自転車の鍵はワイヤーロックだけで大丈夫?掛け方が重要!

ロックが標準装備されていない自転車に、鍵を掛けるために多くの方が使用しているのが「ワイヤーロック」です。

ロックの先にワイヤーが付いていて車体に巻き付けておくわけですが、あの細いワイヤーで本当に大切な自転車が守れるのか気になるところです。

そこで今回は、鍵の掛け方やワイヤーロックの選び方などをお伝えし、ワイヤーロック以外のロックもご紹介します。

自転車の盗難はワイヤーロック1本では防ぎ切れない!

自転車の盗難は窃盗の中でも最も多く発生しており、減少傾向にあるとはいえ、いまだに被害届が出されているだけで年間20万件弱が認知されています。

中でもロードバイクは80%以上が施錠していたにもかかわらず盗難されており、自宅からも盗まれることが多いということから、犯人にとって格好の獲物になってしまっているという由々しき現実があります。

その80%以上の施錠状態での盗難のうち、約60%がワイヤーロックのみの使用であったというデータがあり、ロックを複数使う二重ロックでは15%までその確率が下がりますし、ワイヤーロック以外を使用していた場合の盗難も同じく15%ほどになります。

上記のデータは、ワイヤーロックは家庭にもあるような工具で簡単に切られてしまうこともあり、単独で使用するには心もとないと言われるわけですが、まさにその通りの結果になってしまっています。

そのため後ほど詳しくお伝えしますが、ワイヤーロックなら最低でも2個以上は付ける、そしてできるならば他のロックとの併用が望ましいと言えます。

自転車のワイヤーロックは掛け方が重要!

ロードバイクなどのスポーツサイクルは何より軽さを求められますし、長距離を乗ることも多いため、その際に軽くてかさばらず携帯に便利なワイヤーロックが好まれるのは仕方ないところです。

しかし、こういったことを優先してしまうと前項でお伝えしたように防犯対策としては心もとなくなるため、鍵の掛け方も考える必要があります。

そこでまずワイヤーロックの選び方をお伝えする前に、スポーツサイクルの鍵の掛け方についてお話ししておきましょう。

●地球ロック

ワイヤーロックを柱や樹木に括り付ける方法で、犯人はワイヤーを切断しなければ自転車を持ち去れません。

前提として切られにくいワイヤーロックにしなければなりませんが、犯人に盗難にひと手間掛かると思わせる抑止力にもなります。

ただし街中のガードレールや樹木は公共物ですし、歩道への自転車の放置は禁止行為ですので、駐輪場や自転車を停めるためのスペースで行ってください。

自転車のワイヤーロックの掛け方のコツ

前項に引き続き、自転車の鍵の掛け方についてお伝えします。

●高い位置でロックする

切断をする際にロックが地面に近いと、カッターの片方を地面に押し付け足で踏むことができるので、力が入ってより簡単に切断できてしまいます。

そのためロックはなるべく地面から離れた位置に取り付け、伸ばしても地面に付かないように巻き付けるべきです。

●パーツもロック

スポーツサイクルはホイールやサドルも高額なものが多く転売しても十分利益になります。

また比較的簡単に外すことができるため、単体で盗難されることも少なくありません。

そのため、ワイヤーロックを取りつける際はサドルやホイールにもワイヤーを通してフレームに括り付けるのが基本です。

●複数箇所をロック

先ほどお伝えしたように、ワイヤーロックは1本では心もとなく、盗難に合う可能性が高いです。

そのため、複数でロックをすることが必要とされますが、同じものでロックしても1つ破られれば、同じ要領で破られてしまうため別種類のロックで鍵をすることが大切です。

自転車用ロックの選び方

ここまで自転車、特にロックが後付けになるスポーツサイクルの鍵の掛け方をお伝えしてきましたが、ここからはロックの選び方についてお伝えします。

自転車のロックは、以下3つのポイントが重要です。

●ロックが頑丈であること

●犯人に切断や破壊が困難で、盗難に時間が掛かると思わせるようなもの

●2つ以上用意する

まずロック自体が頑丈でなければ、何ヶ所に鍵を掛けたとしても簡単に破られてしまいますので、ワイヤーロックならワイヤーが太い物や刃物が入りにくい加工がしてあるものなどが推奨されます。

