エアロロード「ピナレロ・プリンス」はロングライド向きか?

ロードバイクは車体や車輪が軽く、運動性能にも長けているので、100㎞を超えるようなロングライド(長距離走行)に適しています。

ピナレロでは長距離走行向けとされる「グランフォンド」のカテゴリーもありますが、ロングライドならレーシングモデルの「PRINCE(プリンス)」も適しているという声があります。

そこで今回は、ピナレロのプリンスにロングライドの適性があるのか確認してしてみましょう。

ロングライドの目安100㎞とはどんな距離?

今回はロードバイクにおけるロングライドがテーマになりますが、その距離は100㎞というのが一つの目安となります。

100㎞という距離は、箱根駅伝の大手町~芦ノ湖間、関西ですと神戸駅から琵琶湖間が相当します。

土地勘があるとお分かりかと思いますが、この地名を聞くと100㎞はかなりハードな感じです。

しかし、多くの方が経験してきていますが、ロードバイクに慣れてくると自分の思っているよりも長距離、長時間をこなせるようになるものです。

経験を積む中で脚力やペダリングの技術が身についてくればということですが、通勤などで毎日乗る機会があれば、それもそんなに遠い将来のことではありません。

100㎞は時速30㎞で走ると3時間強、慣れてくれば適度な運動量でもありますし、月に1、2回でも物足りないといことも無い距離になります。

今回はピナレロのプリンスがその100㎞程度のロングライドに向くかどうかを確認していきます。

まずは、プリンスがどんなロードバイクなのか次項でお伝えします。

ピナレロ・プリンスとはどんなバイク?

ピナレロはイタリアに本拠を置くスポーツバイクブランドで、創業して60年以上になりますので老舗と言える域に入っています。

ピナレロはとにかくレースに強く、近30年ではプロのロードレース界の歴史はピナレロ抜きでは語れないと言っても過言ではありません。

30年の間にロードバイクのフレーム素材は、クロモリ(金属)、アルミ、カーボンと主流が移り変わっていますが、そのどの素材においても頂点を極めており、高い技術の裏付けと言えるでしょう。

そのレースの歴史において長きに渡って貢献してきたのが、今回の主役「プリンス」です。

フレームの素材や形状は変化していますが、常に新しい技術を投入され、ピナレロの中でも特別な存在になっています。

2019モデルでは自身5度目のモデルチェンジとなり、エアロロードになります。

現在のフラッグシップモデルである、「DOGMA(ドグマ)F10」の技術を踏襲しながら、ホビーユーザー向けに優しい味付けもされています。

この優しい味付けがプリンスがロングライド向きなのではないかという根拠になりますので、次項で詳しくお話しします。

ロングライドでは疲労をいかにして溜めないかが重要

ロードバイクで100㎞、約3時間走ると当然ですが身体に疲れが出ます。

ペダルを漕いでいる脚を中心に下半身は全体にダルくなってきますし、ハンドルを握り続けている手は握力がなくなってきますし、腕全体でハンドルを抑え込むような姿勢になりますので、上半身も疲れは溜まります。

のちほどお話ししますが、疲れを軽減させる姿勢やペダリングも重要ですが、ロードバイクそのものが疲労の低減に一役買ってくれないと、ロングライドは厳しいものになります。

ロードバイク走行で、身体に疲労を蓄積させる大きな原因は、地面からの突き上げや細かな振動、段差などを超える際の衝撃です。

これがボディブローのようにジワジワと身体に効いてきますので、疲れが溜まってしまいます。

ロングライド向きとされるバイクは、この振動や衝撃を上手くいなし、吸収もすることで極力身体にダメージを与えない仕様になっています。

ピナレロはプリンスに限らず、特にこの地面からの衝撃や振動に対する対策を意識してきた歴史があります。

衝撃が伝わりやすいフロントフォークやシートステイを、波を打ったように曲げ加工することで力を分散させて衝撃をいなす効果のある「ONDA(オンダ)」という技術は、ピナレロの象徴です。

