自転車のハンドルは、完成車についているものをそのまま使うことが多いかと思いますが、しばらく乗っているうちに、いろいろとカスタムしたくなるパーツです。
手ごろな値段で交換できるのも魅力です。
そろそろ、ハンドルを自分好みにカスタムしてみませんか。
どんなハンドルがあるのか、どうやってサイズを選べばよいのか、ご説明します。
自転車のハンドルの構成とサイズ
自転車のハンドルに使われる素材は「カーボン」「アルミ」「スチール」の3つです。
最もメジャーなものはアルミで、軽くて使いやすいけれど値段が高いのはカーボンです。
トラックハンドルやランドナーに用いるハンドルは、スチールで作られていることもあります。
ハンドルを新しいものと交換する場合、ハンドルの中央の直径がポイントとなります。
これは、使用しているステムの直径と、同じものを使うようにしてください。
クロモリの場合はステムが細いため、ハンドルもやや小さめのサイズを使います。
ハンドルの幅は、下ハンドルのパイプの真ん中辺りの長さを測定します。
最適なのは、肩幅と同じ長さです。
ですが、ハンドルの種類によっては、サイズは一緒でも形は違うことがあり、例えば「ハ」の字を描いているタイプなら、上ハンドルが少しだけ短くなっています。
幅が広ければ、立ち漕ぎなどを行いやすくなり、狭いと素早くハンドルを操作することができます。
また、このほかに「リーチ」と「ドロップ」というものがあり、リーチはハンドルとステムが繋がっている部分からブラケットまでの距離を表しており、ドロップは上ハンドルから下ハンドルまでの差を示しています。
リーチが短いほど、ハンドルを扱いやすくなります。
自転車のハンドルの種類①
自転車のハンドルは、素材もサイズも幅広く、選ぶ際は何を基準にすれば分からないこともよくあります。
ロードバイクに適しているものを取り扱っており、使用されているモデルが多いブランドは「3T」や「FSA」などが挙げられます。
フレームの開発や販売をメインにしているブランドの完成車にも、これらのブランドのハンドルが取り付けられていることがあります。
様々な形をしていたり、ワイヤーの溝が付いているものなど、色々な種類を取り扱っています。
ステムと一体になっているタイプは、ハンドルの幅だけではなく、ステムの長さにも注目しなければなりません。
ステムと一体になっているタイプは、軽くて使いやすく、握る位置で姿勢を変えやすくなるものなどがあります。
ですが、カーボンが使われていることが多いので、値段は高めです。
長旅に向いている自転車として知られるランドナーには、カタカナの「ハ」のような形に開いているハンドルが使われています。
ハンドルの下側を握っても、上側に手がぶつかることがないので、スムーズに操作することができます。
自転車のハンドルの種類②
自転車のハンドルには様々な素材が使用されており、サイズも豊富に揃っていますが、その中のひとつに「DHバー」というものがあります。
主に、トライアスロンやタイムトライアルなどに使われます。
DHバーだけのタイプと、ハンドルと一体になっているタイプが存在しており、DHバーのみのほうは、通常のロードバイク専用のハンドルにも付けることができます。
競輪などには「トラックハンドル」を使います。
ブレーキが付属していないことがほとんどなので、後からブレーキレバーを取り付ける必要があります。
ピストにも取り付けることが可能であり、その場合はトップに小さいブレーキレバーを付けることが多いようです。
なお、ロードバイクに使うブレーキブラケットでも構いませんが、上半身が前屈みになるため、やや握りにくいと感じるでしょう。
もともと下ハンドルを握るために使用するので、ハンドルの肩部分が丸みを帯びており、上ハンドルを掴みにくい造りになっているのです。
クランプの直径が同じなら、ロードバイクのステムにも付けられます。
ドロップハンドルの曲がり方は3種類
自転車のハンドルのひとつに「ドロップハンドル」という、曲がった形のハンドルがあります。
この曲がり方は、3つのタイプに分けられます。
選ぶ際は使用する目的などを考え、好みのものを選んでください。