また、ワイヤーカッターなどはシフトやブレーキワイヤーを自力で交換することの多いロードバイク乗りなら持っている工具ですし、家庭用のニッパーでも切れてしまうようなワイヤーでは何の抑止力ににもならず、格好のターゲットにされるだけです。

そのため、ごつくて太いワイヤーやチェーンを使用しているものや、太いU字ロックなど、特殊な工具で大きな音も出て、切断するために大きなアクションを必要とするような、犯人が敬遠する可能性のあるロックが必要です。

そして、大事なことなので何度もお伝えしますが、防犯効果を高めるためには別種類のもので、複数箇所に鍵を掛けることが重要ですから最初から複数のロックを用意してください。

切断されにくいワイヤーロックとU字ロック

それではここから自転車の中でもスポーツサイクルにおすすめのロックをご紹介します。

【Kryptonite(クリプトナイト):Kryptoflex 1218 Combo Cable Lock(クリプトフレックス 1218 コンボケーブルロック)LKW18500】

アメリカの老舗セキュリティロックメーカー「クリプトナイト」のワイヤーケーブルは、しっかりと編み込まれているため切断されにくい構造になっています。

その分少し取り回しが硬めですが、こちらはワイヤーの長さが180cmありますので地球ロックやパーツを通しての多点ロックも十分可能です。

オープン価格ですが通販サイトで4,000円前後というところです。

【Kryptonite(クリプトナイト):Evolution Mini-7(エボリューションミニ7) U字ロック&120cmフレックスケーブル】

U字ロックはロックの先にU字型のパイプが付いたもので、オートバイの鍵としても有名です。

こちらは内側の幅が少し狭いため太いポールなどには掛けにくいかもしれませんが、その分ワイヤーケーブルが付属していますので、複数箇所をしっかりロックするにはもってこいです。

そして、パイプに非常に頑丈な素材が使用されていることでも有名でそれが広く知れ渡っているために、犯人が避ける可能性が高いとも言われています。

最強クラスの自転車用ロック!

前項に引き続き、おすすめの自転車用ロックをご紹介します。

【ABUS(アブス):Granit City ChainX-Plus 1060(グラニットシティチェーンXプラス1060)】

ドイツのアブスはヨーロッパでは最大のシェアがあるセキュリティロックブランドで、自転車用でもいくつもの堅強なロックを製造しています。

こちらはチェーンロックの最高グレードになり、10mmの極太六角チェーンはただただ見た目の威圧感で圧倒でき抑止力効果は最強クラスのため、ワイヤーロックとの併用に是非おすすめしたいです。

鍵はシリンダータイプでピッキングにも強くシリアルナンバーが付いていますので、紛失した際にも再作成が可能です。

長さは85cm、110cm、170cmがあり、いずれも2万円を超えてきますし、重量も2kg以上ありますが、ABUS最高のセキュリティレベルを誇るため、正しくロックを使用していても盗難された場合には見舞金が最大12万円支払われます。

一概には言えませんが、高級なロードバイクなどは、このくらいのセキュリティレベルで守らなければならないとうことかもしれません。

犯人に破れないロックと思わせることが重要!

自転車のロックは当然ながら簡単に破られないことが前提ですが、犯人に「破れない」と思わせることはもっと重要です。

その意味ではワイヤーロック1本ではいかにも心もとありませんので、複数箇所にロックを取り付けることが推奨されます。

また、なるべく頑丈で堅強なロックを使用することも犯罪の抑止力になりますので、見た目にもこだわって選択してください。