こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
「お尻が痛いんです!サドルが悪いんでしょうか?」
そういうお悩みをよく聞きます。
お尻が痛いは本当に困りますね。
また、痛みがなくとも、よりフィットするサドル、足がよく回るサドルというのがあります。
ヒルクライムレースなら、軽量サドルの恩恵は想像以上です。
どういったポイントでサドルを選べば良いか分かると、ロードバイクがもっと楽しくなりますね。
今回はそんなお話です。
痛いのは本当にサドルのせい?
サドル選びの話なのに、まずは「痛いのは本当にサドルのせいなのか?」ということを、疑うところから始めましょう。
というのも、サドルが原因じゃない場合は、サドルを交換しても何も解決しません。
例えば、単純に最初のうちロードバイクのサドルは慣れるまでは、どうしてもいくらかは痛いです。
「ママチャリみたいな柔らかいやつに換えたい!」
という人もいるかもしれませんが、最初のうちは交換せずに、我慢してみることをおすすめします。
どのスポーツでも、慣れないうちは痛いところってあります。
野球だったら、最初はバットを振るとすぐにマメができることもあるでしょう。
テニスのラケットもそうでしょうし、ゴルフクラブもそうでしょう。
慣れてくると力の入れ方も分かってきますし、痛くなる部分が強くなって適応できます。
もちろん、我慢だけで解決しない場合は対策を考えないといけませんが、最初のうちはお尻はいくらかは痛いのは仕方ないです。
どうしても我慢できない場合は、柔らかいパッド入りのパンツや、柔らかいサドルカバーを使うという方法があります。
ロードバイク上でのお尻が痛くならないサドルの座り方の筋肉、またサドルと接する部分のお尻の筋肉などは最初のうちはないです。
やっている内に徐々に付いてくるので、焦らず無理をしないのが大事だと思います。
初心者じゃなくても痛い場合は、サドルが高すぎるか低すぎることが原因の場合もあります。
また、前後の位置やサドルの傾きが良くない場合もあります。
この場合は、ロードバイクを購入したお店で相談してみると良いでしょう。
特に初心者の人の場合は、最初、足が付きやすいように少し低めにサドルをセッティングする場合が多いですので、それが原因の場合もあります。
サドルの位置に関しては、足の長さから計算して高さの目安は出せるものの、厳密にその人のお尻に合う高さまでは計算だけでは出せません。
サドルの高さ、位置出しについては、乗りながら少しずつ合わせていくしか方法がありません。
それでも、きちんとしたお店の場合、ある程度の位置まではセットしてくれているはずです。
買った後に自分で下げてしまったり、ハンドルが近くなるように前に出し過ぎてしまったりして、痛くなっている場合も多いです。
高さの目安については、ペダルを下まで踏み込んだときに、お尻がズレてしまったりするようでは高すぎます。
ペダルを一番下にした状態で、かかとで踏んで膝が伸び切るくらいが、ひとつの目安と言われます。
かかとで踏んで膝が伸び切れば、実際に走る場合はつま先で踏むので、軽く膝に余裕ができる程度の高さになります。
前後位置については、お尻がきちんとサドルの上で乗っているかどうかが大事になります。
厳密に言えば、ローラー台などの上で乗って、膝の角度などが良くなるようにセットできれば一番良いですが、そこまでの厳密なフィッティングはお金がかかると思います。
気になる人は、フィッティングの専用の機械などを置いているお店でやってみると良いですね。
ただ、機械などのフィッティングが絶対正しいわけではありません。
人によって、合う合わないはあります。
基本的には、上手な人はどのサドルを使っても、そこまで痛くならないものです。
お尻が痛くならない乗り方というのが存在します。
本当にサドルが合っていない場合も時々ありますが、まずはサドル以外を疑うところから始めるのが、おすすめです。
最初に付いているサドルは、基本的には可も不可もないサドルが多いですが、たまにヨーロッパメーカーなどでは癖のあるサドルが付いていることもあります。
サドルのグレードや値段による違い
サドルを購入しようと思うと同じような名前のサドルでも、1万円くらいのものと、やたらと値段の高いものがある場合があります。
例えば、Selle ITALIAというメーカーのSLR TMは税別11,500円なのに、SLR C59は税別55,000円。
