世界一の販売台数を誇るのが、台湾の自転車メーカー「giant(ジャイアント)」です。
日本でも非常に人気があり、専門店「ジャイアントストア」も全国に展開されています。
ロードバイクのラインナップは、ワールドツアーに参戦しているチームに提供されている機種から、エントリーモデルまで多彩です。
その中でも、特に今回は最初の1台におすすめのエントリーモデルを紹介していきます。
giantのロードバイクはエントリーモデルに至るまでコスパが高い
giantは「コスパのジャイアント」という異名があるように、価格の割にフレームの質や組み合わされているパーツのレベルが高い機種が多いです。
現在のスポーツ自転車は通販で購入できるものも増えてきましたので、以前ほどgiant=低価格というイメージは薄れています。
しかし、コスパの高さは健在で、「エントリーグレードでこのコンポが組み合わせられるのか」と唸らされるロードバイクが多数あります。
giantのロードバイクは良くも悪くもオーソドックスで、言葉は悪いかもしれませんが、大衆化しているということになります。
ただし、それはフレームの形状のことであり、特に近年はホイールとタイヤに独自色を出しています。
以前よりコンポ以外のパーツは自社ブランドで固めていましたが、2018年モデルはほぼ全車が「チューブレスレディタイヤ」搭載になりました。
チューブのいらないタイヤに、さらに耐パンク性を高める「シーラント剤」というものを入れるタイヤです。
giantが汎用性の低いものを使用してくるのは異例とも言えますが、先見の明となるか注目されています。
giantのロードバイクの「THE・エントリーモデル」
それでは、giantのロードバイクを紹介していきます。
今回はエントリーモデルを中心にしますが、個人的におすすめのものは、クラス分けにとらわれず紹介します。
【CONTEND 2】参考価格:¥80,000
giantの中で最も低価格(最廉価)のロードバイクです。
アルミフレームにシマノの最廉価コンポ、リア8速「クラリス」の組み合わせ、クリンチャータイヤという、エントリーモデルの定番です。
さらに、ハンドルの水平部分からもブレーキが引ける、「サブブレーキレバー」が標準装備されています。
最初のうちは水平部分を握ることも多く、ドロップハンドルでのブレーキ操作が難しいシーンも出てきますのでありがたい装備です。
フレーム形状は、上位機種のレースモデルとエンデュランスモデルの融合がコンセプトです。
幅広い用途に対応できる、オールラウンドモデルになっています。
最初のうちは極端な形状よりは、このようなオールラウンドタイプがおすすめなので、最適の1台と言えるでしょう。
CONTENDシリーズは他にコンポのグレードによって上位機種もありますので、レベルの検討をしても良いと思います。
このレベルの高さでエントリーモデルなのか?
【TCR SLR 2】参考価格:¥175,000
上位機種のカーボンフレームモデルは、ワールドツアー参戦チームのレース機材としても採用されているのが「TCR」シリーズです。
こちらはシリーズのエントリーモデルではありますが、アルミフレームで7.9kg(Mサイズ)は破格の軽量です。
フルカーボンのフロントフォークや、独自の形状で衝撃吸性に優れたシートポストなど、上位モデルの技術を惜しみなく投入している点も好感が持てます。
前傾姿勢がキツめのレーシングモデルなので、ロードバイクのレースに興味がある方の最初の1台としておすすめです。
【TCR ADVANCED 2】参考価格:¥195,000
giantのカーボンフレーム車の中の、最廉価モデルです。
フレーム形状と組み合わされているパーツもほぼ同じなので、カーボンフレームに乗りたいかどうかが選択の決め手になりそうです。
公表されている重量が上記のアルミフレーム車と同様ですが、アルミが軽量過ぎるだけで決してこちらが重いということではありません。
カーボン特有のマイルドな乗り心地が良ければ、選択肢に入れておきたい1台です。
エンデュランスモデルのエントリーグレード
上記「TCR」シリーズはレースモデルですが、長距離走行向きの「エンデュランスモデル」が、今のロードバイク界ではひとつの大きなトレンドになっています。
