皆さんがお使いの自転車には、ハブという部品が付いてます。
この部品は、ホイールに付いている部品で、命を預ける大切なパーツのひとつです。
交換するにもハブの種類が沢山あるため、今回はこのハブの種類や交換方法をご紹介していきます。
自転車のハブを交換する前に種類を学ぼう①
自転車のハブを交換する前に、どんな種類のハブがあるのかをご説明します。
・普通ハブ
ハブとしての機能のみで、他の機能がないハブのことです。
・フリーハブ
ペダルを漕いでいたのを止めたとき、車輪だけが回り、ペダルが回らないように、ペダルと車輪が独立するようにしたハブのことです。
後輪用のハブのみに付いています。
また、フリーホイールが組み込まれているため、ペダルを逆に回してもタイヤが動かない仕組みになってます。
・クイックリリースハブ
クイックリリース(工具が無くても対応できるレバー付き)タイプのハブです。
クイックリリースを使えば、ハブを外したいときに素早く外すことができて、パンクをしてしまったなどのトラブルの処理に役立ちます。
・大フランジハブ
スポーク(ホイールの棒)の頭(ヘッド)を取り付けるスペースが広く、フランジ部分が大きいハブです。
大フランジハブは、トラック競技用の自転車に使用されています。
トラック競技の自転車は、車輪に対して横方向への力が大きく働きます。
横方向の力に対応するため、スポーク角を少し大きく取り、剛性を上げて対応させています。
・小フランジハブ
スポークを付けられる最低限の大きさしかない、小さいフランジ部分のハブです。
現状は、軽量化を図るため、小フランジが主に使用されています。
・ハイローハブ
左右のスポーク穴のPCD(スポーク穴から反対の穴までの円の直径)が、左フランジより右フランジの方が大きいフランジのハブです。
右スポーク角を大きく取ることで、車輪の横への強度を強くします。
自転車のハブを交換する前に種類を学ぼう②
・ディスクハブ
ディスクブレーキローターという、円盤状のものを付けることのでできるハブです。
フリーハブボディやクイックリリースを付けて、交換が簡単にできるタイプもあります。
ディスクブレーキが組まれているマウンテンバイクなどの自転車に使用されることがあります。
・コースターハブ
後輪用のハブでコースターブレーキが付いているものです。
ブレーキとフリーホイールの2つの機能ができるのがコースターブレーキです。
特徴としては、ペダルを逆に回すと、ブレーキが掛かる仕組みになってるところです。
ペダルでブレーキを掛けれるので、雨でもお構いなしです。
・偏心ハブ
チェーンステーとハブの芯部分の軸の芯が、ずれているハブです。
ハブの芯の場所を変えて、チェーンの張り具合を変えることができるよう、軸心を回転させています。
・トラックハブ
トラックレースに使う自転車などに使用し、フリーホイールが組み込まれていないハブです。
固定スプロケットを使用し、変速がないため単速となります。
ギア比を変更するときは、歯数が異なるギアに変更する必要があります。
・フリップフロップハブ
後輪用のハブの両側に、スプロケットやフリーホイール付きスプロケットを装着できるハブです。
車輪を取り、左右を変えて付け替えると、左右のスプロケットを使い分けることが可能です。
自転車のハブを交換する前に種類を学ぼう③
・貫通軸ハブ
スルーアクスルを使用しているハブです。
ハードなライディングをする際に車輪の剛性や強度を上げて、負荷に耐えられるようにするために使います。
クイックリリースタイプは交換をするときに素早く行えますが、スルーアクスルタイプの方が負荷に強いため、マウンテンバイクなどに使われます。
・サスペンションハブ
緩衝装置が備わっているハブです。
タイヤが小さい自転車や路面の衝撃を受けやすい自転車に使用されることがあります。
・Eハブ
スプリングのしなりを利用したハブです。
ペダルに大きな力が発生したときにバネが縮むことで力を溜めて、ペダルへの力が弱くなったときにバネが伸びて力が放出し、力を利用できるようになっています。
太いスプリングを縮めないといけないため、ぺダルがいつもより重く感じますが、それでも力を加えることのできるので推進力になります。
欠点は、スプリングが太いため重量があることです。
・エアーハブ
ハブ内部にロータリー式ポンプを設けたハブです。
利点は、車輪を回転させることでタイヤに空気が補充される機能が付いているため、パンクがしにくくタイヤの寿命が延びることが挙げられます。
・抵抗ハブ
遠心力やクラッチを活かして、段階を変化させることで、車輪が回転する負荷を変動させられる前輪用のハブです。
負荷を掛けたトレーニングなどに使用されます。
自転車のハブを交換する前に種類を学ぼう④
・ハブギア
変速機が取り付けられている後輪用のハブです。
主に遊星歯車機構が使用されています。
特徴としては グリスや潤滑油などを封入しているため、外装変速機に比べて寿命が長いです。
外装変速機とは異なり、チェーンラインが斜めでなく直線的なため、チェーンへの伝動効率が良いです。
停止しているときにも変速が可能で、マウンテンバイクのような自転車に使用されることもあります。
ただし、チェーンが伸びてしまったときに、張る強さを調整しなければいけないデメリットがある。
クイックリリースやブレーキローターが組まれているものがあります。
・ハブダイナモ
ハブ発電機とも呼ばれているハブです。
発電機付きの前輪用のハブのことで、ハブが回ることで発電します。
メリットは、ペダルが軽く回せて、音がうるさくないところです。
デメリットは、発電以外でも少量の動力が必要になります。
ハブによっては、発電機負荷を切ることが可能なものもあります。
・ストレートプルハブ