目が飛び出るほどの値段差があります。
「SLRっていう同じ名前のサドルなのに、一体何がそんなに違うの?」
違いは素材なんですね。
サドルは大きく分けると、『レール』と『ベース』という部品に分かれます。
レールとは、シートポストに固定するための部分ですね。
レールがカーボンになって、さらにレールもベースもカーボンになると、驚きのプライスへと進化していきます。
基本的に自転車の世界では、みんなカーボンが大好きです。
フレームやホイールの素材として大成功・大革命を起こしたのがカーボンだからですね。
正直、カーボンを使う必要がない部品でも、みんなカーボンが大好きです。
サドルにカーボンを使うのは、軽量性と振動吸収性の向上のためですね。
サドルはカーボンを使う必要性・効果が高い部品かどうかというと、優先順位はあまり高くないと思います。
もちろん、サドルはお尻に直接当たる部品ですから、カーボンの振動吸収効果はありがたいですね。
また、サドルの軽さはダンシングの軽さに直結します。
ですが、フルカーボンのサドルはものすごい値段になります。
基本的には、サドルで大事なのは形状ですね。
どのメーカーのどのような形状のものを、どの角度でどの位置でセットすれば、自分に合うか知るのが一番大事です。
気に入ったサドルが見つかったら、フルカーボンのサドルも試してみても良いですが、優先順位はさほど高くないと思います。
痛み対策ならフィジークのロードバイクサドル
ロードバイクに乗るフォームが問題なく、サドルが原因の場合には、まずオススメするのがフィジークというメーカーのサドルです。
値段は高いものの、フィジークのサドルはお尻が痛くなりにくく、快適であるということが特徴です。
プロでも使っている選手が多いサドルですね。
価格は高いものの、フィジークのサドルで大抵の場合は解決するでしょう。
フィジークのサドルは、大きく分けて3種類の形があります。
アリオネ・アンタレス・アリアンテという3種類です。
メーカーからは、前屈したときの体の柔らかさによって、どれが向いているか決められると言っていますが、正直、柔らかさはあまり関係ありません。
確かに体の柔らかさによって、取れるポジション・フォームの種類は増えますが、どのポジションを取るかは人によって違います。
サドルのどこに荷重がかかるかは、乗車時の前傾を体のどこの部位を、どの程度曲げて取るかということで大きく変わります。
背中を深く丸めるような昔ながらのフォームか、背中の上側は反るように乗るフォームか(有名なプロの新城選手もそういうフォームですね)で変わります。
体が柔らかければ、どちらのフォームもできます。
また、フォームだけでなく、骨盤の広さや肉の付き方も大きな要素になります。
それらを全て調べて、科学的にどのサドルが合うか調べるのは難しいです。
それよりも、お尻のどこが痛いかで選ぶ方が手っ取り早いですね。
座骨が痛い場合は、アリアンテがオススメです。
アリアンテは3種類の中で、お尻の部分に一番パッド量のあるサドルです。
特徴は断面図が丸くなるということですね。
他の2つのサドルは断面図、お尻に接する部分が平ら、フラットになっています。
アリアンテは、お尻をドカッと1ヵ所に乗せて乗る人に向いています。
ただ、座骨が痛くなりにくい代わりに、前の方、股の間の辺りが痛くなりやすいというデメリットがあります。
アリアンテタイプじゃなければ、基本はアリオネになる場合が多いです。
特徴的な形をしているので、見た目としてもかっこいいです。
サドルの上には、軽く腰を乗せるような乗車ポジションの人に多いように思います。
座面がフラットで、さらに前後に長いので、乗車位置を変えやすいというメリットがあります。
アンタレスはその中間とよく言われますが、アンタレスになる人は少数だと思います。
アリアンテ、アリオネと試してみて駄目だったら、アンタレスの可能性があります。
さらに、それぞれのサドルに溝が入っているものがあります。
溝も深さが2種類あり、溝が深いほどクッションパッドが多くなりやすいです。
股の間が痛い人は、溝入りにする方がより良い場合もあります。
特に女性は、溝がある方が良いという人が多いようです。
また、女性の場合、女性専用のラインナップもありますので、そちらがフィットする場合も多いです。
一般的に女性の方が骨盤が広いので、サドルも広いものの方が良い場合が多いですね。
