自転車のペダルを踏みこんだときの力を、リアホイールに伝える役割をもつのが自転車のチェーンです。
チェーンにはオイルが塗られているので、路面や空気中の汚れが付きやすいです。
自転車の中でも汚れやすい部分といって良いでしょう。
そのため、定期的な洗浄も必要です。
今回は、自転車のメンテナンスとしても重要なチェーンの洗浄の必要性や、その方法についてお伝えしていきます。
自転車のチェーンの汚れの原因ってなに?
自転車チェーンは金属でできており、潤滑のためにも腐食を防ぐためにもチェーンオイルが塗られています。
そのため、ほこりや砂などがくっつきやすいです。
自転車はコンクリートやアスファルトで舗装された道路に限らず、場合によってはオフロードも走る乗り物なので、巻き上がった砂やほこりをひろってしまいます。
当然きれいな道を走ったときよりも、砂ぼこりが多いところを走った方がチェーンは汚れやすいです。
また、雨の日の方が晴れているときよりも圧倒的に汚れやすいです。
マウンテンバイクなどはオフロードを走ることで、特に汚れやすいので、よりこまめな洗浄が必要になります。
これらの汚れに加え、チェーンの摩耗によって出るカスも汚れの原因となります。
さらには、チェーンオイルの種類でも汚れやすさに差があります。
さらさら系のドライオイルよりも、どろどろしたウェット系のオイルの方が汚れやすいです。
自転車のチェーンを洗浄せずにしておくとどうなる?
自転車のチェーンを洗浄せずに放置し続けることは良くありません。
チェーンの汚れの原因となるほこりや砂は、チェーンに付着するとチェーンオイルを吸収してしまいます。
そのため、チェーンオイルが渇いてしまってオイル切れの状態になってしまいます。
そうなるともちろんチェーンにも良くないですし、チェーンリングやスプロケットの歯を傷める原因にもつながってしまいます。
チェーンオイルが渇いていると、もちろん変速性能も悪くなってしまいます。
また、オイル切れを起こしていなくても、砂などが付着していればチェーンが動くたびにチェーンリングやスプロケットに当たり続けます。
そういった状態でも、オイル切れのときと同様に、機材を傷めてしまう原因になってしまいます。
それでも放置し続けた場合には、チェーンの錆びも起こってきます。
さらには、チェーンの汚れは、自転車を漕いでいるときの抵抗を大きくしてしまいます。
汚れが原因でチェーン自体の動きも悪くなることで、自転車が進みにくくなってしまうということです。
水を使ってチェーンを洗浄
自転車のチェーンを洗浄するときは水を使用する方法と、使用しない方法の2通りがあります。
まず、水を使用する場合には屋外で行いましょう。
はじめにチェーンのオイルを落とす作業が必要ですが、それにはディグリーザーと呼ばれるオイルを落とすための製品を使用します。
ディグリーザーをチェーン全体に塗り込んで、ブラシでチェーンのローラー部分を転がすようにして、チェーン内部までディグリーザーを染みこませましょう。
そのあとは水でディグリーザーを洗い流します。
このときに、水をたっぷり含ませたスポンジでチェーンを挟んでぐるぐるペダルを回してあげると洗い流しやすいです。
この作業だけでもオイルはかなり落ちますが、まだ汚れが残っているので、中性洗剤を使用して汚れを落とします。
よく泡立てた状態で、ディグリーザーを水洗いしたときと同じ要領でチェーンをきれいにいましょう。
仕上げの段階でよく水洗いを行って、洗剤が残らないように注意してください。
最後にタオルで拭いてあげることでチェーンはピカピカになります。
水を使わずクリーナーでチェーン洗浄
次に紹介する方法は水を使用しない方法です。
水を使用しないので屋内でも自転車のチェーンの洗浄ができます。
まず、手軽に行えるものとしては、チェーンクリーナー用のシートで拭く方法です。
シートでチェーンを挟んでペダルをぐるぐる回すことで、汚れが落ちていきます。
ディグリーザーを使用したときのようにピカピカまではいきませんが、それでも汚れはかなり落ちます。
また、メーカーによっては、泡タイプのクリーナーもあります。
ディグリーザーで油を浮かせた状態で、一度汚れても良いタオルで拭き取った後に、泡タイプのクリーナーをチェーンに吹きかけるというものです。
そうすることで泡がチェーンに染み込んで汚れを浮かせてくれます。
最後に泡を拭きとると、水を使って洗浄したときと同じくらいピカピカにすることができます。
洗浄した後は自転車チェーン用のオイルをしっかり塗ろう
洗浄をしたあとのチェーンには忘れずにチェーンオイルを塗るようにしましょう。
チェーンを洗浄したあとはチェーンを保護する役割をもつオイルがなくなっている状態です。
そのまま自転車に乗ってしまうと、チェーンとチェーンリングやスプロケットの歯がこすれあってしまって機材を傷めてしまいます。
それを防ぐためにもチェーンオイルは必須です。
しかし、水を用いた洗浄を行ったあとにチェーンオイルを塗るときには、チェーンをしっかりと乾かした状態で塗るようにしましょう。
水と油分は混ざることなく分離してしまうので、濡れた状態のチェーンにはうまいことチェーンオイルが染み渡りません。
そのため、乾いた状態でチェーンオイルを塗るということが、地味ながらかなり重要になります。
しかし、チェーンオイルでも水置換性を備えているものも販売されています。
水置換性のあるチェーンオイルは濡れている状態で使用してもチェーンを保護してくれるので、もし乾かす時間がないときには、そのようなチェーンオイルがあると便利です。
チェーンがひどく錆びてしまっているときは交換が必要
では、もし自転車のチェーンの洗浄を怠ってチェーンが錆びてしまったときはどうすれば良いのでしょうか?
チェーンの錆びがチェーンの表面に薄くできているだけの程度であれば水を使用した洗浄の方法で、念入りに洗浄することでピカピカになることはあります。
しかし、チェーンの内部まで深くできた錆びに関しては、洗浄しただけではきれいにすることは難しいです。
もしそのような状況になってしまった場合は、チェーン自体を交換してしまった方が良いでしょう。
このように、チェーンの洗浄を怠ることでそういった新たな出費にもつながるので、チェーンの洗浄はしっかり行う必要があるのです。
チェーンの洗浄の頻度は走行距離や周囲の環境で異なりますが、おおよその目安として300~400km、最低でも500km以上走行したときには洗浄するようにした方が良いでしょう。
雨の日に乗ったときやオフロードを走ったあとなどは、かなり汚れていたり、チェーンオイルが落ちていたりするので、走行距離に関係なく洗浄しておきたいところです。
慣れるまでは大変に思える作業かもしれませんが、回数を重ねるたびにコツがつかめてくるので、めんどくさがらずに洗浄していきましょう。
自転車のチェーンの汚れは放置せずにしっかりと洗浄していこう!
自転車のチェーンの汚れの原因となるものは、主にほこりや砂などです。
汚れた状態で放置するとチェーン自体が傷んでしまうだけでなく、チェーンリングやスプロケットの歯を傷めてしまいます。
そのため、チェーンは定期的に洗浄するようにしましょう。
屋外であれば水を使って洗浄可能です。
屋内で行う場合にも水を使わずに行える洗浄方法もあります。
こまめに洗浄して快適に自転車に乗るようにしましょう。
また、洗浄後はチェーンオイルを塗るのも忘れずに注意しましょう。