自転車で郊外を走りたい場合、問題になってくるのが、そこまでの移動方法ですよね。
自転車を車載するにはいくつか方法がありますが、それぞれメリットデメリットがあります。
自転車を車載していきたいけど、自分の車でどうやって分解して運べばいい?と思っている方や、これから車を買いたいと思っている方に、参考にしていただければと思います。
自転車を分解せずに車載する方法①
自転車ブームが訪れ、未だ衰える気配のない近年。
それはブームではなく、人々の間に定着するものと、なりつつあるのかもしれません。
楽しみ方は幅広く、移動手段から気軽なサイクリングまで様々です。
中でも、目的地まで車で移動し、サイクリングを楽しむという人々が増えつつあります。
自動車に自転車を積み、交通量や人通りの多い場所は車で通り抜け、広い場所で存分にサイクリングを楽しめるのが魅力です。
そんな楽しみ方を「6ホイール」として、自動車メーカーもおすすめしています。
自動車の4輪、自転車の2輪、合わせて6輪、だから「6ホイール」というわけですね。
では、自転車を分解しないで車に積む、気軽な車載方法をメリット・デメリットとともに見ていきましょう。
まずは、ルーフキャリアを使用することです。
文字通り、車の上に自転車を載せて固定する方法です。
これは、コンパクトカーやセダンといった比較的荷室の小さな車でも、自転車を2台載せられるので、人気があります。
メリットは何と言っても自転車に場所を取られず、車内を広々と使えるところに尽きるでしょうか。
荷物をたくさん載せて、ご家族や友人たちと出かけるのも問題なしですね。
一方デメリットは、自転車が雨や日光に晒される、揺れによってフォークがダメージを受ける、そして高さ制限に弱いことです。
車の上に自転車を載せるので、立体駐車場や高架下など通れない場所も出てきますので、目的地までのルートには気を使わねばなりません。
自転車を分解せずに車載する方法②
それでは、次の車載方法、「車内に積む」です。
もちろん分解はしません。
こちらのメリットはルーフキャリアを使用することとは逆で、雨や日光に晒されない、揺れによるダメージが少ない、そして高さ制限がないというものです。
どのルートも通れますし、大切な自転車へのダメージが最小限に抑えられます。
次にデメリットですが、こちらもルーフキャリアを使用することと逆で、車内が狭くなる、荷室の開閉ができないなどがあります。
また、車内が汚れたり、駐車スペースから車がはみだしてしまう可能性もあります。
こちらの方法は自転車に優しいので、おすすめなのですが、車のサイズに依存するところが大きいです。
後部座席が全く使えなくなったり、そもそも車内に載せることが不可能という場合も少なくありません。
セダンは、その代表と言えるでしょう。
解決方法として、前輪と後輪を外して輪行袋にいれるという方法がありますが、手間がかかり、ベルトでしっかり固定しないと音を立ててしまうという問題もあります。
セダンタイプは自転車を分解しても1台が限界
先ほどご紹介した車載方法は、デメリットが少なく自転車に優しいのですが、車種が限られてしまいます。
セダンタイプは車内が広く、人は快適に乗ることができますが、そのぶん荷室が狭くなってしまいがちで、自転車を載せるのは難しいです。
分解すれば1台載せることも可能ですが、せっかく遠出をするのに、自転車以外の荷物を積めないのは不便ですし、あまりおすすめできません。
では、後部座席を倒して載せてしまうのはどうでしょう。
これなら載せることは可能ですが、車内が汚れたり傷ついてしまう可能性は、とても高いです。
なので、車外が良いでしょう。
パターンとしては、
屋根の上に載せるルーフマウント。
車の後部にリアゲートを使って載せるリアドアマウント。
車の後部に牽引装置を使って載せるトウバーマウント。
の3つがあります。
3つの方法を挙げましたが、おすすめはルーフマウントです。
リアドアやトウバーも良いですが、見た目・機能の両方を重視する場合は、ルーフマウントが良いでしょう。
セダンは車高があまり高くないものが多いので、目的地へのルート選びに高架下など、あまり神経質になる必要がありません。
その他のおすすめ車載キャリア