フィジークは定番の3種類であれば、レンタルサドルを置いているお店もありますので、順に試してみると良いと思います。
サドルは理屈じゃ決まりません。
実際にある程度の距離を乗って、試すのが一番です。
軽いロードバイクサドル
お尻が痛いだけの問題であれば、フォームがある程度きちんとしていて、ロードバイクに必要な筋肉が付いていれば、フィジークのサドルで大体解決します。
そのくらい、フィジークのサドルは優秀です。
ただ、痛みだけじゃなく、足がスムーズに回るかという問題が出てくるんですね。
私もロングライドなど、普段乗るときにはフィジークのアリアンテなのですが、レースとなると少し足が回しやすかったり、軽いサドルを使いたいというときもあるので、サドルを変えることがあります。
ただ、本当はサドルを変えると力の入れ方などが変わってしまうので、あまり変えない方が良いのですが、特にヒルクライムレースではサドルの軽さは大きいんです。
坂を登るために車重を軽くするという目的もありますが、ダンシング(立ち漕ぎ)が大きく変わります。
サドルはダンシングのときに、一番左右に振られる箇所ですので、この部分が100g変わると、ダンシングの切れ味が全く違ったものになってきます。
軽さで有名なのは、Tioga(タイオガ)のスパイダーサドルですね。
見るからにメッシュで軽そうなサドルです。
スパイダーツインテール2となった現在のモデルは、カーボンレールの方だけ120gと、すこぶる軽いですが、クロモリレールの方は190gとそんなに軽くないですね。
前のモデルでは、クロモリレールの方もかなり軽かったのですが。
現在は乗り心地の向上のため、メッシュが2層式になってしまったからでしょう。
重さを犠牲にしてまで快適性を向上させているだけあって、ただの軽いだけのサドルではなくなっていますね。
メッシュなので、夏場などサドルに座っている部分が蒸れて困るという人にも、おすすめのサドルです。
それにしても、カーボンレールといえど、120gは驚異的な軽さです。
フィジークのアリアンテが260gなので、実に140gも軽いです。
2層メッシュになったので、乗り味も向上していますし、良いサドルですね。
TREK(トレック)傘下のパーツメーカーBontrager(ボントレガー)からも、軽いサドルが出ています。
Paradigm XXX CARBONサドルというもので、約150gとかなり軽いですね。
スパイダーほどの軽さではないものの、100g台前半に入るサドルはやはり軽いですね。
ボントレガーは横幅がS・M・Lの3種類から選べるので、自分に合ったサイズを買うようにしましょう。
サドルのサイズについては、お店で聞けば測定してもらえると思います。
また、ボントレガーのサドルは返品保証があるのも嬉しいポイントです。
サドルに関しては、自分のお尻に合わない場合は1ヶ月以内なら返品できるんですね。
ただし、販売店によって違う場合もあるので、購入するときに返品保証がしてもらえるか、確認しておいた方が良いですね。
他にも、次の老舗サドルメーカーのところで詳しく書きますが、サンマルコ、セラ・イタリアのサドルも軽いですね。
ただ、軽ければ何でも良いというわけではありません。
最低限の乗り心地の良さはないと、サドルにお尻を付けてペダリングをする上で、力が上手く入れられません。
Amazonなどで1,000円くらいの激安の値段で、ものすごい軽いフルカーボンのサドルが売られていますが、やめた方が良いと思います。
乗車中に割れたりすると危険です。
フルカーボンの軽いサドルがそんなに安く作れるなら、他のメーカーも作っているはずです。
明らかに不自然な値段です。
「ヒルクライムレースなら、ほとんどダンシングだけで座らないから」
という人もたまにいますが、それならサドルもシートポストも外してしまっても問題ない、という理屈になります。
もちろん、レースではサドルの付いていない車体は注意を受けたり、車検に通らないなどの問題もあるにせよ、どんな峠を走っていても、軽量化のためにサドルを外している人は見たことがないですね。
やはりサドルには座りますし、座るからには、ある程度の座り心地は必要です。
きちんと座らなければ、ペダリングに力が込められませんし、シッティングとダンシングを適度に組み合わせるからこそ、ダンシングも効果が発揮できるんですね。
ロードバイクサドルの老舗メーカー
サドルと言えばSelle Sanmarco(セラ・サンマルコ)かSelle Itaria(セラ・イタリア)という老舗メーカーがありますね。
