プーリーを交換するだけで、ロードバイクの巡航速度が上がる?
そんな夢のような話、信じられないかもしれませんが、プーリーを交換してみたら、ギアが軽く感じるようになった、坂を楽に登れるようになった、という話をよく耳にします。
どうしてプーリーを交換するだけで、そんな効果が得られるのかをご説明します!
ロードバイクのプーリーはどうして大型化している?
最近は、大型化したプーリーを付けたロードバイクが多いです。
様々な色のプーリーがあり、見た目も良いです。
今回は、その大型化したプーリーについて、ご紹介していきます。
プーリーが大型化すると、ベアリングの回転効率がアップ、回転数が下がるため回転抵抗が減る、チェーンの曲がりを抑制するのでチェーンの摩擦が減る、というメリットがあります。
プーリーは、ガイドプーリーとテンションプーリーの2つがチェーンに作用しています。
そして、プーリーの軸受けには、ブッシュタイプとベアリングタイプの2種類があります。
ブッシュタイプは、まるい筒をプーリーに差し込んであるだけなので、回転性能が悪く、油もすぐに切れます。
ベアリングタイプは、シールで守られたボールベアリングが入っているため、回転性能が高く、油もすぐには切れません。
シマノは、105まではブッシュ、アルテグラはテンションプーリーだけがベアリング、デュラエースはベアリングです。
どのプーリーも、歯数は同じなため、105やアルテグラのリアディレーラーなら、プーリーだけデュラエースに換えることが可能です。
回転性能は向上しているため、長距離ライドをするときに、疲れにくくなります。
しかし、大径化のほうが、効果を感じやすいところがあります。
プーリーを交換することのメリット
では、ロードバイクのプーリーを交換するメリットについて、みていきましょう。
ギアの中で、プーリーは最も速く回転する部品です。
回転数が速ければ、摩擦が増えてしまいます。
そのため、回転抵抗が上がってしまい、ロスが生じてしまいます。
プーリーを大型の15Tに換えると、回転数が下がって、回転抵抗が減るため、軽くなります。
また、チェーンは、リンク部分が動くことによって、ギアに合わせて曲がって駆動伝達します。
しかし、この部分も曲がりがきつければ、摩擦抵抗が大きくなり、ロスが生じてしまいます。
一般的な11Tの場合は、角度がきついので摩擦による抵抗が大きいのですが、15Tの場合は、角度がきつくないため、摩擦による抵抗が少なくなります。
ほんの数秒間に、たくさんチェーンのコマがプーリーを通るため、抵抗が増えます。
そのため、チェーンの抵抗による摩擦は、思っている以上に重要なのです。
プーリーを大型化するとこんなデメリットがある
ベアリング入りの15Tのプーリーを使用するメリットは、とても大きいです。
しかし、そのまま大型プーリーを付けようとすると、プレートの爪に当たるので、取り付けることは不可能です。
ロングケージの場合は、爪を切って取り付けできますが、プレートからチェーンがはみ出してしまうでしょう。
チェーンがはみ出すと、ロードバイクで走行中に、振動があったりギヤチェンジする際に、チェーンが外れることがあります。
ですが、BERNERやTNIが出しているビックプーリー専用のケージを使えば、これらの問題が解決できます。
換えたプーリーがアルミ製だった場合、純正のプーリーより金属的な音が出るというデメリットがあります。
ただ、それほど大きな音ではないため、気になる人と気にならない人がいるでしょう。
油が切れてくると、その音は大きくなるので、その音を注油のタイミングとして利用すれば良いでしょう。
大型のプーリーを試してみる価値は、あると思います。
おすすめのプーリー素材
ロードバイクにおすすめのプーリー素材について、ご紹介していきます。
セラミックプーリーは、スムーズな回転、摩擦抵抗が少ないという特徴があります。
さらに、軽量化が可能であり、漕ぎ出しが軽いなどのメリットもあります。
一般のベアリングより、4倍くらいの寿命があります。
しかし、デメリットもあります。
デメリットは、値段が高い・変形には強いけど割れやすい・使えるフレームと使えないフレームがある・プーリーケージの交換と調整が必要などです。
そのため、セラミックプーリーは、調整やメンテナンスをこまめに行なったほうがいいです。
ですので、メンテナンスができる人や問題が生じたときに対処できる人、レースなどで使用したい人に向いています。
一方、ノーマルプーリーは、防塵対策がしてあり、誰でも使いやすいという特徴があります。
また、メンテナンスフリーで、値段もお手ごろです。
しかし、セラミックプーリーより回転しないというデメリットがあります。
ノーマルプーリーは、値段や特徴から一般の人に向いています。
ただ、セラミックプーリーを使って効果を感じた人もいれば、あまり感じなかった人もいるようなので、ものの性能ばかりに頼らないようにしましょう。
ロードバイクのチェーンの寿命
プーリーの交換について知ることができたら、チェーンについても知っていきましょう。
チェーンには、寿命があります。
限界まで使用することも可能ですが、ロードバイクの走行中に、突然チェーンが切れたら大変です。
チェーンはタイヤと同じく5,000km走ったら、交換するのが望ましいです。
ただし、走りかたにもよるので、登り坂をよく走る人ならチェーンの負担が大きく、寿命は短くなるでしょう。
また、平地で40km/h出せるような人も、その脚力の強さから、チェーンに負担がかかります。
こういった人も、チェーンの寿命は短くなるでしょう。
ですので、人によって4,000kmでダメになることもありますし、6,000km走っても大丈夫な人もいます。
チェーンの交換時期を過ぎても、チェーンを替えずに走り続けると、デメリットが生じます。
変速性能が下がる・チェーンが切れる可能性が上がる・チェーンリングとスプロケが摩耗するなどです。
チェーンリングとスプロケが摩耗するのは、伸びたチェーンがクランクのチェーンリングとスプロケに当たってしまうからです。
ロードバイクのチェーンはマメに交換しよう
チェーンは、グレードによる価格差が少ないです。
デュラエースは4,500円くらい、アルテグラは3,500円くらい、105は2,600円くらいです。
しかし、クランクのチェーンリングは、デュラエースのアウターだと20,000円くらいで、後輪のスプロケットは24,000円くらいかかります。
スプロケは、アルテグラは7,600円くらいで105は4,800円くらいなので、チェーンよりも高いです。
一般的に、スプロケは15,000km、チェーンリングは1~2万kmが寿命です。
伸びたチェーンで走ったら、チェーンリングとスプロケを摩耗させるため、交換時期が早くなって整備をするのにお金がかかってしまいます。
また、チェーンが油切れだと寿命は縮んで、早く交換しないといけなくなってしまいます。
走行中にシャリシャリと音がしたら、チェーン、チェーンリング、スプロケが摩耗しているということです。
お金をけちってチェーンを換えないでいると、結果的には、さらにお金がかかってしまうことがあります。
坂道を上ることが多い人や、重いギアや高い負荷でアウターギアをよく回す人は、チェーン・チェーンリング・スプロケの交換は早めにしてください。
ロードバイクで走行中に、歯飛びしたら、駆動系のコンポが摩耗して寿命がきていることもあります。
ロードバイクの走行性能をキープして快適なライドをするために、チェーンやプーリーは早めに換えてください。
プーリーを交換するだけで巡航速度が上がるかも?!
プーリーはロードバイク初心者には、なかなかいじれる部品ではありませんが、ここまで自分でいじれるようになると、バイクへの愛着がますます増すことでしょう。
チェーン周りのメンテナンス不足は事故にもつながりますので、消耗品と思って定期的に交換しておきたいですね。