クロスバイクのブレーキの音なり問題

こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
クロスバイクのブレーキの音なり、止まる時にキーキー鳴くやつですね。
あれって何とかならないものか?と。そんな質問をもらいました。

ええ、何とかなりますよ。
今回はブレーキの音なり問題についてみていきましょう。

クロスバイクのブレーキの音なりはトーインで①

クロスバイクのブレーキの音なり、ブレーキするとキーキー鳴って恥ずかしい、という問題を抱えている方は少なからずいるでしょう。

分かります。
街中でキーキー鳴ると恥ずかしいですよね。

とりあえず、結論からですが。
その問題は自転車屋さんに持って行けば、基本的にはすぐに直ります。

まず、ゴミなどがブレーキシュー(ブレーキのゴム)に入っていないか確認します。
問題ない場合は、トーインを付けると自転車用語では言うのですが、だいたいはそれで直ります。

それで直らない場合は、逆トーインというのを付ければ、ほぼ解決します。
ブレーキシュー(ブレーキのゴム)が減っている場合は、交換が必要な場合もあります。

古い自転車の場合、ホイールのリムが削れていて直せないという場合も、たまにありますが、基本的にはトーインで解決する場合が多いです。

クロスバイクのブレーキの音なりはトーインで②

「トーインって何なのさ?!」
そうですね、ひと口に言うと、ブレーキの位置をほんの少しズラすということです。
そうすることで、ブレーキの制動力が少し落ちてしまう場合もありますが、音なりはかなりの高確率で直ります。

ただ、クロスバイクのブレーキの音なり問題は、ある程度は仕方がないということを先に説明しておきましょう。

最終的には音なりを消すか、制動力を落とすかという選択になります。
トーインを付ければ音なりは消えますが、制動力はいくらか落ちる場合も多いです。

ブレーキの原理としては、ホイールの運動エネルギーを摩擦の熱、音などのエネルギーに変えることで、速度が落ちて止まります。
ですから、いくらか音が出るのは、仕方がないことでもあります。

音を消すというのは、吸収する運動エネルギーをいくらか減らすということでもあります。

ブレーキの音なり解決のトーインって何?

トーインとは、トーはTOE、つま先ですね。
これを
IN
、内側にしてやることです。

クロスバイクのブレーキゴムの取り付け角度を、内股気味にしてやるというと分かりやすいでしょうか。

ブレーキは当然ですが、ホイールに対して平行に当ててやるのが最も効きます。
これをズラしてやるわけです。

しかし、ホイールは回転していますので、ブレーキのゴムはグイッと引っ張られて変形します。
トーインを付けていると、ちょうどグイッと引っ張られたときに、ホイールに平行に当たるようになります。

ですから、トーインは、ほんの少しだけ付けてやる方が、効きが良いという考え方もあります。

しかし、これを少しばかり極端に付けてやりますと、ストップするための力が減ります。

逆を言えば、音に変換するほど運動エネルギーを奪えないというわけで、音なりの軽減につながる、というのがトーインで音鳴りが消える原理です。

逆トーインは、まさしく逆です。
ガニ股のように前側を開いてやります。
制動力は落ちてしまいますが、音鳴りが消えるという原理です。

簡単な原理としては、そういう話です。

どうしても音なりが消えないときはシュー交換

そうは言っても、音が消えないのも、制動力が落ちるのも困るという人もいるでしょう。
そういう場合は、クロスバイクのブレーキシューを交換することをお勧めします。


これは、元々鳴らなかったのに、ある日、突然に音なりし始めたという人には特に有効です。

ブレーキシューの表面が摩擦熱でつるつるになってしまい、音鳴りの原因になっている場合もあります。
そういう場合でも、やはり一番確実なのは、シュー交換です。

あまり確実ではないですが、少々ブレーキシューの表面を削ってやるというのもアリです。
紙やすりなどでゴシゴシ削ってやって、つるつるじゃなくしてやれば良いわけです。

目に見えないほどの凸凹を造ってやるんですね。
ただ、それでも上手く音が消えないこともあります。
別に原因がある、もしくは削っても解決しないほどに、ブレーキシューに問題がある場合です。

あるいはホイールのリム側、ブレーキが当たる受け手の方に問題があるということもあります。

ブレーキの受け手、ホイール側も

アルミリムの場合には、ホイールを掃除するためのクリーナーがあります。
原理としては、砂消しと同じですね。

最近は砂消しって、文房具屋さんでもあまり見なくなりましたが、今でも存在しているんでしょうかね。

砂消しとは、砂消しゴムの略だと思います。
文房具ライターではないので、詳しくは分かりませんが、紙の表面を削り取って文字を消すというものです。
砂のようなもの、研磨剤が含まれていて、それが紙の表面を削り取るんですね。


ホイールのクリーナーも、同じ原理です。

日本で手に入りやすい有名な製品だと、MAVIC(マビック)から出ているものがあります。
当然、MAVICのホイールはこすってもらって大丈夫です。
本当につるつるピカピカになります。(ただしエグザリット加工のホイールはやめてくださいね)


他メーカーのホイールにはどうなのか?
公式には不明であるといいますが、基本的にはアルミリムは、昔からさほど大きく変わらない構造ですので、問題ないでしょう。


もちろん、アルミリムでもフルクラムのレーゼロナイトなど、特殊コーティングされているホイールには使わないでください。

ホイール側のブレーキ面を整えると、素晴らしくブレーキが効くようになる場合もあります。
逆に、効きすぎて音がなることも時々あります。
少し使っている内に、なじむ場合が多いです。