selleはサドルという意味。
イタリア読みはセッレが正しいが、フランス語読みならセラ。
イタリアメーカーなので本当はセッレが正しい気もしますが、まあ、どちらでも大丈夫です。
どちらも昔からある、伝統あるサドル屋さんですね。
もちろん、この老舗メーカーからも軽量サドルは出ています。
まずはサンマルコからはAspide(アスピデ)ですね。
最上位グレードのカーボンモデルのスーパーレッジェーラは109gと、ものすごい軽さです。
お値段も税抜き53,000円とものすごいです。
もちろん、リーズナブルで手の届く値段帯のグレードもあります。
ダイナミックは12,000円で重量は212g、カーボンは使っていませんし、パッドの量もいくらか多いぶん重くはなっていますが、現実的なプライスのサドルですね。
サンマルコのサドルは、それぞれのラインナップごとに、超軽量モデルからパッドが多めの初心者にも優しいモデルまでありますので、好みに合わせて選ぶと良いですね。
サンマルコのサドルは他にもマントラ・リーガル・コンコールと、昔からロードバイクをしている人には、馴染みの深いサドルをラインナップしています。
総じて、カーボン製のモデルは軽いです。
軽さより、乗り味を重視しているリーガルでも165gとかなり軽量です。
また、レースラインナップじゃなく、ヴィンテージラインナップも伝統あるサドルメーカーだけあって、カッコイイのが多いです。
クロモリのロードバイクなら、ヴィンテージスタイルのサンマルコリーガルかRollsが鉄板ですね。
クロモリにはブルックスも良いですが、レーシーな雰囲気を出すなら、やはりサンマルコのヴィンテージシリーズですね。
それでも、さらに軽いのがセラ・イタリアのSLR C59ですね。
驚きの63g。
ものすごいですね。
お値段は、やっぱり5万円超えです。
もちろん、他にもいろんなサドルをラインナップしています。
サドルの素材にカーボンを取り入れたのも、真ん中に穴を開けて、軽量化、尿道圧迫を避けることを先駆けて開発してきたのも、セラ・イタリアです。
言うなれば、サドル界の大御所なんですね。
セラ・イタリアも種類が多いです。
それでも、基本的にはSLRかフライトですね。
SLRはサドルの定番と言っても良いほど、人気サドルですね。
もちろん、先ほどのC59のような軽くて高級なモデルだけじゃなく、1万円台前半のリーズナブルなモデルまで展開されています。
穴が開いているモデルは、フローと呼ばれます。
SLRフローなら、SLRの穴あきモデルですね。
SLRスーパーフローなら、穴がもっと大きいものです。
キットカルボニオと付くとカーボンレールモデル、テクノと付けばフルカーボンといった具合です。
SLRと同じくらい人気があるのが、フライトシリーズですね。
フライトシリーズは昔からありますね。
SLRと同様に、穴あきのフローやカーボンモデルなど、多くの種類がラインナップされています。
セラ・イタリアも老舗メーカーですので、ヴィンテージの復刻のTurboサドルなどは、クロモリのロードバイクにしっくりきますね。
ロードバイクサドルの異端児?SMP
Selle SMPというサドルを付けていると、ロードバイク乗りから二度見されるかもしれません。
通好みの非常に変わり者のサドルがSelle SMPです。
このサドル、とにかく見た目が変わっています。
上手く自分にフィットするものがあれば、最高に良いんですが、フィッティングが物凄く難しいんですね。
それゆえに、変わり者というイメージが抱かれやすいです。
厳密に言えば、変わり者は上位グレードのサドルですね。
初心者向けの物凄くパッド量の多い、ふわふわのサドルもラインナップしています。
ただ、上位グレードのものは、本当にカマボコ板のごとくカチコチです。
それでも、上手くセッティングできて、体に合えば、痛みが一切ないどころか、「サドルが消えた」とさえ感じる人もいるほどの魔法のサドルなのです。
SMPがなぜそんなに変わった見た目をしていて、カマボコ板のごとく硬いのに、サドルが消えたと人に言わせるほどに座り心地が良いのか。
SMPは研究を重ねて、人体にとって最も優しいサドルを研究開発した結果、生まれたメーカーだからです。
従来のサドルの形状では、プロの選手の中には生殖器に何かしらのトラブルを抱えるケースも少なくありませんでした。