通常とは異なり、特殊なハブで真直ぐなスポークを使います。
一般的なエルボがあるスポークの使用ができないため、真直ぐなスポークを使用する必要があります。
メリットは、ホイールの剛性が上がります。
デメリットとしては、スポークの交換をする際などにスポークの組み方次第では、できない組み方もあり、組み方によっては対応できるようにスポーク穴を開ける必要があることです。
自転車のハブの交換をやってみよう!①
ここでは自転車のタイヤからハブを取り、付け替える工程をご紹介していきます。
前輪と後輪だと、後輪のハブの方が色々な機能が付いているため、初心者はフロントハブの交換からやってみましょう。
先ほどご紹介したように、ハブには種類があります。
前輪のハブに使えるものから、後輪のハブにしか対応していないものまであります。
ハブが壊れて自分で交換するときには、ハブの種類を変えずに使っていたものと同じものを用意して交換するのが、一番簡単にできます。
違う種類のハブに交換するときは、パブのPCDが今まで使っていたものと異なってしまうと、スポークなども交換する必要が出ることもあるので注意してください。
今回は、クイックレバーハブで同じ、ハブへの交換を想定してご紹介します。
まずはホイールを外しましょう。
作業は車体を逆さにして作業すると、台がなくても作業が少しやりやすいです。
ブレーキのリリースレバーを上に上げ、ブレーキアーチを広げます。
クイックレバーを起こして、レバーとナットを回して緩めていき、フォークのツメに引っかからないところまで緩めたら、タイヤを揺らして取ります。
次は、タイヤとチューブを外します。
工具のタイヤレバーを2本くらい使います。
空気を入れるバルブのキャップを取り、先端を回します。
タイヤを押して空気を抜き、バルブの根本にあるナットも回して取ります。
バルブのタイヤ側にタイヤレバーを深く入れないように、注意しながら差し込みます。
タイヤレバーから10cmほど離して、もう1本のタイヤレバーを同じように、深く入れないように注意しながら差し込みます。
タイヤのビートがリムから出るので、隙間に手を入れてタイヤをリムから外し、中のチューブを引き出します。
チューブが取り終わったら、タイヤも全部取ります。
続いては、スポークの分解です。
工具は、ニップルレンチを使います。
まずは、リムの内側にリムテープが付いているので、リムテープを剥がします。
ニップルレンチでリア側のスポークを緩めて外していきます。
スポークの頭をハブから外して、分解は完了です。
次にハブを交換して、取り付けます。
自転車のハブの交換をやってみよう!②
ホイールの分解までが完了したので、次は組み立てになります。
まずは、ハブのフランジにスポークの頭を通していきます。
次に組み方になりますが、分解するときの組み方と同じ組み方にするのが良いです。
ここでは、6本組という一般と言われている組み方をご紹介します。
1本目のスポークと、そこから6番目のスポーク穴に付けている、6本目をクロスさせる方法です。
穴の数が32また28個あるものハブは、6本組で取り付けるのが一般的になってます。
次は、スポークをリアに通します。
最初に取り付けるのは、バルブ穴の隣からやっていきましょう。
スポーク穴は、ひとつおきに穴の位置が上下してます。
上側のフランジに付けているスポークは上向きの穴に通して、下側のフランジに付けているスポークは下向きの穴に通します。
最初は、上側のフランジから通しましょう。
スポークの1本目と6本目を持ち、下から出ているスポークはクロスするとき上側になり、逆に上から出ているスポークはクロスするとき下側になります。
スポークをリムに取り付けを行います。
一度、ニップルを締めすぎずに仮止めをします。
上側のスポークの2本分隣のスポークを、バルブ穴から上向きのリア穴の5個目と7個目のスポーク穴に通していきます。
同じように、ハブとリムの位置を気にしながら取り付けます。
ニップルをドライバーを使って止めていきます。
ひっくり返して、反対側も同じように取り付けていきましょう。
次に振り取りの作業をやっていきます。
工具は、振れ取り台とニップルレンチを使います。
振れ取り台を使い、固定します。
ニップルをニップルレンチを使い、スポークテンションを上げ下げしていきます。
バルブ穴から締め始めて、一度スポークのネジ山2つ分が見えるところまで、全体を締めて様子を見ていきます。
横振れは、金具に接触するところをさがしていきます。
金具が接触するところのニップルを、ニップルレンチを使い1/4回転分緩めていき、逆側のニップルは1/4回転分締めていきましょう。
縦振れについても金具を使い、接触するところを確認していきます。
接触するところがあれば、左右のニップルを1/4回転分緩めていきます。
リムテープを貼っていき、タイヤの取り付けに入ります。
側面の回転方向が矢印で書いてあるので、気をつけて取り付けます。
タイヤはバルブの逆側からリムに取り付けていきます。
取り付けにくいときは、ビードがリムの溝にはまっているかを確認し、チューブも挟み込んでしまわないように注意しましょう。
フォークのツメに引っかけて、レバーとナットを回して、しっかり締めます。
ブレーキアーチをセットして完了となります。
自転車のハブの交換も、やる工程が沢山あります。
心配な方は、プロに任せるのが間違いないですね。
ハブの種類は豊富!!
ハブの種類は沢山あります。
最近では、ひと昔に比べて性能も上がってきています。
今回は、ハブの種類と交換についてご紹介しましたが、他にもパーツはたくさんあります。
合わせ方次第で性能も変わりますので、もし機会がありましたら、実際にお店に行って見るのも良いですよ。