クロスバイクじゃなくてマウンテンバイクにも

ブレーキの音なりといえば、マウンテンバイクに採用されているディスクブレーキです。
音なり問題はいくら語っても尽きない問題ですが、ブレーキの音なりに限定すれば、クロスバイクの
V
ブレーキと、マウンテンのディスクブレーキでしょう。

いずれも、ある程度までは仕方のない音です。
特にディスクブレーキについては、ある程度あきらめざるを得ないほどに、音なりの問題は付きまといます。

ディスクブレーキが良い点のひとつは、パッド交換はもちろん可能ですし、ブレーキの受け手であるディスクローターも、比較的簡単に交換可能という点でしょう。
ただ、それにしたってよく鳴くシステムです。

自転車に載せられるディスクシステムは、あの薄いディスクローターじゃないといけないというのが、原因なのは分かるにしても。
まあ、なかなかツライ問題です。
ローター、パッド両方変えれば、ほとんどの音なりは解決します。

裏技ですが、ブレーキローターを紙やすりでこするという技もあります。
もちろん、この裏技は、ブレーキローターの新品を取り寄せるかどうかという、瀬戸際になってからすべきですが。
駄目にしてしまうリスク覚悟でする裏技です。

考え方としては、先ほどのMAVICのブレーキクリーナーでホイールのリムをこするのと同じです。
ブレーキ面に凹凸を付けてやるんですね。

もうひとつ、パットとキャリパー間の音なりもありますが、これは専用のグリスを塗布することで解決します。

また、ディスクブレーキの場合、キーキー音よりも、シャリシャリ音が気になる人もいるでしょう。
これに関しては、ディスクローターの歪みの場合と、ブレーキキャリパーの取り付け位置の力がズレている場合がほとんどです。
キャリパー内の故障の場合は諦めて、フルセットで交換という場合もありますが。

とにかく、ブレーキシステムの音なりとは、ブレーキパッド、その受け手、またそれを支える部品の調整がズレているという場合がほとんどです。

ブレーキの寿命、ホイールの寿命

クロスバイクのブレーキシステムの音なりは、以下の3点が肝になるという話をしてきました。

・ブレーキパッドの不具合

・その取り付け方。ズレ
・受け手(ホイールリム、ディスクローター)の不具合

それ以外の可能性もありますが、基本的には、パッドと受け手の問題です。

パッドは消耗品、ある程度使えば交換するものというのは、割と誰でも理解できる問題です。
しかし、意外と知らない人も多いのが、受け手であるホイールのリムも消耗部品であるということです。

ホイールは、日々のブレーキングで少しずつ削られていきます。
これは、チェーンとカセットスプロケット、チェーンリングの関係に似ています。

早く消耗するのはチェーンです。
チェーンは、定期的な交換が必要です。

チェーンを数回交換すれば、カセットスプロケットも交換が必要です。
また、フロントのチェーンリングもカセットスプロケットよりは長寿ですが、やはり削れてきますので、交換が必要です。

ホイールの寿命というのは、ひと口に語れません。
ホイールシステムは、リム・ハブ・スポークの3点で構成されています。

いずれかの寿命がきた時には、他の2点も寿命に近くなっている可能性が高いです。
事故などの外的要因で、スポークだけ駄目になったという場合は、スポークの交換は有効です。

また、スポークに関していえば、他のふたつの構成要素より寿命は短い傾向にありますので、スポーク交換は有効な場合も多いでしょう。
しかし、リムの交換が必要な場合には、他のふたつのパーツにも、それなりの負担が蓄積している可能性が高いです。

ブレーキ本体の寿命もあるんです

同様に、ブレーキ本体にも寿命があります。
ブレーキの中には、小さいベアリングシステムが入っているものもあります。
ベアリングは削れます。

ですから、ブレーキ本体にもいずれ寿命が訪れます。

乗り始めて3年程度の場合、特にきつい風雨、海風による錆の浸食などがある場合には、そういったパーツの交換が必要な場合もあります。
それを防ぐためには、こまめなメンテナンスが大事になります。

ブレーキ本体のメンテナンスについては、あまり大きく書かれることは少ないです。
というのも、ブレーキ本体で注油した方が良い場所もありますが、それ以上に、絶対注油してはいけない場所があるからですね。

ブレーキ面には、一切の油は禁止です。

そして、過剰な注油は埃を呼び込み、部品の劣化を早めることにもつながります。
ですから、下手なメンテナンスをして壊すよりは、メンテナンスせずに壊れるまで使う方が、安全という背景があります。

難しいメンテナンスをせずとも、ブレーキに限らず、水分はしっかり拭き取り、特に内側に水を入れないように気を遣うこと。
埃、ゴミの拭き取り。

これはとても大事です。
意外と簡単なことですが、ほとんどのパーツの寿命を長くするために重要なメンテナンスです。

ブレーキ本体への注油については、構造を理解したうえで、適切な粘度の油をさせるなら、してあげても良いでしょう。
ただ、無理してする必要はないです。

クロスバイクのブレーキの音なりの話から、部品の話になりましたが、今回は以上です。

まとめ「自転車のブレーキも消耗品ということ」

クロスバイクのブレーキの音なりの話から始まり、様々な部品が消耗品だという話をしてきました。
これはママチャリでも同じです。
ですから、いくらか乗れば買い替えも必要になります。

しかし、自分の好きな愛車をできるだけ長く使い続けたいというのは、誰しも思うところでしょう。
小さい部品を早めに交換することは、フレームなどの大きな部品を守ることにもつながります。

小さい部品が身代わりになって消耗してくれます。
こまめに自転車屋さんに行って、点検を受け、メンテナンスをすることは、とても良いことです。