痛くないと言えど、尿道を長時間圧迫するロードバイクというスポーツが、どうしても抱える問題の1つだったんですね。
そこで、その問題解決を目指して作られたのがSMPだったんですね。
それでも、SMPはやっぱり難しいです。
普通のサドルの場合、少々合っていなくてもお尻に激痛など走りませんが、SMPは走ります。
角度・前後位置・高さ、これらが全てピッタリこないと、痛くて座れないほどです。
ピッタリくると、確かに良いんです。
私の場合、「サドルが消えた」までは思いませんでしたが、これまで使ったサドルの中で一番「すごい!足がスムーズに回って、しかもお尻がソフトにすっぽり包まれているような気持ち良さがある」と感動しました。
ただ、それでもまだ問題があるんですね。
私は乗っている間に、けっこう姿勢を変えるんです。
姿勢を変えると、やはり合わないんですね。
人によっては、全ての姿勢で合わせる方法もあるのかもしれませんが、私の場合、難しかったです。
カマボコ板のごとく硬いモデル以外にも、いくらかパッドの入ったモデルも出ているので、そっちならいくらか何とかなるのですが。
やはりSMPを使うなら、硬いカマボコ板のようなSMPを使いたいという、特に意味のないこだわりがあって、私はSMPは諦めました。
それでも、恐らく尿道圧迫という面で考えると、最も体に優しいサドルだと思います。
下手な穴あきサドルや溝入りサドルなど比にならないほど、優しい座り心地です。
問題は、セッティングと種類の選び方です。
セッティングは、走ってはほんの少しずらしてを何回も繰り返して、自分で探していきます。
ローラー台である程度まで探して、最後は外で実走しながら探すのが良いと思います。
種類は大きく分けると、座面形状の差でコンポジットとFormaという2つの形があります。
コンポジットとFormaはパッドがないので、ものすごく難しいですが、SMPの定番と言えば、その2つです。
コンポジットのパッドありタイプがEvolution、FormaのパッドありがDynamicですね。
この2つがオススメですね。
さらにパッドを多くしたモデルがDrakonです。
そして、お尻が痛い初心者の人に人気なのがHYBRIDですね。
これは本当にふかふかサドルです。
ちなみに、なぜSMPならカマボコ板のごとく硬いパッド無しが人気かと言えば、パッドがあって痛くないというのは、ある意味ごまかしなんですね。
どんなサドルも、パッドがたくさん入っていれば痛くないですからね。
「本当に自分に合った、体に優しい形状、セッティングならパッドなしで痛くないはず」そう信じる人が多いので、SMPと言えば、パッド無しというイメージがあるのかもしれません。
実際は、自分の好みに合わせてパッド入りを選ぶ方が良いと思います。
私も次、SMPにするならパッド入りにします(笑)
新興サドルメーカーfabric(ファブリック)
「最近、新しく出てきたfabricっていうサドルメーカーってどうなの?」
と、この前聞かれることがあったので、fabricについても少し書いておきましょう。
fabricのサドルの良いポイントは、見た目の良さと分かりやすさと値段の良さですね。
そもそもはっきり言って、ロードバイクのサドルはどこのメーカーも高過ぎです。
ぼったくり過ぎです。
もちろん、研究費など理解はしますが、あまりにユーザーの足元を見過ぎだと思います。
サドル1つに何万円もするのは、ちょっとおかしいと思います。
とは言えど、実際に座ってまともな乗り心地のきちんとしたサドルは、どれもそのくらいのお値段ですから、我々も仕方なくサドルに何万円と使うことになるのですが。
その点、fabricは非常に良心的なプライス設定だと思います。
フルカーボンのモデルは高いですが、普通のモデルは定価8,500円。
欲を言えば、
「サドルなんかどこか可動部があるわけでもないし、最初の型を作ったらあとは大量生産なんだから1つ3,000円くらいで作ってくれよ」
とは思いますが、一番安くても1万円以上する他のサドルメーカーに比べると、良心的だと思います。
値段の割に、見た目も決して安っぽくないです。
分かりやすさというのは、ラインナップがシンプルですね。
基本的にロードバイク向けのサドルは、ALMとScoopというモデルとLINEというモデルがあります。
ALMは、値段の高いフルカーボンの軽いものですね。
LINEは溝入りです。
メインラインナップはScoopで、座面がフラットか丸いかその中間かを選べます。
