マット塗料というものをご存じですか?
マット塗料を使って塗装すると、自転車の艶を消すことができます。
艶を消すのと消さないのとでは、デザインはもちろんですが、耐久性などの違いもあるようです。
ここでは、その艶を消すマット塗料について、みていきましょう。
艶を消す場合と消さない場合の違い
車や自転車の塗料には、艶ありと艶消しがあります。
この艶ありと艶消しの違いは光沢の違いによります。
光沢度が70以上あると艶ありと呼ばれ、それ以下ですと七分艶、五分艶と下がっていきます。
艶消しの状態はその字のごとく、光沢を消すのです。
マット仕上げと呼ばれることもあります。
しかし、結局は好みの違いによるところが多いです。
艶があると、見た目はつやつやしていてきれいですが、艶がありすぎるのも下品にみえてしまうことがあります。
微妙な手間がかかっている艶は、とてもきれいで太陽の光などにあたると、眩しいくらいにきれいで高級感が出ます。
逆に艶消しの塗料にすると、あまり塗り替えた感じが出ないので、満足感が少ないかもしれませんが、落ち着いた感じに仕上げたければ、艶消しの塗料が良いです。
艶消し塗料で仕上げた車や自転車は、ナチュラル・控え目というような言葉が良く似合います。
車や自転車以外にも、外壁などもそうで、薄いベージュ、クリーム色などと艶消しいは相性が良いです。
艶を消す塗料は自転車に汚れが付きやすい?
艶消しと艶あり塗料を塗った外壁の持ちの良さの面からみた場合、断然艶ありの方が長持ちします。
艶ありの仕上げだと、自転車に塗装したところの防水性が高まり、埃などの汚れがつきにくいのです。
また、カビやコケなどもつきにくいです。
最近は、艶を消す塗料でも、汚れがつきにくいようなタイプも出てきてはいますが、それでもやはり、艶ありの方が汚れは断然つきにくいのです。
艶ありの塗料を塗っても、年月が経つにつれて、艶がなくなっていくので、最初は艶ありの塗料を塗って楽しみ、そのあと、だんだんと艶消しを楽しむという方法もありますよ。
艶消しを作る時、艶ありの塗料につや消し剤を添加して作るのですが、このようにして作ると、どうしても塗料のもともとの性能が低下してしまうことも多いのです。
ですから、塗料のもともと持っている性能を生かす意味でも、艶あり塗料をおすすめします。
家によっては、艶消しの方が仕上がりが素敵に見える場合だってあります。
どうしても艶消し塗料を使いたい場合は、既製の艶消し塗料タイプのものを使うようにしましょう。
艶を消すマット塗料を試してみよう①
塗料には艶消しと艶ありがありますが、自転車にも艶消し、またはマット仕上げの塗料が多く使われるようになりました。
市販されている車用のスプレーを使って、自転車に艶消し塗料を塗ってので、その工程をご紹介します。
艶消し塗料を塗る方法ですが、着色された塗料が最初から艶消しの物と、通常の塗装の上に艶消しのクリアを塗る2つの方法があります。
どちらが良いのかわかりませんので、とりあえずブルーのラッカースプレーを選びました。
選んだ理由は、色がきれいだったからです。
自転車のフレームに塗るのと同じように、アルミのパイプを良く脱脂し、2-3回にわけて塗っていきました。
塗装したパイプの両端をマスキングし、真ん中だけ艶消しのクリアを吹いてみました。
吹いた量は、垂れるほどのかなりの量です。
塗装して3時間ほど乾燥させ、マスキングを外したところ、光の反射具合を見ると艶は抑えられていました。
これで、見事艶を消すことができました。
艶を消すマット塗料を試してみよう②
自転車の片側にマスキングをして、自転車の右側半分にだけ艶消しのクリア塗料を吹き付けてみました。
今回も、普段のクリアを吹き付ける時のように、2回にわけ、濡れて艶が出るほどのたくさんの量をスプレーしました。
3時間ほど放置して乾燥させ、マスキングを外してみます。
残念ながら、この外す作業であらテープの糊が塗装面に残ってしまったのは、ちょっと残念でした。
しかし、しっかり艶は抑えられています。
先ほどの薄いブルーの時より、さらにはっきりと艶が抑えられています。
次に、艶消しの黒色も塗って比べてみました。
先ほど塗ったプレートの塗り分けのマスキングの跡を、耐水ペーパーで拭いておきます。
番号は1500番です。
糊の跡が自転車に付着しないように、塗料が乾く前に、早めにマスキングをはがしました。
塗料は通常の黒色、艶消しの黒、黒色の上に艶消しのクリア塗装という風に仕上げてみました。
艶消しの黒は、艶消しクリアと良く似ています。
このようにして、艶は消すのです。
注意!自転車の塗料剥がれの原因と影響
せっかくきれいに艶を消す塗料を、自転車にして喜んでいても、塗料がはがれてしまうことがあります。
原因はいろいろ考えられますが、転倒などの外傷が一番の原因でしょう。
コンクリートとフレームが衝突すると、大きな傷ができ、塗装がはがれ落ちてしまいます。
また、時間の経過によっても、自然と塗装がはがれ落ちることもあるでしょう。
このほか、ワイヤー類や体が当たったことによる摩耗で、はがれ落ちることもあります。
どれも、しょうがないことかもしれませんが、なるべく防ぎたいですね。
塗装がはがれ落ちてしまうことで、自転車の見栄えも悪くなります。
せっかくデザインが気に入って買った自転車でも、印象がかなり違って見えてしまいます。
また、自転車はアルミや鉄といった材質でできているので、この塗料がはがれ落ちてしまうことで、錆ができやすくなってしまいます。
錆ができると、自転車の寿命を大きく縮めることになってしまいますから、塗装のはげ落ちには注意することが必要です。
塗装剥がれに注意すべきはカーボン製の自転車
艶を消す塗料を塗る際に、注意したい自転車の素材があります。
それは、カーボン製の自転車です。
なぜなら、塗料がはげた部分から水を吸いこんでしまい、フレームの内部に水をためこんでしまうのです。
そして、自転車が破断してしまう恐れがあるのです。
自転車の塗料がはげてしまうと、様々な問題が発生してしまうので、このようにならないためにも、塗装のはげを発見したら、日頃からすみやかに処置を行うのが良いです。
修復する場合、専門の業者に頼むのが一番良いですが、金額はだいぶ高くなってしまいます。
修復に行けないという人も、まずは自分で応急処置をすることが大事です。
修復に出す時間や費用が取れるなら、変に自分で直そうとはせず、応急処置として、マスキングテープやステッカーなどを、塗装がはがれた部分に貼って、錆ができたりするのを防ぎましょう。
また、修復する前には、その箇所をきれいに洗浄してから行ってください。
耐久性の変化にも気を配り、塗装が剥がれたら応急処置を
いかがでしたか?
艶がある方が汚れが付きにくく、その結果、耐久性が優れるようですね。
艶を消す塗料を使用して塗装した場合は、艶がある場合よりも、メンテナンスをしっかりと行いたいですね。
また塗装が剥がれた状態で自転車に乗り続けると錆の原因にもなるので、塗装が剥がれた場合には、速やかに応急処置を行いましょう。