上体を起こした楽な姿勢で乗れるフレーム形状や、衝撃吸収性を意識した構造になっています。
そのため、レース志向の薄いまったりライダーや、エントリーライダーの入門機として人気があります。
giantでは「DEFY」シリーズがそれに当たります。
【DEFY ADVANCED 2】参考価格:¥225,000
こちらは、先ほどご紹介した「CONTEND」シリーズよりもアップライドな姿勢になりますので、初心者の方でも違和感なく入っていけます。
この機種がDEFYのエントリーモデルになりますので、価格的にはハードルが高いかもしれません。
ではなぜ「DEFY」をおすすめしたいかというと、私が試乗したgiantのロードバイクの中で最も快適な乗り心地だったからです。
スペックから見て振動吸収性の高さは分かっていましたが、期待以上でした。
地面からの振動は伝わってきますが、非常に優しく路面の状況を教えてくれている程度
の心地よい伝わり方です。
それでいて適度に剛性もあるので、フワフワした走りにならないのもロードバイクらしくて良いです。
見た目もカーボンらしい曲線美が目を引くカッコいい1台です。
giantの異色ロードバイク
ここからはgiantのロードバイクの中で、変化球とでも言うべき存在のものを紹介します。
【ANYROAD 3】参考価格:¥95,000
「誰でも、どんな道でも走れる」がコンセプトになっており、非常に面白い設計になっています。
極端に下がったトップチューブにディスクブレーキ、太めのタイヤはMTBそのものですが、ロードバイク用コンポにドロップハンドルです。
クロスバイクでもここまでの融合は見られないので、インパクトは絶大です。
山林道などの未舗装路も走ってみたい、でもスピードも欲しい、そんな人向けかと思いますが、意外と通勤などの普段使いにも向いていると考えられます。
エントリーモデルとしては、上位グレードの技術が満載されているので、コスパ面でも注目の1台です。
【TCX SLR 2】参考価格:¥170,000
こちらは「シクロクロス」という競技に使われるバイクです。
未舗装の泥んこコースで争われる競技で、道中にはバイクを背負って自分で走る区間がある異色のレースです。
そのため、MTB並みの重量では担いで走るのが不利なので、MTB用の太めのブロックタイヤではありますが、車体は軽量に作られています。
担いだときにケーブル類が絡まないようにチューブに内蔵されているので、操作性の高さや見た目にもすっきり感があって良いです。
普通のロードバイクとして考えても使い勝手は悪くないですから、「ANYROAD」と同じくオフロードも積極的に走りたい人にはおすすめです。
giantの女性専用ブランドのロードバイク
giantには女性専用ブランドの「Liv」があありますので、こちらからも紹介しておきます。
【AVAIL 2】参考価格:¥80,000
Livブランドの最廉価エントリーモデルになります。
身長145cm前後からのサイズ展開があるのと、同じグレードのユニセックスモデルと比べると、もう一段上体を起こして乗車できる形状です。
また、女性の快適性を重視したコンフォートサドルやサブブレーキレバーも、細かな気配りが嬉しいところです。
【LANGMA ADVANCED 2】参考価格:¥200,000
女性レーサーに向けた、軽量カーボンロードバイクです。
高すぎない剛性と適度な乗り心地の良さも合わせ持っているので、最初からカーボンフレームに乗りたい人にも良いでしょう。
ただし、レースモデルなので中々に厳しめの攻めたジオメトリにはなっていますので、購入時は必ず試乗されることをおすすめします。
giantのロードバイクは面白い!
今回はgiantのロードバイクの中でも、特にエントリーモデルに注目してみました。
バラエティに富んだ選び甲斐のあるラインナップで、初心者ではかなり迷ってしまうことが懸念されるほどです。
迷った場合には、性能アップは後からできるので、最初はスタイルや価格から決めていけば良いです。
giantは、それに見合うだけの品添えがありますからね。