座面の形状の違いは、初心者でも触り比べれば、すぐに分かりますよね。
非常にシンプルで分かりやすい違いですから、選びやすいですね。
悪い点としては、私個人の体には、どれもいまいち合わなかったです。
完全に個人的な問題でしょうが。
もちろん、悪くはなかったのですが、イマイチしっくりこなかったですね。
メインラインナップのScoopは、横幅が広すぎるのか足が回りにくかったですし、パッドの量もちょっと個人的には微妙でした。
パッドを入れるなら、もう少し増やしても良いし、薄く軽くするなら薄くしてしまえば良いのにといった、どっち付かずな感じがしました。
何よりも、私には横幅が広すぎるのが問題でした。
LINEの方は134㎜と142㎜という幅を選べたのですが、私、溝の入っているサドルは好きじゃないんです。
非常に個人的な理由でのサドルの好き嫌いですが、サドルの好き嫌いとはそういうものです。
あくまで、私にはそうだったというだけで、合う人には合うと思います。
リーズナブルな値段なのに、造りもしっかりしていますし、見た目も綺麗で良いサドルだと思います。
アスチュート、プロロゴ、スペシャライズドのサドル
他にも話題になるサドルを、いくつか書いておきましょう。
《アスチュート》
2013年にできた比較的若いメーカーですね。
ベネチアを拠点に、イタリア人デザイナーなんかが作ったお洒落なメーカーで、とにかく外見が非常にかっこいいですね。
大きく分けると、丸いSTARシリーズとフラットなSKYシリーズの2種類を展開しています。
《プロロゴ》
サドル以外にもバーテープ、手袋など、ライダーと自転車が触れるコンタクトポイントのパーツを作っている会社ですね。
プロロゴも座面の丸さで、3種類のタイプに分けてラインナップしていますね。
《スペシャライズド》
ロードバイクなどを生産している車体メーカーもサドルを造っています。
スペシャライズドのサドルは、けっこう評判が良いですね。
サドル以外でも、タイヤも人気が高いですね。
基本的に大きい車体メーカーの造る製品は、元々自転車に関して詳しいですし、いくつかのパーツメーカーを吸収している場合が多いので、しっかりしていて、値段もお手頃なものが多いですね。
スペシャライズドの人気サドルと言えば、POWERでしょう。
このサドルは特徴がありますね。
とにかく前が短いですね。
TTやトライアスロンのサドルのような要素を取り入れることで、エアロポジションやTTポジションなどの前傾が深い姿勢のときに、尿道が圧迫されることを防ぐというのがコンセプトだそうです。
前が短いと、ペダリング時に邪魔にならないですね。
そして、スペシャのサドルと言えば穴あきですね。
足の周りが良くて、尿道圧迫が少なく、前傾を取りやすいサドルというイメージですね。
スペシャライズドのサドルは、横幅のサイズが選べるのも良いポイントですね。
サドル幅に関しては、スペシャライズドのショップなら購入時に計測してもらえるでしょう。
サドル位置に関しても、スペシャライズドのショップは、フィッティングをしているところもありますので、気になる人はフィッティングも受けるのが一番良いと思います。
まとめ「サドル沼に落ちないように」
おすすめのサドルをランキング形式でご紹介している記事はこちら!
今回はサドルについて書いてきました。
いかがだったでしょうか。
サドルを探し続けて、延々と新しいサドルを買い直すことをサドル沼などと呼んだりします。
サドル沼に落ちないようにするには、有名どころのサドルの特徴を理解して、自分に合いそうなサドルから試すということが大事です。
しかし、やはり一番最初にも書きましたが、基本的にはポジション、フォームさえ良ければ、大体のサドルで特に問題ないはずです。
実際、プロの選手を考えれば分かりますが、サドルメーカーは基本的にチームで統一されています。
スポンサーしてもらっているメーカーのサドルが基本です。
極端な話ですが、「使え」と言われたサドルを使っているんですね。
乗り方、筋肉やポジションがある程度しっかりしていれば、どのメーカーのサドルでも問題なく使えるということでしょう。
サドルで困っている人は、場合によってはサドルを変えるよりも、ポジションを改善するためにプロのフィッティングを受けてみる方が効果が高いかもしれませんね。
また、股関節周辺の柔軟性も、体が痛くなりにくいフォーム作りのためには重要です。
日々、少しずつストレッチをするなども効果的でしょう。