合わせは覚えていますが、次々とやってくる新製品の寸法までは暗記できません。
ピタゴラスの定理である、三平方の定理、a2=b2+c2-2bc*cosθ、この数式がスポークの長さを決めるのに必要になります。
自転車スポークの長さの測り方
自転車のスポークの長さをどのように測るのかをご紹介します。
自転車のスポークを交換するために、スポークの長さを決めるのは、なかなか判断が難しいです。
スポークはどこから、どこまでの長さなのかというと、ネジ山の端から端までです。
スポーク専用の物差しがあるので、それで測りましょう。
その物差しは、スポークスケール、又はスポーク長ゲージという名前で販売されています。
測り方は、
まず、スポーク長ゲージにスポークを引っ掛けて測ります。
そのときに、ぴったりの数字ではなく、微妙な長さになってしまうことがあります。
その場合は、長めに測り、1mm単位ではなく、0.5mm単位で測りましょう。
ネジ山は、だいたい10mmですが、太さが異なる場合があります。
日本製や台湾製は14番や15番、欧米製では1.8mmや2.0mmという表記になっています。
ニップルは、ネジの太さと合わせる必要があり、工具を使用することで互換できます。
ニップル回しは、14番と15番で互換性があり、1.8mmと2.0mmでも互換性があります。
スポークの長さを確認するときの注意点
自転車のホイールを組むときに、大変なのが、スポークの長さを計算しなければいけないことです。
スポーク長を決めるのは、以下のものです。
・ハブのPCD(ホイールピッチ)
ハブの穴数、穴までの直径、穴のピッチなどです。
・リムのハイト(リムの太さ)
リムのハイトが変わると、ハブとリム穴の長さが変わってしまうためです。
・スポークの組み方
4本組み、6本組み、ラジアル組があるためです。
・スポークの本数
何本のスポークで組むかによって、ピッチや長さが変わってきます。
・スポークの太さ
ほんのわずかですが、長さに影響しています。
・スポークの形状
エアロスポーク、ストレートスポークなどで算出方法が変わります。
市販のスポークの長さは、種類を半分に減らすためなのか、偶数値なことが多いです。
スポーク長の計算値を偶数にするためには、小数点以下を切り捨て、奇数の場合は1引きます。
例えば、263.7mmでは、小数点以下を切り捨て、263mmなので、そして奇数なので、263-1=262mmとなります。
自転車スポークは長さやバランスが大切
スポークは、放射線状に張り、バランスを保つようにすることで強度が出ます。
自転車のスポークは長さやバランスが大切です。
スポークの張りが良くないと、自転車の走行にも良くない影響が出てしまいます。
また、スポークのバランスが崩れていると、一部のスポークに負担が掛かり、破損する恐れがあります。
スポークを自分で交換するときには、バランスを保てるように長さを注意して、張替えましょう。
折れたままのスポークを交換せずに乗っていると、折れてしまったスポークが、自転車又は、自転車に乗車している人の足を傷つける恐れがあります。
折れたスポークは、先が尖がっているため、大変危険です。
怪我しないようにと、中途半端になったスポークを抜き取って、乗り続けることも危険です。
他のスポークまでも折れてしまう可能性があります。
スポークは、バランスを保つことで、強度がでるので、バランスを崩してしまうと、自転車の車輪がゆがみ、走行に問題が出たり、スポークを破損してしまうこともあります。
長さだけではなく太さも
スポークの長さだけでなく太さも大事です。
どのようなスポークが使われているのかをご紹介します。
一般の自転車は、前輪を14番手の2mm幅を36本、後輪は荷台があったりと、負担がかかってしまうので、スポークが折れるのを防止するため、14番手のよりも0.34mm太い、13番手の2.34mmを36本使っています。
少しの違いですが、36本で車輪を組むので、車輪の強度が大きく変わります。
スポークは、L字に曲がったところが弱いです。
スポークが折れる場合は、曲がった部分が折れ、スポークの本体部分が折れることは、ほとんどありません。
一昔前は、14番手のスポークが後輪でも使われ、新聞配達用の自転車等は後輪のスポークを40本にして補強していました。
後輪には、13番手のスポークが主流ですが、低コストにするためか、ママチャリなどは、後輪にも14番手のスポークが使われていることもあります。
13番手のほうが強度はあるので、荷台を活用する方は、後輪のスポークの太さに注意して購入しましょう。
自転車スポークの種類
スポークには、長さや太さに種類がありましたが、スポーク自体の種類をご紹介します。
一般的なスポークは、断面は円形のずん胴スポークです。
段付きスポークは、真ん中を細くしたスポークです。
ハブとリムの周りでは、スポークが壊れやすいため、取り付けるところは変えずに、真ん中部分だけを細く、軽く、空気抵抗を減らしたスポークです。
そして、段付きスポークは、段差をいくつかつけることができ、それだけで違ってきます。
エルボ部分を太くした片側段付きスポークは丈夫なため、旅行用の自転車やマウンテンバイクに使われます。
エルボ部分とネジ部分が普通で、中間部分が軽量のため細くしてある、両端段付きスポークは、競技用車に使われています。
エルボ部分、中間部分、ネジ部分がそれぞれ違う太さで、丈夫なのと、軽量の両方ある3段段付きスポークは、旅行車やマウンテンバイクに使われます。
空気抵抗を減らすため、真ん中の部分を楕円にした空力スポーク、また、楕円スポークや扁平スポークとも呼ばれます。
空気抵抗は、進行方向の空気抵抗のみです。
リムも空力リムがよいです。
自転車スポークは長さに種類がある!スポークの長さを知ろう まとめ
いかがだったでしょうか?
色々と頭が痛くなるような計算がありそうですが、今はネットが発達しているので、簡単に長さを測ることのできるサイトが複数あります。
部品の名前を調べて覚えて、自分で計測してみましょう。