自転車の分解なしで車載できる、サイクルキャリアをご紹介します。
初心者の方でも導入しやすいものを厳選しましたので、ぜひご参考にしてください。
【ルーフマウントタイプ・inno タイヤホールド2】
車上に積み降ろしする必要があるため、苦労するかもしれませんが、簡単にタイヤを固定できるので、初心者の方でも安心です。
注意したいのが、別にベースキャリアが必要になる点です。
すでに持っている人は、ルーフキャリアと合うかどうか確認しましょう。
【リアドアマウントタイプ・TERZO EC16BK】
車後部に固定するため、ルーフマウントに比べて、断然積み降ろしが簡単です。
ただし、取り付けられる車が限られているので、対応した車か確認する必要があります。
【車内タイプ・INNO IA300】
車内に固定できるため、傷がつく心配がありません。
突っ張り棒のようなテンションバーに自転車を固定し、車内での横ずれを防ぐので、揺れから車と自転車両方を守れます。
自転車を楽に積めるおすすめ自動車
重要なのは車もです。
自転車を分解せずに積める車は、重宝しますよね。
【日産 セレナ】
自転車を2台載せ、ふたりで乗るならセレナがおすすめ。
車内の高さがあるので、サドルを下げる必要がなく、テールゲートも大きく開くため、積み降ろしが楽々です。
奥行も座席をずらせば、2台載せることができる広さを確保できます。
車自体も、ギリギリ5ナンバーサイズで取り回しも良く、停車場所を選びません。
加えて、車線内ならほぼ自動運転を行ってくれる先進の安全装備付きなので、長距離移動やサイクリング後の負担を軽減してくれます。
【スバル レガシィアウトバック】
先ほどのセレナよりも大きなアルファードなど、ハイト系ミニバンなら自転車を積むのも容易です。
では、セダンなどの乗用車はどうでしょう。
車内に積むのは厳しいですが、ステーションワゴンタイプなら、条件をクリアすることで可能となります。
自転車の前輪を外した状態でシートポストを最大限下げれば、荷室の高さが60cmくらいでも車載できます。
奥行も150cm程度あれば大丈夫ですが、リアゲートの傾斜が大きい車は、それでも難しいので注意が必要です。
そこで、おすすめなのがスバルのレガシィアウトバックです。
リアゲート入口の高さと幅があり、奥行はセレナより広いです。
「アイサイト」を搭載しており、サイクリング後も安全運転を支援してくれます。
コンパクトカーでも自転車を車載できる
コンパクトカーでも、分解せず自転車を車載できます。
【トヨタ シエンタ】
コンパクトカーに自転車が積めるのか、セレナのようなミニバンが最低ラインではないのか。
そう疑問に思われるかもしれませんが、ハイト系なら楽々搭載できます。
リアゲートが比較的地面に近く大きく開くので、SUVなどと比べると、こちらのほうが積み降ろしも楽です。
おすすめはトヨタのシエンタです。
室内の高さと奥行は、余裕の広さがあります。
ただ、幅が少し狭いので、自転車を2台載せる場合、ハンドルが干渉してしまう危険があります。
ですが、シエンタは優秀な燃費と取り回しの良さという、非常に大きな魅力を持っています。
【日産 エクストレイル】
アウトドアに適したSUVは、自転車を載せて出かけるにもぴったりです。
おすすめは日産のエクストレイルです。
荷室の高さも奥行も十分あります。
ラゲッジボードが防水仕様なので、水で丸洗いできるのも嬉しいポイントです。
汚れたタイヤも、気にせず載せられます。
ただ、SUVは全般的に悪路での走行を想定されている結果、傾向として荷室の奥行が短くなりがちです。
例として、ホンダのフィットやヴェゼル、日産のジュークなどはリアウィンドの傾斜もあり、自転車を積めてもリアゲートが閉められないという事態になりかねないので、注意が必要です。
お気に入りの自転車を車載して出かけよう
いくつか自転車の車載方法についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
小さい車やセダンでもあきらめる必要はありません。
工夫次第で自転車を車載することは可能です。
郊外の素敵な風景の中、自慢の自転車で走れたらとても気持ち良いですよね。