自転車には夜間や見通しの効かない場所を走る場合にライトの点灯義務がありますので、必須アイテムと言えます。
しかしママチャリの一般自転車以外は標準装備ではないので、自分で後付けをする必要があります。
少し面倒に感じる部分ではありますが、後付けだからこそ自分の好みで選べるわけですし、条件が合えば手持ちのライトを自転車に装備してもよいわけです。
そこで今回は自転車にライトを後付けすることについて、取り付け方や取り付けるためのホルダーをご紹介します。
自転車にライトを装着するにはホルダーが必要
自転車のライトは点灯義務であり装備義務ではありませんので、仮に手に持って運転しても、ヘルメットなど体のどこかに取り付けていても問題はありません。
ただし自転車に装着するためには、何らかのホルダーやマウントが必要になります。
冒頭でもお伝えしたようにスポーツサイクルなどはほとんどが後付け対応になるため、自転車用ライトの需要は多く、いくつものメーカーが製造をしている状況です。
そのため、自転車専門のライトになればしっかりと使い勝手も考慮されていますので、ハンドルなどに取り付けるためのホルダーは付属しているものがほとんどであり、ホルダーを自分で用意する必要はありません。
しかし、「自転車用ではないライトを使う」「ハンドル以外の場所に付けたい」というような要望もあるかと思いますので、その際には別途ホルダーが必要になるでしょう。
そのほうが使用できるライトの選択肢が多くなりますし、取り付け位置の融通が利きますので、それもまたおすすめの方法です。
自転車のライトには条例で定められた明るさのものを点灯する義務がある
前項でもお伝えしたように、自転車のライトは点灯義務はありますが、自転車専用のライトを使用しなければならないとは定められていません。
そのために今回は専用では無いライトを自転車に取り付けるためのホルダーやマウントのお話をしていきますが、その前にまずは自転車用のライトに求められる条件を確認しておきます。
自転車のライトに求められる条件は道路交通法の規定にはありませんが、各都道府県が条例として定めています。
例えば東京都では「白色又は淡黄色で、夜間、前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる光度を有する前照灯」となっています。
おおむねどの自治体も同じですが、神奈川県では距離の規定が前方5メートルの物を確認できる光度になりますので、より明るいライトが求められていることが分かります。
ただこれですとどんな明るさなのかが今一つハッキリしませんから、これを製品のスペック表に載っている具体的な明るさの数値で表すと「300ルーメン」程度になります。
自転車走行時に必要とされるライトの明るさ
前項でお伝えした「ルーメン」は自転車用ライトや懐中電灯によく使用される明るさの単位です。
ルーメンは光源(ライト本体)から発せられる光の総量のことですので、ライトのパワーを示す数値と考えてもらえばよいでしょう。
一般的な懐中電灯が100~150ルーメン程度ですので、300ルーメンというとかなりの明るさになります。
しかし、走りながら前方10メートルもの先を見通すためには、静止状態の数倍の明るさが必要となるため、決して明るすぎるということもありません。
しかも走るスピードが上がるにつれて人間の視野は狭くなるため、速度次第では300ルーメンでも不十分こともありますので、明るいに越したことはないのです。
ある程度街灯が整備されており、肉眼で周囲の建物や樹木の形が確認できる状況であれば300ルーメンで十分かと思います。
しかし、これが建物などが何となく存在している程度にぼんやりとした場所では400~600ルーメンが必要になってきますし、街灯がほとんどないような真っ暗な道では1000ルーメン前後ないと安心できません。
そのため、ホルダーを使って手持ちのライトを使用する場合は、上記のような基準に達しているかを確認する必要があります。
ホルダーを使ってライトを装着する場所
ここまでは自転車で走行する際に点灯義務のあるライトの条件を確認しましたが、お手持ちのライトがその条件に合っているのものであれば、あとは取り付け場所を考えていくことになります。
●ハンドル上
スポーツサイクルでは最も一般的な場所であり、ホルダーもハンドルにマウントするためのものが多く販売されています。
車体の高い部分から照らすことができ遠くまで光が届くため、自転車では理想的な取り付け位置です。
●サイクルコンピューターやアクションカメラの裏側
ハンドルに取り付けられたサイクルコンピューターやカメラの裏側に、専用のホルダーを使って取り付けます。
ハンドル周りがごちゃごちゃしている場合には有効ですし、ハンドルより少し前方にライトが装着されるため、手前の路面を明るく照らしてくれます。
●前輪ハブ
車輪中央のハブに専用ホルダーを取り付け、その上にライトを取り付けます。
ただし位置が低いので照らす範囲が狭く、複数のライトを使用する場合の補助的な場所と考えられます。
●ヘルメット
ヘルメットにマウントできるホルダーを装着して、そこにライトを取り付けます。
真っ暗な道を走る場合などは、前方だけではなく視界が照らされていると恐怖心がぬぐえるため、真っすぐ走りながら自分が向いた方向が照らされるのは有効です。
自転車にライトを取り付けられるホルダー
それではここから自転車にライトを取り付けるためのホルダーをご紹介していきます。
【UNICO(ユニコ):バイクライトホルダー】
固定場所とライトをベルクロバンドで固定するタイプで、通販サイトで800円前後で販売されている安価なホルダーです。
盗難防止のために自転車から離れる際はライトを外して携帯したいものですが、ベルクロなので簡単に脱着が可能です。
ただし、ハンドルなど直径35mmまでのパイプに取り付け可能で、直径25mmまでの円形ライト用ですから、お手持ちのライトの太さを確認してから購入してください。
【GENTOS(ジェントス):バイクライトアクセサリー マウンティングブラケット XBBR】
バンド部分のロックがボタン1つで外れるので、ライトの脱着がしやすいホルダーです。
ライトの直径が最大36mmまで取り付け可能なためライトの選択肢が増えますし、パイプは直径42mmまで対応していますので、より多くの自転車に取り付けることができます。
ライトとサイクルコンピューターなど複数のアイテムを同時に取り付けられるホルダー
前項に引き続き、自転車にライトを取り付けるためのホルダーをご紹介していきます。
【REC-MOUNTS(レックマウント):Type19】
こちらはサイクルコンピューターとライトを同時に保持することができるホルダーで、ライトを2本取り付けられたり、アクションカメラやシマノの電動式変速「Di2」のジャンクションなども取り付けられます。
Type19にはサイクルコンピューターのメーカーによって複数のものが用意されていますので、まずサイクルコンピューターのメーカーに合ったものを選択してください。
そこからハンドルに取り付けるアームを1本か2本で選び、ハンドルからのせり出し具合などを加味して選んでください。
ちなみにメーカーは「両持ちナロータイプ」がおすすめのようです。
また別途ライト用の取り付けアダプターが必要ですが、これもライトメーカーごとに専用のものや今回テーマとした汎用ライト用のものもありますので間違えないように注意してください。
自転車のライトホルダーを上手く活用して少しでも明るいライトを装着する
今回は自転車にライトを取り付けるお話をしましたが、いずれにせよ走行中に自分の視界を明るく照らすことが最優先です。
そのために最善の取り付け場所を考える必要がありますし、それに合うホルダーを選ばなくてはなりません。
また、ホルダーに最低限求められるのはライトの固定力と脱着のしやすさですので、そこを意識して選ぶようにしてください。