厳密に言えば、自転車のバルブをホイールに取り付けるのは、チューブレスタイヤの場合で、クリンチャータイヤはチューブに取り付けます。
また、ディープリムホイールにした場合、バルブを少し工夫しないと上手く空気が入りません。
そこで今回は、バルブの取り付けについて、あれこれ考えてみたいと思います。
兼用ホイールにチューブレスタイヤを取り付け
まずはチューブレスタイヤの話ですが、MTBでは主流になりつつありますが、最近はロードバイクでも愛用者が増えています。
それを証明するように、徐々にチューブレスタイヤ対応のホイールが販売されるようになってきました。
カンパニョーロやフルクラムのホイールは【2-Way Fit】というカッコいい名前が付いていて、クリンチャーもチューブレスも両方対応していますという意味になっています。
シマノも上位グレードのアルテグラやデュラエースには、両方に対応できるホイールがあります。
付属品として、チューブレスタイヤ用の仏式バルブとテープが付いてくるので、すぐにでもチューブレス化が可能です。
バルブの取り付けも、リムにテープを巻いた後にバルブ穴に貫通させるだけですから、実に簡単です。
そこからシーラント剤を入れて、チューブレスレディー化を図ることもできますが、そちらは別記事を参考にしてください。
また、タイヤを取り付けるときにタイヤのビードがバルブの根元に付いているゴムに乗りかかりやすいので、注意してタイヤをはめていきましょう。
ディープリムホイールのバルブは短い!
ディープリムホイールはリム高の高い、競技用自転車によく見られるホイールです。
最近は、一般にも広く普及するようになってきています。
そのディープリムホイールですが、購入したときにまず対応しなければいけないのは、バルブのステムの延長です。
チューブレスは、ほぼ確実に行わなければいけないです。
クリンチャーでも、今までお使いのリムの高さにもよりますが、チューブをそのまま使うとすると、バルブの先が少しだけしかリムから出てこないと思います。
そこで、バルブにアダプターを取り付け、長くしようという話になります。
ただ、クリンチャータイヤなら、ロングバルブのチューブに交換した方が費用が安いかもしれないので、価格を確認しましょう。
①【パナレーサー:バルブエクステンダー 2本セット<2ピース仏式バルブ用>バルブコアツール付属】
参考価格¥1,500
②【パナレーサー:バルブエクステンダー 2本セット シンクロ<SE-38>空気圧調整対応】
参考価格¥2,900
③【Continental(コンチネンタル: Race 28 S80 18/25-622/630 2本セット】
参考価格¥1,700
①、②が現行のバルブを延長するための【バルブエクステンダー】というパーツで、③がロードバイク用のロングバルブ(80mm)のチューブになります。
①のエクステンダーは、バルブコアが本体から取りはずせるタイプのバルブ用で、②はコアが本体と一体型になっていて、コアが取り外せないタイプ用です。
一体型はエクステンダーが高価なので、チューブ交換・タイヤはそのままという人は、エクステンダーが良いと思います。
ホイールにバルブエクステンダーを取り付け①~シンクロ式
ディープリムホイールに取り付けるバルブの話をしていますが、エクステンダーを取り付けする際の注意事項をお話しておきます。
まず、上記でも取り上げたように、バルブコアが取り外しできるかどうかを確認してください。
取り外しができない場合は、上記の②を選ぶか、別物でもシンクロ式のエクステンダーを選んでください。
シンクロ式のバルブエクステンダーの弱点は、ジョイント部分からの空気漏れです。
ここは、水道工事などに使うシーリングテープで補強してあげると良いです。
仏式バルブのネジ山にシーリングテープを巻き付けてから、エクステンダーを取り付けます。
付属のOリングだと、すぐに割れてしまったりするので、テープがおすすめです。
また、このエクステンダーは取り付けたままで空気圧調整ができるのもおすすめです。
ホイールにバルブエクステンダーを取り付け②~2ピース式
バルブコアが本体から取り外せるタイプのバルブ(2ピース式)には、上記でご紹介した①の商品が便利です。
国内メーカーの細やかな気配りとでも言いますか、バルブコアを外すのに必要な工具を兼ねたキャップが付いているので、それを使ってコアが簡単に外せます。
コアを外したらエクステンダーをねじ込みますが、こちらも念のために、シーリングテープを巻いてから取り付けます。
エクステンダーの上部にスパナ用の切欠きがあるので、それを使って締めこみます。
締めこんだら、先に外したバルブコアを取り付けて、先ほどの工具兼キャップを取り付ければ完成です。
なお、ご紹介した商品は50mmの延長が可能な物でしたが20mmタイプもあり、価格は変わりませんのでホイールによっては、そちらでも大丈夫だと思います。
自転車のバルブの種類
ちょっと話が前後しますが、ここでホイールのバルブ形状についてお話しておきます。
一般的なママチャリなどに多いのが、英式バルブになります。
構造上、どうしても空気がもれてしまうのと、空気圧の調整ができませんので、スポーツ自転車に採用されることはまずありません。
先ほどからも取り上げていますが、ロードバイクやクロスバイクには、仏式バルブが採用されています。
空気圧の調整が可能で、高圧状態を保てるのがメリットですが、バルブコアが曲がりやすいのがデメリットです。
MTBやバイク、自動車に採用されているのが米式バルブで、ガソリンスタンドでも空気を入れることができます。
何より頑丈なので、耐久性は抜群です。
この3種類が自転車のバルブの形状になりますが、それぞれ空気の入れ方が違うので互換性はありません。
しかし、これを変換するためのアダプターが存在します。
英式のデメリットは空気が抜けやすいことなので、これを解消するために米式に交換する商品があります。
【パナレーサー:エアチェックアダプター<キャップゲージ付き>ACA-2-G】
参考価格¥1,200
取り付けは実に簡単で、英式のバルブにアダプターを差し込むだけです。
しかも、キャップにひと目見ただけで空気圧が分かるゲージが付いているので、今まで無縁だったと思われるママチャリの空気圧管理ができるようになる優れものです。
なお、米式専用の空気入れが必要になることは覚えておいてください。
バルブにLEDライトを取り付けてみる!
また、ホイールのバルブ穴が合いさえすれば、チューブを英式から米式に交換しても良い訳です。
空気圧計か空気圧計付きの空気入れをを所持していれば管理できますので、こちらの方が良いかもしれません。
英式はママチャリが主なので、パンク以外でチューブを交換する機会は無いのかもしれませんが、チューブは他のパーツに比べて安価ですから検討してみてください。
さて、話は変わりますが、バルブに取り付けできるLEDライトがあるのをご存知でしょうか。
ごく小さいパーツですが、ホイールが回転することによって、ひとつの輪が車輪上に描かれる装飾用のライトです。
ただ装飾用と言うだけでなく、夜間の視認性の向上にも役に立ちます。
センサー付きで夜間しか光らないので、耐久性にも優れています。
代表的なものをひとつご紹介しますので、検討してみてください。
【ピア(PIAA):FERRIS MINI (フェリスミニ)ホイールLED】
参考価格¥1,200
色が白・青・緑・ピンク・オレンジの5種類から選べます。
バルブも多種多様です
今回は自転車のバルブについてお話しました。
個人的にはバルブエクステンダーを知らなかったので、大変参考になりました。
また、最近はチューブレスタイヤが勢力を拡大してきているので、今後ますます対応ホイールが増えてくるものと思います。