電動アシスト付き自転車は、一般の自転車とは操作方法や乗り方が全く異なります。
乗り方を間違えると、思わぬ事故にもつながりますし、電動アシスト付き自転車に子どもを乗せて走っている人にとっては、安全は一番のポイントです。
発進の仕方や操作方法を、体に覚えこませることが大切になってきますので、その方法をご説明します。
電動アシスト付き自転車の発進の仕方
近年、電動アシスト付き自転車の価格も下がり、手に入れやすくなってきました。
また、観光地などでは、電動アシスト付き自転車しか扱っていないレンタサイクル店もあります。
一般の自転車と違い、発進の仕方や止まり方にも、少し注意が必要なので確認しておきましょう。
その使い方を知らないと、思わぬ事故になる可能性もあります。
まずは、スイッチを入れなくてはいけません。
スイッチを入れなくても走れないことはありませんが、普通の自転車より重いので、トレーニングとしては良いかもしれませんが、電動式の意味がなくなります。
多くの車種では、ハンドルの左上にスイッチがあります。
スイッチを入れるときは、平らで舗装された場所を選んでください。
自転車にまたがり、両足を地面につけてからスイッチをいれます。
ペダルに足をかけたときに電力でアシストしてくれるものなので、自動で動くものと勘違いしないようにしましょう。
電動アシスト付き自転車は勝手に発進することがある
電動アシスト付き自転車では、発進の仕方をミスしたり、スイッチを入れるタイミングをミスしやすいので注意しましょう。
電動アシスト付き自転車は、ペダルに足を掛けたところでアシストが始まります。
スタート時に片足だけをペダルに乗せた状態でスイッチを入れたら、思わぬ方向へと進んでしまい、転倒する可能性が高いでしょう。
電動アシスト付き自転車は、ペダルを踏み込む力に応じたアシスト力が働くように作られています。
すなわち、坂道の上り坂などでペダルを強く踏み込むと、そのぶん、強くアシストしてくれるわけです。
ですので、漕ぎ始めに片足で勢いをつけてから自転車に乗るようなことをすると、自転車が強いアシストを必要としていると勘違いして、思わぬスピ-ドが出てしまいますので、注意してください。
あとは、交差点などで止まっているときも注意が必要です。
上記のように、ペダルの上に足を乗せるのはNGなので、必ず両足をペダルから離しましょう。
スイッチを切っても、再始動するのに1~2秒しか必要としないので、信号待ちが長引くようなら、スイッチを切ったほうが安全性が高くなります。
子どもを乗せた場合は、発進以外でも注意が必要
電動アシスト付き自転車は楽にペダルを漕げるので、子どもを乗せて走ることのある人には嬉しいでしょう。
しかし、注意すべき点があります。
電動アシスト付き自転車は25㎏程度の重量で、さらに母親が約50㎏、子どもが1人約10㎏として前後に乗せたら、総重量は約95㎏にもなります。
これだけの重量があると、下り坂で速度が出やすくなるので、ブレーキのタイミングや速度調整が肝心になります。
こまめにブレーキをかけるようにして、速度が出過ぎないように調整するのが良いでしょう。
モーターにブレーキ効果がありますが、それは微々たるものなので、頼りすぎないようにしましょう。
まずは、安全な場所の平坦な道で止まるまで、どのくらいの距離が必要なのか調べておきましょう。
坂道の多い地域の人は、ブレーキをこまめにかけることが多くなるので、ブレーキのメンテナンスは怠らないようにしましょう。
メンテナンスの仕方が分からない人は、購入した自転車屋さんにお願いすると良いでしょう。
また、重量があると発進をするときに、ふらつきやすいという点も注意しましょう。
子どもを乗せて電動アシスト付き自転車を運転するポイント
子どもを電動アシスト付き自転車に乗せて走るときは、注意すべき点が1人で乗るより増えます。
発進する以前に、乗せるときにも注意すべき点はあります。
子どもを前と後ろに乗せている自転車を見かけることがあると思いますが、この前と後ろに乗せるときには順番があります。
後ろのチャイルドシートは、スタンドを下げた状態なら割と安定しますが、前のチャイルドシートはハンドルを押さえていないと、少しの振動で自転車が傾いたりします。
そのため、まず後ろのチャイルドシートに1人目を乗せてから、2人目を前に乗せて、ハンドルを押さえるようにしてください。
下ろすときは逆で、前の子どもを先に降ろしてから、後ろの子を降ろします。
たとえ、後ろの子が泣きだして、仕方なくあやそうと思って自転車から降ろすときも、先に前の子から降ろすようにしましょう。
一般的に電動アシスト付き自転車に取り付けるチャイルドシートは、前が体重15㎏以下、後ろが22㎏以下を目安としています。
そのほかの注意点は、ヘッドガードが無い自転車は、電動アシスト付き自転車のみ、幼児を2人乗せることが不適合となっています。
また、20インチ以下の自転車には、チャイルドシートは取り付けられないことになっています。
フロントキャリア側に子どもを乗せるときの運転の仕方
上記したように、フロントキャリア側のチャイルドシートに乗せられる子どもの体重は、15kg以下と規定されています。
だいたい4歳児くらいまででしょうか。
フロントキャリア側に子どもを乗せた場合、発進するときや低速のときは、前部がぐらついてフラフラします。
バランスを崩さないように、注意してください。
そのため、ハンドル操作の仕方は、とくに注意が必要です。
ハンドルを切るときに、その重さにつられて、予想以上に切れてしまうことがあります。
急カーブや障害物を避けるときは、ハンドルを切り過ぎないように、早い段階から徐々に進路変更しましょう。
子どもを乗せているときは、バランスを保つのが難しいので、できるだけ狭い道や路面状態が悪い道路は避けましょう。
その他にも、チャイルドシ-トの選び方があります。
最初から子どもを乗せることが想定されている自転車は大丈夫ですが、あと付けの場合は、少し位置が高くなってしまうので、視界をさえぎるような場合もあります。
チャイルドシ-トの高さと、自分の座高を確認して選ぶようにしましょう。
リアキャリア側に子どもを乗せるときの運転の仕方
リアキャリア側に子どもを乗せるときの運転の仕方や注意点は、フロントと異なります。
リアキャリア側のチャイルドシートは22㎏以下の幼児を想定しているので、6歳くらいまでが目安です。
近年で一部規定が変更になり、最大積載量25㎏以上に対応した自転車でないと、後部チャイルドシートの取り付けが認められないようになったので、注意してください。
後ろに重みが掛かっているので、当然ながら後ろに重心がいくので、前かごに荷物を入れるなどしてバランスを取ることが大切です。
特に発進直後の低速時などは、一気に重心が後ろにいくので、後転してしまう可能性もあるので注意してください。
スタンドを下ろすときは、自転車と子どもの重さがかかるので、ふらつかないようにしましょう。
下げるために後ろばかり意識していると、前輪が持ち上がってしまっている場合もあるので、注意しましょう。
また、チャイルドシートを取り付けたら、子どもの服や靴を車輪に巻き込まないようにするため、ドレスガードも取り付けましょう。
乗り方をマスターして快適に乗りこなそう
重い荷物を積んだときや、坂道の多い場所に住んでいる人の強い味方となってくれる、電動アシスト付き自転車は、上手に乗りこなせば快適な乗り物です。
漕ぎ出しが軽いので、女性でも子どもを乗せて安定して走行できますし、いつもの自転車ではちょっと行けないような遠出もできます。
乗り方のコツをつかめば、あなたの生活の強い味方になってくれるはずです。