1つめは「シャロー」です。
いわゆる「丸ハン」と呼ばれているタイプで、丸みが大きく伝統的な形をしているので、クロモリとの相性がぴったりでしょう。
プロ選手の中にも愛用者は多く、特に前傾姿勢を頻繁にとるスプリンターが、好んで使用しています。
2つめは「アナトミック」です。
下ハンドルが真っ直ぐ伸びているものが多く、手に馴染みやすい形をしています。
手の平のくぼみに合わせて、波を打っているような形になっているものも存在します。
3つめは「アナトミックシャロー」です。
その名の通り、2つの特徴を掛け合わせたタイプです。
リーチと比較すると下ハンドルがやや長いため、下ハンドルを握るときには、それほど強く掴まなくても安定します。
全体的にサイズが小さいので、手が小さい人でも握りやすくなっています。
その大きさから「コンパクト」とも呼ばれます。
ひと口にドロップハンドルと言っても、全てが同じように作られているとは限りません。
付属のハンドルに不満を抱いたら、より手に馴染むものを見付けてください。
ハンドルの位置とサイズで自転車の乗り心地が変わる
ハンドルの位置とサイズによって、自転車の乗り心地は劇的に変わります。
注目すべきポイントは、まず、安全性が高くコントロールが簡単であることが重要です。
位置に関しては、乗り手と距離が遠く、低い位置にあるほど前傾姿勢になるので、空気抵抗を減らせます。
しかし、お腹の辺りが押し潰されるので、やや息苦しさを感じるかもしれません。
腕や首への負担も大きく、そのぶんだけ疲れが溜まるので、自然と頭が下がってきます。
すると、視界を確保することが難しくなります。
一方、距離が近くて位置が高ければ、ママチャリと似たような感覚になるので、リラックスした姿勢を取ることができます。
ですが、背筋を伸ばしているぶん、空気抵抗は増え、お尻には必要以上の負荷が掛かることになります。
ですので、ハンドルの高さはサドルと同じくらいか、やや高めに設定すると良いでしょう。
前後の設定は、両腕を前ならえをして、身体と直角になるようにします。
そのまま前屈みになり、肘を曲げても余裕をもってハンドルに手が届き、窮屈さも感じない位置が最適です。
目安としては、サドルの先端からハンドルまでの距離が、肘から先(指先を伸ばした状態)+拳1つぶんが入ることです。
高低の調整はステムの上下で、距離の調整はステムを交換することで行えます。
自転車によっては、調整ができないものもあります。
ハンドルのサイズは肩幅を基準にする
自転車のハンドルのサイズをなかなか決められないときは、リラックスした状態で座っていられることや、力を伝えやすいこと、コントロールしやすいことなどに注目してみましょう。
力を入れず、自然な形で姿勢を作るには、まず腕の力を抜いて前に伸ばします。
すると、両手の間隔が肩幅と同じくらいか、やや広くなっているかと思われます。
これがいわゆる「楽な姿勢」とされています。
力を効率良く伝えるなら、両手を肩幅くらいに広げましょう。
カーブに差し掛かったときは、腕への負担を減らすために、肩幅よりも若干広くしてください。
特に障害物を避けるときには、一瞬のタイミングで素早くハンドルを回さなければいけません。
これは、ハンドルの軸から手までの距離が離れているほど、使用するエネルギーの量を減らせます。
フラットバーの場合は、グリップの真ん中を、肩幅に拳を1つか2つほど足した位置に設定します。
最初から取り付けられているハンドルは、ほとんどの場合は標準サイズよりも長いので、グリップの位置を決めたら、いらない部分は切ってしまいましょう。
全体的にはぎりぎりを目指すのではなく、少しくらいはスペースに余裕がある方が良いでしょう。
ハンドルポジションが走りを左右する
ハンドルのサイズや位置で、ライディングポジションが変わります。
長時間乗りたい場合や、高速走行したい場合などでポジションは変わりますので、ご自分の好みのポジションを探してみてください。
またハンドルポジションは、ご自分の体力や体幹にも関わってきますので、迷ったらショップの店員に相談してみてもいいと思います。