ピナレロ・プリンスはロングライドに必要な要素を兼ね備えている

ピナレロのプリンスはオンダの他にも、ロングライドに向いていると思われる部分が多いです。

新しいプリンスはカーボンフレームですが、プロが使用する上位モデルから少し剛性を控えめにした素材が採用されています。

プロ仕様のフレームはプロの脚力に耐え得るだけの強度が必要なので、カーボンの層をガチガチに固めて硬くしています。

このことでペダルを漕いだ力がロスなく動力になり、プロの脚力ですから異次元のスピードが出るようになります。

しかし、硬くしてしまうと衝撃の伝導率もよくなってしまうので、カーボンの利点である衝撃吸収性は薄れ、地面からの突き上げを感じるフレームにもなります。

その点でプリンスは剛性を控えた、柔らかめのフレームになっていますので、衝撃吸収性に優れ、乗り心地の良さはプロ仕様よりもむしろ上です。

また、ロングライドにはスピードの維持(巡航性)も重要で、少ない力でペダルを回し続けられるのが理想です。

その点では、柔らか過ぎるフレームは力をロスしてしまうので、必要以上に力を込めなくてはならず、ロングライドでは不利になります。

しかし、プリンスは柔らかめと言っても、根はバリバリのレースモデルですから、踏んだ力をロスさせないだけの硬さは十分に兼ね備えていますので、巡航性も相当なレベルにあります。

ピナレロ・プリンスの完成車にはロングライド向きのサドルが付属している

ピナレロのプリンスは衝撃吸収性や巡航性に優れているので、ロングライド向きであるとお伝えしてきました。

さらに、プリンスがロングライドを意識していると感じるのは、完成車に付属しているサドルです。

プリンスの2019モデルには5パッケージの完成車が用意されていますが、付属サドルは全て「Fi’zi:k(フィジーク):ANTARES(アンタレス)R7」です。

フィジークはイタリアの老舗サドルメーカー「セラ・イタリア」のブランドで、プロも愛用者が多い優れものです。

このサドルは座面がフラットなタイプで、クッション性と弾力性のバランスが絶妙なサドルです。

ロングライドではお尻の一部分に体重が集中しないように、前後に移動させながら走行するのがよいので、座面がフラットな方がやりやすいです。

また、お尻への衝撃を吸収するのにクッション性は必要ですが、フカフカで柔らかすぎるとペダリングがやりづらくなりますし、底付きしてしまいかえってお尻が痛くなります。

そこで、適度な弾力性が必要ですが、アンタレスR7は指で押すと押し返してくるくらいの弾力があります。

また、サドル全体がしなるので、衝撃を上手く逃がしてくれているはずです。

こういったロングライドに必要とされる要素が備わったサドルがプリンスには付属しているのです。

ロングライドに適したペダリング、ハンドルポジションとは

最後にピナレロ・プリンスの性能をさらに活かすために、ロングライドに適したペダリングやハンドルポジションなどについてお伝えしておきます。

ロングライドではここまでお伝えしてきた通り、疲労をいかにして溜めないかが重要です。

疲労には心肺機能の疲労と、筋肉疲労の2つがあります。

心肺の疲労は心拍が上がり、息が乱れて「ハァハァ」としてしまうような状態のことです。

休憩をしたり、ゆっくり走るようにすれば息が整いますので、回復にそこまで時間は掛かりません。

筋肉疲労は血中に乳酸が溜まってしまい、筋肉が持つ本来の力が出せなくなります。

しかも、一度乳酸が溜まってしまうと回復に時間が掛かりますので、ロングライドをこなせなくなってしまいます。

そのため、ロングライドでは、筋肉をなるべく疲労させないペダリングが必要になります。

具体的には軽いギアにして、ペダルをクルクルと回すペダリングになりますので、普段よりも1段、2段軽いギアを意識して使用するようにしましょう。

また、ハンドルポジションですが、ロングライドでは手や腕にも相当負担が掛かりますので、ハンドルを握る位置を走行中に変えて、負担を分散させます。

さらに、ハンドルポジションを変えると乗車姿勢も変わります。

シフト・ブレーキ一体型レバーのゴム部分ブラケットポジションを基本に、グニッと曲がったドロップ部分を握ると前傾姿勢が深くなります。

また、ハンドルの上側の水平部分を握ると上体が起きますので、疲れた時はこのポジションでリラックスして走るようにするとよいでしょう。

プリンスの性能を活かす乗り方も考えていく

今回は、ピナレロのプリンスがロングライド向きであるというお話をしました。

ロングライドに必要な衝撃吸収性に優れ、スピードを維持する能力(巡航性)も高いので、十分に対応してくれます。

また、ロードバイクの性能を活かすためには、技術を身に付け、乗り方にも工夫が必要なので、ペダリングやハンドルポジションも意識してみてください。